4 状況を整理します②
今度は、前世の私、如月なつ自身の記憶の一場面がまたも、映画の如く映し出された。
そこには、親友のあゆちゃんとひなちゃんそして、私が一緒にお昼を食べていた。
いつもの光景でなんか懐かしい感じがする。あ、そうそうよく禁止されてた屋上で食べてんたんだよねー。
客観的に自分を見るってなんか変な感じだな。
「なつー!聞いて聞いて!」
とハイテンションのあゆちゃん。私はというと、話よりお弁当で多分ほとんど聞こえてないなこりゃ。
「んー。なーに?」
「私ついにコンプリートしたのよー!【魔法世界でラブラブな恋をしよう】通称まほ恋を。」
「それってなんだっけ?」
「えーやだ。この間話したじゃん!乙女ゲームだよ。最近ハマってるて言ったじゃん。」
「なつは、そーいうのほとんど覚えてないんだよ。バスケバカだから笑笑。」
「んー。ひなさーんなんかひどい言葉が聞こえた気がするんですけど。」
「いやいや、事実でしょ。なつはバカに加えてアホでもあるよ。」
「ちょっとひどーい。私泣いちゃうよ!」
「ちょっと、2人とも話それてる。私の話聞いてよー!」
とあゆちゃんの方が泣き出しそうになっている。
「分かったよー。それでどんな話なの?それ。」
「よくぞ聞いてくださいましたひな様。このお話は、王立魔法学院高等部が舞台の恋愛ゲームなのですよ。主人公は平民出身で日本人と同じ黒髪、王族と同じ青色の瞳を持つ美少女!平民出身で貴族だけが入学可能な学校に入れるいわゆるチート持ちの主人公なんだよ。で、その主人公が最終的に選ぶルートよってエンディングが決まるというわけよ。」
「なんか、よくある、ありがちな設定だね。何がそんな面白いのよ。」
「いやいや、なつよ。まだまだ全然説明できてないよ。攻略対象は4人。後、隠しキャラも1人いるんだよ。それぞれが個性豊かでまあ、何と言ってもイケメン。でも、このゲームの面白さは、何と言ってもどうやって悪役令嬢を倒すかがポイントなのよ!」
「悪役令嬢?それって、あれでしょ。ヒロインをいじめてくる、いわゆるおじゃま虫キャラ。それは別にどのゲームでもいるでしょ。」
「いや、確かにそうなんだけどね。この悪役令嬢ほんとにすごいのよ。いじめるなんてものじゃないもの。普通はさ、ヒロインのノート破るとか、取り巻き連れて罵っていじめて最終的に断罪されるっていうのが多いんだけどね。このゲーム特殊でさ、マジでヒロイン殺しに来るわけよ。崖から突き落としたり、毒の入ったお茶渡したりするんだよ。」
「それってふつーじゃないの?」
「いや、全然ふつーじゃないのよ、なつ。なんたって一つ選択肢間違えただけですぐに殺しに来ちゃうんだもの。何回死んだことか。しかも全部のルートに現れるんだからたまったもんじゃないよ。」
「へー、そーいうものかー。その悪役令嬢の名前は?」
「リーン・アスガルドって言ってね、公爵令嬢なんだけど、見た目はほんとに清楚な感じでほんとにお嬢様って感じなんだけどやることがえげつないわけ。」
「ふーんそーなんだ。それより、今度の週末みんなでどこか出かけない?土曜日珍しくオフなんだー!」
「いいねー!なつ‼︎ひなも新しい洋服買いたい!」
「えー!もうおわりー?もうちょっと聞いてよー!」
「あー、やばいよ!予鈴が鳴った!なつ、あゆ!もう行くよ!」
「はーい!ひなちゃん行こう!」
「ちょっと、待ってってば〜」
ここでまた、元の部屋に戻ってきた。