表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

ヒーロー戦隊の悪役の気持ちが分かる気がする

 二人でヤマタノオロチに挑戦とかムリゲーな件について。


『アジャパアアア!!』

 ヤマタノオロチは暴れ回る!!


「「無理だああああ!!」」

 無理だよっ! 戦いのトーシロがヤマタノオロチに挑むなんてムリゲーだよ!


「もうやるしかないのよ!」

 泣き言を言っても仕方ない。とにかく奴を倒す!

「エクス、カリヴァー!!」

「ゲイボルグ!!」

 南雲姉弟の攻撃っ!!


『アジャアアア!!』

 ヤマタノオロチのリキシ首を倒した!


「これで相手は七体だっ!」

「この調子で行くよ!」

 首を一つ倒したことでこちらの志気があがる。八体いるが、実のところ首単体ではそこまでキツイということはなさそうだ。


「でりゃあああ!!」

『ウェィヒヒッ!!』


「貫け!」

『デエエ』


「「ナグモ・ストリーム・アタック!」」

『帰りますね~』


 順調にクビを倒していき、相手の戦力を減らしていく。


「イケるよ! こう君!」

「うん! 姉さんも油断すんじゃないよ!」

 南雲姉弟の連携も強まり、最初に感じた絶望なんてなんのその、ヤマタノオロチがむしろコチラに怯えているぐらいだ。


「「行けえええ!!」」

 もう何も恐くない――



『かーらーの!』



 ヤマタノオロチ(もはやシマタノオロチ)は尻尾を上げたと思うと、


『アジャアジャアジャアジャ!』

『デエエ』

『詰めますねー』

『ウェィヒヒッ!!』

 クビが再生しました。


「「なんでやねええええん!!」」

「狡くね? こちとらホ○ミすら無いのにザオ○クとか狡くね?」

「また一からなの……?」

 絶望は、再び。どうあがいても、絶望。



――



『と見せかけて!』



『まだまだあるよ!』



『やめてよね』



 何回やっても何回やってもクビが復活してしまう。何処かのクビが司令塔になっていて、ラヴ○スみたいにそこを叩かなきゃダメだと思い、一通りのクビを切っても、パナイ再生能力で、しぶとく復活してしまう。


「なんでまた復活するんだよ!」

「本体は別のところにあるの?」

 古事記によると、スサノオは酒に酔ったヤマタノオロチを切って、尻尾を切ったら草薙の剣が……。


「姉さん! コイツの弱点が分かったよ!」

「ホント!?」

 そうだ、コイツの再生能力の正体は……。


「姉さん、カクカクシカジカ」

「ゴメン。全く分かんない」

「だからあーしてこうして……」

「ウッウーウマウマってわけね」


 違う気がするけど、まあ伝わったんならそれで良しっ!



――



「ヤマタノオロチ! 僕が相手だ!」

 槍で切りつけながら奴らの注目を集める。クビが八つあるんだ。全部を引き付けなきゃいけない。


『グワガラゴッシャアアアン!!』

 筆舌にしがたい雄叫びをあげ、コチラを攻めてくる!


「こっちだよ!!」

 ヤマタノオロチは八つのクビを器用に操り、怒涛の攻撃を仕掛ける。よし、この調子で……。


「姉さん、今だ!!」


『!?』


「オーケー、覚悟なさいっ!!エクスゥ、カリヴァアアア!!」

 気付いた時にはもう遅い。姉さんはヤマタノオロチの尻尾を切りつける。堅かったのか剣が崩れてしまうが、

「念願のクサナギソードを手に入れたわ!!」

 草薙の剣を手に入れ、勢いよくクビを切りつける!


「順番が逆になっちゃったけど、スサノオスラッシュ!!」

 独特なネーミングセンスとともに、八つのクビを切り落とす!


『アジャアアアアアア!!』


 ヤマタノオロチは消滅して、変わりにメダルのようなものが落ちていた。


「これが風の紋章? 思ってたのと違うね」

「確かに。200円のガチャガチャで手に入りそうだもんね」

 神聖なアイテムのはずが散々な言われようだ。


「でもさ、風の紋章を無事ゲットしたことだし、さっきからラディツキーが鳴りやまないからレベルも上がったってことで」

「一件落着だね」


 風の紋章、ゲットだぜ!!



――



「さて、どうしようかな?」

「とりあえず、魔法については知りたいね」

 ニィの町で身仕度や休憩、後教会でお祈りという名のセーブをした僕らは、北にある水の紋章を手に入れる前に魔法について調べようということになった。ヤマタノオロチはなんとかなったが、これからはなんとかならない敵が増えてくるだろう。そうなる前に、魔法があるなら使えるようになりたいのだ。


「学者のおじいさんなら分かるかも」

 冥界への扉の開け方を教えてくれた学者を思い浮かべる。あの人なら魔法についても詳しいかもしれない。


「サクサクしたかったんだけどな……、仕方ない。城下街に戻ろうか」

「そうだね」

 僕らは城下街に戻ることにしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ