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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十九章 島国
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830 紛い物のゴミでした

「良いか? 敵はその何者かの攻撃、それに隠れ技を完全に信用し切っている、それは確かなことだ」


「そうよね、3人が攻撃したのかしら? 見ていないけど、その際に、喰らえば即死の攻撃に対して全く動かなかったってことなら、まぁそういうことよね」


「うむ、で、その敵の隠れ技、こちらに気付かれないよう、さもあの兄弟麻呂がすげぇ攻撃を出しているように見せかける技なんだがな、やっぱり後ろの麻呂モッコリ、奴の術を利用しているんだと思う」


「なるほど、それでどうするのかしら? 魔法で攻撃してもきっと跳ね返されちゃって痛い目を見るだろうし、ここでグダグダ言っていてもしょうがないと思うわよ」


「いや、これで良い、ここでグダグダしていて良いんだ、見ろ、あの兄弟麻呂の様子を」


「……あら~っ」



 プールに浸りつつ、俺が指差した先を見る仲間達、その先にあるのは当然、『阿吽の呼吸』のポーズを取ったまま静止している兄弟麻呂なのだが……もはや完全には静止出来ていない。


 そこそこキツめのポーズであるのはわかるが、普段からあまりにも運動していない上位の麻呂にとって、そのポーズのまま動くなというのは非常に難しい事。


 どちらが兄でどちらが弟なのかはわからないが、とにかく向かって右の方は大きく、そして左の方は小刻みに、それぞれプルプルと震えているのだ。


 で、これがどうして空間の接続面から出現し、目にも留まらぬ速さとその幻術による認識阻害で一撃を加えてくる何者かに有効かというと、その攻撃の発動が兄弟麻呂のあのポーズに依存している可能性が高いためである。


 もし、もしも本当に自在に良くわからない空間からこちらを見ているのだとしたら、それはもうこちらからも、何らかのかたちで認識出来てしまうような瞬間があるはずなのだ。


 しかしその何者かにはそういった『隙を見せる』瞬間が一切ない、攻撃の瞬間のみに出現し、そして自らの存在している場所から敵の意識を逸らし、ついでに攻撃を受ける対象にさえ気付かれないうちに一撃を繰り出している。


 それが『その瞬間だけこの空間に存在している』というもの以外のなにものでもないことは明らか。

 違法で不当な空間を弄る魔法を用いる麻呂モッコリの、その術の陰に隠れて、同じく接続されている兄弟麻呂の合図を待っている以外の可能性は薄いのだ。


 もちろんあの北の大地であったように、大々的に空間を歪ませ、一定の場所でのみその接続が保たれているという可能性がないわけではない。


 だがこの場におけるその空間をどうこうする行為は、決して大規模なものではなく、あの麻呂モッコリがあってはならない魔法を、本来単なる人族の個人に与えられるべきでない魔法を用いてやっていることなのだ。


 これがアイツ、強大な力を持つそもそもが不公正な存在である副魔王の奴であれば話は別なのだが……というか今思った、今回の件、また奴が関与していたりは……さすがにしないよな。


 前回の火の魔族の里の件、そこで助けた際に既に仕込んでいたのであれば話は別だが、さすがにここまでクイックにわけのわからない措置を講じているとは思えない……


 とまぁ、そのことは後で考えるとして、今は麻呂モッコリの違法で不当な空間魔法と、それからそこに隠れた攻撃を放つ何者かについてだ。


 先程までよりも更に激しくプルプルしている兄弟麻呂、もうしばらくすればあの姿勢を、裏に隠れた何者かが出現し、攻撃してくるトリガーとなっているのであろうあのポーズを維持することが出来なくなるはず。


 そのときがチャンスだ、それを逃さぬよう、今は……普通にプールで遊んでおこう……



「よしセラ、ステージに上がれ、俺と落とし合い対決だ」


「イヤよそんなの、体格が違うんだから絶対に負けるじゃないの、それとも雷魔法を使っても大丈夫なのかしら?」


「プールで雷魔法は禁止だっ! 大変なことになるぞ全く……あ、いや、これは使えるかも知れないな、雷魔法か……」


「どうしたの勇者様?」


「セラ、もし兄弟麻呂がうっかり動いた、その瞬間がきたら、間髪入れずに雷魔法を打ち込むんだ、当然ここじゃなくて向こうにだぞ、プールの中でするなよ」


「わかっているわよ、で、とにかく攻撃すれば良いのよね、跳ね返ってこないかしら?」


「大丈夫だと思う、きっとあのプルプルがそろそろ限界で……ほら、向かって右側の方が動くぞ」


「……ここよっ!」


『ギョェェェッ!』


「あら? 当たってないのに変な声がして……何かおっさん出て来たっ!」



 兄弟麻呂による阿吽の呼吸ポーズ、その『吽』の方の麻呂が体力の限界を向かえ、思わず腕を下ろす。

 その瞬間に雷魔法を放ったセラ、通常であればどちらかにヒットするところだが、今回はそうならなかった。


 兄弟麻呂の間、何もない、いやなかったはずの空間に魔法が直撃、薄汚い悲鳴と共に、黒こげとなった知らないおっさんがドサッと地面に落下したのである。



「なぁぁぁっ、モッコリ影内閣(シャドーキャビネット)がぁぁぁっ」


「そいつもモッコリの一味だったのかよっ!」



 黒焦げで転がり、今まさに死亡しようとしている知らないおっさん、確かに良く見れば、いやまた目が腐ると困るのであまり凝視はしたくないのだが、モッコリしていないことも……


 と、焦げてカッサカサになったモッコリの燃えカスは、その装着された部分からポロリと外れ、地面に落ちて無残な炭の粉となった。


 同時に息を引き取った知らないおっさん、コイツが先程まで攻撃を仕掛けていたということなのか、そしてこれによる変化が何か……あった。



「見て下さい勇者様、この空間、そこかしこに何というか……箱のようなものでしょうか? さっきまでなかったのに」


「あぁ、だがミラ、あの空中とか地面とかに浮かんでいる箱はなかったんじゃない、ずっとそこにあったにも拘らず、俺達には見えていなかったんだ、それから……こういうことだなっ!」


「あっ、ちょっと勇者様、ジャンプなんかして一体……あっ!」



 俺達の真上にも現れた謎の箱、人間が5人程度は入ることが出来そうなその比較的大きな、全面に漆が塗られ、黒光りしたその箱は、ワイヤーによってそこかしこに移動することが可能な仕掛けとなっている。


 そしてジャンプした俺が触れた真上の箱、それワイヤー沿いに移動させると、何と先程まで俺達が閉じ込められていたスタッフルーム、あのプール臭い部屋へと飛んで行く。


 これで全てを理解した、あの黒焦げのおっさんは、自らの認識を阻害する魔法を用いて、実際はそこに居るのにも拘らず誰にも見つからない、そんな状態でこのイベント会場プールを行き交っていたのだ。


 で、このおっさんが箱に入り、ワイヤーを伝って通過するための穴が、麻呂モッコリの用意した結界に開けられていて……最初に仲間がスタッフルームから連れ出され、プールにドボンしたのはその仕掛けなのであろう。


 そしてその後イベント用の水に溶ける紙の服に着替えさせられたのも奴の仕業、意外にも几帳面な性格らしく、脱がせた装備や衣服等はキッチリ畳んでプールサイドに置いたのである。


 ……いや待てよ、となると、着替えさせられた俺の大切な仲間達は、もはや黒焦げで容姿など想像し得ないものの、あの不潔であったろう知らないおっさんに脱がされ、さらにわけのわからない衣装を着せられる間ベタベタと……これは後でキッチリ洗浄させた方が良いな、未知の菌などが体表面に付着しているかも知れない。


 と、ここでやってくれたなという表情をしているのは俺だけではないようだ、というか俺とは違う理由、仲間を汚されたという以外のことで立腹している変な精霊の方が……



「ぐぬぬぬぬっ! 空間を弄る魔法を習得出来るチャンスだと思ったのにっ、単なる紛い物のイリュージョンだったじゃないっ!」


「まぁそういうことだろうな、あのそれっぽいパフォーマンスも、何もかもが黒焦げ野郎の仕業で、兄弟麻呂や麻呂モッコリが凄い術を使っていると思わせていたんだ……というのはあの麻呂共の絶望の表情からも窺い知ることが出来るな、本当に哀れな馬鹿共だ」


「……まぁ良いわ、一番ムカつく奴は死んじゃったけど、残りの3匹はちゃんと連れて帰って、拷問して拷問して拷問し尽くして、そのうえでとんでもない死に方をさせてあげるわ、私を騙した罰よっ!」


「勝手に騙されていただけじゃ……でもそうだな、それが凶ドスゑとの約束を果たすことにも繋がるし、で、こいつら、まともに戦ったらどうなるんだろうな?」


「ひっ、ひぃぃぃっ! ま、麻呂はイチ抜けたでおじゃるっ!」


『麻呂も、麻呂麻呂も麻呂もでおじゃるっ!』


「おっと、そうはさせませんよ、カレンちゃん、リリィちゃん、その3人の頭の……っと、もうテイクオフしたようね」


『あっ、あっ? あぁぁぁっ! 麻呂の麻呂たる麻呂がぁぁぁっ!』



 結局何もしないまま、いや、したようには見えていたのだが実は何もしていなかった兄弟麻呂が、そのモヒカン烏帽子を引き千切られ、コアを破壊されて麻呂性を喪失する。


 そして同じくモヒカン烏帽子を失った麻呂モッコリは……そのまま走り去ろうとしているではないか。

 だがカレンの武器によって、そのコアがあった部分は確かに切除されて……いや、もしかしてコイツ、『別の場所』にコアがあるのでは……



「カレン! もしかしたらそいつはっ! そいつのコアはっ! だから狙いを絞って……イヤだよな?」


「……ぜったいにイヤですっ!」


「退いてくれっ! こうなったら俺が行くっ!」


『フォン警部補っ!』



 颯爽と飛び出したフォン警部補、目立たない男の頑張りが、その拳に乗せられて麻呂モッコリのモッコリを……今、突いた。


 捻りを加えながらめり込む拳、ブレイクする麻呂モッコリのモッコリ、というか『○○』。

 目玉が飛び出すのかと思えるような表情の麻呂は、カエルの潰れたような音を立てて吹っ飛んだ。


 やりすぎではなかろうか、今のは普通に殺害してしまいかねない威力の拳ではないか。

 もしこの後、麻呂モッコリが『○○デストロイ性ショック』などで死亡していたら、もうフォン警部補に白粉を塗って、麻呂として処刑させて貰う以外に選択肢はなくなってしまう。


 ……いや麻呂モッコリは生きていた、微かだがその存在が、今だ昇天していない魂の鼓動を感じる。

 というか麻呂性を喪失し、一般人に戻っていないのはどういうことなのであろう? 壁にめり込んで気絶しつつも麻呂のままだ。



「おい女共! と、そこの、昨日まで俺に対して散々調子に乗ってくれた女!」


「はいぃぃぃっ! なっ、何でしょうっ?」


「どうして麻呂モッコリは麻呂じゃない、普通の人間に戻らないんだ? 麻呂のコアはまた別の所にあるのか?」


「いえ、その、麻呂モッコリ様はその……生まれながらのモッコリ……ではなく貴族でして、それはそれは凄い家柄で、幼少期より英才教育を受けて……」


「英才教育の結果がコレか? ろくでもねぇなお前等、しかしそうなるとこの麻呂、他の麻呂とは一線を画すって感じか……他にもこんな感じの麻呂が居るのか? 裏切って犯罪組織連中に付いた奴はもうこれで終わりだと思うが、その、そうじゃない麻呂でだ」


「もちろん、この奥の宮中へ行けば、麻呂モッコリ様と同等かそれ以上の貴族がわんさと……そしてその頂点に君臨するのが『DEATHNAGOOON』様にございます」


「ようやく出てきたなその名前が……で、その連中は今どうしているんだ? 閉じ込められて半殺しにでもされてんのか?」


「そのようなこと、あろうはずがございません、皆平穏に、宮中で遊び暮らしておりますゆえ、もしかするとこの地が、どこぞの大陸から来たおかしな連中に制圧されているなど、露知らずの方もおられるのではないでしょうか」


「どうなってんだよマジで……まぁ良いや、お前等、俺達をそこへ案内しろ」


「そんな、下賎の民を宮中の、最も格式高い場所へ入れるなど……あいてっ、すみません、案内させて頂きます、はい喜んで」


「よろしい、では準備をしたら早速移動だ」


『うぇ~いっ!』



 麻呂モッコリが気絶したことによって、この施設全体、それに各所に張られていた強力な結界は全て崩壊している。


 しかし思った以上の雑魚で、人に頼らなくては攻撃さえ出来ないような弱虫であったにも拘らず、あれだけ強力な術式を展開することができていたのはどうしてであろうか。


 それについては、この後凶ドスゑの力の源の件と同様、詳しく調べていかなくてはならないのだが……今はその『宮中』とやらへ移動し、中の様子を確認するのが先だな、サッサと準備を終えて移動しよう……



 ※※※



「到着致しました、ここから先が凄い偉い人しか入れない場所となります」


「そうかそうか、じゃあ凄い偉い勇者様であるこの俺様は入ることが……ギョェェェッ!」


「あまりにも雑魚なキャラが勝手に侵入しようとすると、自動で迎撃するシステムが作動しますのでご注意願います」


「ふざけんじゃねぇ誰が雑魚だっ! てかこの場所、犯罪組織のモヒカン共はどうやって入ったんだ?」


「上位モヒカンや上位スキンヘッドの方は、辛うじて『あまりにも雑魚』という判定を受けなかったようでそのまま……」


「プププッ、勇者様はその上位モヒカンとかよりも雑魚だと思われていたたたたっ!」



 納得のいかない自動迎撃システム、何やら鳥居のようなものの上に設置された防犯カメラのような形状の魔導アイテムが、灼熱の炎を吹き出して攻撃してくるタイプなのだが、とにかくそれを破壊して先へと進む。


 途中、捕まえて縛り上げ、前を歩かせている貴族女性らから、砂利に描いた模様を乱すなとか、神聖な湧き水を勝手に飲むなとか、やたらと口うるさく注意されたのだが、全てガン無視して歩き続けた。


 で、しばらく歩いて到着した、巨大な屋敷のような施設の中庭にあるひときわ豪華な建物、この都市で良く見かける赤を基調としたデザインなのだが、その高級感はまた他の建物と異なっている。


 そしてその建物の目の前で……麻呂が1匹、壁に寄りかかってスマホを弄って……スマホではないのか、とにかく何かの魔導アイテムの類だな、そんなものに熱中しながら、ガムをクチャクチャと噛んでいるではないか……



「おいっ! 何なんだあの麻呂は? 舐め腐った態度をしているようだが、門番とかじゃないのか?」


「いえいえっ、そんな門番なんてっ、あのお方は超上級麻呂にございますっ! Say Yo! 納言様よりも上位者で、もう私共など話し掛けることも出来ませぬ」


「ホントだ、ギャル納言が土下座してらぁ……」



 縛り上げて歩かせていた列から外れたギャル納言、何やら意味不明な言語で挨拶をしつつ、そのままわけのわからん馬鹿そうな麻呂に土下座を……頭を踏まれているようだ。


 というかあの麻呂は何なのだ? 裏切って西方新大陸側に付いた麻呂は5匹、それ以外は反発して、殺されるか監禁されるかしていると思ったのだが……とりあえず本人、というか本麻呂に話し掛けてみよう……



「おい、おいっ、お前だよそこの麻呂、ちょっと話を聞けっ」


「……はぁ? 麻呂でおじゃるか? てか誰だし貴様、麻呂は今ちょっと忙しいでおじゃるから、この雑魚のように踏んで欲しいならそこで正座して待つでおじゃるよ、あ~っ、金貨50万枚も課金したのに良いキャラ出ねぇでおじゃる」


「ソシャゲやってんじゃねぇぇぇっ!」


「ぶべぽぉぉぉっ!」



 顔と動きだけでなく、やはりというか何というか、態度の方も舐め腐っていたゲーマー麻呂。

 殴り飛ばし、回収した魔導端末は……何だ、エッチなゴミゲームではないか、こんなモノに金貨50万枚も課金するな。


 で、吹っ飛んで行った舐め腐った麻呂、通称舐め麻呂は、俺の絶妙な力加減のお陰で普通に生存している。

 もちろん歯は抜け落ち、顔面はおかしな感じに変形してしまったのだが……一応は喋ることが出来そうだな、何やら抗議しようという意思も窺える状態だ。



「はっはひっ、き、貴様麻呂に、この偉い偉い麻呂に何をするのでおじゃるかっ、死刑にするでおじゃるっ!」


「うるせぇ死刑になるのはお前だこの馬鹿麻呂、お前、こんな変な奴とはいえ女の子の頭踏んだだろう? それだけでまず死刑、あと凶ドスゑからも、お前等のような奴を殺したいからヨロシクって言われてんだ、だから死刑」


「何を言っているでおじゃっ……ぶちゅっ……」


「全く、うるせぇ麻呂だったぜ、ほらギャル納言、大丈夫かお前?」


「ハァッ、ハァッ、上位者様に踏んで貰って誠にアゲ……」


「ダメだこいつ、しかし入り口に居るサンプルみたいな奴でコレだからな、中の麻呂共は……というか、こういうのがこの先にどのぐらい居るんだ?」


「そうですね、500は下らないかと、もちろん全ての方が私のような雑魚キャラとは大違いの、先祖代々良い家柄の貴族様であって、それはそれは尊い方々で」


「お前等は家柄でしか人の格を判断出来ねぇのかこの馬鹿共が、とにかく行くぞっ、そのゲー麻呂は……まぁ良いや、転がしておいて帰りに持って帰ろう、ルビア、治療が終わったら蹴飛ばしてその辺の茂みにでも入れておけ」


「わかりました~っ」



 顔面がおかしな形になったまま治療され、それが固定されてしまった哀れな麻呂をその辺に転がし、ひとまず先を、まずは建物の中を目指して行く。


 入口付近に接近すると、その中からはなにやらかなり騒がしい声が……絶叫のようだが、何かに驚いたり、襲われて助けを求めている風ではない。


 というかこれはゲームなどに熱狂している人間の声だ、そして時折壁の向こう、おそらく『中庭の中の建物の庭』のようになっている場所から、ポーンッと上がったボールのようなものが顔を覗かせている。


 これは間違いない、この中に居る貴族の馬鹿共、自分達が守るべき民草や都市そのものがどうなっているのかを一切考えず、こんな場所に引き篭もって遊び呆けているのだ……

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