ムサシ、凱旋ス!!
アメリカ太平洋艦隊殲滅セリ!!
ロイター通信を通して我が帝國は鮮明画像付きで世界に公開した。
陸奥や長門、そして大和武蔵などの戦艦を前面に出し、航空部隊は影に・・。
アメリカの膨大な国力で航空部隊を量産されたら貧乏国家の日本では太刀打ち出来ない。
だが戦艦なら・・・。
我が帝國は武藤の進言に従い、戦果を全て戦艦部隊に譲ったのだ。
最も陰で昇進や賞金賞与で猛者連に報いたけど。
「凄いね。我が帝國海軍は・・。ボクも海軍に入るんだ!!」
帝都を闊歩してると、年端も行かない少年が号外を宝物にして見てた。
彼等愛国少年が成人する日まで帝國を温存せねば・・。
横須賀から帝都まで省電で出頭した私は海軍省で中佐への昇任命令を受けた。
「武藤中佐、今回の大勝利は君たちのおかげだ。
被害も少なく、また艦隊も活躍出来た!!」
「長官、今後も艦隊を眠らせる事無くバンバン使って下さい。
南方からの輸送任務の護衛兼輸送でも大型艦隊は使えます。
太平洋艦隊が滅びた現在、我が海軍の庭となった太平洋沿岸を活用するのは今しか無いです。
アメリカは総力を挙げ旧艦隊を上回る大艦隊を再建するでしょう。
その前に我が帝國も国力増強を図るべきです。
また今回の勝利は長官の考えてた作戦と違い、正面で戦って勝利した・・。
正真正銘の大勝利です。
敵に正義を語らせる事は出来ません。
コレは大きいですよ。」
「ウム、武藤、キミの言う通りだ。
もしキミの進言に従わず真珠湾を奇襲してたら・・。」
「騙し討ちだ!とかリメンバーパールでしたよ。」
「ウム、敵に正義を語らせないは大事だな。正義が我が帝國にアリこそが、
今時大戦の大目標だな。。」
「そうです。それと反意するかも知れませんが、戦場では捕虜救助は止めましょう。」
「??何故かね??」
「長官、海軍最大の兵器は何だと思います??」
「戦闘機や戦艦などか?」
「いいえ、それを扱える下士官兵こそが最大の武器です。
如何な優秀戦闘機でもヘボが乗ってれば戦闘機もヘボ。
軍艦も就航したばかりでは使えません。下士官兵が居てこそです。」
「なるほど・・。敵に戦場の経験を持ち帰らせない・・と言う事だな?」
「ハイ。それと戦場では溺れてても見捨てても構わないのです。
後で言われても戦場だからで通じます。」
厳しい事だが敵を出来る限り死なせる事が私の目標。
強い敵パイロットが複数育てば我が国の国力では反撃出来なくなる。
出来る限り死んで貰うしか手は無い。
戦場は非情な場所なのだ。
戦闘能力を喪失した兵を殺害はせぬが救助もしない。
今後の帝國海軍の方針が決定した瞬間でもあった。
「長官、前の世界で良くあった事ですが、万一敵前で不時着して一時的に捕虜になっても、
絶対に自爆を強要しないで下さい。パイロットの士気を下げる行為です。」
「あったのか??」
「ハイ。フィリピンの戦闘で不時着した陸攻のクルーを自爆させたそうです。」
「・・・・ウム。約束しよう。万一捕虜になっても自爆や自殺強要しないと。」
「お願いします。下士官兵と侮らず、一人の人間として扱って下さい。
部下が頑張ってこその軍なのです。」
長官との会談は深夜まで続いた・・・。
山本五十六を上手く使い、誘導してます。




