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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十六章 汚いし姑息、あと臭い、そしてそれだけじゃない
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93 反乱の大貴族

「ルビア、インテリノ王子に回復魔法を!」


「インテリノ、大丈夫なのあなた?」


「うっ……勇者殿、姉上、申し訳ありません、このような情けない姿を」


「今は安静にしていなさい、詳しい話は後で良いのよ」


傷だらけのインテリノ、その周りに居たのは元々救援要請に行ったときの部下ではなく、その後総務大臣が迎えに出した兵士である。

助かったのはインテリノ本人と、それからいつも付き添っている教育係の女性のみだという。


しかし何も知らずに反乱の意思を持つ侯爵家に行ってしまったとはいえ、どうしてここまでやられて帰って来るのか?


インテリノもお付きの女性も相当に強いはずだし、それに関しては殺された兵士だって同じことであろう。


普通の人間相手にここまでされるとは到底思えない……




「ご主人様、2人共治療は終わりましたよ、眠ってしまったようなのでしばらくは目を覚まさないと思いますが」


「よっしゃ、それじゃあ俺達で2人を護衛しながら王宮へ運ぼう、ルビアはご苦労だった、休憩して良いぞ」


俺、セラ、マリエルの3人が付き添い、インテリノ達を連れて王宮へ向かう。

他のメンバーはもう一度門兵の詰所で待機となった。




「おぉ、ゆうしゃよ、インテリノを救助したようじゃな、助かったぞよ」


「おい駄王、あの王子があそこまでやられたんだ、もはや相手は人間じゃないと思ったほうが良いぞ」


「そのようじゃな……しかもインテリノが連れて行ったのは国一番の精鋭20人じゃぞ、それが全て殺られるとは……」


今回の騒動でクロがほぼ確定となったのは『()()()()()()()』という奴だそうな。

もう名前からしてモロである。


そしてただ裏切ったのではなく、魔王軍と通じて何かよからぬことを企んでいるのは間違いない。

その詳細を知っているであろう2人はまだ意識が戻らないがな。



「とにかく本人と家庭教師っぽい女は助かったんだ、落ち着いたら何があったのか話しを聞こうぜ、どうせまたろくでもないことになっていると思うがな」



そこへ兵士が飛び込んでくる……



「報告します! インテリノ第一王子が目を覚まされました、ご自身ではもう大丈夫と仰っているようですが……」


「うむ、ちょっと心配じゃの、というかそもそも子どもは寝る時間じゃ、話を聞くのは明日にしようぞ」


「それが良いな、俺達も今日は帰るよ、城門までの馬車を出してくれないか? 俺達は歩いて帰れるが、あそこに居る仲間はちょっと宿まで遠いからな」


「うむわかったぞよ、総務大臣よ、馬車の手配を頼むぞ……」


そこへテラスから生じたと思しき轟音が響き渡る。

友達のインテリノが心配になったリリィが飛んで来たのだ。


というかいつもあのレベルの音を出して着陸していたのか俺達は……

近所迷惑なので次からはソフトランディングを心がけよう。



『ご主人様、インテリノ君は大丈夫ですか?』


「ああ、もう目を覚ましたそうだ、リリィもそんなところから頭突っ込んでないで入ってくると良い……いや待て、そのままじゃない、人間形態にだなっ!」


また王の間がボロボロになってしまった、まぁ別にどうでも良いか。



結局、リリィとマリエルは看病のため王宮にお泊り、俺とセラは歩いて帰ることとなった。

城門に居る連中にはそのうち馬車が送られて、皆で一緒に帰って来るそうだ。



俺達は先に帰り着いたため、残りのメンバーを待ちながらしばらくセラと2人で話し込む。



「ねぇ勇者様、敵のウラギール侯爵とやらはどう出てくると思う?」


「わからんなぁ~、でもインテリノ達を討ち損じたのに追っ手を出していないようだからな、こっちが来るのを待ち構えるつもりじゃないかと思うぞ」


「そちらの方が都合が良いわね、こっちはリリィちゃんと精霊様が空から攻撃出来るし、攻める側になるのが有利のはずよ」


「そうだな、黙って待っていてくれると助かるな……」




「ただいま、あら、勇者様とお姉ちゃんはもう帰っていたのね、2人でエッチなことしていないでしょうね」


しまった、真面目な話に没頭しすぎてそのことを忘れていた。

セラも今になって2人きりであったことを思い出したようだ、実に悔しそうな顔をしている。



「……それでそのウラギール侯爵という奴が敵で確定なのね?」


「そうらしい、まだ確定とまではいかないが、十中八九当りであろう」


「じゃあこの水の大精霊様が飛んで行って滅ぼしてくるわ、どこに居るのそいつは?」


「南の国境付近が領地だそうだ、トンビーオ村に行くときに泊まった宿の辺りから南らしい、でも今は行かないでくれ、明日王子から話を聞くが先だ」


「仕方が無いわね、ちょっとだけ待ってあげることにするわ」



今回の事件では、屋敷だけでなく社も放火により全焼している。

よって怒り心頭の精霊様、おそらく黒幕を攻めるとなったら存分に暴れてくれるであろう。


だが今はまだ早い、しばらくは宥めておかないと何をするかわからないからな。

適当に酒でも与えて大人しくさせよう。



「さて、今日は色々ありすぎて疲れた、さっさと風呂に入って寝ることとしよう!」



※※※



翌朝、そろそろ全快したであろうインテリノから話を聞くため、俺とセラは再び王宮へと足を運んだ。



王の間に入ると、既にインテリノとお付きの女性、それからリリィとマリエルもそこに居た。

どうやら俺達が最後のようだ、ゴンザレスやシールド達も来ている。



「うむ、全員揃ったようじゃな、では殿下、詳しい話をお聞かせ願えるか?」


「ええ、まずは何からお話すべきか……」


お付きの女性のサポートは受けているものの、ウラギール侯爵の城で起こったことを理路整然と話すインテリノ、大人顔負けである。

というかマリエルや駄王よりも遥かに賢い、どうしてこうなった?



「……では一度城内に通され、そこで急に襲い掛かられたと?」


「はい、とっさに応戦したのですが、敵は全員恐ろしいほどの使い手……ではなかったのですがとにかく強くて、私達だけがかろうじて逃げ延びました」


「ちょっと待ってくれ、相手は人間だったというのか? 魔族とかじゃなくて」


「そうなんですよ、最初は魔族の変装を疑ったんですが、殺しても姿が変わらなかったのでおそらくは人間かと」



敵、つまりウラギール侯爵の兵は人間離れした強さだったようだが、それでも魔族ではなかったようである。


そして、どう考えてもその強さがおかしかったという。


敵兵は剣が上手いとかそういった技術的な強さではなく、ひたすらに力や素早さが高く、斬られても焼かれても全く怯むことなく向かって来たそうだ。



「ふぅ~む、敵はどちらかと言えば人間よりも筋肉団寄りの連中じゃな、ゴンザレスよ、そういうのに何か心当たりは無いかの?」


ババァ総務大臣にとって人間と筋肉団はイコールでないらしい。

正直、俺もそう思うのだがな。



「うむ、我々のような正義の超生物が居るのですから、それと対になる悪の超生物が居ないとも限りませんな、ただ、人間をやめるには生後3日以内にトレーニングを開始する必要がありますがね」


筋肉団員は超生物だった、しかし生後3日でトレーニング開始とか冗談じゃないぞ。

というかそれをやらせた親は何を考えているんだ? もしかして親も超生物なのか?



「あ、待って下さい、もしかするとこの間の身体強化のクスリ、あれと同じものを使ったとしたらあるいは……」


「姉上の意見には一理ありますね、元々鍛え上げた兵士のステータスをあのクスリで伸ばしたら、もしかするとあの強さも実現可能かもしれません」


「しかし戦闘技術は皆無だったんだろ? それは鍛え上げているようには思えんのだが」


「う~ん、確かにそうですね、あれは訓練した兵の動きではなかったと思います」



その後もしばらく会議を続けたものの、敵の正体は一向に見えて来なかった。

結局、偵察部隊を侯爵の元に送ってしばらくその動きを監視するということで話がまとまる。


今回は既に剣を交える戦いに突入した、しかも敵は王子を直接狙ったのだ。

もしここで偵察部隊が見つかってしまったとて、それが戦局に及ぼす影響は限定的であろう。


偵察部隊はすぐに出発し、俺達はその報告を待つこととなった。



「ところで総務大臣、王都民を扇動して犯罪に走らせた侯爵の手下は見つかっているのか?」


「それがの、昨夜すぐにウラギール家の王都屋敷に踏み込んだんじゃ、しかし地面に穴が空いておっての、王都の外に繋がっておったわい」


敵はなかなか計画的だったようだ。

おそらく馬鹿な王都民を嘘八百で騙し、暴動で俺達の屋敷が焼け落ちる頃には既に教唆犯達を脱出させていたのであろう。


しかしそうなると、敵は万が一計画が失敗したときのことも考えていたようだな。

インテリノ達が逃げ切ってここで報告しているのはかなり運がよかったんじゃないのか?


でもだとしたらなぜ追っ手を差し向けなかったのだ?

考えれば考える程に疑問が増えていってしまう……



「ではとにかく偵察部隊の帰還を待つとしよう、王よ、本日は散会ということで構わんじゃろう」


「ん? おぉ、全く聞いておらんかったのでもう一度最初から話して欲しいぞよ」


全員で寄って集って駄王をボコボコにし、気が済んだ者から各自帰宅する。

俺達もさっさと帰って作戦会議をしよう。




「勇者殿、帰ってパーティー会議をするというのであれば、僕とマトンちゃんも一緒に行って構わないか?」


「そのつもりだし、来てくれると言うのなら逆にこっちが助かるよ、勇者パーティーには頭の良い人材が不足しているんだ」


マトンが来てくれるのであれば好都合だ。

賢いし、お馬鹿で言うことを聞かないマーサもマトンの言うことは無条件で信じるからな。



ゴンザレスは命よりも大事な食事当番なので帰るらしい。

この世界でも筋肉にとって食事が大切であることは経験則でわかっているようだ。


シールドとマトンを連れて屋敷へと戻った……



※※※



「ここは全軍で突撃すべきなのよ、一気に攻めてガーッとやっちゃうわよ!」


「マーサ様落ち着いて下さい、これは敵の罠かも知れませんよ、私ならあえて敵が一気に攻めてくるように仕向けて叩き潰しますから」


「そう? まぁマトンがそう言うならそうなのよね、きっと」


やはり連れて来て正解であった、いつもなら今のマーサの意見に賛同する者が続出し、終いには俺達だけで勝手に攻める流れになっていたであろう。

もちろん俺もそれに賛成である……



『でも追っ手が来なかったんですよね? そうなると他にも敵が居るのかも知れませんよ』


「何だビーチャ、よくわからんぞ? ちょっと馬鹿でもわかるように説明してくれ、自分が賢いからといって皆もそうだとは思わないほうが良いぞ」


『ええ、では馬鹿な勇者さんでもわかるように……謝るのでその棒はしまって下さい』


ビーチャ曰く、敵は俺達にウラギール侯爵を攻めさせ、その隙に別の連中が王都を攻撃する作戦に出る可能性があるという。


現在のところ目立った敵はウラギールだけである。

しかし本当にそうなのか? 


俺達が知らないだけで、実はそいつや魔王軍と通じている貴族が居ないとも限らない。


そしてそれが元々怪しいのならいざ知らず、突如として降って沸いた今回の事件、内部の監視も行き届かないレベルで何か巨大な陰謀が蠢いているやも知れぬのだ。


これは下手に大軍を動かさない方が良さそうだし、俺達も慎重に行動しなくてはならない。

というか適当に全員で動いて屋敷を焼かれたばかりだからな、ここでもう一度同じ轍を踏んだらそれこそ単なる馬鹿だ。



「で、王宮で送ったその偵察部隊とやらはいつ頃帰って来るのかしら?」


「そうですね、距離も結構ありますから、早くても1週間は掛かるかと……」


「ちょっと遅いわね、今から私が様子を見てくるわ、夜には戻ると思うから食事とお酒を用意しておきなさい」



「精霊様、行ってくれるのは助かるが、くれぐれも攻撃したりするんじゃないぞ!」


「はいはい、じゃあ行って来るわね!」


本当に大丈夫であろうか? 誰も付いて行けないだけにかなり不安なのだが……



その後もシールド達を交えた会議を続けていった。

そろそろ夕食を頼もうかという段階になって、ようやく精霊様が帰還する。



「おかえり精霊様、で、どうだった?」


「攻撃されたわ」


「・・・・・・・・・・」


何をやったら攻撃されるのだ?

そもそも精霊様はかなりの高空から偵察しているはずだ、それを人間の目で見つけられるとは思わないのだが……



「全く驚いたわ、全然近付いていないのに魔法を撃ってきたのよ、3kmは離れていたはずよ!」


「信じられんな、というかそもそもその距離で魔法が届くのがおかしいだろ」


「ええ、物凄く強力な氷魔法だったわ、それも100発以上、まるで避けられなかったし」


「まさか喰らったのか?」


「残念ながらほとんど命中されてしまったわ、私だからダメージはないけど、普通は一発貰えば即死ね」


ヤバイヤバイ、敵は思っていたよりもはるかに強力だぞ、今回は俺達だけで勝てるとかそういう相手ではない。

というか偵察部隊を早く戻さないと、間に合わなかったらご愁傷様だな。



マリエルが全力で王宮へ戻って行く。

先程発ったばかりの偵察部隊を回収し、改めて明日作戦会議を行うよう伝えるためだ。

間に合うと良いんだが……



「しかしその攻撃をインテリノ王子に使ってこなかったとなると、ますますわざと逃がした説が信憑性を帯びてくるな」


「どうかしら、あの魔法、使った人間は1回で確実に死んでいるわよ、あんなのに人間の体が耐えられる訳ないもの」


「何それ? ヤバいだろ、自爆攻撃じゃないか」


「本人達がそのつもりだったとは思えないけれどね、同時に攻撃して来てあとはそれっきりだったし、死ぬなんて知らずに撃ったような気がするわ」



そういうことか……しかし1回だけとはいえ精霊様が避け切れないような攻撃を放てるような人間を無駄遣いするのか?

そもそも氷魔法なんてそうそう使える奴は居ない貴重な人材とのことだったのに。

そのあたりもかなり疑問である。


というかもしかすると本当はその連中が最終兵器で、普通の人間では到底太刀打ちできない精霊様が攻めて来たことを何らかの方法で知り、なんとか退けようとそれを投入した可能性もあるな。



「ただいまっ! 勇者様、明日の朝もう一度王宮へ集合だそうです、偵察部隊の方も何とか戻したとのこと」


「そうか、無駄な犠牲を出さずに済んで良かった、しかし作戦会議をするにしてもな……」


敵の詳細もわからない、偵察も不可、どうしようもない状態である。

決死隊を組むにしてもな、そもそも犬死になる可能性も高いわけだし……


待てよ、ちょうど良い連中が居るじゃないか!


「マリエル、何の根拠も無い不当なデモだの暴動だのに進んで参加した馬鹿共は全部捕らえてあるんだよな?」


「ええ、牢屋に入れて処刑待ちさせていますが」


「そいつらを捨て駒にしてしまおうか、別に死んでも良い連中だからな、こんなところで王都決死隊を出すより遥かに良いだろう」


「あ、それがベストですね、明日の会議で提案することにしましょうか」




翌日の会議、俺達が考えた案はすんなり承認された。


牢に繋いである騙されたデモ参加者には、敵の本拠地に突撃すれば罪を一等減じるとだけ言っておく。

もちろん生きて帰って来ても命は助けない、八つ裂きを七つ裂きぐらいにしてやるつもりだ。




「では勇者よ、今回の事件で捕らえてある死刑囚の中から決死隊を募る、そしてその様子を遠くから観察するという作戦で良いな?」


「ああ、それでいこう、敵に攻撃させてみればその実態がわかるだろうからな」



作戦はこれで決まりであるが、問題は敵の強さである。

どう考えても今までどおり戦って勝てる相手ではないからな、出来ればもう少し敵を観察する時間が欲しいところだ。



「じゃあ俺達は帰るから、決死隊募集の件よろしく頼むぞ!」


「うむ、任せておくが良い」



セラ、マリエルと3人で宿までの道を行く。


「ねぇ勇者様、そういえば私達の屋敷、どうなるのかしら?」


「そうだよな、侯爵の反乱も良いけど早くそっちも何とかして貰いたいよな」


「温泉もですよ、今のお風呂は広いけど全くダメです、風情がありません」


マリエルは屋敷にあったような露天風呂が好みらしい。

温泉を掘り直すときもそのタイプにして貰おう。



「まぁ、でも俺は今の風呂も好みだぞ、普通のお湯は透き通っているからな、皆の裸が透けて見えるんだ」


「本当にいやらしい異世界人ですね、というか裸が見たいのであれば言って頂ければ今すぐにでも脱いで見せますよ」


「マリエル、お前こんなところで脱ぐのは犯罪だぞ、これ以上罪を重ねるつもりなのか……」


「……前言撤回です、宿に帰ってから見せてあげます」


マリエルと指きり拳万して固い約束を結ぶ、そうこうしているうちに宿に着いた。



「あ、お帰りなさいご主人様、ちょっと聞いて下さい、大変なんですよっ!」


「どうしたルビア、パンツが食い込んだなら直してやるぞ」


「それもあるんですが、実はカレンちゃんの権利書を持った貴族が押しかけて来たんですよ、正規ルートで買ったのだから身柄を寄越せって」


「そんな奴殺せば良いじゃないか?」


「それがですね、そいつは今暴れているウラギール侯爵と繋がりのある貴族らしくて、下手に手を出すとまた面倒なことになりそうなんですよ」


「じゃあしばらく無視しておこうか、明日王宮で対応を協議するよ、マリエルが」


後ろで服を脱ぎ出していたマリエル、脱ぎかけのキャミソールの中で頷いているのがわかる。


というかそんなゴミ貴族は今のうちに死刑にしてしまえば良いのではないだろうか?

ウラギール侯爵の城を攻めるときにはそいつの首を槍にでも刺して掲げていくべきだな。


「勇者様、服を脱いだのでじっくり見て下さい、それと、その貴族はこの間死んだ運輸大臣の家の跡取りですね、卑劣で陰険な男ですよ」


「じゃあそいつも今回の件に絡んでいそうだな、おそらく兵が出て行った後に王都の中で暴れるつもりなんだろう、やはりしばらく泳がせて監視するのが良さそうだな」



翌日から、当該貴族には王都でも優秀な偵察部隊員を5人も付けておいたそうだ。

大盤振る舞いである。


そしてその後、監視対象の動きからとんでもないことが発覚してしまったのは言うまでもない。


どうせより一層面倒なことになると思っていましたよ……

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