ムサシ、零戦にモノ申す!!
やっと実史と違う話になります。
昭和14年、暮れ。
数々の殊勲を立てた我が13空、武藤分隊は内地に帰国し大村で解散となった。
前史の如く下士官兵を輸送船で帰すなぞせず、全員が愛機で東シナ海を飛び帰国。
大村海軍航空廠に機を返納し、全員10日の凱旋休暇を与える。
しばらくは内地勤務なので少し早いが婚姻をしておこう。
前史で結婚してた嫁を貰い海軍省に届けをする。
愛娘と早く会いたいのだ・・。
前史では産声しか知らずに散ってしまった無念もあるし・・。
郷里に帰省し親父様や家族に凱旋の話をし、しばらく内地なので婚姻をしておきたいと言うと、
隣村の妙齢の女性を貰えと言う。
偶然にも前史の嫁だったので是非も無い。
10日しか無いので婚姻を海軍省に申請し許可の電文を受け取り早速写真のみの結婚式。
大村に嫁同伴で帰隊し同僚部下に冷やかされる。
帰隊後、次の赴任先が決定してた・・。
横須賀海軍航空隊審査部・・・。
そろそろ零戦の設計が終わり審査してた頃だ。
坂井と岩本を部下に貰い、新しい階級、大尉の階級で赴任。
嫁ももちろん同伴だ。
横空に赴任すると大空には黄色い12試艦上戦闘機が飛んでる。
まだ今なら間に合うな・・。
前史で零戦には散々乗ったので全てを理解してる。
まずは急降下性能や20粍を排除だ。
「武藤大尉です。横空審査部に赴任を命じられ只今着任しました。
部下の岩本、坂井も同伴です。」
審査部隊長の下川満兵少佐に申告し、早速12試のテストを命じられる。
まだスピンナーも無い二枚ペラだ。
詳しく聞くと振動が激しく機動性能も96に劣るため中々審査完了の印が押されないそうだ。
だが放置してると戦争が始まってしまう。
テストすると微妙な振動が発生し、運動性能も96に劣るがそれは仕方ない。
だが速度は260ノットしか出ない。
エンジンは瑞星で馬力も出ない。
私は三菱の堀越技師に面談し12試の欠点改良に苦言を入れる事にする。
「堀越技師ですか?私は審査部の武藤大尉です。
12試に乗って見ましたが、まず図体に対して馬力が足りないですよね?
中島の栄を載せると言う話も聞きますが、私は出来ればもっと馬力のあるエンジンを・・と思います。
私は大陸で戦闘を繰り返して来ました。
まず敵の機は今は性能も低いですが、パワーが出て来ましたので96では逃げられる場面も多くなります。
これから採用する新鋭機が96とあまり変わらないなら、96のままが良いです。
ですがそれでは欧米の新鋭機に見放され戦闘にならなくなります。
幸いにも審査は我等の意見が反映出来ると聞きますので、まずはエンジンを国内で調達出来る最大のを搭載出来ませんでしょうか?」
堀越技師は目を見開くと・・。
「武藤大尉、試作命令時には・・。」
「ええ、聞いております。翼面荷重まで指定され手足を縛られてる状態だったとも。
でも今は試作を離れ審査段階。
今なら堀越さんの考える新鋭機に出来ると思いませんか??」
私は彼に提案をする。
少し考えてた堀越だが・・。
「分かりました。武藤大尉の名を出しても宜しいのなら。」
「結構です。使えるならどんどん使って下さい。そして12試を長く使える戦闘機にして下さい。」
「分かりました。まだ試作エンジンですが金星と言う三菱自社のエンジンが完成寸前です。
ただ機首が太くなるので機首に機銃を搭載出来ません。」
「それなら・・。」
私は散々戦って来た米軍のグラマンなどの13粍機銃を二門ずつ搭載出来ないか?
そして同じ機銃なら重い20粍より破壊力は上がる。
前線で違う種類の弾丸を搭載するのは整備員の苦労が増加するが、同じ弾丸なら準備や整備も楽になる。
「なるほど・・。確かに前線で違う銃弾の装填は整備の手を煩わせますね。」
「ハイ、それと出来れば主翼の強度を上げ、大きく折りたためる様に設計出来ないでしょうか?
この機は艦載機です。主翼を折りたためれば搭載機数も倍近くまで上げれます。」
「・・金星を搭載すれば1500馬力は出ると聞きます。
早速12試を基準に設計変更し、大至急作って来ます。」
既に頭で計算し設計を始めてたのだろう。
二か月後には再度設計した新12試艦戦を横空に持ち込んだのだ。
次回、新鋭機飛ぶです。