ムサシ、ゼロで戦場に飛ぶ!!
正式に採用された零戦12型はオール三菱製と言う事で工場をフル稼働して量産してる。
実史では中島の栄エンジンで気合も無かったのだろう。
だが全て三菱となると工場も気合が入る。
余計な工程(機体フレームのパンチ穴)も無いので生産ラインもガンガン進む。
エンジンを製造する大幸工場(名古屋市大曽根)もフル稼働で製造。
ラインアウトした零戦は船で新設された鈴鹿海軍航空隊の三菱航空機に運ばれ最終チェック。
隣接する鈴鹿海軍工廠で機銃や照準器の装備後、各部隊に配備されるのだ。
前線で敵戦闘機に追いつけなくなって来た96に変わる新鋭機を艦隊や前線は待ち望んでいた。
配備が進み、数が貯まると部隊編成、実戦配備となる。
艦隊はまだ訓練だけだが、大陸では戦争が続き陸攻の被害が出始めてる。
機体が巨体化した零戦は燃料タンクも増加。
実史の増加タンクも装備され21型程では無いが、2500kmは硬いだろう。
ガダルカナル~ラバウルの往復は不可能だな・・。
だが堀越技師は・・。
主翼下に一個ずつタンクを装備で如何でしょう?と・・。
是非も無いのでお願いする。
代わりに爆弾は胴体下のみの装備。
これで前史の如く往復1000kmの行動半径を確保。
広大なシナ大陸でも陸攻に随伴可能となったのだ。
鈴鹿空、横空、鹿屋、大村に配備され艦隊にも続々配備された新鋭機は、
G少佐原案の原型機よりパイロットに好評。
空戦性能は確かに96には劣るが速度が100km以上もアップし、上昇性能も抜群。
なにより13粍機銃を4門装備した重装備にはパイロットは大喜び。
後に20粍がベルト給弾になるまで海軍機の標準となるのだ。
我々武藤分隊は横空で訓練し、充分に機を掌握。
大陸の12空と交代すべく出陣準備にかかる。
整備部隊は大量の増槽と銃弾。ハイオクガソリンと共に前線に進出。
整備部隊が到着したと言う無電を受けて我等は下川満兵中佐、武藤少佐の二個飛行隊。
48機が13空として前線に進出する事になる。>大陸での手柄で昇任しました。
部下は坂井、岩本、そして予科練を卒業したばかりの西澤廣吉をもらい受け進出。
後のトップエース全てが我が飛行隊に勢ぞろいしたのだ。
「諸君、我が武藤中隊に集まってくれてありがとう。
我が中隊は明日、大村を経由して大陸に渡り苦戦してる陸攻部隊を掩護する任務に就く。
我が新鋭機は紛れもなく世界一の戦闘機だ!!
イギリスのハリケーン、ドイツのメッサー、アメリカのグラマンも駆逐できると断言出来る。
だが奢るなかれ!!機を駆使する我等の技量が敵に劣れば食われるのが戦闘機の世界だ。
前線に着いたら機の点検は必ず自己で行え。
少しでも不安があれば整備員に聞け。地上では彼等の愛機になるのだ。
命令を下す。明日、0900に横空を離陸。
大村を経由し上海に向かう。
前線基地配備は上海で決定する。解散!!」
我が武藤中隊はワイワイ騒ぎながら指揮所を離れ愛機の点検に向かう。
明日に備え、機のチェックなのだ。
その夜は恒例の宴会も無く早めに就寝。
翌朝、出陣するのだ!!
滑走路に並ぶ新鋭機零戦12型の翼下には二個の増槽を装備。
全て溢れるまで注油済。
柴田大佐が飛行隊司令としてやはり零戦に搭乗し我等と同行。
>着任後、司令機は予備機兼連絡用となる。
柴田司令の元気な命令で我等は愛機に搭乗し轟音と共に離陸。
一路大村を目指し滑走開始。
東京湾上空で編隊を組み富士山を右手に見て大村を目指すのであった。
飛翔編でした。次回、大村を飛ばして戦闘編にします。