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第14話 恋愛音痴とマゼンダ

返事ができず、ただ狼を睨みつける。


「・・・まぁいいよ」


狼は呆れたように言った。


それから俺を睨みつける。


「言っとくけど、中途半端なことして泣かすのは勘弁してくれよ!」


狼はそういうと走って店を出て行った。


まさかマゼンダのところへ行くのかと思って俺も走ろうとすると急に狼が足を止めて振り返った。


「しばらくは様子だけ見てるよ!手出しはしない!」


ほっとして俺も足を止めるとすぐに狼は走り出した。


狼の後姿をただ眺めているとクロウが俺の肩をつかむ。


「何だあれ?赤ずきんとか一生とか・・・なんなの?」

「や・・・そのうち説明する・・・」

「今じゃなきゃ駄目」

「はぁ!?だって・・・」

「今!!」


俺は仕方なく説明した。


マゼンダに聞かされただけの話だし、あまり信じてなかったせいかあやふやだった。


どこから話せばいいのかもよくわからなかった。


何度かつかえたものの、一応最後まで説明することができた。


「でもさ、もう信じるしかないよね」

「まぁ・・・な」


母さんの話を聞いた時点で信じてはいたけど・・・


でもやっぱりそんなことがあるんだろうか?


「で、ブルースはどうするの?一生あの子といれる?」

「そんなことわかんねーよ!」


思わず吠えるように怒鳴るとクロウは苦笑した。


「相変わらず恋愛音痴だね。」

「相変わらずじゃねぇ!」

「だってさ、女の子に告白されたり告白したりしても絶対に上手くいかなかったじゃん」


あぁ、コイツに言われると凄く腹が立つ・・・


「それはお前がちょっかい出してきたり兄貴がちょっかい出したりしたからだ!!」

「あ、そうだね。どの子もほとんど俺とお兄さんがもらってたかも」


俺はイライラに耐え切れず、楽しそうに笑うクロウに背を向けて歩き出した。


早歩きの俺をクロウが慌てたように追いかけてくるのがわかった。


悪かったな!恋愛音痴で!


恋愛なんて音痴でも困らないさ!


俺は仕事一筋ってことにしとけばいいんだ!


ふと、マゼンダの顔が浮かんだ。


それからすぐに頭を横に何度も振った。


違う違う違う!!


マゼンダはそういうのじゃない!!


第一、マゼンダを好きになってつきあうとするぞ!?結婚とかはどうなる!子供は!?老後は!?墓は!?


この世界の人間じゃないマゼンダに籍とかはあるのか!?


ないに決まってる!


「って・・・あれ?」


俺は独り言のようにつぶやいて足を止めた。


クロウもすぐ後ろで足を止める。



じゃあどうして母さんは父さんと結婚できたんだ?


俺は大きくため息をついた。


馬鹿か?俺は。


そうなるかわからないのにどうしてこんなにイラつくんだ?


俺はマゼンダのことなんて、好きじゃないはずだろう?


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