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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十九章 島国
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823 出て来た

「おいっ! ズルいぞお前等そんな場所からっ!」


「そうだそうだっ! 自分達だけ安全な所に居るなーっ!」


「……実に卑劣な戦法だと思うねそれは、戦う者の風上にも置けないよ」


「そっ、そうなのかっ? こういう場所から一方的に攻撃するのは良くないのかっ?」


「騙されてはなりませぬでおじゃるぞツルツル頭殿、今のはその者達の策略でおじゃる」


「おぉっ、さすがは何か知らんが頭の良い麻呂だっ、危うく騙されるところだったぜっ」


「チッ、いけそうだと思ったのにな……」



 とりあえずやってみた挑発に対し、前の方で雑魚モヒカン共の攻撃を指揮していた、比較的サイズの大きい、つまり強雑魚クラスのスキンヘッド野郎が反応してきた。


 だがそれを止めたのは、西方新大陸系犯罪組織の構成員ばかりの中で、なぜか1人だけ紛れ込んでいる良くわからない、知らない麻呂である。


 この麻呂は明らかに結界の麻呂、そう、とんでもない名前の麻呂とは異なる、これまでの話の中には登場していない残り3匹のうちの1匹だ。


 確かにモヒカンのような烏帽子、ではなく烏帽子のようなモヒカンを有しており、その下に麻呂の権限としてコアのようなものを有しているとは思うのだが……何だかそのモヒカン烏帽子自体が小さくないか?



「なぁジェシカ、あの向こう側で指示を出している小賢しい麻呂って……」


「きっと低級麻呂なのであろうな、強者に取り入り、横から囁いて助言を与え、それで信頼を勝ち取ってここまで上ってきたタイプの、実力の方はからっきしの雑魚キャラであるはずだ」


「なるほど、一番ゴミ野朗と呼ぶに相応しいタイプだな、今すぐブチ殺してぇぜ、この魔法結界さえなかったらだがな」


「あぁ、生かしておいてもろくなことがない奴なのは確かだ、しかしな……」


「おう、この状況は一方的すぎるぜちょっと……」



 雨あられのように飛んで来る無数の弓矢、その様子を見ながらニタニタと、ゲスとはこのことだとしか思えない笑みを浮かべている雑魚麻呂。


 こちらからは手が出せないことを知り、その状況を用いて敵を馬鹿にする、そのようなことを考えるのはホンモノのカス野郎であって……俺? 俺はそういうタイプではない……と思う。


 しかしとにかくだ、この麻呂をどうにかしなくてはならない、きっと他の馬鹿なモヒカン共は、『この麻呂が非常に賢い、優秀だ』と思い込んでいるに違いないから、その指示に反してこちらへ、結界の外へ出て来ることなどあり得ない。


 逆に言えば、この雑魚麻呂さえどうにかしてしまいさえすれば、他の連中などもう烏合の衆にして有象無象。

 少し挑発すれば、いや、普通に声を掛けるだけでも当たり前のように一線を越え、殺されに来てくれることであろう。


 となれば集中狙いするは麻呂、先程は普通に罵声を浴びせてみてダメであったということを考慮して……まずは少し、麻呂単体と会話してみようか……



「おいそこの麻呂! お前だよお前! この雑魚! なんて卑劣な奴なんだお前は、力のある戦闘員や戦闘集団に助言だけして、その利益のお零れに与ろうなど……そんなんじゃあいつまで経っても低級麻呂のままだぞっ、もっとデカい烏帽子……モヒカン烏帽子にしたくないのかっ?」


「ふんっ、このやり方がこの麻呂、『不知毛導難可麻呂しらんけどなんかまろ』スタイルなのでおじゃる。裏方の方が自分で戦うよりもはるかに効率が良いし、安全でおじゃるからな。ちなみにこの作戦でここまで、麻呂となるまで上り詰めたこの麻呂のことを、人は畏敬の念を込めて『金魚のフン』、『コバンザメ』、『見えてる黒子』などと呼んでいるでおじゃる、おじゃじゃじゃーっ!」


「お前それめっちゃ馬鹿にされてるだけだかんな」


「馬鹿にされてなどいないでおじゃるっ! まぁ確かに、麻呂の能力を羨んで、そして妬んで、陰で『死ねっ! ファッキンゴミ麻呂クズ野郎!』などと申して中指を立てたり、親指を下げたりしている者は……ほぼ大半なのじゃが、それは麻呂の力がそこまで、妬まれるまでに高いという証拠なのでおじゃる」


「めっちゃ嫌われてるだけじゃねぇか、1周回ってかわいそうな奴だなお前、もう今すぐに死んだ方が良いよ」


「おじゃじゃじゃーっ! そうはいかないでおじゃるよっ、そういうことを言って麻呂を不安にさせて、高額な商品を売り付ける系の詐欺なのでおじゃろう?」


「そうじゃねぇよ馬鹿、お前を殺したい単なる正義の味方なんだよ俺達は」


「じゃあ、やってみればどうでおじゃるか? その魔法結界を抜いて、こちらに攻撃を届けるでおじゃる、可能であればの話でおじゃるがな、おじゃじゃじゃーっ!」



 本当に鬱陶しい奴だ、というか、リアルに自分が畏敬の念を持った眼差しで見られているとの妄想。

 実際には小馬鹿にされ、後ろ指差されて嘲笑されているというのに、それに気付いていないというのか?


 いや、本人、というかコレがヒトとは思えないため本麻呂とでも表記しておこうか、とにかく実際には自らが他者から嫌われていることに薄々勘付いているのかも知れない。


 だがそのことを、最強の面の皮の厚さと自己中心的な性格によって、完全になかったこととしてしまっているのだ。

 そして、そのことを『羨まれている、妬まれている』と勝手に脳内変換して……この雑魚麻呂の完成ということか。


 こんな野郎、普通に手の届く範囲に居たら1秒以内に殺害しているところだな、もちろんそれが人族であっても魔族であっても、そして麻呂であったとしてもだ。


 いや、むしろコイツをこの世から排除すること、それは魔王軍との戦いやその他この島国に蔓延る悪の成敗など、諸々のことよりも優先すべきことであろう。


 排除することがこの世界のためになるという点においては、現状知り得る中でコイツ以上の存在はないのだから。

 しかしなかなかどうして、挑発だけで外に引き出すことは出来ないようだな、ここからどうしようか……



「すまんな、ちょっと引っ張り出すのは無理だ、俺がいくら問い掛けても、いくら罵声を浴びせても無駄なようだ」


「そうですね、全く聞く耳を持たないタイプのおかしな人ですから、もう中身を矯正してどうこうは諦めた方が良いと思いますよ」


「ミラの言う通りだろうな、で、中身を矯正する以外に何かいい方法があるってのか?」


「う~ん、こうなってくると……そうだ、この麻呂、こういう性格ですから、きっと全くモテない、ゴミのような青春時代を謳歌してきたのではないかと……」


「それを謳歌するというかどうかについては甚だ疑問なんだが……とにかくそれは間違いないだろうな、普通に考えて顔もきめぇし、まるで良いとこナシだよアイツは」


「ミラちゃん、もしかしてあの方の、その忘れたい過去を抉る感じで攻撃していくということですか?」


「いいえ、それだと怒るかもだけど、きっと理性を失ってこちらへ出て来るようなことはないはずです、よってやるべきことはひとつ、エッチな感じで誘惑して、うっかり魔力結界から飛び出すのを待つ、そんな感じです」


「なるほど、その作戦ならあの雑魚麻呂だけじゃなくて、他のエッチすぎるモヒカン野郎共も釣れるかも知れないからな、外道や餌取りとはいえ、討伐対象であることに変わりはないし、その作戦でいこう」


「それで主殿、誰がそのエッチな感じを出すのだ? この矢の雨の中では厳しいかもだが……」


「いやジェシカ、当たり前のように回避しながらこうやって話が出来るんだ、別にそのぐらい余裕で……うむ、そうだな、それでいこう」


「何か良い案があるのか?」


「あぁ、ちょっとな」



 ここで浮かんだ妙案、せっかくの矢の雨なのだが、弾幕としてはそこまで分厚くもないため、先程から完全に無視した状態で話を進めていた。


 だがこれを、敵の攻撃を利用しない手はない、こちらから誰かが『エッチな演出』をして誘惑したとしても、普通に考えれば『戦闘中に何をしているのだこの馬鹿は?』と、エッチさよりも前に不自然さの方が出てしまう。


 で、そこでこの矢の雨、もしも誰かがうっかり、飛んで来た1本の矢に服を掠められてしまったらどうなるか。

 バランスを崩し、その後しばらく回避運動が不能になったその仲間は、どうにか体にだけは被弾しないよう、必死で追撃を避け続ける。


 もちろん敵もその仲間を狙い、集中攻撃を仕掛けてくるはずであり、これまで以上に徹底的な回避が要求される場面がやって来るのであろう。


 その際、まぁ本来はこの程度、さらにこの100倍程度の矢の雨でも、余裕で弾き返すなり避け切るなりすることが出来るその仲間の1人が、集中攻撃を受けて対応出来ず、矢が掠めることにより徐々に衣服を剥がれていく、そんな演出をしてみたらどうか。


 で、問題は誰がその役割を担うかという点である、まず目の前、ミラやジェシカはそもそも攻撃を回避するのではなく受けて防御するタイプ、ゆえにそれが突然変な動きをするのはおかしい。


 回避するとしたらカレンとマーサ……カレンについてはその……脱げたところで魅力がなさすぎる、本人には決して、口や全身が裂けても言えないが、非常に残念なスタイルなのである。


 となるとマーサか……それにマリエルという手もあるが、おそらく現状ではマリエルの方が無難な気がするな。


 マリエルは先程、遭遇したばかりの凶ドスゑによってブブ漬け何ちゃらという技を喰らい、ベッタベタとなったためまたジャージに着替えているのだ。


 対するマーサは普段着だし、後ろを見ればルビアも、そして多少は魅力的なのかも知れないユリナも、やはりあまり破れて良いような衣服ではない、あとセラやサリナ、精霊様はイマイチだから別に良い、リリィは論外である。


 なお、英雄パーティーの3人については、この矢の雨の中で回避するのが限界であり、この先何か演技をしたりなどといったことは出来ない。


 わんころもちに至っては自分で回避が出来ず、少し前に位置しているセラや精霊様に気を掛けて貰っている状態だし、ここで何かをしろなどと要請することは全く不可能な状態だ。



「さて、そういうことなんだマリエル、やってくれるか?」


「ええ、ただそうなるともうジャージのストックがなくなってしまいますんで、船へ取りに行くのは……さすがに面倒ですね、ここからはパンツ一丁で突っ切るしかないようです」


「いや精霊様とかが持って来てくれるからね、たぶん、だからそういう格好でウロつくのはやめようね、逮捕案件だから、フォン警部補めっちゃこっち見てっから」



 同じ遠征軍の仲間だというのに、なぜかPOLICEにガン見されてしまったではないか。

 というか、フォン警部補も今が緊急事態、本当に、超法規的に『エッチな演出』をすべきときであることぐらい理解しているはずなのに。


 と、まぁマリエルが逮捕されるかされないかに関しては後で考えるべき事柄であるとして、まずは作戦を実行に移すこととしよう。


 前列には4人、その後ろに俺とマリエルが並んでいて、飛んで来る矢の半分以上をミラとジェシカで叩き落としている状況、これを少し変化させるのだ。


 まずはミラがスッと、後ろでセラヤ精霊様によって庇われているわんころもちを気に掛ける、そんな感じで少しだけ横移動、当然中央に射線が通る。


 そしてジェシカは徐々に、ほんの少しずつだけ防御の勢いを低下させていく、これは歳だから疲れたとか、そういう感じで説明が……なぜかジェシカに睨まれてしまったではないか。


 で、こうなってくるともう中央はがら空き、一応は俺が聖棒で矢を叩き落としているのだが、先程まで全く動いていなかったサリナが、やはり何度か行動して矢に当たらぬよう位置を移動している。


 ちなみに、サリナは先程から『魔法結界の向こうに魔法を届かせる』という実験をしているのだが、どうやっても上手くいかない様子であって、そろそろ諦めようかというところのようだ。


 しかしそれはともかくだ、これでマリエルも……うむ、槍の柄を使って何度も矢を弾いている、これを止めて、そしてダボダボすぎるジャージの裾に矢を受ける感じを出すことが出来そうだな……



「よし、じゃあマリエル、頼んだぞ」


「わかりました……ここだっ! あ~れ~っ、普段着慣れない粗末な服だから、ズボンの裾に矢が引っ掛かってしまいました~っ、これでは転倒してしまう~っ」


「ほれ、やったでおじゃるよ、モヒカンやスキンヘッドの方々、あの高級そうな顔をしているにも拘らず何かしょうもない衣服を装備している女を狙うと非常に良いでおじゃる」


「喰い付きましたっ、あ~れ~っ」


「どうして今ので騙されたんだろうか……」



 マリエルの演技、おそらく距離が離れていたからであろうし、そのためであったからと信じたいのだが、とにかく馬鹿な雑魚麻呂はその演技に反応した。


 そして麻呂が指示を出したことにより、敵のモヒカンやスキンヘッド、もちろんサイズの大きい、強モブ系の敵キャラについてもその攻撃をマリエルに向ける。


 対するマリエル、ズボンの裾の次は上の袖部分、さらに腰部分など、何度も何度も矢を掠めさせ、そして……回り出したではないか。


 幾度となく掠めていく矢によって、徐々にジャージの布部分を削り取られながら、マリエルはそこそこの速度で回転を始めたのであった。


 飛び散る布切れ、回るマリエル、何とも言えない光景であるが、それを見た雑魚麻呂は鼻の下を伸ばしている。

 作戦は成功しそうだな、あとはこのまま、マリエルのジャージが全て剥ぎ取られる、いや、僅かに布を残した方がよりエッチなのか?



「あ~れ~っ、ご無体を~っ」


「ははははっーっ! 良いではないかーっ、でおじゃる、良いではないかーっ、でおじゃる、いけっ、もっといくでおじゃるぅぅぅっ!」


「あ~れ~っ、ご無体を~っ」


「マリエル、もっと別の台詞も混ぜた方が良いぞ、何度も同じ発言をするのは不自然極まりないからな」


「そうでしたか、じゃあえ~っと……あ~れ~っ……あ~れ~っ……やっぱりダメでした、あ~れ~っ」


「無理を言ってすまんかった、もう諦めたよ」



 語彙力が酷いマリエルではあるが、それに反応している雑魚麻呂の方はそのことを気にする余裕もなく、どんどん裂けていくマリエルのジャージに釘付けである。


 もっと、もっと攻撃を加えるのだとモヒカンやスキンヘッド共に指示し、自分は鼻の下を伸ばして、赤い顔をしてその様子を眺めている状態で、全くもって何かをしようという気はないらしい。


 そして、攻撃を喰らいつつ、マリエルは俺の横のラインから少し、攻撃を受けるとまた少し、後退して魔法結界から遠ざかっていく。


 マリエルが離れれば離れるほどに、雑魚麻呂の視界に映るそのエッチな感じの演出も遠くなる。

 それをハッキリと見る、見続けるための行動はひとつしかない、今の場所から前に出るのだ。


 無意識にその行動を取ってしまうのが雑魚麻呂の、キモいし臭いし性格も悪いし、それでいて雑魚キャラであったがゆえに全くモテず、暗黒の青春を送ったこの麻呂の、どうにもしがたい行動パターンなのである。


 鼻の下を伸ばした雑魚麻呂、マリエルが1歩下がると2歩、3歩下がればもう10歩以上、どんどんどんどん接近して来るではないか、本当に馬鹿な野郎だ。


 そして終いには魔力結界の境目に足を踏み入れ、そこからさらにもう1歩、完全に外に出たと思しきその瞬間、俺の前に居たマーサの姿が消えた、同時にカレンもであったか……



「ひょいっ! 捕まえたわよっ!」


「わうっ、こっちも押さえましたっ!」


「おじゃじゃっ? あっ、おじゃるぅぅぅっ! ちょっとまつでおじゃるよっ、これはナシ、ノーカン、ノーカンで仕切り直しにするでおじゃるっ!」


「うるせぇボケが、よしっ、良くやったぞ2人共、そのまま完全に結界内から引き摺り出せっ!」


『せぇ~のぉっ、それっ!』


「あ、そんなっ……おじゃるぅぅぅっ!」



 カレンとマーサによって、まるで振り子のように振り回された雑魚麻呂は、手を離されると同時にポーンッと、放物線を描いてこちらへ飛んで来て、俺の頭上を越えて行く。


 そして目的であったマリエルの横へドサッと落ち、次の瞬間には再び鼻の下を伸ばしたのだが、すぐに状況を思い出したようで、絶望の表情へと変化したのであった。



「あぁぁぁっ! 麻呂殿が持って行かれたぞっ! 全員、矢を放つのを中止せよ、麻呂殿に当たると何か後で絶対に困るっ!」


「おうスキンヘッド野郎! 攻撃中止は賢明な判断だな、だがこのクソ麻呂は貰ったっ、返して欲しくばこっちに出て来て戦いやがれっ!」


「ウォォォッ! 麻呂殿を救出するぞぉぉぉっ! 全員突撃だぁぁぁっ!」


『オォォォッ!』


「あっ、ちょっと待つでおじゃっ、そんなことをしたら負け確でおじゃって……もうダメでおじゃるぅぅぅっ!」


「うむ、じゃあサリナ、わんころもち、あの雑魚共をゲットしてやるんだ」


「わかりました」

「もう疲れました~っ、あ、はいっ、やらないとは言ってませんっ、ホントです」



 素直に行動を開始するサリナと、一瞬渋ったのだが身の危険を感じて言う通りにするわんころもち。

 2人の力によって、魔力結界から出て来たモヒカン共は全てこちらの駒に、使い捨てのインスタントお供となった。


 あとはこちらの雑魚麻呂だな、コイツを使ってこの結界の中へ入って行く方法を探ることとしよう。

 既にマリエルによって取り押さえられ、フォン警部補が逮捕した雑魚麻呂は、その際の衝撃で気を失っているのだが……


 と、マリエルもこのままでは逮捕されてしまうな、精霊様に頼んでジャージでも何でも取りに行って貰おう。

 その間に雑魚麻呂を叩き起こして、拷問の準備をキッチリ済ませて待機しておくのだ。


 なるべく、というか凶ドスゑとの約束を守るためにも、この麻呂を殺さぬよう、しかし極大の苦痛を与えるようにして、情報の提供を受けられる状態へと持っていかなくてはならない……

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