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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十六章 汚いし姑息、あと臭い、そしてそれだけじゃない
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96 改造人間現る

「前の方がかなりやられているようだぞっ! 俺達が出て行こう!」


ユッダ侯爵家の領地に侵入すると現れたお出迎えの敵。

その数はたったの100程度、特に気にすることもなく、前列が勝手に屠ってくれるであろう……

と思っていましたが、ちょっとヤバいんでないの?



そもそも何だあいつらは? ゴンザレス並みの凄い筋肉だが、明らかに形が歪、鍛え上げて自然に完成したとは到底思えないような代物である。



「ちょっとっ! 腕を吹き飛ばしたのに全然なんともないみたいな顔してるわよっ!」


「やっぱあいつらも何かされているんだろうな、普通の人間には見えないし」




後衛組は少し離れたところで止まり、残りのメンバーでその援護を受けながら突撃する。


聖棒で喉に穴を空けてやった……それでも息絶えるまで、何事もなかったかのように攻撃を続ける敵。

やがて酸欠なのか失血によるものか、徐々に力を失って崩れ落ちる。


斬ろうが刺そうが結果は同じ、燃やしたときは逆にかなり危険であった。

燃えながら突っ込んできやがる、別に何か狙いがあるのではなく、純粋に前に進むことしか知らないんだろうがな……



「危ねぇっ! おい、誰かこの燃えているのを何とかしてくれ! ユリナ、インテリノ王子、これ以上火を点けるんじゃないよっ!」


「今水を掛けるわよ、ちょっと冷たいけど我慢しなさい!」


上空から降りそそぐ大量の水。

精霊様はやりすぎの傾向がある、火が消えれば良いんですよ、というかもう消えました、水を止めて下さい。


「寒ぶっ、春とはいえまだ濡れると凍えそうだな……」


「勇者様、そんなところでプルプルしてないでちゃんと戦って下さい、まだ半分も倒していませんよ」


「へいへい、全くミラは真面目だな」


「……勇者様があまりにも不真面目なだけだと思いますよ」



必死で戦い、何とか100体程度のゴリマッチョ軍団を討伐することが出来た。

こちらの被害は死者200名、それに重軽傷者が100名程である。


死者のほとんどは緒戦で殺られた前列の兵だ。

まさか敵がこんなに強いとは思わず、普通の人間と戦うつもりで居たのであろう。

だが姿を見た段階で少しは警戒すべきだったな。



「王子、ウラギール侯爵の城で襲って来た敵もこういう奴らだったのか?」


「いえ、奴等は攻撃を受けるまでわからない程に人間然としていました、こんな野獣のような連中ではありませんでしたね」


「となるとこいつらとは違う方法で強化されたのかな……」




「これは……ご主人様、ちょっと敵の死体を見て下さい!」


「イヤだよそんなの気持ち悪い、サリナが良く見て状況を報告するんだ」


「えぇっと、背中にクスリの入った瓶が埋め込まれているようです、おそらく力を上げる違法なものかと」


「そうか、ちょっと取り出して見せてくれないか?」


「イヤですよそんなの気持ち悪い、気になるのであればご主人様が自分でやるべきですよ」



結局、敵の背中に埋め込まれた瓶については諦めた。

だって気持ち悪いじゃないか、これは仕方の無いことですよ。



「王子、一旦ここで小休止にしないか、怪我人が多すぎて回復に時間を要するはずだからな」


「そうですね、死者も弔う必要がありますし、少し休憩ですね」



道端に座り込んでの休憩である。

カレンとリリィは持って来た弁当を食べ始めているのだが、それは昼食ですよ2人共。

というかこいつら、昼は昼でで俺のを奪うつもりだな……



「主殿、敵が強すぎて一般の兵ではどうしようもない、私達が前に出て、他の連中にはサポートを任せよう」


「そうだな、だが王子の護衛もこっちで引き受けるべきだ、ミラとジェシカはそちらに回ってくれ」


「承知した」


2人を中列に居るインテリノの護衛に残し、他の前衛・中衛組が前に出る。


どうせ戦いになったらインテリノも前に出てくるだろうが、奇襲ということもありえるからな。

守りの堅いミラとジェシカには盾になって貰おう。




休憩を終え、怪我人の回復も済んだ、ここで再び出発する……



「ご主人様、また敵が来ますよっ!」


「そのようだな、また100人ぐらいか……いや、あれは100人じゃない、100体と数えるべきだな」



腕がカニのようなハサミの奴、鼻からヘビが生えた奴、腕が4本で脚がバッタの奴も居るようだ。

もう特撮の怪人と何ら変わらない、改造人間軍団である。



「ご主人様っ! 敵に近付かないで下さいですのっ! 魔法で一気に片付けますわ!」


言うのが先か魔法を放つのが先か、ユリナの出した火球が爆発し、敵の一団は炎に包まれる。

輻射熱が激アツなんですが、もう少し味方に配慮した攻撃をお願いしたいところだ。


そしてとんでもない魔法を見せられた王国軍の兵士達は大騒ぎである。

こんな所で勇者パーティーの隠し玉、ユリナの最強火魔法を見せてしまうことになるとは……


ちなみに怪人軍団は一瞬で燃え尽き、灰となって心地よい春の風と共に散って行った。




「勇者殿、私はあの魔法らしき記述を王宮の古文書で見たことがありますよ、確か古の超兵器を模した火魔法とか」


「そうなのか? でもあれは俺達のとっておきだったんだ、このことは内緒で頼む、兵達にも緘口令を敷いておいてくれ」


「わかりました、では今のは戦の記録にも残さないでおきますね」


「頼むよ、で、ユリナはちょっとこっちへ来い!」


「あら、褒めて貰えるんですの?」


「そうだな、まずは敵を倒したことを褒めてやろう、頭ナデナデだ、それと拳骨な、あの火魔法をみだりに使うな!」


「あうっ! ごめんなさいですの、次からは普通ので攻撃しますわ」


「わかればよろしい、でも帰ったらお仕置きだからな」


「ひえぇぇ~っ!」


10分ほど待ち、ようやく地面の熱が引いてきたようだ。

ユリナも反省したようだし、再出発としよう。



「あっ! 狙われているぞ、ミラ殿も警戒を!」


「ええ、木の上に居るようですね、お姉ちゃん、魔法で撃ち落して!」



しばらく進むと、今度は両側から矢が飛んで来たようだ、インテリノを狙ったようである。

ミラとジェシカが対応し、セラが狙撃手を木から落とす。

ようやく普通の敵が出て来たか……



と思ったらそうでもなかった。

股間にボウガン様の武器が取り付けられた改造人間である。

腰を振ってぴゅっぴゅっと矢を飛ばしていたらしい。


普段何を考えて過ごしていればこんなわけのわからん怪人を作るというのだ?

というか改造された方も拒否しろよな、もう完全に変態の類だぞ。



「ふむ、勇者殿、この敵はなかなか芸術的でカッコイイと思いませんか? 我が国でもこのタイプの兵を導入したいですね」


インテリノは美的センス回路がどこか破損しているようだ。




兵士達が敵の死体からボウガンを捥ぎ取り、自分の股間に当てて遊び出している。

収拾がつかなくなる前に出発するべきであろう。



「ご主人様、今度は沢山の人が来ますよ、敵じゃないみたいですけど」


「おや、あれは難民だろうな、ユッダ侯爵の城付近から逃げて来たに違いない、もう戦の情報が回ったのかな?」



とりあえず難民集団を止め、そのリーダーと思しきばあさんから話を聞く……



「ユッダ侯爵様がご乱心なのですじゃ、急に兵を募集したかと思えば、応募者全員を怪人に変えてしまったのですじゃ!」


それを見た住民は皆で逃げて来たそうだ。

ですじゃばあさん曰く、侯爵の城付近の住民はこれで全て、犬猫一匹たりとも見捨てずに連れて来たとのこと。



「ではユッダ侯爵の城にはもう改造人間ばかりということですね、避難民の皆様はこのまま王都へ向かって下さい、騎兵に先導させましょう」


「へへぇ~っ、ですじゃぁ~っ!」



難民達は王都へと向かって行った。

これで非戦闘員への被害を気にすることなく戦うことが出来るな。



「ご主人様、今の聞きましたわよね、どっかーんしても良いってことですわよね!」


「ユリナ、まずはユッダ侯爵を捕らえてからだ、滅ぼすのは最後の仕上げだからな」


「わかっていますわよ、さっさと城に突入して来て下さいまし」


ユリナは興奮しているようだ。

このままだと何をするかわからないため、サリナとジェシカに頼んで監視して貰うこととした。



余計なことをしないでいてくれると助かるんだがな……



※※※



「勇者殿、あれがユッダ侯爵の城です、城下町にはやはり誰も居ないようですね、念のため逃げ遅れの確認はしますが」


昼前まで歩き続け、ようやく侯爵の城に到着するようだ。

最前列まで小走りで出て来たインテリノが楽しげにそれを告げる。



「城下町の確認をしている間はどうするんだ? 俺達は昼食にしていて構わないか?」


「ええ、先に全体で休憩にして、その間に偵察を送ります、攻撃は午後から開始しますのでそのつもりで」


「わかった、じゃあ向こうの木陰にいるから行く直前に声を掛けてくれ」



攻撃目標が見えたことにより、テンションが上がって騒ぐ兵士達。

やかましいので部隊を一旦離れ、静かな木陰で昼食にする。


といっても俺の分はカレンとリリィがシェアしているんだがな……

俺はまたしてもサンドウィッチの抜け殻、パンだけの部分を食べている。




「しかし最後の矢を放ってきた敵は冷静だったわね、木の上に居たのに魔法を避けられるとは思わなかったわ」


「そうなのか? 最初のゴリマッチョはあんなに猪突猛進系だったのに、矢の怪人は改造されても理性が残っていたということか」



そういえばユリナが焼き払った変な連中もニタニタ笑っていたような気がする……


最初のゴリマッチョはプロトタイプで、その後に出て来たのとか、それからウラギールの城でインテリノ達を襲ったのが安定版ということなのか?


しかもウラギールのところの奴は普通の人間と区別がつかなかったというからな、相当にクオリティの高い怪人なのであろう。

当然ここの連中よりも強いんだろうな……



「ところでマリエル、ユッダ侯爵というのはどんな奴なんだ? 捕まえるために容姿だけでも知っておきたい」


「ユッダは頭頂部がハゲ、残りは白髪のロングです、片方の目にガラスのルーペを取り付けていて、基本的に白衣を着ていますね、あと超猫背でチビガリですよ」


マッドサイエンティストそのものではないか。

おそらくそのユッダ侯爵があの改造人間達を開発し、それをウラギール侯爵にも譲ったのであろう。


そしてそのユッダ侯爵、昔は学者として王都の研究所に居たという。

だがヤバい研究に手を出し、誰の制止も聞こうとしないため、最終的に学会を追放されて領地に引き篭もったそうだ。


普通ならそこで資金的に行き詰るはずだ。

だがそこは侯爵様、自己資金でそのまま研究を進めているとの噂が一部で広まっていたらしい。



「で、出て来たのがあの怪人か? ろくでもない研究をしていたようだな、学会だけでなくこの世からも追放しておくべきだったろうに」


「ええ、一時は暗殺計画もあったようなんですが、しばらくしたらほとぼりが冷めてしまったみたいですね」


「全く、ヤバい奴を野放しにしてくれたもんだ……」



マッドサイエンティストのユッダ侯爵、今回は確実に息の根を止めておかねばならんな。

そんなのをこれ以上放っておくと、この国どころかこの世界を怪人パラダイスにされかねん。




などと考えていると、伝令と思しき兵がやって来た。



「勇者殿、城下町の確認が終わりました、もう少ししたら出発です、部隊にお戻り下さい」


「わかった、インテリノにはすぐ行くと伝えておいてくれ」


「ハッ! それではよろしくお願いします!」



※※※



「かなり大きい城だな、侯爵ってやっぱり金持ちなんだな……俺も勇者城が欲しくなってきたぜ」


「勇者様、誰がお掃除をすると思っているんですか? 自分でやりますか?」


「うん、やっぱり要らない」



目の前にあるのはなかなかの城、観光資料に載っている古城みたいな感じだ。

外観中央には大きな階段がありその先にある扉が侯爵の居場所に繋がっているのであろう。


そしてもちろん城壁もある、まずはそちらから何とかしなくてはならない。



「精霊様、上から内部の様子を見て来てくれないか?」


「ええ、ちょっと行って来るわ、攻撃されたら反撃するけど、それで良いわね」


「そしたらそれが戦闘開始の合図だ、好きにしてくれて構わんよ」



飛んで行く精霊様を見送る……

いや、城内に着陸しろとまでは言っていないのですが?




「勇者殿、これはもう攻撃開始とした方が良いんじゃないですかね?」


「王子、申し訳ないが少しだけ待って欲しい、間違えて精霊様に攻撃を当てるとマジギレされそうだからな、こっちが殲滅対象になってしまう」


「・・・・・・・・・・」



精霊様は城門の内側付近で暴れているようだ。

扉に何かがぶつかる音が響き渡っている……


あ、出て来た! なんと巨大な閂を抱えているではないか、勝手に開門してしまったようだ。



「扉が開いたぞっ! 全軍突撃だっ!」


それを見たインテリノは冷静に反応し、攻撃開始の号令を出す。

全軍が一斉に城内へとなだれ込んだ。



「勇者殿、我々も行きましょう」


「ああ、ミラ、ジェシカ、インテリノ王子を守りながら進むんだ、怪人だらけだからな、十分に注意するんだぞ!」



一般の兵達が外で怪人兵と必死に戦っている中、俺達はまっすぐユッダ侯爵の城で最も目立つ部屋へと向かう。

おそらくそこに侯爵本人が待ち構えているはずだ。



階段を昇り、城内へと続く扉をカレンとマーサが蹴破る。

そこにはマッドサイエンティストの姿が……沢山あった、ユッダ侯爵が50人ぐらい居るのだが?



『キーッヒッヒ! ようこそ我が城へ、でもここまでのようですね、あなた方にはこの魔導影分身は見破れまい、どれが本物かわからないでしょう?』


「何だそのよくわからん技は、マーサ、適当に一体殴ってみろ」


「ええ、う~ん……じゃあこいつっ!」


一番端に居た個体を吹き飛ばすマーサ、それと同時に他のユッダ侯爵も苦しみ出した。

おや、一発で当たりを引いたのか?




『キィエェェッ! そういえば痛覚は全個体で共有しているんでしたっ!』


「馬鹿じゃねぇのかお前?」




「ご主人様、どうもコイツ、ここに居る全部が本物のようです」


「サリナ、それはどういうことだ?」


「コイツ、影分身とかじゃなくて自分自身を魔法で増やしているんですよ」


「つまり自分のクローンを作っているということなんだな、じゃあこういうときはオリジナルを探すんだ」


「そのくーろーんとかいうのが何かはわかりませんが、たぶん元の個体はとっくに死んでいるはずです、ここのは全部比較的新しい個体ですから」



「そうなのか……おい、そこの馬鹿侯爵、お前歳いくつだ?」



『これは失礼な異世界人のようですね、この211歳の年長者に向かってそんな口の利き方をするとは』



「マリエル、インテリノ、どうしてコイツは普通に貴族なんてやっているんだ? 誰も突っ込まなかったのかよ今まで?」


「う~ん、そういえば確かに長生きだと思いましたが、別にどうでも良いことかと」

「私はまだ子どもなので、そういう大人の話は全然聞いていませんでしたね、しかし211歳なんて明らかに異常ですね……」



この国はもうダメかも知れないとも思ったが、これからインテリノが大人になればどうにかなりそうだ。

駄王とマリエルはガチで引退しろ。




『キェェイッ! 何をごちゃごちゃ話しているのですか? 掛かって来ないならこちらから攻撃しますよっ!』


「カレン、マーサ、ここは任せたぞ、全部は殺さず適当に生け捕りにするんだ、捕まえたら外に引き摺って来てくれ」



2人が了解したため、他のメンバーは一旦外に出る。

あんな馬鹿よりも怪人と戦っている一般兵士の方が気になるからな。



「あれはヤバいだろ王子、かなり押されているみたいだぞ!」


「そのようですね、一時撤退して城門の外に出ましょう!」



俺達が中でユッダ侯爵の相手をしている間に、王国軍の兵士はかなりその数を減らしてしまっていた。

敵が強すぎるのである、いくらなんでも普通の人間と怪人では分が悪いか……




「退けぇ~っ! 全軍城門の外に出るんだぁ~!」



無事に退避出来た王国兵は3,000程のようだ。

楽勝かと思われた今回の戦、蓋を開けてみれば連れて来た兵を既に半分以上も失うという苛烈な戦いとなってしまった。



「勇者様、カレンちゃんとマーサちゃんが出て来ましたよっ!」


2人はそれぞれ、気絶しているらしきユッダ侯爵を3人ずつ抱えている。

王都に帰ったらあの6人を処刑することとしよう。


城の建物から脱出し、敵の怪人を蹴散らしながら一気に城門をくぐる2人。

これで生存している者は全て外に出たはずだ。



「おかしいな、大将を連れ出したんだから敵は打って出ると思ったんだが……」


「ご主人様、敵の怪人は皆紐みたいなので建物に繋がっていました、それを切るとすぐに死んでいましたよ」


そういうことか、敵の怪人は歪な形に改造された人間、有線で栄養とかクスリとかを送り続けないと活動することが出来ないんだ。


もしかするとウラギール侯爵の城に居たのもそれが原因でインテリノ達を追撃出来なかったのかも知れないな……



「ご主人様、そろそろどっかーんして構いませんわよね?」


「全軍がもう少し下がったらな、それと、城下町は今無人とはいえそこに帰る人も居るんだ、絶対に被害を出すなよ」


「わかりましたわ、慎重にやりますの!」



「約束だぞ! さてインテリノ王子、目的は達した、撤収の命令を出しても構わないだろう」


「そうですね、犠牲は大きかったですが何とかなりました、すぐに撤収しましょう」



命令が伝達され、全軍が5kmほど離れたところでユリナの魔法が発動する。

俺も今まで見たことがない、巨大な火球がユッダ侯爵の城を包み込む……


だからやりすぎだってば! 結局城下町ごと壊滅させてしまったじゃないか。

ユリナさん、火球の中に入らなくても瓦礫は飛んで行くんですよ!



『キィエェッ! 我が城が、我が研究の成果が火に包まれてしまったではないかぁ!』


「うるさいから静かにしろ、城や研究だけでなく後で貴様も火に包まれるんだよ、処刑台の上でな」


『キィーッヒッヒッ! 我を倒しても第二第三の我がへぽっ!』


おっと、うっかり1体殺してしまった。

まぁ良い残り5体を処刑すれば王都民は満足するはずだ。


さて、他のところを攻めている部隊は大丈夫であろうか……

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