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4-3【串焼】

見知らぬ美少女に飛びつかれる勢いで手を握られたらどうなるか。


「ヘスティア様!?」

「エッ!?!?!?!?アッ、エッ!?!!?!?!!?」


まぁ、当然こうなる。いや、そりゃこうなるでしょ!!普通にびっくりするよ!?これは絶対私がコミュ障とかそういう問題じゃないって!!あとなんかなんとか様って言ってた気がするけど、なんて???内心、パニック再びである。距離の詰め方エグすぎませんか〜???


「このペンダント……本当にヘスティア様なんですね……!!」

「えっと……いや、あの……えっ……?」


なんかめちゃくちゃ感激されてるんだけど、全然分からん!!なんならちょっと目に涙浮かべてるからね、ミサ(仮)。ここにグッピーがいたら死んでるぞ???ていうかまた言われたヘスティア……?なんかそれ最近どっかで聞いたような……?


「ヘスティア様、どうか世界をお救いください!クロノス様を止められるのは貴女様しかいないのです……!!」

「……は?????いや、えっ、なんて?????」


待っっっっっっっっっっって?なんか今とんでもない事言われなかったか???物凄い怒涛の勢いでなんか漫画の主人公にしか言われないようなセリフ言われてなかった???聞き間違い???聞き間違いだと言ってくれ。


「ですから、……っ!!」


ぐぅ〜〜〜〜〜〜


再びミサ(仮)が口を開こうとした時に再び響き渡る腹の虫の声。起きた瞬間エグい距離の詰め方されてすっかり忘れてたけど、この子そういえば腹ぺこで行き倒れてたのでは???アドレナリンでも出とったんか???身体は正直だね。


私にもバッチリ聞こえるくらいにお腹が鳴って、恥ずかしそうに頬を染めて黙り込むミサ(仮)。くそっ、美人は何しても美人だな。


「……とりえあえずご飯、食べます?」

「……はい」


……まぁ、腹が減っては戦はできぬと言うしね。一旦ご飯食べて落ち着こ?初対面の美少女にエグい距離の詰め方された上にとんでもないこと言われて、ちょっと私も処理落ちしそうだから。一旦今までのことは聞かなかったことにして、串焼きを差し出す。セカイスクウ?なにそれおいしいの???


「お口に合うか分からないけど……」

「ありがとう、ございます……」


おずおずと木の実の串焼きを受け取るミサ(仮)。ちなみに意外と串焼きで食べれるもののレパートリーは増えなかった。いや、私だって本当は魚とか肉とか肉とか肉とか!食べたいよ?


でも捌き方が分からない!!そもそも包丁とかないし、あったとしても、特に動物の解体なんて出来るはずもなく……やむを得ず私は菜食主義者になっていたのだ。現代のなんと有り難いことか……!!いくら食べ物に飽きたとはいえ、平和ボケした日本人、動物の殺生は無理だったよ……。


渡した串焼きを小さなお口でパクリと一口食べればミサのパッチリのアイスブルーの瞳が見開かれる。


「っ!!おいしい……!!」


そう言われて思わずガッツポーズを決める。っしゃー!美味しいいただきましたー!!私も妖精さん達ももう串焼きに慣れすぎてしまって、ミサ(仮)の反応が新鮮過ぎる。美味しいって言われるの嬉しいね。というか、妖精さん達以外に誰かに振る舞ったの初めてかも。


「やったー!さっすが私!串焼きの神!」

「え?」

「ん?」


美味しいと言われたことに喜んだら何故かきょとんとされた。解せぬ。褒められたらうれしいでしょうが!!私、そんな変なこと言ったか?


「えっと……聞き間違いでなければ、串焼きの神とおっしゃいました……?」

「え、はい、串焼き美味しかったでしょ?」


今度は私がきょとんとする番だった。いや、目を見開いて思わず言葉が漏れるほど美味しかったでしょ?やっぱり私天才じゃん?


「えーっと、あの、ヘスティア様は炉の神ですよね?」

「ろ?」

「えぇ……?」


わけもわからず首を傾げれば困惑したような様子のミサ(仮)。いや、こっちの方が困惑してるからね???ろ?あれ、なんか最近こんなやり取りしたような………


「あっ!おっさん!」

「え?」


さらにミサ(仮)を困らせてしまったが、これは仕方ない。ごめん、あまりのアハ体験に思わず声に出ちゃった。何のこっちゃっていう話ですよね。でも、ちょっと前に同じようなことを言ってきたおっさんがいたんです。だから私はその時と同じように答える。


「えっと……私、串焼きの神のエマなんですけど」

「……んんん???」


死ぬほど訳が分からないという顔をされてしまった。表情豊かだね。待って、なんか私達会話噛み合ってなくない???それは相手も流石に気づいたようで、何とも言えない微妙な顔をしている。


「えっと……?」

「どうやら私達の認識には齟齬がありそうですね」

「そう、ですね……?」


頷く私はさぞ間抜けな顔をしていることだろう。いや、マジで状況飲み込めなさすぎてヤバい。かつてこんなに手応えのない会話があっただろうか。


「えーっと、あなたは……?それにさっきから何度も言ってるヘスティアって……?」


ミサ(仮)が一瞬、頭痛が痛いみたいな顔をする。どうして。私はちゃんと誰何する前に名乗ったよ?と思ったけど、もはやそんな問題でもない気がする。だ、誰かー!!この状況を猿でも分かるように説明してくれー!!!


「言いたいことや聞きたいことは山程ありますが、自己紹介がまだでしたね。大変失礼いたしました。改めまして、私メーティスと申します。以後お見知りおきください」


私だって言いたいことも聞きたいことも山程あるが、一番に浮かんだのはたった一言。あなたの名前、ミサじゃないの!?!?!?


成人の皆さん、おめでとうございますe

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