5 状況を整理をします③
えーと、つまりは、その私が、、、
「悪役令嬢???リーン・アスガルド張本人??
えーーーーーーー!!!嘘でしょ!!!」
と思わず大きな声で叫んでしまった。どうりでなんか見た事ある顔だなっと思ったわけだ。あゆちゃんに事前に聞かされていたんだから。あまりに大きい声で叫んでしまったので、
ラーナが
「お嬢様大丈夫ですか?何か問題でもありましたか?頭でもうったのですか?」
と、これまた大きな声で言う。あー、頭がぐるぐるしてきた。さっきまでの情報量の多さで、さすがにキャパシティの容量内に収まらないらしい。
いや、一旦落ち着くのよ、私。深呼吸をしよう。
スーハー。スーハー。
ちょっと落ち着いてきた気がする。
「お嬢様大丈夫ですか?反応をください。」
「あー、ごめんなさい。大丈夫です。」
「それなら、いいのです。13時に旦那様が執務室に来るように仰っておりましたので、それまでは自由にしていいとの事です。」
あれ?リーンって、すごく勉強とかやってたよね?やらなくていいのかな?
聞いてみよう。
「勉強はやらなくていいの?」
「お嬢様お忘れですか。旦那様の執務室に呼ばれるということは、重要な話があるということです。ですので、決して遅れてはならないため、奥様もこういう日だけは家庭教師をお呼びにならないのですよ。」
あー、そーいえばそんなシーンもあったような気がする。まずいなー、早くしないと忘れちゃう。
「そうだったわね。私ちょっと書くことがあるから、新しいノートとペンをちょうだい。」
「かしこまりました。少々お待ちください。」
そう言ってラーナは部屋から出ていってしまった。
さっき見たことと、私リーン自身のことについてまとめようと考えてるうちにラーナが戻ってきた。
「お待たせしました。」
「ありがとう。私集中したいから部屋の外に出ていて。」
「承知しました。なにか御用がありましたら、ベルでお呼びください。失礼します。」
はぁー。もうすでに私はかなりクタクタだ。何せ、情報が多すぎる。13時って言ってたから、あと3時間か。
よし、まとめよう。
まずは、私自身リーンアスガルドについて。
あゆちゃん曰く、ガチでヤバめの悪役令嬢。確か、毒を入れたり、突き落としたりする。
最終的に断罪からの死刑というリアル破滅エンド。嫌だー!本当にまずい!!だって、17歳で死んでまた、同じぐらいの時に死んじゃうなんて本当に最悪どころじゃない。せめて、国外追放とかならいいのに!
あと、確か、その前にも設定を全部を聞いた気がする。そう、お泊まり会の日。えーと、なんだっけかなー。
んー、そーだ。確か、第一王子の婚約者って言ってた。
でも今のとこ私の記憶上関わりが無いんだよね。これから会うのかな。
あとは、私の記憶からして、過酷な日常のことだよね。
勉強は毎日10時間。マナーレッスン、乗馬に護身術。
それ、今から私もやるのかー。やりたくないなー。あと問題は、お母様との関係だよね。なんでこんなにも仲が悪いんだろう。また、それは調べてみよう。
次は、ヒロインについてまとめよう。日本人と同じく黒髪に王族と同じ青色の瞳の美少女で、チート級の魔法を使える平民。
情報少な!え、なんか、もっと情報が欲しいのにー!いくら考えても分からない。まあ、よし次。
攻略対象について。まずは、リーンの婚約者で、第1王子のジン・ストラティカ。青色の瞳に金髪の美青年だった気がする。確か、腹黒だけど天才?とかあゆちゃんが言ってた。
ゲームでは、リーンがいつも追いかけ回してウザがられてたとか言ってたなぁ。ぶっちゃけ破滅の元凶この人だよねー。関わらないようにしよう。
あとは、宰相の息子のシン・ラティフォーナ。黄色の瞳にきみどり色の髪の毛のカワイイ系男子。確か、1度お茶会であったことがあるけど、よくおぼえてないんだよねー。
次に、騎士団に若くして所属する天才騎士ミル・アスタルオ。紫色の瞳に赤い髪のこれまたイケメン。実は前世の私は、筋肉が好き!だからこそミルの引き締まった筋肉だけはよく覚えてる。面識はない‥‥気がする。
最後に、神殿の最高神官の息子であり、本人は魔法の天才。ロンド・セルラント。女好きでいつも女の子といる最低クズ野郎。銀髪に瞳はピンク色でこちらもまたイケメン。会ったことは無い。
隠しキャラについては、あゆちゃんに聞いてないし、何も分からない。
まあ、でも私会ったことあるの1人だけだし、まだ大丈夫!これからも出来るだけ関わらないようにすれば平気な気がする。
「リーンお嬢様!そろそろ支度に入ってもよろしいでしょうか。」
あ、もう12時!えー、時間早くない?
「わかったわ。よろしくラーナ。」
といった感じで、またもや着替えるらしい。記憶があるにしてもなれないし、お父様の用事ってなんだろう。
まあ、重く考えなくていっか。
私は、この時もう少し作戦を立てるなりしておけば良かったことを後悔することになる。