ムサシ、硫黄島進出ス!
昭和17年、6月7日。
我が武藤大隊は勇躍、サイパン進出を命じられ館山基地より硫黄島を目指す事になった。
数機の陸攻が誘導任務に当たり、単座戦闘機を間違いなく硫黄島に誘導してくれるのだ。
前史と違い、硫黄島の滑走路は2000mに拡大されてて、陸攻でも着地可能となってる。
また膨大な輸送を行い、要塞化が進んでると聞く。
敵はサイパンを落とせば次は硫黄島なのは確実。
サイパン、トラック、硫黄島、沖縄は我が国の絶対国防圏なのだ。
今は米海軍が壊滅したので安全だが、潜水艦もそろそろ跋扈する時期。
中島航空機に依頼し、木製の対潜哨戒機を各島に配備し潜水艦狩りをしてると聞く。
彼等の任務は地味で退屈だが、我が国の生命線を守る大切な仕事。
毎日同じコースを飛行し、磁気探知機で海底を探り海図に書き込むのが主な仕事。
敵を発見したら・・爆雷を一発ずつ投下し徹底的に追い回すのだ。
後に我が国の守り神として陛下からも恩賜の煙草を授与される事になる世界初の対潜哨戒機、
東海の誕生でもあった。
零戦が金星エンジンになり余った栄エンジンを二基搭載。
巡行速度でなら4000kmも飛翔出来る名機となる。
中島航空機の傑作機の一つとなるのだ。
脱線したが、硫黄島である。
前史と違い広い基地滑走路なので誘導機の陸攻も一緒に降りれるのだ。
前史ならサイパンまで飛ばないといけなかったが。。
陸攻は大量の水を搭載しててタンクごと下ろしてた。
積載量ギリギリまで載せてたとか?
硫黄島は絶海の孤島で砂地なので水を貯めるには雨水か海水を沸騰するしか無い。
内地から飛んで来る便には真水を搭載するのが礼儀だそうで。
雨水で喉を潤してた兵士は久しぶりの内地の水に大喜び。
一人当たりコップ一杯の飲み水に歓喜してた。
補給が無い訳では無いが、南の孤島での最重要物品が真水と言うのを目の当たりに見た次第だ。
ラバウルや南方でもココまで真水に飢える事は無かったと思う。
我等は彼等に遠慮し、貯水タンクの水で喉を潤し、翌朝、次の目的地兼最終目標。
サイパンを目指すのであった。
サイパン進出の足掛かりに重要な島が硫黄島です。
さすがに零戦と言えどもサイパンまでは燃料が持たないです。




