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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十二章 湖でキャンプでも
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73 兵糧攻め

「ひもじいよ……おっかさ、ひもじいよ、何か食べさせてくれおっかさ!」


「あの、私は勇者様のお母さんではありません、お腹が減ったのであればその辺の草でも食べていて下さい」



ミラが冷たい……

この間に続き、次に来た補給物資もヘビとかカエルとか、とにかくその類のモノが入っていた。

そして遂に食糧が枯渇したのである。


サリナ曰く、輸送部隊のメンバーはどうやら、魔将サワリンのエロエロ術で魅了され、虜になってその命令を聞いていたそうだ。



「ご主人様、虹鱒を取って来たので一緒に食べましょう!」


「ありがとうカレン、でもな、塩すらないんだよ、味がないのは大変に辛いことなのさっ」


塩まで使い切ってしまうのは予想外だった。

この間レーコをいじめるために撒いたり盛り塩して遊んでいたのが悔やまれる。



「主殿、とりあえず輸送部隊の家臣達から話を聞いておいた、どうやらここと私の実家のちょうど中間地点の道端で美しい女性2人に出会ったとのことだ、おそらくそれが魔将だろう」


「ジェシカ、実家に繋がる道はそこしか無いのか?」


「申し訳ない、まだその道以外は開かれていないのだ、そこ以外に物資を持って通ることができる道は無い」



困ったな、そんな重要なポジションを押さえられているのか、これではジェシカの実家から食糧や酒を運んでもらうことは出来そうにない。

このままだと干上がってしまう、何か有効な策を……



「なぁリリィ、またセラとジェシカを乗せて食糧の確保に行ってくれないか? そうすれば2、3日は追加で保つだろう」


「わかりました、出来るだけ沢山のお酒を持って来ますね!」


「酒よりも肉を優先するんだ、あと塩も忘れずにな」



ついでに、新たに輸送部隊を送って貰えるように頼んでおいて欲しいと伝えた。

運ぶ食糧は極力少なくし、隙間は適当な嗜好品なんかで埋めて貰おう。


まだ敵が街道に居て、俺達の酒や食糧を狙っているのか確かめておきたい。

もしそこに居るのであればこちらから何かやってやる。



「良いかリリィ、敵に上空から輸送していることがバレないようにしろ、道路から離れたところを飛んで行くんだ!」


「は~い! じゃあ、行ってきますね!」


「私もついでに行ってくるわ!」


出来るだけ多くの食糧を運んでおきたい、リリィだけでなく精霊様も着いて行くこととなった。

この間聖都を攻めた際には黄金の像を持って飛んでいたからな、木箱1つぐらいは余裕で運べるであろう。



「よし、じゃあ俺達はバーベキューの準備をするぞ! ミラ、一応カレンが獲って来た虹鱒も処理しておいてくれ」



火を熾し、鉄板などのセッティングも終えてダラダラしていると、先に精霊様だけが帰って来た。

デカい木箱を抱えている。


「やっぱりね、もう準備しているだろうと思って急いで飛んできたわ、リリィちゃんもあともう少ししたら来るはずよ」


「さすがだ精霊様、早速木箱を開けよう、ミラに下処理なんかをして貰わないとな」



精霊様が持って来た木箱の中には、全員の3日分ぐらいの食糧、それから塩と胡椒、そして今日一晩保つであろう分量の酒が入っていた。

急いで肉を取り出したミラが塩と胡椒で下味を付け始める。

リリィ達が帰って来たらすぐに食べられるようにするそうだ。



「カレン、せっかく炭火が良い感じなんだ、塩も来たことだし、お魚さんも焼いてしまおうか」


「そうしましょう! 塩焼き大好きです! お肉も好きだけど虹鱒は王都では食べられませんもんね」



串を打った虹鱒を火から放してセットする、しばらくしたら皮はパリパリ、身はふっくらの塩焼きが完成するはずだ。



「あ、勇者様、リリィちゃん達が帰ってきますよ、やけに大きな木箱を持っていますね……」



本当だ、リリィが巨大な木箱を抱えてヨロヨロと飛んでいるのが見える。

木箱は十字に縛られ、リリィの足からぶら下がっていた。

まるで昭和の酔っ払いが持って来るお土産のようだ……



「戻ったぞ主殿、物資も持てるだけ持って来た、これでしばらくは大丈夫であろう」


「助かる、で、輸送部隊の派遣も頼んでおいたか?」


「それはセラ殿が色々考えていたぞ、なぁ、セラ殿」


「そうね、一応送って貰ったけれど、もし無事に届いたとしても私達には食べられないわよ」


「ん、どういうことだ?」


「私が考えた作戦を決行したのよ……」



セラは、どうせ奪われる可能性が高い食糧ならと、運び出す全ての物資に細工をしたそうだ。


肉はもったいないのでゲロマズのオーク肉、野菜はこの間俺が食わされた飾り付け用の草に入れ替えた。

そして酒は全部30倍に薄めておいたとのこと。


「よくやったな、これでもったいないお化けが出ることなく敵の動向を確認できるぞ、まぁオーク肉も最悪ここに着いたら食えんこともないしな」


「あ、ダメよ食べちゃ、食糧もお酒も、全部下痢ピーピーになる毒を仕込んでおいたんだから」


「酷いことしやがるな、というかそれでこっちが仕掛けをしていることがバレたらどうするんだよ?」


「大丈夫よ、もし喰らっても腐った物を食べたのと同じ症状になる毒だわ、気が付くことはないはずよ」



それなら大丈夫か、正直言って俺としては魔将とその補佐の2人がずっとそこに居て欲しいと思っている。

その方がこちらから何か仕掛けるにしても都合が良いからな。


まずはあと2、3日後、物資の輸送部隊がどんな状態でここに来るかで判断だ。




「そろそろお肉を焼きますよ~っ!」

「ご主人様、お魚も人数分焼きあがります!」


さて、食事にしよう……



※※※



「主殿、次の部隊はセラ殿が仕掛けをしたものが来るが、そこでもし物資を奪われたらどうする? その次も仕掛けをして送るのか?」


「いや、あまり何度もやると怪しまれるからな、もし敵がその位置に留まるようならば物資はしばらく送らないことにしよう」


「では私がリリィ殿と一緒に取りに行くということだな」


「ああ、よろしく頼むよ」


正直言って今回運んできた分だけでもかなりの食糧と酒がある。

塩さえあれば湖の魚も食べられる訳だし、問題は生じないであろう。




「うへぇ~っ、お腹一杯です、食べすぎてしまいました」


「カレン、急いで食べるからだぞ、沢山あるとはいえ今食っているのは貰い物なんだ、もう少し味わって食べるべきだな」


「は~い、わかりました~、明日はもっとゆっくり食べます~」




3日後、仕掛けを施しておいた輸送部隊が到着した。

皆目が虚ろである、大当たりだ。


というかこの人達は毎回のように変な術に掛けられているのだが、後遺症とかは大丈夫なのであろうか?



「主殿、今回はヘビもサソリも入っていないぞ、空っぽだ……いや、何か手紙のようなものが入っている」


魔将が手紙を入れて寄越したようだ、俺達がもう自分達の存在に気が付いているということを確信したのであろう。


封筒の中に入っていたのは2通、それぞれの手紙の内容は……


『異世界勇者パーティーの皆さん、あなた達のご飯は私が美味しくい食べています、今日も貰いました、バーカバーカ、マヌケ!』


『拝啓、異世界勇者様、およびそのパーティーメンバーの皆様におかれましては、益々ご健勝のことと……(中略)……敬具』


何とも子どもっぽい方が魔将、ちゃんとしているのがその補佐の手紙であろう。

マーサとマトンのときと同じ関係のようだな。


だがバーカバーカはあなた方である。

今頃セラが仕込んだ下痢ピーピーの毒を喰らって寝込んでいるはずだ。



「引っ掛かったわ、これで兵糧攻めに懲りて向こうから出てくるかしら?」


「だと良いんだがな、意地になって続けるかも知れんぞ、その際は逆にこっちが兵糧攻めにしてやる、どうせ俺達から奪った食糧をアテにしているだろうからな」



「ねぇ、せっかく引っ掛かったんだし、私が気付かれないように様子を見に行ってくるわ!」


「そうだな、頼むぞ精霊様、こっちは夕飯の支度でもしながら待っているよ」



飛んで行く精霊様を見送る、さて、火熾しだな……

ジェシカが何か言いたそうな顔でこちらを見ている。


「主殿、私に科せられた布団のように干される刑はいつ執行されるのだ?」


「今からやるか?」


「良かろう、では布団叩きを持ってくる!」


ジェシカをリンボーダンスぐらいの高さにした横棒に引っ掛け、そのまま手首と足首を揃えて縛ってやった。

これなら風でどこかに行ってしまうことはないであろう。


ついでに手に持った布団叩きで尻を100回叩いておくべきだな。


「ジェシカ、今から叩くけど、覚悟は良いか?」


「無論だ、それが望みだからな、早くしてくれ! ズボンは下げても構わんぞ」


下にバニーちゃんを着込んでいやがった、ほぼ丸出しの尻を思い切り叩き付けてやる。




「なかなか効いたぞ、25歳にもなってオネショして、年下の主殿にこんなことをされるなんて天にも昇る気持ちだ、さて、終わったなら早く解放してくれないか」



満足したジェシカは、そこで物干し台から解放されると思っていたようだ。


甘い、夕食の準備が出来るまでそうしていろと伝えて放置してやった。

興味津々のカレンとリリィに悪戯されているようだ、まぁ、自業自得だな。



お、早くも精霊様が戻って来たようだぞ。


「おかえり、どうだった?」


「面白かったわ、敵は15体程だったけど、半分は森の中でしゃがみ込んで、残りは腹を押さえて蹲っていたわ!」


「それは傑作だな! セラに戦果を報告してやってくれ」


「そうするわ、ところでジェシカちゃんはどうしてあんなところに干されているのかしら? やけに肉厚な布団があるなと思ったんだけど……」


「ああ、あれは処刑しているんだ、通りかかった人はあの布団叩きで叩いて行くルールなんだ」


精霊様は大喜びで向かっていった、さて、本格的に食事の準備に移ろう。



「ちょっとお姉ちゃん、邪魔しないで欲しいわ!」


「あら生意気ね、ミラにも下痢ピーピーの毒を盛ってあげようかしら?」



「セラ、また性懲りも無くミラの邪魔ばっかりして、お前も干してやる、こっちへ来い!」


ジェシカの横にセラも干しておく、精霊様が凄い勢いで飛んで来た。



マリエルとレーコが隠れてエッチな本を読んでいた、干す。

マーサが調子に乗っているようだ、干す。


物干し台は一杯になってしまった。

ルビアは干した覚えがないのだが、自主的に干されたのであろう、隅に引っ掛かっている。



「勇者様、そろそろ準備が出来ますよ、干してある皆を回収して下さい」


「わかった、最後に一撃加えておこう、精霊様は手伝ってくれ」



精霊様と2人で干された馬鹿共に悪戯してやった。

全員顔に落書きしてやろう、ついでにカンチョーも喰らわせてやる。


「お前ら、反省したのかはそのお顔じゃわからんが、とりあえず許してやる、有難く思え」




落書きされ軍団も交えて夕食を取りながら対魔将会議を行う。

マリエルが何やら真面目な話をしているようだが、その顔で言われてもな……



結局、その日からさらに3日間、ただバーベキューをしたり湖で魚を獲ったりして遊んでいた。

敵はまだ攻めて来ない……



※※※



「そろそろ飽きてきたな、もう帰ろうぜ」


「何を言っているの? ここまで来て魔将を討たずに帰れないわよ」



そうだよね、国の金で遊びに来て、しかも世界平和のためとか何とか言ってジェシカの家から肉だの酒だの散々受け取っている。

これで魔将を倒せませんでした、というか負けたのではなく面倒になって帰ってきました、とか絶対に通用しない。


間違いなく今まで飲み食いした分の代金を請求されるはずだ。



「しかしどうして動かないのかな? 精霊様の見立てではもう向こうに食糧は無いんだろ?」


「ええ、今朝見に行ったときには馬鹿そうな魔族が空になった酒の瓶を覗き込んでいたわよ」


「もしかして残り少ない食糧を魔将と補佐だけで独占しているのかもな」



「サワリンならやりかねないわね、あの子の周りは自分に心酔している奴で固めているから、ちょっとぐらいじゃ不満は出ないはずよ」



「まぁ良いや、とにかくこのまま待機しよう、間違いなくそろそろ限界のはずだ」


「だが主殿、もしかしたら敵は私の実家の方を攻めるやも知れんぞ、そうなったら屋敷の兵だけでは絶対に勝てん」


「場所がわかっていればその可能性があるな、よし、今日から精霊様には中間地点でなくジェシカの実家までの往復にして貰おう」


「報酬は?」


「供物2倍、1ヶ月間でどうだ?」


「乗ったわ、じゃあ今からジェシカの実家を見てくるわね!」


良し、供物の量だけ2倍にして質を半分に落とそう、どうせ気が付かないだろうしな。



「ではこちらも迎え撃つ準備をしよう、カレン、リリィ、落とし穴を沢山掘っても良いぞ」


「本当ですか? 自分で落ちても怒らないで下さいね」

「早く掘ろうよカレンちゃん、100個作ろうっ!」


敵の数は15程らしいが、100個も必要なのか?

というかどうしてそんなに少ないんだ? あれか、この間殺した変態課長が下っ端を全部使い潰してしまったのか……




「ただいま、やはりジェシカちゃんの読み通りだったみたいね、中級魔族3体が屋敷の方に向かっていたわよ、もう到達して戦う直前らしかったわ」


「おかえり精霊様、で、ちゃんと全部潰したか?」


「当たり前よ、死体はジェシカちゃんの家に置いて来たのよ、なんか感謝されてお酒貰った」


「気が付いて良かった、危うく家臣を死なせるところだった……」


「今回はセーフだな、引き続きそっちに行かないように監視しよう」



魔将や魔将補佐本人がジェシカの実家に向かうという可能性は低そうだ。

あくまでも奴らの狙いは俺達勇者パーティーの殲滅なんだからな。


もし行ったとしても精霊様なら単騎でも何とか撃退してくれるであろう。



「あ、そうそう、帰りに敵の本拠地をチラッと見てきたんだけど、よくわからない車輪付きの豪華な椅子が用意されていたわよ」


「おう、間違いなくそれに魔将が座って移動するパターンだな、すぐに攻めて来そうだぞ!」



※※※



翌朝精霊様が見に行ったときには、魔将サワリンとその補佐ビーチャを含めたおよそ10体ほどの魔族がこちらに向かって移動を開始していたそうだ。


念のためジェシカの実家の方も見てきたが、二正面作戦は取らず、全部がこのキャンプ場を目指しているらしい。


進行速度が遅く、到達するのは明後日になるようだ。


「よし、こちらは歓迎の横断幕を作って待ち構えよう、キャンプ場の入り口に掲げるんだ!」



『歓迎 馬鹿魔将サワリン様ご一行 ~お腹の調子はどうですか?~』と書かれたものを作成し、入り口の木と木の間にセットする。

ついでに、その先には巨大な落とし穴を作っておいた。



「あとは食事のタイミングを合わせるわよ、兵糧攻めをしているつもりだったのに、いざ攻めてみたらバーベキューやってた、ぐらいのオチにしましょう」


「そうだな、近付いてくるのを精霊様が確認し次第、火を熾して肉を焼き始めよう、とりあえず明日来ることはないだろう、ゆっくりして万全の体制で迎え撃とう」





翌日は決戦前のオフとした、そのため皆で遅くまで酒を飲み、談笑する。

会話を進めるうちに、魔将を捕らえた際にどう処分するのか? という話になった。


「やはり木札に封印すべきです、私だけあんなことをされたのは納得がいきません!」


「ちなみに私達は広場に吊るされたわよ、ユリナ達だって晒し者にされたんだから、封印ぐらいどおってことないじゃないの!」


「それは……封印の方がマシね」


「ちなみにレーコ達も闘技場が復興した際には晒すつもりだ、覚悟しておけ」


「そんなぁ~、もう十分に反省しましたから、どうかそれだけは、それだけは許して下さい!」



『あの……私のような罪人が畏れ多いことを申し上げますが、私は一度死刑にされていますので、晒し刑はちょっと……』


「ダメだ、あれはサリナやマトンに迷惑を掛けた罰だからな、王都を破壊したのは別だ」


『へへぇ~っ! 出すぎたことを申し上げました』



話し合いの結果、今回は特に大きな被害が出ている訳ではないことを考慮して、軽い罰で済ませることとなった。

魔王討伐まで牢屋に閉じ込めておくのは変わらないがな。



「まぁ良いわ、えろ魔将だか何だか知らないけど、捕まえて干してしまえばよいのよ」


「セラ、お前は干される側の人間だろ、布団みたいに叩いたら埃が出そうだな」


「特に悪いことはしていないはずだわ……」



とにかく魔将一向の到達を待とう、戦いは明後日だ。



※※※



「来るわよ、そろそろ敵の姿が見えると思うわ!」


キャンプ場に入るための道、入り口の先に小さな土煙が見えている。

魔将サワリンが乗った車輪付きの玉座が上げているものであろう。



最後の角を曲がり、遂にその姿が見える……エッチな格好だ。

その横、引っ張られている玉座の右隣に立って一緒に運ばれているのが補佐のビーチャであろうな。

しかしなぜビーチャはセーラー服を着ているのか?

まぁ、どうせ魔王が伝えた別世界のアイテムでしょうね。



「見て勇者様、横断幕に気が付いたみたいよ、地団駄を踏んでいるわ!」


「本当だ、実に頭が悪いようだな、隣の補佐が困っているじゃないか、マーサ並みのお馬鹿だ」


「失礼しちゃうわね、私のどこが馬鹿だって言うのよ?」


「6+3+2は?」


「そんなの……くっ! 手の指では10までしか数えられないようね、靴下を脱ぐからちょっと待っていなさい!」



怒りパワーで進行ペースを上げ、徐々に近付いてくるえろ魔将サワリン。

俺達の掲げた横断幕をくぐると、すぐに掘ってあった落とし穴に引っ掛かり、移動式玉座が脱輪した。


今は部下達が必死になって脱出作戦を敢行している。



「お~い! それが動かなくなったのなら歩いてくれば良いだろ~っ!」


「ちょっと、何なのよあなた達は!? こんな卑劣な手を使って! ちょっとそこのあなた、すぐに行って目に物を見せてやりなさい!」



指示された中級魔族が敵意をむき出しにしてこちらへと走り寄ってくる。

なかなかデキる奴のようだ、だが途中で落とし穴に引っ掛かり、戦闘不能になってしまった。



もう待つのも面倒だ、早く戦おうぜ……

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