迎撃戦闘機 雷電完成!!
あれから約二年。
帝國は敵艦隊が出現しない間にせっせと全艦隊を動員し、輸入を続けた。
輸送船より巨大な軍艦を遊ばせるくらいなら輸送船に使う方が税金の節約。
万一敵が来ても撃退可能と言う事で下は駆逐艦から上は戦艦空母と全艦隊が輸送船化したのだ。
軍艦を瀬戸内やドックで遊ばせるくらいならガンガン使うべきと連合艦隊司令長官に直訴したのは私です。
前世でも柱島艦隊、トラックで遊んでる戦艦などと揶揄されてた軍艦。
敵が少ない今こそ使うべき。
旧式化した軍艦も途上国なら主力艦にもなれるので売るべきと直訴。
輸入する重油や軽油、その他多数の希少鉱物を輸入するのは今だ!とね。
代金は旧式の武器兵器や余剰航空機。
旧式の武器とは言えまだまだ使える戦闘機、爆撃機、銃や軍艦から下した砲塔は
途上国に喜ばれ、補充の砲弾パーツも出荷してるので商売としても成り立ってた。
それまで輸送船などで細々としてしか輸入出来なかった希少鉱物や原油を当時規模で
数十年分を輸入出来たのは大きかった。
おかげで前史の米軍規模の軍備も生産可能な程の資源、原油を備蓄出来た・・。
予科練のパイロット育成も午前だけ飛行なぞとケチな事は言わず、朝から夜まで飛行訓練。
おかげで僅か一年でヒヨコをヒナ鷲にまで育成出来た。
飛行訓練は飛んでる時間こそが正義なのだ。
シナ戦線は講和が成立し、蒋介石が政権を取る。
>台湾は正式に日本国の県になる。
シナの講和で陸軍は戦線縮小で赤紙を廃止し、工場に招集解除になった元兵士が復帰。
全国の工場は出荷用の武器弾薬と並び新鋭艦、新鋭戦闘機の開発、生産建造が続々と続いた。
武藤が中島に依頼した迎撃戦闘機も予定より半年早くラインアウトし、厚木に配備。
名前を雷電と名付けた。
「武藤少将、如何でしょうか?雷電は?」
「中島さん、想定外の性能ですね。レシプロ迎撃機としては究極でしょう。」
「ハイ、タービン装備で金星18気筒を究極までパワーアップ。
3000馬力を絞りだしております。水平速度は最高800km。
上昇限度は15000mです。
もちろん防弾装備、並びに気密室装備です。
ミサイル搭載は構わないとの事でしたので30粍機銃弾を200発搭載でお許しを。
機動性は求めてられなかったので普通の戦闘機(P40並)に抑えました。
着陸時はフラップとストラットでかなり抑える事が可能です。」
「充分です。新鋭の武器は何かと失敗が多いのが現実。
新鋭武器や戦闘機は平和な時代に時間をかけて、戦時には今すぐ使える武器に限ります。」
「・・武藤少将、お恥ずかしい話ですが・・・」
知久平は富嶽と言う高高度巨大爆撃機を構想してたと言う。
だが私との会談でスッパリと諦めたそうだ。
「戦時には戦時の・・ですよね。平時になってから考える事にしました。」
「そうですね。日本の国力では欧米並みの爆撃機は不可能です。
平時になってからジックリと開発して下さい。
今は戦時です。」
「了解です。」
厚木に配備された雷電を見て一番喜んだのが岩本だった。
「武藤少将、これぞ私の願ってた戦闘機です。
速度を究極まで追い詰め機動性もP40並でも充分です。」
「岩本、貴様に任せて良いか?貴様の思う通り迎撃戦闘部隊を構築セヨ。
これは海軍省からの正式命令だ!!また坂井、西澤、我が腹心として今後も着いて来てくれ。
貴官等を大尉に昇任させる。」
「「「キンちゃん少将!!死ぬまで着いて行きます!!」」」
武藤は終生の腹心を得たのだ!!
岩本の(リアル)理想の戦闘機はF4Uコルセアとも聞きます。
彼の得意技は一撃離脱戦法。>著書ではズーミング戦法と称してました。
雷電は一撃離脱の迎撃戦闘機として活躍します。




