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第28話 久しぶりの運動

「ねぇ、あの人誰?」

「・・・ティンクって名前で、兄貴の彼女。今は別れたかもしんないけど」

「・・・ふぅん」


彼女とか別れたとかいう言葉の意味がわかったのかわかってないのか、マゼンダは納得したようにため息をつく。


「兄貴にそりゃもう惚れこんでて、兄貴の前で隠してるかどうか知らないけど凄い性格が悪いんだ。

見てればわかるよな。ずいぶんな性格でな、俺を虐めるのが大好きなんだ」

「へー・・・」

「よく泣かされたもんだよ」


何を考えているのか知らないけど、ティンクはやたら俺を虐めてきた。


俺が半泣きにでもなればそりゃもう楽しそうに狂ったように笑っていた。


数々の嫌がらせを思い出し、思わず大きなため息をつく。



ため息をつくと幸せが逃げるっていうけど、俺の場合身の回りの人間全員が俺を不幸にさせるんだよな。


「ま、例外もいるけど」


俺は大きく膨れ上がった買い物袋を、口を開けて眺めるマゼンダを見て笑った。



重い荷物をなんとか家まで運んだ。


「あー、久しぶりに運動したー」

「運動っていうの?こんなの」


ぜぇぜぇ言う俺に対して、マゼンダはケロリとしていた。


「ずいぶん元気だな・・・あー、疲れた!」


台所に荷物を置くと、俺は床に寝転がった。


そんな俺を見てマゼンダが笑い出す。


マゼンダも台所に荷物を置いた。


「・・・ねぇ これ、なんで濡れてるの?」


マゼンダが俺に見せたのは溶け始めたアイスだった。


「うわ!!冷凍物があったんだった!」


俺はマゼンダの手からアイスを奪うと慌てて冷蔵庫の冷凍室に入れた。


「れいとうもの?」

「うん。こういうのって溶けるから面倒なんだよなー食べるには楽なんだけど」


俺は仕方なく荷物を整理することにした。


とりあえず今から食べようと思うトマトとか魚なんかは出したままで、冷凍物や豆腐を冷蔵庫に入れた。


マゼンダは冷蔵庫には無関心で、俺の机の椅子に座って俺の作業を眺めていた。


俺なんかより元気なのに手伝う気はゼロか・・・


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