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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十六章 汚いし姑息、あと臭い、そしてそれだけじゃない
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89 まさかの伏兵

「じゃあ明日には小舟が準備出来るんだな、そしてここから脱出することが可能になると」


「おう勇者殿、脱出ぐらいならバタフライで行けば簡単だぞ、小舟はあくまでも物資搬出用だ」


俺達は急いで物資のモノマネをした。


泥水に囲まれたカジノ、未だにその周囲から水が引く気配は無い。

今日はここに泊まり、明日搬出して貰うこととしよう。



「そういえば風呂は沸いているんだったよな、さっさと入ってしまおう、居酒屋は通常通りの営業だ」


風呂に入り、居酒屋で酒を嗜みながら夕食とする。



「というかご主人様、私達がここから出てしまったら敵は屋敷の方に攻めて来るんじゃないですか?」


「う~ん、よく考えれば確かにそうだな、ここなら壊されてもどうと言うことは無いが、屋敷に不潔な連中が来るのはちょっとな……」


結局、ルビアの懸念を考慮に入れて明日1日はカジノで待ってみることで全員が同意する。

もしそこで来なかったのであれば帰れば良い、念のため小舟をこちら側の岸に残して貰おう。


「で、誰か残りの魔将補佐と魔将について情報がある者は居るか?」


「おそらく私が一番詳しいですわね、あいつらはどちらかと言うと悪魔型ですので」


「つまり今日の白いおじさんはユリナやサリナの親戚ということか」


「そういう言い方をするのであれば教えませんことよ」


プリプリ怒るユリナに謝罪し、魔将達の情報を引き出す。


「女の方の補佐はやかましいおばさんよ、人の悪口を言いふらして、そこから出て来る悪感情を食べて生きているわ」


最低な奴である、いつかその行いが自分に返ってくるということを思い知らせてやる必要があるな。


ちなみに女の子の魔族だったら助命してやろうとも思ったが、おばさん型の鬱陶しい奴なら要らない。


そいつは普通に殺しましょう、降伏しても死刑にしましょう。

はい、魔将補佐の末路、決まりました。



「で、魔将は太ったおじさんタイプ、脂汗と加齢臭が凄いのですわ、時折飛ばしてくる汁についてはこの間のカテニャの話で知っているはずですわよね?」


「そういえばそうだったな、して、そいつも人の悪感情を喰ったりするのか?」


「悪感情は食べませんことよ、でも人間そのものを食べますわね、丸呑みにして」


「いやいや丸呑みって、そんなにデカいのかそいつは?」


「サイズは人間と変わりませんわ、でも口が伸びるのです、びよぉ~んって」


こちらも気持ち悪い奴だ、ちなみに人を飲み込むときには一旦入れ歯を外してからいくそうで、その行動で察知することが出来るとのことである。

相変わらず意味不明ですね。


「とにかく先に来そうなのはそのおばさんの方か、現れたら全員で一気に倒してしまおう、特にマーサ、次逃げたら承知しないからな」


「え~っ! あのババァも嫌いなのよね、耳を引っ張られる罰の方がマシかも知れないわ……」


マーサはストレートな性格だからそういう陰湿な奴は生理的に受け付けないのであろう。

ゆえに気持ちはわからんでもないが、出来ればちゃんとやって欲しいところだ。



「あそうだ、私の可愛い部下達もお風呂に入らせてあげても良いわよね?」


「もちろんさ、で、俺は覗いても良いわよね?」


「もちろんダメよ、じゃあ、伝えに行ってくるわね!」


あっさり拒否されてしまった、腹いせにルビアの髪の毛を引っ張っておこう、コイツのせいで俺には引っ張るほどの毛が存在しないのだ、だから何をしても良いのだ。



マーサが戻ってくるのを待ち、その日はさっさと寝た。



※※※



「勇者様起きて、カジノの周りが何か変よ!」


「なんだうるさいな、良いだろうちょっとぐらい変だって!」



いや……これは良くないやつだ。

カジノの周りをぐるっと敵が取り囲んでいる。

そのうちのひとつはかなり強力なやつだな、魔将補佐のおばさんか?



「おはようユリナ、サリナ、もう敵の姿は確認したのか? やっぱりおばさんだった?」


「おはようございますですの、いいえ、魔将の方が来ているのですわよ」


「そうかそうか、きっとおばさんの方は腰か膝でも痛くて来られなかったんだろうな」


「リアルにその可能性があるから侮れないのですわ……」




どれどれ、早速魔将とやらを拝見させて頂こうか。




……見なければ良かった。



なんなのだアイツは、すげぇ脂の乗ったデブ、しかも汗だくである。

昨日見た汚泥の魔物の小さいのに囲まれ、パンツの中に手を突っ込んでナニかを掻き毟っている。

しかも3秒に1回ペースで屁をこいているようだ。



「本当に気持ち悪いですわね、()()()()()の奴、ちょっとマーサ、どこに行こうというわけなの?」


「トイレよトイレ、2時間ぐらいで帰ってくると思うからそれまではよろしくね!」



「サリナ、マーサに幻術を掛けて敵に特攻させろ」


「ええ、準備は出来ていますからあとは術を喰らわせるだけです」


マーサは降伏した。

だがこの後逃げないとも限らない、念のため縄で縛っておこう。



しかしあいつらはどうやってここまで渡ってくるつもりなのだろうか?


敵と俺たちとの間には、まだ昨日形成された泥水の堀がある。

それを渡らないとこちらには来られないのだが?




と思ったらまさかのバタフライであった、デブなのに速い!

魔将デュフロスは動けるタイプのデブであったのだ。




『ブッヒィィッ! ようやく着いたようだね、デュフフッ』


「おい、聞くまでもないが貴様が魔将デュフロスだよな?」


『そうでござるが、何か文句でもあるでござるか? デュフフッ』


「とりあえず臭いから少し離れてくれ、あと喋り方も気持ち悪い、出来ればすぐに死んでくれ」



『デュッフッ! 生意気な異世界勇者だね、というかお前、俺よりもゲーハー度が高いんじゃないのかな?』


「これは剃られただけだ、そんなことも見抜けないようなら生きている価値は無いな、今すぐ死ねっ!」



俺が合図すると、セラとユリナがそれぞれ風魔法、火魔法で攻撃を仕掛ける。

ついでにリリィのブレスもお見舞いしてやろう。


で、もう1人、どうしたら良いのかわからずに挙動不審になっていたカテニャ。

精霊様が攻撃に参加するように促すと、先日同様風の刃を連発し出した。


前衛・中衛およびサポート組、それからユリナやリリィの火を使った攻撃と相性の悪い精霊様は待機である。

ゴンザレスも腕を組んで戦いを見守っているようだ。




「ねぇ、全然攻撃が効かないんだけどっ!」


「ご主人様、こっちもダメですわ」


「私も~っ! アイツちっとも焼けません」


「当然私のも効果ナシね……」



『デュフフ~、拙者の汗はヌルヌル、そして不燃素材、そのような攻撃でデュフることは無いのだよ!』



本当にキモくて鬱陶しい奴だ、しかし近付きすぎだな、一旦距離を取ろう。


精霊様に水を出して貰い、魔将デュフロスを押し流す……

流れない、その場に踏みとどまって居るではないか!



『デュフデュフッ! 拙者は鮫肌なのだ、水などスルスル抜けていくのだ』


だからあんなにバタフライが速かったのか。


その後、ユリナに頼んで土魔法も使って貰う。

だがデュフロスはそれもニュルニュルと回避してしまった。

魔法攻撃は効きそうもないな。




「拙いな、一旦下がろうか、もう入り口で食い止めるのは諦めよう」


ついにカジノホールへの侵入を許してしまう。

臭すぎる、せっかくリニューアルしたばかりなのに、もう壁紙は総貼り替えだな。



『デュフッ、おじゃましま~す、さ~て今日も臭っさいのをかましていきましょうかね』



カジノホールに屯していた客達はその強烈な匂いに気付く。

その一部はわけのわからない奴が入ってきたことを察知し、戦々恐々である。



「おい、アイツ入れ歯を外したぞ、なんて粘り気のある唾液なんだ!」


「あれに触れると蕁麻疹とか色々とヤバいですわよ、どうせあそこにいる人間を食べるつもりでしょうし、私達は下がりましょうか」


「そうしよう、とばっちりを喰らいたくないからな」



デュフロスはどうやら客の一人、いかにも鈍そうなおっさんに狙いを絞ったようである。

あのおっさんは昨日開店から1時間も経たずにキレて喚き散らしていたな、しかも台パンしてたし。


そんな奴は喰われてしまっても別に構わないであろう。



『デュフデュフッ、追い付いたのだよ、それでは貴様を拙者の血肉としてやろう、ブヒィィ』



どれだけ口が開くというのだ?

顎が外れ、被害者のおっさんをまるごと口の中に入れてしまう。

まるでペリカンだな……


そして勢い良く飲み込まれるおっさん、たちまち消化されてしまったようだ。

デュフロスはその骨と、身に付けていた粗末な服のみを吐き戻す。


『デュフッ! ごちそうさまデュフ……さて次はあの栄養がありそうな奴を喰うとしましょうか、ブヒヒ』



2人、3人と、ホールの客達は魔将の贄となっていく。

奴が通った後に残るのは、吐き出されたヌチャヌチャの骨と衣服のみである。


別に食べるのは構わない。

だが、せめてゴミは一箇所にまとめて欲しいのですが。



魔将デュフロスはそのまま10人程の客を飲み込み、それで満足したようだ。

方向を変え、こちらに向かってくる。



『デュフ、拙者は腹八分目になった訳ですよ、ということでそろそろ勇者パーティーと、そいつらに捕まった情けない元魔将を始末してやろうかな』



「うわっ! こっち来やがったぞ、臭っさい奴め!」


「気を付けて下さいまし、口は閉じて鼻には布を、アイツが喋ったときに出る飛沫を吸い込んだだけでも大事ですわよ」




「で、どうする勇者様? 魔法攻撃は効かないし、前衛と中衛の子だけで何とかするしかないわよ」


「そうだな、セラは後ろに下がっていてくれ、あとカレンを連れていくんだ、もうダウンみたいだからな」


鼻の利くカレンはデュフロスの匂いにやられ、完全に目を回していた。

かろうじて立ってはいるのだが、おそらく戦うことは出来ないであろう。



セラとカレンは一緒にルビア達が居る最後列まで下がらせた。

魔族達は比較的大丈夫なようなので、本来は後衛でも前に残すこととする。




「おいマーサ、お前はどうしてジリジリ後退しているんだ、縛られたままなのに器用だな」


「待ってよ、私だってあんた達よりも鼻が良いの、臭くて敵わないから許してちょうだい!」


「ダメだ、お前は昨日も逃げたであろうが、そうか、アレは今から魔将を一撃で滅ぼしてよりインパクトを与えるための盛大なフリだったんだな?」


「わかったわよ、戦えば良いんでしょ、その代わり今日は1時間以上お風呂から出ないからね、漂白もして貰いたいぐらいだわ」



ようやくその気になったようである。

縄を解いてやるとイヤそうな顔で前に出て行った。


是非バニー部隊の面々にカッコイイ所を見せてやって欲しい。



「やいデュフロス! このマーサ様が相手よ、覚悟しなさい」


『デュッフ! 誰かと思えば一番最初に勇者ごときに捕らわれたというクソ雑魚マーサじゃないかい、お久しぶりであるなぁ』


「そうよ、で、その私に殺されるあんたはそれ以下の存在なのよっ!」


マーサの強烈なパンチが敵の腹に食い込む、これで決ま……おや、砕け散らない。

よく見れば体表にあったヌメヌメの汗を弾き飛ばしただけのようである。



『ブヒィィ~ッ! いつの間にそんな技を身に付けていやがったのだい、拙者ともあろう者が少し驚いてしまったデュフよ』



次も、その次の一撃も同じ結果に終わる。

どれだけ汗っかきなのだ、何度弾き飛ばしても汗だくのままではないか。



ちなみに敵も反撃してくるのだが、素早いマーサは当たり前のようにそれを回避する。

デュフロスの攻撃などあってないようなものだ。


だがちょっと俺達の方に飛沫が飛んで来るんですよ、臭いし汚いから勘弁して欲しいんですよ。




「おう勇者殿、あれは手数を増やした方が良いぞ、俺も出てマーサ殿と一緒に攻撃する、良い感じにヌメリが取れたら刃物などで突き刺してくれ」


「わかった、聞いていたか、ミラ、マリエル、ジェシカ、俺達はタイミングを見計らって4方向から同時に攻撃するぞ!」



とりあえずはマーサとゴンザレスが表面の汗を吹き飛ばすのが先だ。

その後はミラとジェシカが剣でデュフロスの腕を切り落とす。

最後に俺が顔面を、マリエルが腹を突き刺すこととなった。


どれかひとつぐらい急所があるに違いない。

ミラやジェシカが直接首を狙うという手もあるのだが、もし失敗したときに腕を振り回されたら堪らないからな。


というか俺とマリエルにはあの飛沫を回避することは出来ないであろう。

腕を先に狙うのは安全策だ。




「おうマーサ殿、助太刀するぞ、それと重い一撃ではなく攻撃回数を増やした方がこの敵に対してはお得だ、一緒にやってくれ!」


「わかったわ、賢いあんたが言うならそれで間違いないでしょうからね」


ゴンザレスは頭も良いのである、ムッキムキなのに頭も良いのである、常に上半身裸なのに頭も良いのである。

この世界は色々とおかしいところが多い。



『お、おのれぇ、拙者のデュフ汁がぁぁっ!』


「うむ、汗腺がカラカラになったようだな、勇者殿、そろそろ攻撃して良いぞ」



「よぉし、ミラ、ジェシカ、行くんだ! まだ何かしてこないとも限らんからな、十分に気を付けるんだぞ」


頷いて出て行く2人、その後に続く俺とマリエル。


前衛の2人は上手いことデュフロスの腕を切り落とす。

おいおい、剣が腐食していますよ! どれだけ毒なんだアイツの体液は。



比較的素早さの高いミラは、返す手で腐りかけの剣を敵の脇腹にプレゼントしてから退いた。

追加ダメージ、ありがとうございます。



突然腕を失ったデュフロスは状況が飲み込めていない。

チャンスである、顔面に聖棒を突っ込んでやった。



『デュッフーッ! デュッフデュフ、おげろばっ!』



聖棒の超威力で顔面を崩され、悶絶するデュフロス、むせ方も気持ち悪いがそれもここまでである。

マリエルの突きが完全に鳩尾を貫いたのだ。


貫通はしたものの、すぐに腐り果ててしまうマリエルの槍。

腹から入り、背中から出ていた切っ先がカランと音を立てて地面に落ちる。



「やりましたわマリエルちゃん、そんなに早く金属が腐食するということは弱点の汁袋を貫いたということですわ!」


「それでマーサちゃんと戦っているときから鳩尾をかばっていたのね、顔よりも優先しているから変だと思いました」



「ユリナ、汁袋ってのは鳩尾で確定なのか?」


「いいえ、汁袋は毎日1回ランダム移動しているはずですの、でもその感じなら今日は鳩尾にあったと見て間違いないですわ」



生きているのか、それとも死んでいるのかすらわからない状態のデュフロス。

早速腐ってきているのか、先程までよりもさらに臭い。

鼻が肥溜めになりそうだ。



「良くやったぞマリエル、お前は今日のMVPだな!」


マリエルは馬鹿だが戦闘センスは非常に高い。

頭で考えるのではなく、感覚で敵の弱点を見破ったのであろう。


その日の夕食ではマリエルをお誕生日席に上げることが決まった。



「おう勇者殿、どうやらこの魔将に付いて来て外に居た汚泥の魔物が溶けているみたいだ、またここは泥に覆われたぞ」


「泥じゃあ小舟で脱出は無理か……大々的な救出部隊が来るまではここに居るしかなさそうだな」


「おう、勇者パーティーやその他の連中はしばらく待っていてくれ、今から俺達が救助要請をしてくる」



脱出の件は筋肉団に全てを任せ、俺達は風呂に入る。

体が擦り切れる程に丹念に洗った。

MVPのマリエルは後方に居たそこまで匂いが移っていないメンバーに背中を流させているようだ。



「ねぇ、私も今日は頑張ったんだから、昨日の敵前逃亡は不問にしてよね」


「そうだな、マーサも良くやったぞ、でも不問とまではいかないな」


「じゃあお仕置きは帰ってからにしてちょうだい、バニー部隊の皆にリーダーの情けない姿は見せられないわ」


今日縛られたまま逃げようとしていたことを忘れているのであろうか?

あれもちゃんと見られていましたが?



結局マーサは帰ってからお尻ペンペンということで良いにしてやり、その日からカジノのVIPルームで救助を待った。


ゴンザレス達は3日経って、ようやく俺達の元へ戻って来た。

なぜか駄王や総務大臣、それからシルビアさん、シールドとマトンも一緒である。

王都で何かあったのか?



「おぉ、ゆうしゃよ、大変じゃぞ、王都中におぬしの悪評が流れまくっておるわい!」


「何言ってんだ駄王、そんなの結構前からだろうが」


「それが今回はひと味違うのじゃよ、先日の汚泥の雨が降った件、それもおぬしのせいにされておってな、あと経済の悪化や諸々の災害、外交問題、出生率の低下や犯罪の増加、それに犬の糞を始末しないマナーの悪い飼い主の増加もおぬしが悪いことになっておる」


「意味がわかんねぇよ!」



泥沼には既に橋が架けられており、俺達はこのカジノから脱出することが出来る。

急いで帰って具体的な状況を把握しよう。



「おぉ、ゆうしゃよ、どこへ行こうというのだ?」


「決まっているさ、屋敷に戻るんだよ」


「……伝えにくいことなのじゃが、勇者ハウスはもう失くなってしもうた」


「え?」


「放火されて全焼しての、そなた達の馬車も馬も盗まれおったわ、あと畑は作物を根こそぎ持って行かれて滅茶苦茶に荒らされておる」


「マジか!? で、俺達の温泉は?」


「完全に埋められておる……」



「勇者様、私のお店も放火されちゃったわ」

「ウォール家もだ、『勇者とその協力者を許さない王都民の会』とかいうのに襲われてな」

「ちなみに王宮にもデモ隊が殺到しているのじゃよ」


「待て待てそんなの殺してしまえば良いだろうに」


「それがデモ隊は王都民の約2割、即ち3万~4万じゃな、それから外部から入ってきたと思われる者が10万程もおる、王都は事実上陥落したのじゃよ」


一体どういうことなのか? 魔将デュフロスは何をしてきたというのだ?

殺してしまった以上本人から詳細を聞くことは出来ない。


まさか、未だ現れていない魔性補佐、陰口大好きおばさんの仕業だとでもいうのか……

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