ムサシ、提督に具申ス!!
真珠湾攻撃を阻止します
幾多の戦果を挙げ我が武藤中隊は内地に凱旋し、部隊を解散する事になった。
部下の坂井、岩本、西沢は手放さないけどね。
我が武藤一家は大村で13空から招集解除され、しばし休暇を与えられる。
休暇後、部下と共に鈴鹿空に赴任し、ヒヨコの面倒を見ながら次の戦場配備を待つと・・。
どうも米軍と激突必須だそうだ。
アメと闘うのは良いが、真珠湾は不味い。
私は横空に飛び海軍省で山本五十六提督に面談を取る。
「長官、武藤少佐です。聞いた話ですが米軍と衝突するそうですね?」
「ウム。貴官等には苦労をかけるが・・。」
「闘うのは構わないのですが、真珠湾は不味いですよ。敵さんを怒らせるだけの愚劣な作戦です。
我が艦隊航空隊の練度は世界一です。もっと部下を信じて下さい。
今の艦隊航空隊なら如何な強敵でもタイマンで叩き潰せます!!」
私はリメンバーパールハーバーと言いアメさんが激オコになる事を覚えてた。
真珠湾を破壊するよりは艦隊をおびき出し制空隊で敵戦闘隊を殲滅。
その後にじっくりと攻撃隊で敵艦を撃沈すれば良いのだ。
如何なアメリカでも深海に撃沈すれば引き上げるのは不可能。
「長官、もっと部下を信用して下さい。我が海軍航空隊は現状なら世界一です。」
「フム、そうかね??」
分かって無い・・。
前史でもそうだったが、提督は部下の技量を信じて無い。
「長官、私は・・・一回戦闘で戦死した人間です。」
武藤は山本に全てを話す事にした。
「私は下士官として常に前線で闘いました。そして終戦末期まで闘い、上官を庇い死にました。
長官の作戦でアメリカはリメンバーパールハーバーと怒り、一致団結してしまいます。
そして週刊潜水艦、月刊空母と言う感じで艦隊をガンガン作り、戦闘機も各種万単位で生産します。
アメリカを怒らせる作戦となる真珠湾奇襲は世紀の愚劣作戦です。
絶対に止めて下さい。我々パイロットを信じて正面激突して下さい。
必ず勝って見せます。」
山本は武藤のガッツに驚いてた。
単なる士官の戯言では無い気迫に・・。
「武藤少佐・・だったね。確か君は零戦の設計をひっくり返したと聞くが?」
「ええ、零戦も設計時のままでも充分に強い機でしたが、末期には敵の馬力に勝てなくなり、
最後は神風特攻隊と言う10死零生の作戦で爆弾を抱いて突っ込ませられます。
我等は死ぬのは怖くは無いですが、犬死にはしたく無いが本音。
死ぬなら悔いの無い死です。」
「・・・分かった。キミの・・いや、我が軍のパイロットを信じよう。
真珠湾攻撃は取りやめる。そして米軍艦隊と正面衝突しよう。」
「長官!!」
武藤の気持ちが通じたのか、山本五十六は真珠湾攻撃を取りやめ、米艦隊と中部太平洋で衝突する作戦を考案する事になる。
次回、開戦確定