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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十九章 島国
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921 王都内の惨状

「行くぞオラァァァッ!」


「ちょっとご主人様、どうしてそんなに気合が入っているんですか? 何と戦っているんですか?」


「わからんが、とにかくオラァァァッ!」


「あの、勇者殿は普段からあんなに意味不明なのですか?」


「王子様、主殿は許してやって欲しい、頭が悪いのだ」


「それは重々承知ですが、これはさすがに人ではなくチンパン……」


「うるせぇぞお前等! そして行くぞオラァァァッ!」



 美し……くはないのだが、とにかく拠点である王都を守るため、そしてそんなものよりも、大切な仲間の方を救助するため、俺達は気合を入れてダニ、ノミ、シラミが降り注ぐ、最悪のエリアへと走る。


 ちなみにカレンは気が付いたようだが、まだボーっとしてしまっていることから、念のためジェシカが背中におんぶして移動している状態。


 おそらく本人はこれから向かう先について理解していないことであろうな、まさか自分の大嫌いなあの連中が、大量どころかそれ以外何も存在しないのではないかという勢いで降り注ぐ、その下へ向かっているとは。


 だが、俺達にはこの防御力最強クラス、おそらく放射能系のアレな場所でもほどほどに使うことが出来そうなバトルスーツを着用しているのだ。


 ダニ、ノミ、シラミ程度、このバトルスーツの隙間を通過することなど出来ずひたすらに跳ね返されるのみなのである。

 と、ここで王都北口の門がハッキリと見え始める、倒れているのは兵士か、あの場所からこちら側は黒雲の勢力範囲外なのだが、それでも門の中から溢れ出した奴等によって、兵士達が襲われているということだ。


 倒れた兵士は皆痒そうに手を動かしているのだが、装備が邪魔で掻くことなど不可能という感じ。

 これはかなりキツいな、兵士である以上装備を外してしまうわけにもいかないし、かといって色々と痒いし……考えたくもない状況だ。


 で、その状況の兵士は、遠くから駆け寄って来た俺達に助けを求めるのだが、もうこの状態にあってはどうしてやることも出来ない。


 せめて成仏しろよと、来世はダニ、ノミ、シラミの居ない世界に生まれ変われよと、そう告げて焼香を……したらかなり奴等を倒すことが出来たようだな、先程のバトルスーツの件もそうだが、やはりこういう敵は煙で燻すに限る。



「うぅっ、助かった、もう目も見えないし、誰だかはわからないが、これで安らかに……」


「いやあんた死なないからね、てかどうなってんだ王都の中? ちなみに俺は勇者様だ、俺の仲間は無事か? それ以外は……まぁ、別にどうなろうと構わないんだが、とにかくどうだ?」


「情報量が多すぎて……わかりません……」


「チッ、処理能力の低い奴め、これだから末端の雑魚兵士は困るぜ」


「まぁ主殿、この状況なのだし仕方がなかろう、それよりも屋敷の方へ向かうんだ、仲間が心配だからな」


「だな、だが王子は王宮の方を目指してくれ、この後で前庭にて集合としよう、二手に分かれて重要な拠点を確認するのがベストだろうからな、ただし無理はするなよ」


「わかりました、ではこれにてっ!」



 カレンと同等に小さなバトルスーツのインテリノを見送り、俺達はダニ、ノミ、シラミに飲み込まれた道を、すぐ近くの屋敷を目指して走る。


 足元の感触の悪さは何だ? これは微生物の類を常に踏んでいる、普段の気付かない殺生とはわけが違う感覚だ。


 ヌチャッ、ヌチャッとまるでハンバーグでも踏みしめているような感覚……もちろん犬のウ〇コを踏んだようなとは言わない、それはさすがにキモすぎるためである。


 で、すぐに見えてきた屋敷の様子は、これまでに見たことのないものであった、大量のダニ、ノミ、シラミに囲まれ、禍々しい真っ黒な建物となり果てていた。


 奴等め、ここが勇者ハウス、即ちこの王都で最も戦力が集中した夢のお家であることを知っていたのか。

 周りにある他の建物と比べても、その被害の大きさは一目瞭然だ、集中攻撃されていると言って良い。


 すぐに門から中へ入り、正面玄関から建物の中へ、隙間から侵入したダニ、ノミ、シラミだらけの階段を通過して2階へと駆け上がる。


 だがそこには誰も居ない、いつも使用しているメインの大部屋も、その他の部屋にも、仲間達の姿は見当たらなかった。


 地下へ避難しているということか、シルビアさんが管理している地下には、きっとこのバトルスーツが人数分置いてあったのであろうし、皆はそれを着用しているに違いない。


 だがそれでも『間に合って』はいないであろうな、少なくとも最初の、攻撃が開始された直後のタイミングにて、皆はかなりの『奴等』を浴びてしまっているはずなのだ……



「下だっ、とにかく下へ行ってみよう、皆そこに居るはずだ」


「ええ、じゃあカレンちゃんはどうしましょう?」


「うぅ~っ、暑いです……」


「ヤバいな、中の暑さでギブしそうだぞ、とにかく急ごう」



 気付かないうちにヤバめの状態となっていたカレンを守るためには、王都から脱出してバトルスーツを脱がせてやる必要がある。


 この気密性の高いスーツには熱が籠り、熱さに弱いカレンにとっては少々酷であったようだ。

 すぐに階段を駆け下り他の仲間達が隠れているであろう地下の、牢屋があるフロアへと向かう。


 奥から人の気配がするな、ここにも奴等が大量に侵入してしまい、その蠢く感触で上手く伝わってこないのだが、おそらくは複数人、奥の、いつもシルビアさんが拷問やお仕置きに使っている部屋に居るようだ。


 すぐにそちらへ走り、扉を開け……キッチリ鍵が掛かっているではないか、普段このようなことはなく、比較的不用心なのだが、今日はそうではないらしい。


 きっと奴等の攻撃を受けてパニックとなり、無駄だとわかっていても扉を閉め、そして鍵を掛けたのであろう。

 その方が心理的には落ち着くであろうし、扉さえ閉まっていれば中へ入り込む奴等が実際に少なくなるはず。


 ひとまずノックしてみると、中からセラらしき声で返答があった……



『誰なの? シルビアさんかしら?』


「違う、俺だ俺、俺だよ」


『あら、単なるオレオレ詐欺だったわ、全くこんなときにしょうがないわね』


「・・・・・・・・・・」



 どう考えてもそうではないであろうと、そしてサッサと扉を開けてくれと告げると、なぜかアッサリ拒否されてしまったではないか。


 どうやらバトルスーツの気密性が高すぎて、そして蠢く奴等がウザすぎて、部屋の中に閉じ籠った仲間達には、声の主が詐欺ではない、正真正銘の俺だということが伝わらないらしい。


 だがそんなことをしている暇ではないため、せっかくある覗き窓からこちらの様子を見てみろと告げると、再び誰かが近付いてくる音がした……



「お~いっ、俺だよ、わかるだろう? 俺だ俺!」


『……変なバトルスーツを着込んだ受け子でしたの、出ない方が良いですわね、敵かも知れないですわよ』


『やっぱり、こっちはマーサちゃんが大変なのに、詐欺師は撲滅してあげないとなりませんね』


「・・・・・・・・・・」


「いや主殿、少し代わってくれ、お~いっ! 私だ、誰かここを開けてくれっ! ユリナ様が近くに居ますか? 居るのでしたら開けて下さいっ!」


『今度は私を指名してきましたの、本当に鬱陶しい詐欺ですわね、声まで変えて』


「・・・・・・・・・・」



 そんなことをしている間にも、カレンは暑い暑いとどんどんダレてしまっているし、部屋の中からはマーサらしき声で、痒い痒いと聞こえてくる。


 ここはもう扉を蹴破るしかなさそうだ、そう思って後ろへ下がり、助走を付けようとしたところで……ルビアが普通に部屋の鍵を取り出し、普通にガチャッと開けてしまった。


 鍵を持っているのならまずそう言えと、そんなことを思ったのは俺だけではないはずである。

 そして普通に、だが奴等の侵入を最小限に抑えるように、スッと扉を開けるルビア。


 中の面々は驚愕していた、無理もない、オレオレ詐欺の、しかもわけのわからないバトルスーツを纏った集団が、普通に鍵を開けて中へ入って来たのだから。


 というか、シルビアさんが持っていたスーツはこれだけであったか、てっきり人数分用意され、この仲間達も同じ格好をしていると思ったのだが、皆は普通に素肌を晒したままである。


 部屋の奥にはやられたらしいマーサと、外に居てかなりの被害を受けたというミラとアイリス、それからその2人を介抱しているマリエルとリリィが詰めていた。


 他の仲間達は扉の前に立つ俺達を睨み付け、セラに至っては戦闘態勢に移行しているではないか。

 少し待てと、今度こそ俺だと告げると、ここでようやくこちらの正体に気付いてくれたようだ……



「何だ、勇者様達だったのね、それならそうと早く言ってくれればよかったのに」


「言ったつもりだったんだがな……しかしこの状況は……派手にやられたな」


「ええ、マーサちゃんはもうしばらく、というかノミとかが全部とれるまではダメね、でもどんどん新しいのが入り込んで来ているから、完全に敵をやっつけないとどうしようもないわ」


「で、他にもミラとアイリスか……他の仲間はどうだ?」


「もう痒くて仕方ないわよ、すぐに逃げ出した誰かさんは大丈夫でしょうけど」


「……精霊様が居ないな、奴め、黒雲の上に逃げやがったな、後でお仕置きだ、で、セラにちょっと頼みがある、風魔法を使ってダニ、ノミ、シラミを吹き飛ばす、そしてそのまま移動するんだ」


「そんなの上手くいくかしらね? 少なくとも足元のは飛ばせないような気がするけど」


「大丈夫、俺達はこのバトルスーツのお陰で被害皆無だからな、だがカレンがちょっとヤバい、王都の外へ連れ出してやらないとなんだ、頼めるか?」


「ええ、だったらそっちの3人も一緒に、ここに居るよりは安全かも知れないし、とにかくやってみましょ」



 ということでセラの魔法を用いた移動作戦に出る、本当は精霊様の水で流すのが早そうなのだが、それが逃げ出してしまったとあれば仕方がない。


 精霊様については後程尻がおかしくなるまで引っ叩いてやるとして、最大被害のマーサと、それに次ぐダメージを負っているミラとアイリス、3人を布で包んで立ち上がらせる。


 マーサもミラも立ち上がることは出来たのだが、非戦闘員で体力のないアイリスは無理であった。

 あの筋肉団でさえも、外にずっと居れば倒れてしまうような不快さなのだ、これも無理はない。


 で、仕方ないのでアイリスは俺が背負い、可能な限り露出を少なくして屋敷から出た。

 おそらくは『シラミ』に取り付かれているのであろうが、ダニやノミについてもかなりの危険性を孕んでいることは間違いない。


 しかしこの状態からどう回復させようか、文字通り『虱潰し』に、地道に作業していくこととなってしまうのか? ノミならどうにかなるし、シラミは読んで字の如くだが、ダニについてはかなりキツイかも知れないな。


 などと考えているうちに王都から脱出することに成功し、クリーンな空気の、美しい野原に仲間達を連れ込む……この間に他の仲間も多少やられてしまったようだ。


 ペッタンコの靴を履いていたリリィなどは、笑顔でありながらも痒そうに足をゴシゴシしているし、長い尻尾がうっかり風の範囲からはみ出してしまったサリナも、少しばかり何かにやられてしまっているらしい……



「うぅ~っ、動いたら何だか痒くなってきたわっ、ちょっと勇者様、背中掻いて」


「掻いてって、子どもじゃないんだから自分でやれよな、俺はバトルスーツを着用しているから何も出来ないぞ」


「というか、そのスーツを私に貸してちょうだい、サイズとか良いから、ほら早くっ」


「ダメに決まってんだろう、俺達はこれから王都の中へ戻って、王子と合流して中の様子を確認しなきゃなんだ、コレなしでどうしろってんだよ」


「それはもう諦めて、喰らいながら進むしかないわ、笑顔を絶やさず、もちろん背中は自分で掻きなさい」


「このっ、メチャクチャを言う奴はお尻ペンペンだっ!」


「ひぎぃぃぃっ! あ、でも痛みで痒さが紛れたわ、もっとぶってちょうだい」


「叩かれたいだけだろうこのドMめがっ!」


「ぎゃいんっ!」



 などと遊んでいる暇ではなく、俺達4人……いや、カレンは既にバトルスーツを脱ぎ捨てている、もちろんダニ、ノミ、シラミだらけの仲間達とは距離を置いてのことだが、相当に暑かったらしい。


 仕方ないので俺達は3人で王都内へ向かうこととし、反転して北門へと向かって走る。

 王都内へ入ると……何やら先程よりもやかましいような気がしなくもないな、何かさらに悪い事態が……どうも生じてしまっているようだ。



「ご主人様! 向こうで何かが暴れていますっ!」


「あぁっ、きっと魔王軍の手勢だ、元々警備が堅い北門は避けて、西とか南とかから侵入したんだろう、しかも魔族……だよなアレ?」


「凄く光っているぞ、本当に生物なのか?」


「生物らしいぞ、中級魔族だ、しかしなんという鏡面仕上げ」



 王都の中心部で暴れていた、痒さのせいでまともに戦うことの出来ない兵士らを虐殺していたのは魔族。

 前進がツルツルの、景色さえも映り込むような美しさを持った、だが顔面の方はそこそこキモい何かであった。


 おそらくは副魔王が送り込んだのであろう、あのフォルムであれば、少なくとも『自分達だけはダニ、ノミ、シラミの影響を受けない』という状態に持っていくことが出来る。


 無毛のツルツルであるがゆえ、どんな小さな吸血生物も、滑ってしまってそのボディーに取り付くことが出来ないのだ。


 そんな特性を生かした敵であれば、たとえ中級魔族、今の俺達や筋肉団、もちろん通常状態であればの話だが、そういった面々の相手にもならないような雑魚であったとしても、戦闘で大活躍することが可能となる。


 既に王宮前の広場は血の海、ただでさえ弱い一般兵士が、敵の攻撃によってその戦闘力を大幅に削られた状態で戦っているのだから、これはもう戦闘ではなく大量虐殺の類といえよう。


 先に王宮へ向かい、今はおそらく内部の捜索をしているのであろうインテリノは、きっとこの事態に気付いていないはず。


 ならば俺達が片付けてしまおう、そうすれば多少なりとも被害を軽減することが出来るに違いない。

 というか、これ以上こちらの戦力を持っていかれるわけにはいかないし、この連中が次に狙うのはこの国の喉元、王宮であることが明らかなのだ……



「オラお前等ぁぁぁっ! 勇者ダイナマイトドロップキィィィック……あれ?」


「何を滑っているのだ主殿は、全く面白くないぞ今の」


「いや違うっ、ちゃんと勇者ダイナマイトキックを喰らわせて……」


『ゲェ~ッヘッヘ、何だそのくだらない技は、まぁ、効果の方もアレだったみたいだがな、お前等の攻撃は俺達には届かねぇよっ! 俺達はなぁ、時間を掛けて丹念に磨き上げた、摩擦抵抗ほぼゼロの最強中級魔族なんだ、ゲェ~ッヘッヘッヘッ』


「……お前、表面はツルツルで美しいが、中身と喋り方はゴミのようなアレだな」


『フンッ、何とでも言うが良いさ、俺達がお前等を攻撃しても効きはしねぇだろうがな、だからといってお前等が俺達を止めることも出来ねぇ、ゲェ~ッヘッヘッ!』

『ゲェ~ッヘッヘッ!』


「鬱陶しい奴等だな……いや、でもマジでどうしようか……」



 このツルツル野郎共をどうしてくれようか、そのようなことを考えている間にも、無駄に立ち向かっていく兵士達が無駄に死んでいく、もちろん痒そうにしながらだ。


 ツルツルで物理攻撃が無効、もちろん魔法も跳ね返してしまうであろうから……リアルにどうしようもないな。

 いや、作戦ならある、あるにはあるのだが、それはそこそこに危険かつ被害の大きなものだ、だがやってやるしかない。



「おいお前等、ちょっと聞け」


『んっ? まだ何か用があるってのか?』


「死ねやボケェェェッ!」


『なっ、コイツ地面をっ、ギャァァァッ!』


「あ~あ、広場に大穴が空いてしまいましたね」


「だが奴等とてこれを無事では切り抜けられまい、掌がツルツルすぎて登って来られないんだよきっと」


『クソォォォッ! このっ、ダメだ、登れねぇぇぇっ!』


「バーカ、そこで永遠にツルツルしてやがれこのハゲ共、じゃあなっ」



 おそらく足の裏以外は鏡面仕上げなのであろう、しかも硬度が高く、壁に擦り付けた程度では傷ひとつ付かないそのボディー、そして掌は、絶対に穴の壁を掴むことなど出来やしない。


 まるで超急角度の蟻地獄にでも落下したかのように、ツルツルの敵共は穴の底で、戦闘が終了して埋め立てられるときを待つ他ないのである。


 と、今の轟音を聞き付けたのか、城の中から小さなバトルスーツが飛び出して来たではないか。

 間違いなくインテリノなのだが、万が一に備えて、先程コッソリ決めておいた合言葉の片割れを投げ掛ける……



「ウ〇コ!」


「……ぶ……ブリブリ」


「よろしい」


「何なのですかこの合言葉は? 可能であればもう少し清潔なものをですね」


「うむ、反応からして王子そのもので間違いないな、で、中の様子はどうだった?」


「死者は居ないようですが、ほとんどがやられてしまって、その、父上が……えらいことに」


「奴なら大丈夫であろう、で、こっちは攻めて来た敵の第一陣を屠ったところだ、これからツルッツルの奴等が押し寄せて来るぞきっと」


「それはかなり拙い状況で……うむ、対ツルツル用の決戦兵器を持ち出すときがきたのかも知れません」


「何それ? そんなのあんのか?」


「ええ、古の戦にて、敵のハゲ軍団が太陽光を反射してそれを集中させ、砦を火攻めにしてきたということがあったそうで、それ以降、王国は敵がハゲであった際の対処方法について、かなりの予算を組んで研究を続けているのです」


「無駄すぎんだろそれ……いや、だが役に立つのか、その決戦兵器は?」


「まだまだ未完成ですが、研究所の倉庫に保管されているはずです」



 ということで次は研究所へ、そういえば研究所員のマトン、つまりマーサの元部下なのだが、あの子は大丈夫なのであろうか?


 ヒツジ魔族という、こういう際に最もダメージを受けそうな感じの存在なのだが……一緒にその安否も確認しておかなくてはならないな……

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