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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十四章 これで半分
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83 王都民復活

「それじゃ、そろそろ生贄の儀式に行くぞ、サワリンはその格好で良いのか?」


「ええ、寒いからロングコートを着ているだけよ、下は裸同然のエッチな衣装を装備しているわ」


電柱の陰に隠れていそうな変態さんである。


全員が馬車に乗ったので、王宮前広場に向けて出発だ。

今頃はまだ邪教徒の親玉連中を処刑していることであろう。

精霊様だけはどうしても見たいと言って先に行ってしまった。



広場には既に人だかりが出来ている訳だが、憲兵団の人が俺達の馬車を見つけ、比較的広い所まで案内してくれる。


「勇者様、外は寒いわよ、私達は馬車の中から儀式を見ないかしら?」


「出て行く必要があるサワリンとビーチャがそれで良いならそうしよう」


2人共特に構わないらしい、まぁ、ここからでもステージは十分見ることが出来るし、広場の中央は日が当たっているから比較的温かいだろうしな。

俺達は馬車の中から儀式を見守ることとした。



「主殿、私も中に入れて欲しいぞ、御者台だと寒くて敵わない!」


「別に断らなくても入って来い、座るところは無いがな……」


「大丈夫だ、今日は主殿の膝の上が空いているではないか、そこに座らせて貰うぞ」


今日はカレンをミラに取られてしまったからな。

というか寒い日は必ずミラがカレン抱っこ権を獲得しているようだが?


ジェシカが俺の上に座ると、広場ではなく後頭部しか見えない。

ちょうど良い、あそこで執り行われている公開処刑など見ていたくはないからな。




「あらジェシカちゃん、どうやら横っ腹がプニプニのようね」


「やめてくれセラ殿、そのうち必ず痩せるから、どうかそこにだけは言及しないでくれ」



「こら、人の上で動くな、というかジェシカ、そんなんで儀式の踊りは大丈夫なのか?」


「敵と戦えているんだから問題無いはずだ、センスがあるかはわからんがな」


実に不安である……



邪教徒の処刑はどんどん進んでいるようだ、俺には見えないがな。

観客の罵声が最高潮に達している瞬間があったが、それはおそらく教祖様が登場したのであろう。

今は早く火を掛けろと大騒ぎである。



「今どうなっているんだ? 邪教徒の教祖はもう死んだのか?」


「いや、まだ生きているぞ、ギリギリでな」


「そうか、死んで片付けられたら教えてくれ、それまで俺は仮眠しておくよ」


「だらしない主殿だな……」



あまりグロテスクな光景は見たくないからな、ここは適当に誤魔化しておこう。

というか横のルビアと膝の上に居るジェシカの温度で温かいのだ、普通に眠くなって来た……




「ちょっと勇者様起きてよっ! 何リアルに寝ているの、儀式を始めるそうよ」


一瞬、寝落ちしてしまったようだ。

気が付くとサワリン達はもう馬車の中にはおらず、ステージ上にその姿がある。

膝の上に居たはずのジェシカは地べたに座り、俺の足に挟まっていた。


「何だジェシカ、いつの間にそんなところに移動したんだ?」


「背中に涎を垂らされても困るからな、避難させて貰った」


「うむ、正しい判断であるぞ! というかあそこに集められているのは全部生贄なのか?」



「そうらしいわよ、今から順番に甕で溶かして、贄ポイントに変換してしまうそうよ」



無様な邪教徒共、泣き叫び、逃げ出そうとしているものも多い。


迷惑な勧誘を行い、さらには拒否した人々を攫って財産を奪っていたのである。

それを正義と信じていたような連中の命乞いに耳を傾けるものは居ないがな……



サワリンが祈祷を始めた。

特に意味はないとのことであるが、邪悪な祭壇と相俟って雰囲気はかなり出ているといえよう。

邪教徒共は3人セットで吊り上げられ、設置してある巨大な甕に入った液体へと放り込まれていった。


どうやらそんなにすぐには溶けないようだな。

グズグズになった状態でまだ生きていやがる。

気持ち悪いから見ないでおこう、揺れているユリナとサリナの尻尾を眺めておく。



「この儀式はどのぐらいの時間を予定してるんだろうな、マリエル、何か聞いているか?」


「憲兵団の報告では昼前には終わると言っていました、ただその後のスピーチが長いとは思いますが……」



「それを聞く気はしないな、儀式自体が終わったら2人を回収してすぐに帰ろう、踊りの練習をしなくてはだからな」


「そうですね、そういうことでしたら帰ってしまう理由として十分機能するはずです、憲兵団長の話は長くてつまらないことで有名ですし、さっさとお暇するのが得策です」


有名になる程つまらない話なら逆に聞いてみたいな。

冒頭だけで飽きてしまいそうだが……



生贄の儀式は進み、遂に最後のグループが甕に突き落とされたようである。

その後しばらくすると、唐突にビーチャの声が聞こえた。



『お集まりの皆さん、罪人共の魂は1,379贄ポイントに変換されました、このままポイントを熟成し、1週間後の儀式で亡くなってしまわれた方の復活を行います!』


そのポイントの数字がどの程度なのか? 良いのか悪いのかは全くわからないものの、とにかく観客は喜んでいるようだ。

というかポイントを熟成する意味もわからない。



大歓声に見送られ、サワリンとビーチャが馬車に戻って来た。



『思っていたよりゴブリンモドキが多かったようですが、比較的効率良くポイントに変換することが出来ました、あとは踊りを成功させれば完璧です』


「ではさっさと帰って踊りの練習に移行しようか!」


壇上で話し始める憲兵団長が見える、既にほとんどの観客が消えてしまったことには気が付いていないようである……



※※※



「ほらルビアちゃん、またワンテンポ遅れていますわよ!」


踊りの練習では案の定ルビアが足を引っ張った。

当たり前だ、戦闘中はいつも後衛で、皆に守られながらまったりしているのだからな、運動不足も大概である。

そしてそれはサリナも同じなのだが、こちらは自称アイドルだけあってかなり上手だ。


「ご主人様ぁ、もう疲れましたぁ~、今日はこのぐらいにしませんか?」


「そんな要求が通ると思うのか? そもそもまだ踊りの第一部第一章第一節第一項の①だけしか練習していないぞ」


ちなみに復活の踊りは第三部まである、開始から終了まで通しで1時間はかかるそうだ。

ルビアには申し訳ないが、引っ叩いてでもそのまま練習を続けさせよう。



そこから2時間程経ったところで、遂に第二のリタイア宣言が出る。


「主殿、私ももうダメだ……少し休憩させて貰えないか?」


「やっぱりだなジェシカ、食べ過ぎるから太るし、太るからすぐにバテるんだよ」


「……面目ない、しかし直球で太ったとか言わないで欲しい」



「まぁ良いわ勇者さん、今日の練習で半分ぐらいは進んだもの、明日からは丸1日やれるわけだし、今日はこのぐらいにしましょうか」


「サワリンがそう言うなら大丈夫だろうな、それに酒場の営業もあるし、今日は終了としようか」



ただし不甲斐ない2人は除く、である。


ルビアとジェシカは背も高く、おっぱいも大きい、目立つポジションに抜擢されることは間違いないのだからしっかりやって欲しい。

ということで2人は居残り練習となった、他のメンバーは先に風呂に入る。



「今日はミラが夕飯を作ってくれるからな、その準備が出来るまでみっちり練習して貰うぞ!」


「くぅっ! というか主殿はずっと後ろで偉そうにしているだけではないかっ!」


「貴様っ! プロデューサーを愚弄する気かっ!」


竹刀などというものは存在しないため、布団叩きで引っ叩く。

もっと強力な武器が欲しいところだ。



とりあえずルビアにはユリナが、ジェシカにはサリナが付き、マンツーマンで練習させていくことに決まった。

1週間後の本番までに、どこに出しても恥ずかしくない巨乳アイドルに育て上げて欲しい。




「ご飯の準備が出来ましたよぉ~っ!」


「わかった~っ! すぐに行くよ! よぉし、では2人共今日はこれまでとしよう、ちなみに明日も居残り練習だぞ!」



「明日もこれですかぁ? もう無理ですぅ~」


「当たり前だ、逃げたりしたら承知しないからなっ、今日だらしなかった分は後でお仕置きだ!」



ヨロヨロと食事に向かう2人、体力の限界を全身で表現しているらしい。

だが、食卓に並べられた料理と酒を見ると瞬く間に復活し、いつも通りに食べて飲んでいた。


人間なんぞ結局そんなもの、ということである。



「勇者様、今日もこの後は飲むつもりかしら?」


「そうだな、でも俺達はまだ風呂に入っていないからな、先に行ってるか?」


「う~ん、じゃあ私ももう一回お風呂に入るわ」



セラも一緒に風呂へと向かう。

サリナがもう眠そうにしている、誰かが支えていないと沈んでしまいそうだ。


「ご主人様、私達はもう上がりますわよ、サリナに服を着せて寝ることにしますわ」


「わかった、俺達も上がろう、酒を飲んでいる時間が無くなりそうだ」



風呂から俺の部屋を通り、そのまま角部屋へ向かう。

もう面倒なのでこの部屋を酒の倉庫にしてしまった、つまり飲み放題である。


「あらご主人様、おつまみが少なくなっていますよ」


「本当だな、まぁいいさ、今日も酒場のあまり物を持って来てくれるだろう」


つまみも毎日居酒屋の余りが運ばれてくる、そのため最近買い足すのを忘れていた。

今日もそれを待つとしよう。



「ところでルビア、ジェシカ、明日も逃げずに練習しろよ!」


「何を言う主殿、布団叩きを持ったプロデューサーとやらが後ろで見張っているんだ、逃げられないだろ」


「いや練習中だけでなく合宿所からの逃走などもあり得るからな」


「何だ合宿所というのは? ここはいつも住んでいる屋敷だぞ」


俺の中ではそういう設定なのである。

このアイドルグループを1週間で完璧に仕上げるというストーリーだ。

成功のためには暴力も辞さない構えである。



翌日からも必死に練習を重ね、皆徐々に上手くなっていった。


本番前日まで来ると初日とは明らかに違う動きである。

既に通しで何度も確認し、ミスが出ることは少ない、ルビアもジェシカも付いてきているしな。


なお、どうしてなのかは知らないが、センターのサワリンだけはポールダンスなのだ。

他は全員アイドルっぽい踊りなのに、1人だけ目立とうとしている感が半端ない。

周りを蹴落としてこそトップに立てるということか?



「じゃあ明日は早いからな、今日はもうこのぐらいで解散としようか」



明日はいよいよ本番である、これに成功すればレーコ達が殺した王都民およそ1,700人を、マゾッスルと同様に蘇生させることが出来るのである……



※※※



「遂にやってきたわ、これが本番のステージねっ!」

「このステージを夢見てからどのぐらい経ったのかしら? ここまで本当に苦労しましたわ!」



はいはい皆さん、まずここまでの期間は1週間です。

本番のステージも先週と何ら変わっていませんよ。



広場には既に近隣住民が集まってきているようだ。

もちろん、今日執り行われるのがエッチな踊りだと聞いてやって来たエロジジィばかりである。

皆ニヤニヤしながら準備を進める踊り手達を眺めているのであった。



しまったな、グッズを作って販売するべきであった……

と思ったらシルビアさんが既にやっていた、なかなか儲かっているようである。

全くどうしようもない金の亡者だ。



「じゃあ皆さん、本番を始めるわよ! 私がタイミングを取るからそれに合わせてね」


「なんだかちょっと緊張してきましたわ、悪魔法少女ともあろう者が情けないですの」



皆頑張って欲しい、あと、1人取り残された俺が暇なので、早めに終わって帰ってきて欲しい。

しかし風が冷たい……ここは寒いから馬車に戻って休憩しておこう。



「おぉゆうしゃよ、こんな所で惚けているとはなさけない」


「誰だ? 何だ駄王かよ、マリエルの踊りを見なくて良いのか?」


「ゆうしゃよ、わしのマリエルがあんなエッチな格好で踊っているのなど見たくは無いわい」


ごもっともである、駄王の頭もたまには正常に動作するようだ。



「してゆうしゃよ、あの踊りはどのぐらいの時間やるのじゃ?」


「大体1時間ぐらいだ、ちなみにポロリで魅せるのはルビアとジェシカだけだ、マリエルはしないことになっているから安心するが良い」


「おぉ、女神の慈悲に感謝するぞよ!」




そうこうしているうちに、踊りは終盤に差し掛かる。

予定していた2人は当然にポロリ、ついでにサワリンはほぼ全裸で踊っているようだ。

というかそこまではプログラムに無いはず……あいつめ、完全にアドリブだな。


サワリンよ、盛り上げるのは別に良いが、向こうで憲兵がガン見しているぞ!




「おぉ、ゆうしゃよ、何やら白いものが集まって来ておるではないか」


「そうなのか、悪いが俺は霊的なものが一切見えないんだ、その白いのは沢山居るのか?」


「1……2……3、おや指が足りん、とにかく数え切れん程おるぞよっ! 1,000は超えているはずじゃな」



どうしてそれを指折りで数えようと思ったのだ?



その白いものとやらは、次第に俺にも見えるようになってくる。

だんだんと人間の形になり、やがて生きている人間へと姿を変えた。


王都民の復活は成功のようだ!



「どうだ駄王、王宮に居た貴族も復活しているか?」


「うむ、不用品の運輸大臣以外は全員……一昨年普通に死んだわしの親父もおるのじゃが?」



しまった、どうやら全然関係ない奴が紛れ込んでしまっているようだ。

駄王の父である先王には、近くに居た兵士があんたは違うと伝えていた。



間違えて帰って来てしまった先王は、とても恥ずかしそうに消えていったという……




復活の儀式は完全に終わり、踊っていたメンバー達も戻って来た。


「あれ? サワリンが居ないようだが、どこへ行ったのだ?」


『サワリン様なら調子に乗って全裸になっていましたから、憲兵の方に縛られて連れて行かれましたよ』


なんと、哀れなサワリンは逮捕されてしまったようだ。

とはいえ目立とうとして勝手に馬鹿をやったのである、自業自得だな。



「あいつは後でこってり絞ってやった方が良いな、一旦憲兵の詰所に寄って回収して帰ろう」


変態露出狂魔族を迎えに行き、こちらで叱っておく旨を伝えて連れ帰る。

全裸のまま縛り上げられたサワリン、今回の立役者、その何たる無様な姿であろうか。



「全く、最後の最後でやってくれたな、で、これで王都民復活の儀式はこれで終わりということで良いんだよな?」


「ええ、該当する人間は全部蘇生したはずよ、何人か間違えて変なのも戻しちゃったけど」


「まぁその程度は気にする必要無いだろ、ところでこの儀式、この都合の良い世界でも最大限に好都合だな、想定外の死人が出たらまたやろう」


「結構面倒だし、あと勇者さんは蘇生出来ないわよ」


「どうして? 命は平等なんだぞ、差別は良くないんだぞっ!」


「いえ、これは人族と魔族限定なのよ、残念だけど……」


なんと不公平な儀式であろうか。

でも別に良いや、異世界チート勇者であるこの俺が死ぬなんてことまず考えられないからな。



「あら屋敷に着いたようね、今日はお店も休みだし、疲れたから早くこの縄を解いてちょうだい」


「ダメに決まっているだろう」


「え? どうして……」



自分だけ目立とうとしてポールダンスに変更し、さらには全裸になって逮捕されたサワリン。

皆ご立腹の様子である、そう簡単に許されるはずがない。


そのまま木に吊るされ、水魔法を掛けられてしまう。

何度かそれを繰り返すうちに、いい感じの氷像になったようだ、等身大である。

冬はこういう遊びが出来るから楽しいですね。



「お~い、そろそろ許してやってくれ、夕飯の準備が出来たぞ~っ!」


皆サワリンを放置して来てしまったため、俺が降ろして温泉に浸す……



「うぃ~っ、いきかえったぁ~~」


「これに懲りたのならもう町中で全裸になるなよ」


「それは出来ない相談ねっ! 変態を舐めないで欲しいわ、それと、今日の儀式で1つ気になったことがあったのよね……」


「何だ、観客の視線が痛かったのか? 憲兵が凄く見ていたからな、お前のこと」


「そうじゃないわ、途中で攻撃されていたのよ、というか後半はずっとだったわね」



「攻撃? 石を投げられているようには見えなかったし、そもそも兵士が警備していただろうに」


「石とかじゃなくて術よ、やたら飛んで来ていたから、もしかしたら誰かやられちゃってるかも知れないわよ」



帰りも皆普通だったからな、術なんかに掛かっているわけ……


精霊様がミラを取り押さえているのだが?


「ちょっとっ! この子急に呪いが発動したわよ! 料理に毒を入れていたみたい」


「本当にどうしようもない妹ね、危うく食べてしまうところだったわ!」



ミラが呪われて毒を盛ろうとしたのはわかった。

だが普段どういう考え方をしていたらこの料理を危うく食べてしまうのであろうか。

お肉めっちゃ紫色になってますが? スープとかボコボコ泡出てますが?


「サリナ、とりあえず術を解いてやってくれ、どのぐらい時間がかかる?」


「すぐに解けると思いますよ、この術はかなり遠くから飛んで来たようですから、それと、カレンちゃんとルビアちゃんも喰らっていますね、あとジェシカも」



ミラに引き続き、呪いを受けたと思しき3人も解呪してやる。

サリナの解呪方法は往復ビンタだ、出来ることなら喰らいたくないものだね。





「で、結局誰の仕業だ? また変な魔将とか何とかが攻撃してきたのか?」


「この術は……よくぼう魔将様の仕業じゃないかと思いますよ、ええ、感じからしてたぶんそうですね」


「サリナ、そいつはどんな攻撃をして来るんだ?」


「術を受けた相手を食欲や金銭欲に駆り立てるんです、ですのでそういった気持ちが元々強い人間は注意が必要ですね、ご主人様も喰らうかも知れませんよ!」


「それでミラは料理に毒を盛ったと、保険金詐欺でもするつもりだったのか?」



「いえ、私は勇者様の討伐報酬目当てでした!」


忘れていたが、以前ルビアが俺の討伐依頼を冒険者ギルドに出したのである。

悪戯なのは明白なので、当然にギルドの方で処分してくれただろうと思っていたが、有効のようだ。



「サワリン、これはお前の術とかなり似ていないか?」


「そうだけど、私のはわりと万人に効くの、でもよくぼう魔将のは強い欲を持った人間のみをターゲットにする点で異なるわね」


「じゃあミラが喰らったのは金銭欲が強かったからなのか、他のメンバーは食欲だな、ルビアも甘いもの大好きだし」



「でも今回は良かったわ、勇者さんが離れた所に居たから、巻き込まれずに済んだのよね」


「ちなみに俺が喰らうとどうなる?」



「元々欲望が強すぎるから、それが増幅したら当然破裂するわね、物理的に」



俺がその魔将の攻撃を少しでも受けた場合、必ず頭パァーンするとのことである。

超怖いのだが、そいつは早いとこ片付けてしまおう……

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