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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十九章 島国
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964 特大ワープ

「ねぇ何このスペース? どうしてあなた達の部屋なのに、あなた達自身がその存在を知らないのよ? おかしくないかしらそれって?」


「ん、ホントに知らない」


「ざけんなこのカスロリッ! お前みたいなのはこうしてやるっ!」


「ひぐっ、お尻痛い」


「反応が薄い……っと、何だ?」


『うわっ! 何で扉が開いてっ!?』


「ちょっ、捕まえろそこの変質者をっ!」


『なぁぁぁっ!』



 ゲスロリ、カスロリ姉妹の部屋にあったいくつかの扉、その向こうは何もない小さな空間であって、2人でさえもそれが何なのか知らない様子であった。


 そしてその謎さ加減にムカついた俺が、手近に居たカスロリを抱き上げて尻叩きの刑を執行し始めると……その開いたままの扉の向こう、謎の小空間に、あからさまな変質者である中級魔族が出現したではないか。


 すぐにそれを捕らえる仲間達、殺害はせず、生け捕りにしたのだが、どう考えてもその場に元々居たのではなく、どこかから転送されてやって来た変質者である。


 そしてその様子、俺がカスロリにお仕置きしている様子を、まるで魔王軍と勇者パーティーの最後の戦いにつき記録係を務めるpootuberの如く、無駄に映像記録(魔導)として残そうと試みていたのだ。


 これは何かある、そう直感したのは俺だけではなく、その変質者を生け捕りにした仲間達もそう。

 そしてその馬鹿が出現した小空間以外にも、同じような変質者が次から次へと出現し、扉が開いていることに驚愕しているではないか。


 すぐに動き出す仲間達、俺もカスロリをそっと床に置いてやり、うち1匹を生きたまま捕らえることに成功したのであった……



『ひぎぃぃぃっ! どうしてこんなことんびっ!』


「それはこっちの台詞だよ馬鹿、何なんだお前等? どうしていきなり出現したんだ?」


『わ、我等は美幼女監視ギルド、魔王軍内にh結成された非合法組織で……』


『馬鹿がっ! それがバレたらどうなるかっ! それを喋ってしまったらどうなるか……どうなるのか?』


「……お前等、ちょっと面白い話をしてくれそうなキャラだな、こっち来やがれオラァァァッ!」


『ひぎぃぃぃっ!』



 突如出現し、一斉に捕縛されたのは変質者ばかり、明らかにロリコンであり、それは姿形と、醸し出す雰囲気から容易に判断出来ることであった。


 この光景にゲスロリはドン引き、カスロリの方は……相変わらず無表情のままなのだが、きっと内心ではゲスロリと同じようにドン引きしていることであろう。


 2人の部屋にあった謎の小空間、そこは誰にもバレないように、この変質者共が部屋の様子を覗き、そして記録映像を残すための極めて犯罪性の高い部屋であったのだ。


 そしてその変質者共の悪行も、ここで俺達の活躍によって白日の下に晒されたのである。

 姉妹の部屋は監視されていた、それも違法に、猥褻目的で、そういうことであったということが、今この場で判明したのである……



「ねぇちょっとっ! どういうことなのよこれはっ?」


「やっぱお前等も気付いていなかったのか、この部屋、お前等の超ロリ部屋、ここは……超アダルトな覗き部屋でもあったのだっ! 極めて非合法なっ!」


「ひぃぃぃっ! じゃ、じゃあ私達2人の生活は……」


「あぁ、この変質者共によって常時監視され、着替え、お風呂、その他諸々のハッピーな瞬間、もちろんロリコン犯罪者にとってだが、そういった場面は残さず余さず、全て記録されていたのだっ!」


「イヤァァァッ!」

「……えっと、恥ずかしかったです」


「そして今、お前等が俺達に敗北し、お尻ペンペンの罰を受けていた瞬間も、きっとこの変質者共が涎を垂らして見ていたのだ、もちろん記録しながらなっ! そうだろう貴様等!」


『へ、へい、左様にございます……』


「じゃあ死刑な、まずお前が死ね、ユリナ、火!」


「はいですのっ!」


『ギョェェェェェェッ!』



 全て、何もかも覗かれていたことがわかってしまったこのロリ部屋、犯罪者共のうち1匹は今処刑したのだが、残りの連中からは断罪する前に話を聞かなくてはならない。


 こいつらが一体どこからやって来たのか、どうしてこのように非合法極まりない活動に手を染めていたのか。

 それを死ぬ前に洗いざらい吐いて、罵声と怒声を浴びせられることを受任する義務がこの連中にはあるのだ。


 早速主犯格らしき、変質者の中で唯一上級魔族である馬鹿を皆の中央に引き出し、尋問兼拷問を始める……



「さてと、勇者様、コイツはなるべく殺さないようにしないとだわ、貴重な情報源よ」


「あぁ、俺に任せておけ」


「ひぃぃぃっ! 助けて、助けてくれぇぇぇっ!」


「黙れっ、勇者流殴打術!」


「へぶしぃぃぃっ!」



 勇者流殴打術は今採用した技名だが、極めて安全であり、それでいてそこそこの痛みを相手に与えることが出来るという、いわば拷問専用技である。


 しかも無様に命乞いをする雑魚をブチのめしていく楽しみも存分に味わいつつ、徐々にその雑魚を追い詰めていくことが出来る、そしてその表情、変化する反応なども楽しむことが出来る、まさに何でも出来る夢のような拷問方法なのだ。


 そんな勇者流殴打術、というか地味に痛い普通のパンチを喰らい、死にはしないものの徐々に顔の形がアレな感じへと変化していく変質者上級魔族。


 もはやこの部屋を盗撮していたという点については疑いの余地がないため、普通の魔王軍関係者に加えるのよりも苛烈な暴行を、そして強い侮辱を加えていくことで、死ぬ前の反省を促すのだ。


 しかし、あまりやりすぎると情報を喋る口がなくなってしまうため、この辺りで一度暴行を停止し、詳細についての質問に移行することとしよう……



「……で、お前はどうしてこんなことしてたんだ? お前だけじゃなくてお前等だがな」


「そうねぇ、何か悪いことをするにしてもやりすぎだわ、結託して……というかどういう身分でどういう奴なのよあんたは?」


「俺は……俺はストレスが溜まっていたんだっ! 上級魔族なのに、高い身分を有しているはずなのに、魔王軍では来る日も来る日も『飛び込み営業』ばかりやらされて、だからたまにはこういう楽しみがあっても良いじゃないかっ!」


「ざっけんなボケ、迷惑なんだよそういうの、しかし飛び込み営業って何だよ? ユリナ、魔王軍は何の営業をしているんdな?」


「飛び込み営業っていうのはですね、人族の村や集落徒過を、アポなしで突撃していきなり蹂躙し尽くすことを言いますのよ、魔王軍においては」


「もう営業じゃねぇだろそれ……」



 ただでさえ迷惑極まりない『飛び込み営業』ではあるが、この世界において、こと魔王軍においては、その様態が凄まじく非合法であり、たとえ戦時中であってもやってはならないとされることだ。


 通常、魔族が人族の小さな集落を滅ぼす際には、その前段階としての包囲、そこの弱小守備隊では到底敵わないような大軍勢による威圧など、何らかの予告をする、というか話の流れ的にしなくてはならないのである。


 それを特に何の通知もなくこの変質者の上級魔族が単体で突撃し、いきなり住民を殺害したり、家々を破壊していたというのだから質が悪い。


 この件については後程追及することとしよう、魔王軍による戦争犯罪の可能性が高いし、王国内でもあまり知られていない、山奥の集落のようなものが、ひっそりと滅ぼされているようなことがあるかも知れないからな。


 で、その点についてはもうわかったとして、あとはコイツの動機以外の部分についての追求だ。

 追加で勇者流殴打術を数分間繰り出し、さらにその他の覗き犯のうちモブキャラについて、捻り潰すなどして惨殺し、対象の恐怖心を煽る。


 その間、次に聞くべきはどういったことなのかについて考えるのだが……どうやらミラが何か質問をしたい様子だな、次は任せることとしよう……



「えっとですね、あなたのようなクズとお話しするのは大変に不快で、鳥肌が立つ思いなのですが……結局どこから来たんですか? 何もない空間にいきなり出現したようにしか見えないんですが……」


「それは言えないっ! 絶対に、殺されても言えないっ!」


「そうですか、じゃあこのさっき拾った強酸性の液体を……股間にブッカケしますっ!」


「あっ……ギョェェェェッ! あぁぁぁっ、焼けるっ、俺の珍が焼けるぅぅぅっ!」


「あら、半溶け程度で済んでしまったようですね、今度は廊下の隅にあった宝箱からゲットしたペンチで、その半溶けの何かを抓んでみましょう、それとも質問に答えて頂けますか?」


「わかったぁぁぁっ! 言うから、全て洗いざらい話すからっ! その拷問はやめてくれぇぇぇっ!」



 いつの間にかゲットしていたアイテムを用いて、それはもう人間に対してやってはいけないのではないかという次元の拷問を加えるミラ、楽しそうで何よりである。


 で、命よりも大切であるとされている『矮小スティック』を半溶け状態にされてしまった変質者の上級魔族。

 もはや幼女部屋を覗いて興奮することも叶わなくなり、これをもって生きている意味を完全に喪失したかたちだ。


 まぁ、そもそもこのような輩に生存価値などなく、コイツに関しては特に珍しい種族だとか、何かの魔族系統で純血のものではないという時点で、その命の価値は元々低く、それから遺ったボディーにも標本価値などはないということを付け加えておこう。


 そしてミラの質問に答え始める変質者、どうやら魔王城の、もっと上層から転移してここへ来たらしい。

 確かにここは魔王城の下層であり、中ボスであるロリ姉妹やその他の必要キャラを除いて、本来は上級魔族が居るような階層ではなさそうだ。


 他の覗き犯はもっと下であったり中層であったり、とにかくバラバラの場所から集合しているらしく、覗きに適した『チャンスシーン』を狙って、仕事をサボってここへ来ているのだな。


 もちろん今回のチャンスシーンは、戦いに敗北したゲスロリとカスロリの2人が、俺達によってお尻ペンペンの罰を受けているシーンのことである。


 痛い目に遭って泣き叫び、本当の子どものように許しを請う姿を見て、この馬鹿共は興奮していたのであろう……許し難い変態だな、生かしてはおけないという言葉がこれほどまでにマッチする連中はそう居ない、そんな感じだ。



「頼むっ! お願いだから今回は見逃してくれっ!」


「ダメに決まってんだろこの変態がっ! で、お前が来た上層ってのはどのぐらいの層なんだ? 俺達は魔王軍を壊滅させに来たわけであって、まずは副魔王とバトルしたいんだよ、そこの近くなのか?」


「近い、本当に程近くだっ、俺は飛び込み営業の他に、副魔王様(野郎の方)が撒き散らしたウ〇コの掃除係も拝命していたんだ、だから本当に、副魔王様エリアの詳細を知っている」


「何だよその汚ったねぇ係は、で、その詳細を知っているから何だってんだ?」


「そこまで案内するから見逃してくれということだっ」


「……わかったじゃあ協議に入るから、そこで待っているんだ、マリエル、すまないがちょっとそいつに継続した暴行を加えておいてくれ、休ませる必要はないからなそんな奴」


「わかりました、ではこの先程宝箱から入手した『乳首が擦れまくって超痛くなる魔法薬』を使っておきましょう、それっ」


「ひぎぃぃぃっ!」


「なんてモノが入ってんだよ魔王城の宝箱には……」



 またわけのわからない獲得アイテムを使って、変態に制裁を加えるマリエルはやりたいようにさせておいて、こちらはその変態からの提案について、比較的真面目な協議を始める。


 まず、命を助けてやるようなことはしないのが前提なのだが、それについては変態には黙っておくこととしよう。

 何も知らず、俺達に協力すれば助かると思わせておいた方が、もし提案を受け入れるにしても有利なのだから……



「……で、どうするよこの件については?」


「あ、はーいはーいっ!」


「はいリリィさん、発言は竹馬から降りてどうぞ」


「よいしょっ、えっと、私達の案内は普通にジェーンさんがしてくれるんですよね? だったら要らなくないですかあの人?」


「確かに、おいジェーン、そこのところはどうなんだ?」


「……つまりこの変態がやって来た場所まで転移して、そこから正規のルートに復帰するまで、特別のご案内を差し上げるということでしょうか? それならまぁ、別に構いませんが……」


「構いませんが、何だ?」


「本来そこまでに戦闘となるはずだった中ボスやトラップ、それに重要なドロップアイテム等はどうしましょうか」


「まとめて持って来いよ、もう面倒だし、中ボスも全部一気に相手してやる、その方が手っ取り早いし良いだろう?」


「わかりました、ではご案内の方は私から、それと、仰る通りあの者はもう必要ありません、この事件が明るみに出た場合、魔王軍の権威とか色々なものが失墜しますので、可能であればこの場で処分して頂きたいところですね」


「わかった、じゃあそれでいこう、意義がある者は……居ないな?」


『うぇ~いっ』



 これで結論が出た、せっかくの提案のところ申し訳ないのだが、別にこの馬鹿は不要であるというところから、俺達だけで先へ進むことが決定した。


 同時に処刑の方もすぐに執行されるということが確定し、嫌だ嫌だと叫び続けるロリコン変態上級魔族の顔面に攻撃を加え、ひとまず黙らせておく。


 と、ここでジェーンからひとつだけ、この馬鹿の提案の一部を採用し、それによる減刑、もちろん死刑ではあるが、方法を見直してやるべきではないかとの意見が出る。


 正直なところ、この馬鹿が転移して来た元の場所については詳しくわかっておらず、その場所がどこなのかという点を把握するのに、ジェーンの方で数分から十数分は時間を要するのではないかということから、それだけは先に聞いておくべきではないかというものだ。


 それについてはそこまで大きな効果が得られないのだが、まぁ、何もないよりは少しマシだということで、最後にひとつ教えろと、ロリコン馬鹿変態上級魔族の前にマップを差し出し、印を付けさせる……



「え~っと、あ、ここなのですね、この場所は副魔王様が居られる階層のふたつ下になります、それで……その上の階層では中心ががホールになっていますね、中ボスキャラその他を全てそこに搔き集めましょう」


「おう、なかなかアツい場所までワープ出来るんだな、じゃあこれでこの馬鹿は少しだけ減刑として……」


「頼むっ! 殺さないでくれ、お願いだからころさべぽっ!」


「お前に何かを依頼する権利はない、全てこちらで考えるから黙っておけ」



 で、協議の結果としては惨殺する方向で変更はないとのことが確認されたのだが、その方法を、この馬鹿がすごく嬉しい気持ちになるものへと変更するということで決定がなされた。


 処刑方法は『踏み潰しの刑』とし、その執行は覗きの被害者であるゲスロリとカスロリの2人が担うこととし、本人らの了承も得てそれが確定したのである。


 早速準備の方を始めよう、まずはロリコン変態馬鹿上級魔族を床に仰向けで固定し、ゲスロリとカスロリにはうっかりパンツが見えてしまわないよう、色々と対視線防御力が高い装備を身に着けさせておく。


 ゴスロリ衣装のスカートのまま刑を執行することも考えたのだが、このような馬鹿に、たとえ俺達に僅かな協力をしたからといって、大好きなロリ系魔族のパンツを見せてやる必要はないという結論に達したのだ。


 まぁ、末期のパンツとして俺の汚いモノでもチラ見せしてやることとしよう……っと、ゲロを吐いてしまったようだ、ゲスロリとカスロリの足が汚れてしまうので、予め清掃をしておかないとだな……



「よしっ、これで準備完了だ、おい変態馬鹿野郎、最後に何か言っておくことはないか?」


「ろ……ロリキャラばんざ……」


「喋ってんじゃねぇオラァァァッ! じゃあ殺れっ!」


「いくわよこの変態! 被害に遭った分、きっちりオトシマエを着けさせてやるわよっ、それぇぇぇっ!」

「……よいしょ」


「ギャァァァッ! うっ……嬉しすぎるぅぅぅっ! でも……でも死ぬ……」



 踏み付け、というよりももはやキックに近い感じで処刑していくロリ2人、変態馬鹿は物凄く嬉しそうな表情で、徐々にその生命活動を終了に向かわせている感じだ。


 最後に良い思いを出来た、これまで隠し部屋から覗くだけであったロリキャラから実際に触れられ、それを感じ取りながら死を迎えるというのは、このロリコン野郎にとっては最大限の幸福なのであろう。


 処刑はそこから10分以上続き、可能な限り長く生きて、可能な限りロリキャラによって足蹴にされる感覚を長く味わおうと試みていた馬鹿も、ようやく同行が開き、ボロボロの状態でこの世を去ったのであった……



「処刑終わり! じゃあ2人はこっちへ来なさい、もう一度縛って、それから……どうしようかしら?」


「精霊様、ここにダンボールが落ちているぞ、これに詰めて宅配で王都の牢屋敷へ送ろう」


「あ、じゃあそうしましょう、あんた達、もし向こうで暴れたり、途中で脱出したらどうなるかわかっているわね? お尻が崩壊するまで鞭を入れるわよ」


『はーい、わかりました~っ』


「うむ、これでこのフロアも終わりだな……さてと、この馬鹿が出て来たのはこの小部屋だったな、サッサと転移して次へ向かおう、余計な時間を喰ってしまったからな」



 縛られたまま2人一緒にダンボールへ詰め込まれ、緩衝材も入れられて宅配で送られるゲスロリとカスロリ、その2人を見送った俺達は、変態馬鹿が用いてここへやって来た転移装置を起動させる。


 12人のパーティーと案内係のジェーン、そして記録係のpootuber、合計で14もの個体を転送したため、少し時間が掛かってしまったが、どうやら成功するにはしたようだ。


 転移装置がある小さな部屋を出ると、場内の様子はかなり変化していた……まさに『上層』といった感じの、高級感のある装飾、調度品、そして……上階からは、既に連絡を受けて搔き集められた敵の、そこそこに大きい力の気配を感じる……

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