第10話
「失礼します。父上」
「入れ」
部屋に入るとまさしく王族の椅子!!!
と叫びたくなる椅子に座っていた。
「キアン。その娘はなんだ」
ぎろりと国王の目が私を捕える。
おぉう・・・。怖い・・・。
思わず視線をそらしてしまった。
「・・・この者はニッポンと言う国から来ましたニッポン国の王女です!施政の勉強に来たそうです」
って!!おいおい。その設定をそのまま使いまわすってどうよ!!
多少間違ってはいないけど、この世界にはない国だろう!!
「キアン。そのような国は我が世界にはない」
ほらみろ!国王様はなんでもお見通しだ!
「・・・・申し訳ありません。実は、異世界から来た娘の様です。私もなぜここへ来たのかは全く解りません」
最初から、素直にそういっとけよ・・・・。
「異世界から?娘。名はなんという?」
「・・・は!!え?・・・名?あぁ!名前ね!西・・・ユキノ ニシノと申します」
「ユキノ ニシノとな?ふむ・・・・・」
国王は名前を聞くと顎に手を当てて何かを考えた。
「・・・・そなたの母はサチではないか?」
「え?母?母はミチヨですけど・・・・・。ん?サチ?幸はばあちゃんの名前だわ」
「・・・ばあちゃんとは祖母の事か?」
「はい。そうです。祖母はサチ ニシノと言います。昔はサチ ナガノでしたけど・・・」
「何!?サチ ナガノ!!・・・やはりそうか!そなたはサチの孫か!!」
え!?なになに?ばあちゃんを知ってるの?
「あ、あのぉ・・・・祖母をご存知なんですか?」
「うむ。サチは私の初恋だ」
ポッと頬を赤らめる国王。
って、ばあちゃんが初恋って国王一体何歳なのよ!!
「・・・失礼ですが、国王様は今一体お幾つでいらっしゃいますか?」
「私か?私は今年で102歳じゃ!!」
えぇ!!102って・・・・・微妙だな。
うん。なんとなく微妙だよ。
「・・・・魔法使いとかってもっと長生きなのかと・・・・」
ぶつぶつと思っている事がまた口に出ていたらしい。
「ふむ。この国の平均寿命は180歳じゃ。サチの国では60が平均だと聞いたが?」
「あぁ・・・ばあちゃんの頃だとそうかもしれませんが、今は普通に80以上生きてますよご老人は」
「何!?では、もしかしてまだサチも生きておるのか?」
「ばあちゃんも今年88だって言うのにまだピンピンしてますよ・・・・」
本当に、早く結婚しろとうるさい。
「そうか!元気にやっておるか!うむ。いい事だ!!懐かしい」
国王は本当に嬉しそうに笑った。