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2-1【遭遇】

どうも、串焼きの神エマです。


いや、結構冗談抜きで串焼きの神だと思うんだよね。あれからも何度も串焼きをしたんだけど、どれも火加減は完璧だった。失敗をしたことがない。結構マジで天才かもしれん。あの、ゆで卵すら火加減を間違えて温泉卵にした私が、だ。今世?は親も神みたいだし、いや、これはもうどう考えても串焼きの神でしょ!!


《ェーマァー!ピュアピュァ》

《ムイムイムー》

《キュイキュィイ!》

《ミュウミュミュウ》


これは妖精さん達にも大好評で、みんな美味しそうに食べてくれる。可愛い。相変わらず妖精さんが何言ってるかは分からないし、なんなら個体差の見分けもイマイチついてないんだけど、串焼きをするようになってから体感私の周りに来る妖精さんが増えた気がする。


そんなこんなで妖精さん達と串焼きパーティーの日々を過ごして、それなりに毎日楽しく暮らしていたんだけど、困ったことが1つだけあった。それは……


「うわーん、またまよった!かえれないよぉ!」

 

それは超絶方向音痴な私がちゃんと拠点に帰れないことだ。これはこの身体になる前からの話で、地図も読めない子だった。生まれ育った地元……というか実家の近所でも迷子になりかけたといえば、私の方向音痴加減もお察しのことだろう。


そんな二十年近く住んでいた場所でさえ、迷子になるんだから、大した目印もない同じような景色が続く森の中で、拠点に戻れず迷子になることなんてもはや必然と言える。来た道辿って来てるはずなのに、全然違う場所に出るのなんで?私の拠点動いてる?


そんな私が拠点に帰れないなら、どうするか。簡単な話である。


「きょうから!!ここを!!きょてんとする!!」


大声で妖精さん達に宣言する。そう、帰れないなら新しく拠点を作れば良いんだよ!!!拠点と言ってもちょっと寝床を整えてあるだけだし、帰れなくたって新しく作れば問題ない。私はどこでだって焚き火が出来ちゃうからね!!雨風を凌げる柔らかい寝床さえ確保できればそれでいいもん!


拠点の近くでちょろちょろと遊んでいる時は妖精さん達が帰り道教えてくれるんだけど、今日みたいに楽しくなっちゃって遠くまで来てしまった時には拠点を新しくしていた。妖精さんにはそれぞれ管轄みたいなのがあるみたいで、拠点を変えるたびに周りの妖精さんも変わっているから、本当に妖精さんの見分けがつかない。


そうして拠点を転々としながらもすくすくと育っていったわけなんだけど、やっぱりなんだか成長速度えげつなく速い気がする。体感数年なのに身体は10代後半くらいになってるもん。でも、分かんない。日本で生きてる時も1年とか体感秒だったからな。あれ?この前新年迎えたばっかなのに、もう新年?みたいな。職場の先輩に年取るともっと早いよって言われて震えた記憶。


まぁ、この身体になってからちゃんと日にちを数えてないから、早いのは私の成長速度なのか、時の流れなのかは分からないけど。毎日妖精さん達と楽しく暮らしてきた。……むしろ、妖精さん達以外に会ってないぞ?


だとしたらもっと妖精さん達の言語を理解できてもよいのでは?と私も思うのだが残念ながらサッパリ理解できない。ジェスチャーとか声のトーンとかでかろうじてニュアンスを読み取れる程度だ。ワンチャンノリで鳴いてる可能性ある?


あぁ、でも一度だけ他の人……いや、神と出会ったことがある。あの時は本当にびっくりしたなぁ。


それは少し前……うーん、数ヶ月前とかかな?いつものように森の中で妖精さんと遊んでいた時のこと。突然近くの茂みがガサガサと揺れて、飛び上がるほど驚いた。いや、比喩ではなくリアル5センチは浮いてたと思う。


というのも私のそれまでの生活でガサガサなんて音がなることは無かったから。妖精さん達は草木を揺らしたりしないし、羽音もリィンって感じの高く澄んだ鈴のような音。時折風で葉っぱとかが揺れることはあっても、カサカサともっと軽い音。そして今更気づいたんだけど、ファンタジーの世界だけど、動物や魔物も見たことがなかった。本当に私の周りには妖精さんだけ。


だからこそ、今までに聞いたことのない草木を踏み分けるような音に、正直バチクソビビった。本当は脱兎の如く逃げ出したかったのだけれど、ビビり過ぎて腰が抜けてしまいそれは叶わなかった。私、よくここまで生きてこれたね???ヤバい怖すぎ!!こちとら妖精さんとキャッキャウフフして育った超絶ファンシーガールやぞ!!


「何者だ!!」


男の人の怒号のような言葉が聞こえる。それはこちらのセリフだが〜〜〜〜〜!?と思ったが、勿論言えるはずもない。情けなし!情けなし!何年ぶりかの自分以外が発する言葉に驚いて固まってしまうなんて!!なんと情けなし!!


草むらから現れたのは、青年と呼べるほどの年頃のなんかどっかの国の民族衣装みたいなのを着ている男性だった。というか、私と服装似てるね?


その時の私は、遠い記憶にある、ママンと父親以外のこの世界に来て初めての人間にとてつもない恐怖と感動を覚えてて、情緒千切れるんかと思った。すごい!!私以外に人がいる!!怖い!!!

/休みが終わる現実を受け入れられません/

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