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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十九章 島国
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691 大航海

『海のウ○コヤロォォォッ!』


「なぁセラ、向こうの船でフォン警部補が何か言ってんだが、誰かお前ほどではないぞと伝えてやれ、でっかい声でな」


「勇者様ほどじゃないわよぉぉぉっ!」


「おいコラッ! それは聞き捨てならんぞっ! パンツ食い込ませの刑に処してくれるっ!」


「いてててっ! ってきゃっ」


「なっ? ふげっ!」



 セラと2人、甲板にてふざけて遊んでいたところ、船が大きく揺れたためにバランスを崩す。

 まるでまわしを取ったままひっくり返る相撲取りの如くパンツを吊り上げたまま俺が下になってバタンと倒れてしまった。



「ふぎゅぅぅぅっ! ちょ、ちょっと勇者様、この体勢でそれは……」


「フハハハーッ! 良いではないか~っ、良いではないか~っ、それぇぇぇっ!」


「きっ、きっくぅぅぅっ……ま……参りました……」



 セラの討伐を終え、引き起こしてその場に座らせる、しかし話しに聞いてはいたのだが、ここまで暑いと密着していた方涼しいというのは本当のことであったようだな。


 ということでパンツが食い込んだ状態のまま立ち上がったセラにピタッと密着する……まるで痴漢でもしているかのような気分だ、うむ、これはこれで悪くない。


 しかし甲板は暑すぎるな、外で風でも浴びてリフレッシュするつもりであったのだが、生温かい夏の風しか浴びることが出来なかったではないか。


 仕方ない、もう船室に戻って皆と一緒にグダグダと過ごす……今度は何だ?



『すみませ~んっ! こっちです、アスタです、お願いだから気付いて下さ~いっ!』


「ん? あ、こっちか、何だよアスタお前、囚人の分際で俺を呼び付けるとはいい度胸じゃないか、もしかして待遇を改善しろとか言ったりしないよな、そんなんだったら尻を引っ叩くぞ」


「ひぃっ、じじじ、実はですね、そのぉ~、何というか、この船って操船がかなりいい加減じゃないですか……」


「そうだな、スタッフは女の子でとお願いしたんだが、サポートスタッフだけ美少女奴隷にして操舵手は酒飲んでるヤバそうなおっさんのままだったんだよ、クソだよなマジで」


「は、はぁ……それでですね、そんな船の甲板で、私はこの檻に入れられて、しかも中で手枷まで嵌められている状況じゃないですか、それって拙いですよね? もし転覆したり、揺れた拍子に船から投げ出されたらしたらどうなるかわかりますか?」


「うむ、まぁ沈んで行くだろうな、ちなみにここは水深1万m程度あるそうだ、ドンマイ」


「ひぃぃぃっ! それを知ってなお放置するんですかっ? 私は火の魔族なんですよっ、水に弱いんですっ、こんな所で檻ごと海底に沈んだら……きっと100年も持たずに死んでしまうと思います……」


「100年って、俺やセラからしたら十分に長生きだぞ、それに10年ぐらいしたら檻が朽ち果てて外に出られるはずだそうなったら浮上すると良い」


「そんなっ! 待って下さいっ! お願いだから出して下さいっ!」


「……しょうがない奴だな」



 わがままを言う、というか普通にやかましいアスタ、ちなみにジャケェ共和国で捕まえた女幹部はもう置いて来たので、現状連れている囚人はこのアスタのみだ。


 しかし檻に入れておかないと監視が必要になるし、俺達にはそんなことをしている暇がない。

 今でさえ早く船室に戻ってゴロゴロしなくてはならないというのに、一体どれだけ俺を困らせれば気が済むのだこの女は?


 と、まぁ良い、ここは船上であって、逃げ出すことが可能になるのは接岸時、または陸が見えてきたぐらいのタイミングのみなのだ。


 それゆえ『脱走可能時』に姿を確認し、そこから動けないような状態であることがわかっていれば、別に檻に入れておくような必要などないのである。


 いや、しかし檻に入れているのは犯罪に対する罰という側面もあるのだし、やはり何らかの方法で拘束してお金くてはならないな。


 となるとやるべきは……うむ、見渡す限りでそれしかないのだが、とりあえず鎖でマストに縛り付けておこう。

 すぐにアスタを檻から出し、手枷に紐をつけて船の中央、メインマストへと連行し、そこにグルグルと縛り付けた……



「えっと、あの……ちょっと良いですか?」


「おいおい望みは叶えてやったぞ、檻から出られたことに感謝しなくてはならない立場だというのに、まだ何かあるというのか?」


「いえ、その、ですから……」


「……あ、そうだ、待遇の改善など要求する悪い囚人には尻を引っ叩く罰を与えないとだったな、まぁ今から解くのも面倒だし、風呂の時間についでに執行してやろう、楽しみにしておけ」


「いやいやそれでもなくてですね、もし船が沈没したらですよ、このマストに縛り付けられている私はどうなると思いますか?」


「そりゃ普通に沈むだろ、もしかしてお前、俺のことをおちょくっているのか?」


「わかっているならやめて下さいよこんなの、せめて『船と運命を共にしない方法』を模索するなどして下さい、船長じゃないんだから一緒に沈みたくはありません」


「全く面倒な奴だな……」



 もうどう考えても船が沈むことを前提として考えているアスタなのだが、俺も、そして後ろで掌を団扇の代わりにして暑さをしのいでいるセラも、おそらくはそうなる可能性が高いことを頭の中でわかっているはず。


 だがその先の面倒な事態について考えることを頭の別の部分が拒否しているため、この船は絶対安心、不沈艦として世界に名を馳せるこの島国の誇りだと勝手に思い込んでいる節がある。



「ねぇ勇者様、アスタちゃんの言っていることがもっともな気がするのは私だけかしら? 出来ればもっと、ホントに船と一緒に沈まない方法を取ってあげるべきだと思うわよ」


「うむ、俺も薄々そんな気がしていたところだ、じゃあアスタ、何か方法を考えてやるからな、もう一度檻へ戻すのは面倒だし、しばらくそこで待っていろ」


「ホッ、助かりました、ありがとうございます」


「で、待っている間は俺に尻をペシペシと引っ叩かれる妄想でもしておくんだ、後で現実になるがな」


「それは最悪のイメトレなんですが……」



 ひとまずアスタをそのまま、マストに鎖で縛り付けたままにして船内へと戻る、やはり日差しがないと少しだけ涼しく感じるな、室内は偉大だ。


 もちろんこれで無駄に揺れたり、急に方向を転換して傾いたりということがなければ最高なのだが……船の操舵が出来るのはあの酔っ払いオヤジしか居ないのだ、チェンジしたいところだが諦めるしかないな。


 と、それはともかくアスタを拘束しておくための何かであって、海難事故の際に沈没しないものを探すこととしよう。


 セラの提案でまずは船の倉庫、確か出発前に色々と積み込まれ、中のものは自由に使ってくれて構わないと言われていた倉庫だ。


 アスタ拘束グッズ以外にもお宝が見つかる可能性はあるし、ミラや精霊様に奪われる前に頂戴しておくのもアリといえよう。


 到着した倉庫前、期待を胸に、セラと2人で両開きの扉をバンッと開ける……思っていたよりも遥かにゴチャゴチャだ、この中から何かを発見するのは至難の業、そんな気がしてならない……



 ※※※



「それで、何か見つけて来てくれたんですか?」


「おう、バッチリだぞ、なぁセラ」

「ええ、アレなら沈むこともないし、使っているだけでお仕置きにもなるわよ」


「えっと、それはどんな感じの……」


「倉庫で見つけた、緊急避難のときに使う『フロートタイプの三角木馬』だよ、早速それに『乗り換え』させてやるから来いっ」


「ひぃぃぃっ! そ、そんなことだろうと思いましたよっ、ちょっと、やめ……海のそこに沈んだ方がマシな……いやぁぁぁっ!」



 さらなるワガママを言い出したアスタ、その態度のデカさには俺もセラも呆れ顔だ。

 もちろんこれ以上付き合ってはいられないため、鎖を解いた後に無理矢理引き摺っていく。


 甲板の、先程まで檻があった場所に用意してある三角木馬、下の台座部分が浮き輪のような形状になっており、それが浮力体として活躍することによって水に浮く、水上三角木馬として機能する仕組みである。


 もちろんキッチリ木馬側が上にくるよう、錘などを使って調整されているようで、万が一ひっくり返ったとしてもすぐに元通りのスグレモノ。


 人が乗る部分が三角木馬でさえなければ俺が乗りたいぐらいなのだが、どういうわけかアスタは頑なに拒否しているではないか……



「ひぃぃぃっ! お尻ならどれだけ叩いて頂いても構いませんっ、だからこんな揺れる船の上で三角木馬だけは……」


「いや大丈夫だろこのぐらい、じゃあセラ、ちょっと『試乗』してみてくれないか」


「わかったわ、こうやって跨って……クッ、少しは効くけどまだまだね、勇者様、これだと鞭打ちでも追加しない限りお仕置きにはならないわよ、ソフトすぎるもの」


「ほら、揺れても大丈夫そうだろ? よしセラ、もう降りても構わないぞ」


「は……はぁ……いえそれホントにですか?」


「疑り深い奴だな、そういうことばかり言っているとこの尻をっ! このっ!」


「いでっ、きゃいんっ、ごめんなさいっ!」



 適当に数十発の尻叩きを喰らわせ、セラと交代するかたちでフロートタイプ三角木馬に跨るアスタ……船が揺れるたびに変な声を出している、セラぐらいのMであれば余裕でも、通常の者にとってはなかなかの苦痛であったようだな。


 苦しむアスタ、だがそんなアスタを救ってやる方法はない……いやあるか、操舵手の酔っ払い馬鹿野郎を矯正、または排除して他の者と取り替えることだ。


 あのおっさん、確かに免許を持っているはずなのだが、この揺れ方では素人が操船した方がまだマシである。

 どうにかして酒を止めさせ、それが無理ならもう……うむ、一応知識はあるはずだから半殺し程度にして、必要なときだけ使う感じにすべきだな。



「セラ、ちょっと操舵輪がある部屋へ行くぞ、メインの場所だ、ちょっと操舵手をどうにかしてしまおう」


「ええ、面倒だし、その後どうなるかわからないけど仕方ないわね、このままじゃ大揺れで夜中に目覚めたりしそうだわ」



 絶対に『沈んでしまう』とは言わないようにしているのだが、もちろんこのままでは沈んでしまうことが明らか、もうそのことを表に出さないようにする必要はない気がしてきた。


 で、操舵輪のところまで行くまでもなく、部屋の扉の前でもう漂っている酒の匂い。

 スタッフとして乗船させている女の子の1人が、鼻を抓みながら軽く会釈して通り過ぎて行った。


 おそらく、この中では未だにあのクソ野朗が酒を飲みつつ、て至極適当に操舵しているに違いない。

 だいたい飲酒した状態での乗船は違法行為ではないのか? こんな輩でも事故を起こすまでは処刑出来ないのか?


 まぁ、島国には島国の慣習があり、その中でさらに分かれた小国家の中でまた法があるのだ。

 今はそちらをリスペクトし、この酒臭い状況にはツッコミを入れないこととしよう。


 で、扉に手を掛けると……むわっと広がる熱気、二次会も終盤に差し掛かった宅飲みの現場の如き酒の匂い、もうここに居るだけで酒が飲めなくなりそうだ……



「うぃ~っ、オイッ! なんにゃおめぇは~っ! どこにょだれじゃかしりゃんがおれしゃまにょにょにょ、でてけーっ!」


「何言ってんだコイツ?」

「さぁ? とりあえずその臭い口を閉じて欲しいものね、あとさ、ちゃんと操船しないと危ないんだけど」


「はぁ~っ? にゃんにゃんだこにょクソガキがぁぁぁっ!」


「あ~、はいはいにゃんにゃんですよ~っと……なぁセラ、さっきからこのおっさん、一度も操舵輪に触れてない気がするんだが?」


「そうね、そして私達と話し始めてから船体が非常に安定したわ、もしかして……これ最初から魔導操縦なんじゃないかしら?」


「まさかっ? だって出航する際にはそんなこと誰も言ってなかったし、それぞれの船に操舵手が乗り込んだだろう?」


「確かに……でもじゃあどうして船がちゃんと進んでいるのかしら? ほら、前を行っている英雄船とピッタリ進路を合わせているわよ」


「ホントだ……いや、マジでちょっと意味がわからなくなってきたぞ……」



 まるで自動操縦、いやこの世界においては魔導操縦なのだが、とにかくそうであるようにしか見えない感じで操舵輪が回っている。


 もちろんこれは心霊現象などではない、もし幽霊であれば、霊感ゼロの俺には見えなくとも、セラには輪郭ぐらい見えてもおかしくはない。


 いや、よく考えてみよう、この船が度々大きく揺れていたのは、この酒臭い馬鹿オヤジがたまに気が向いて、触れなくても良い操舵輪に触れたからではないのか?


 酔っ払いの力加減で無理矢理グイッとやれば、船は揺れ、傾き、最悪復元せずにそのまま……ということまで考えられる、それが先程までの大きな揺れであったのだ。



「う~む、こりゃちょっとわからんな、どう判断しようか?」


「おみゃらっ! ほんげどほみゃらふぉっ!」


「とりあえず部屋に戻りましょ、エリナちゃんに見て貰うのが一番早いわ、あともしかしたら何かの精とかが悪戯しているのかも知れないし、精霊様も連れてきましょ」


「ほんぎゃっ、おみゃらばかごみのすれっ!」


「オイッ! うっせぇぞそこの酔っ払いがっ! もしこの船に操舵手が要らないようならお前はもう用済みだ、捻り潰して海洋投棄してやるから楽しみにしておけよっ! じゃあなクソゴミ野朗、俺達が戻るまで操舵輪に触れんなよ、マジで」



 ゴミクソ酒野郎には入念に釘を刺し、というか操舵輪に近付けぬよう、その辺に落ちていた五寸釘でリアルに足の甲を床へ、それはもう絶対に取れないように打ち付けておく。


 酔っ払っているため痛みや恐怖は感じないようだ、だがそれだと拙いな、もし本当にこの役立たずがホンモノの役立たずであり、不要ということで処分する際に、痛みも恐怖も感じないような酩酊状態では殺し甲斐というものがないのだ。


 少なくとも酔いが覚めてから死刑を執行すべきだな、いや、その前に確認だ、サッサと皆の居る部屋へ戻ろう……



 ※※※



「お~いエリナ、と、それから精霊様はちょっと来てくれ」


「ひゃっ、勇者さん、ちょっと来てくれと要請するのに尻尾を掴む必要はあるんですか?」


「うむ、だって耳を引っ張ると指が疲れるし、お前の角は鋭く尖っているから掴むと俺が怪我をしかねない、ということで尻尾を持って引き摺って行くのが最適解だと判断したわけだ、違うか?」


「違うも何も、無理矢理引っ張っていくこと前提なんですね、わかりました、大人しく従うので尻尾は離して下さい」


「いや、握り心地が非常に良いので離したりなんぞしないぞ、で、精霊様もそんな所に浮かんでないで早く来てくれよ」


「イヤよ面倒だし、ここまで堕落しちゃうと、もう歩くことすら面倒になってくるの」


「良いのか? 久しぶりに人を惨殺するチャンスがくるかも知れないんだぞ、最近は『見学』とかばかりでまともな『処刑』をしていなかっただろう?」


「それを先に言いなさい、ほら、どこへ行けば良いのか案内しなさいよ」


「本当に調子の良い水の精霊だな……」



 エリナの尻尾をニギニギしながら操舵輪のある部屋を目指す、ちなみに途中でパッと手を離してみたところ、エリナはチラチラとこちらを見ながら尻尾を俺の手に押し当ててきた。


 本当はニギニギし続けて欲しいということだな、このムッツリ変態悪魔めが……などと考えながら歩いているうちに、目的としていた酒臭い部屋の前に到着する。


 臭いということで鼻を抓み、先程し忘れた換気をしようと皆で決めつつ中へ入った。

 窓を開け、外の生暖かい風を引き込んで空気を入れ替えた後、ギャーギャーとやかましい酒野郎を黙らせて鑑定に入る……



「う~ん、これ、特に魔導何とか~みたいなのは実装されていませんね、通常の、まぁそれでも魔法で船尾の舵には繋がっているんでしょうけど、どこにでもある至って普通の操舵輪ですよ」


「そうなのか、じゃあオートナビの魔導操縦説はハズレだな、となると精霊様、これは……」


「……導かれているわね」


「え、どういうこと? 導かれてるって、何が、どこに?」


「導かれているのはこの船よ、この船が……あっち、前を行っている英雄船ね、それに導かれるようにして付いて行っているわ」


「どうしてそんなことになってんだ?」


「わからないわよそんなの、でも神秘的な力を感じる、この島国では……どう表現したら良いかしら? とにかく英雄が勇者を導いて、それによって巨悪を倒し、世界を救う感じね、そういう仕組みになっているような感じがするわ」


「なるほどな……確かに始祖勇者のときも髭野郎が4人、青ひげに赤ひげ、白ひげと、そしてこれから向かう場所を拠点にしていた黒ひげ、それらが『英雄』として勇者を導いた……そんなところか? まぁそれ自体は魔王討伐後だったのかも知れないが、今の英雄パーティーも4人だからな、何となく繋がりはある気がするぞ」



 およそ500年前、魔王を討伐した後にこの島国へと渡り、そこで4人の髭野郎と共に『勇者の玉』を祭った始祖勇者。


 それが、その4人の髭野郎が英雄であったとして、島へ渡ったばかりで地理にも明るくない始祖勇者を導いたのだとすればどうか。


 今回は俺が勇者で、4人……というか2人と犬畜生とチンパン野朗の英雄パーティーが、島へやって来たばかりの俺達勇者パーティーを導いているということになる。


 もしかするとこれはアレか、『時は来た! 今こそ勇者に、魔王を倒すべき存在に力を!』的な感じの、何やら激アツなイベントの類ではなかろうか。


 とにかく俺達はこのまま、島国に滞在する限りは英雄、紋々太郎の導きを受けてその背中を追う。

 そうすることによって指定されたイベントをクリア、力や武器……はクソのようらしいので要らないが、魔王を倒すべき色々な何かを手にすることであろう。


 もしかすると上空を飛び、全くもって手がつけられない状態にある魔王城も、今回の件で何とかしてしまうためのカギを得るかも知れないな。


 ということで今はこのまま、船に任せて先へ進もう、目指すは黒ひげの地、何だか良くわからない名前の帝国だ……

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