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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十一章 王都を揺るがす大事件
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68 密売人の親玉

「じゃあ明日は潜入組に関してはオフで、俺達は残りのメンバーで皆がパーティーに潜入するための準備をするから」


「やったわ、朝早起きしなくても良いのね!」


「セラ、それでも昼前には起きろよ、精霊様みたいになるぞ」


「それはイヤね、ああなったら生きている価値がないわ……」


後ろに居た精霊様によってセラが連行されていくのを眺める。


明後日のパーティーとやらはかなり広いホールで行われるらしい。

全員で潜入できるよう、王宮に招待状を追加で作ってもらったり、着ていく服の準備をしたりといった準備は、俺達待機組がすることとなった。



「さて、俺達は一応有名人だ、普通に居たらバレるからな、何か変装をして行かないと」


「ご主人様、バーコードズラとちょびヒゲ眼鏡なら私が持っていますわよ、以前魔王軍の忘年会で使いました」


「要らん、余計目立つわ!」



「あの、私が幻術で姿を変えましょうか?」


「それで良いな、サリナ、服とかも再現できるか?」


「ええ、でも私が酔っ払ったりすると術がおかしくなって、必ず全裸のおじさんに変身してしまいます、その場合二度と元に戻れません」


「リスクが高いな、そんな会場で全然飲んでいないのも怪しいからな、そうだ、それも幻術で飲んでます感を出すんだ」


「わかりました、その代わり後で私にもお酒を下さいね」


俺達の姿はサリナの幻術で誤魔化すこととなった。

これならドレスだの何だのを買う必要が無く、コスパ最強である。


ちなみに教師役のジェシカも会場には入るそうだ。

初等部のおませさん達が酒を飲んだりしないように監視するらしい。


ということはリリィも禁酒か? 絶対に暴れるぞ……

そうなったら知らない人の振りをしよう。



「じゃあもう追加の招待状を貰うだけで準備完了だな、マリエル、雑誌広告の件と一緒に頼むぞ」


「何だか私だけ働かされるのは気に食わないですね……」


「マリエルにはあとでケーキを買ってあげよう」


「誠心誠意働かせて頂きます」




明日は実質休みである、眠い者は寝て、まだ起きている者は迷惑にならないよう、角部屋に集合して酒を飲むことにした。


「おう精霊様、戻って来たのか、セラはどうした?」


「まだ内股気味で階段を昇っているわ、膝がプルプルしていて面白いわよ」


「何をしたというのだ?」


「新開発のウォシュレット魔法を喰らわせてやったわ!」


何だその意味不明な魔法は、水魔法の一種なのか?

などと考えていると、ようやくセラが入ってくる。



「危うく新世界の扉を開いてしまうところだったわ……」


「お前大丈夫なんだろうな? これ以上どうかなったら人ではなくなるぞ」


「もう手遅れかも知れないけど大丈夫よ」


手遅れと大丈夫は両立しないはずである、どちらかというと手遅れの可能性が高い。




「そんなことよりもセラ、パーティー会場では上手く敵をおびき出すんだぞ」


「わかっているわ、私の魅力で悩殺してあげるんだから」


貴様に悩殺は不可能だ、物理的に殺害することなら可能かも知れんがな。




その日は遅くまで酒を飲んで寝た、翌朝、というか翌昼に目が覚め、先に起きていた他のメンバーと一緒に昼食を取る。


「そういえばご主人様、今回の作戦が終わったら今着ている制服はどうするんですか?」


「ん? カレン達のは貰い物だからな、そのまま取っておくと良い、ルビアとジェシカのは使用済みとしてエッチな店に売ろう」


「ちょっとっ! 主殿はどこまで私を辱めれば気が済むのだ?」


「死ぬまでだ」


「……わかった、もう諦めよう」



「ねぇ勇者様、使っている筆記用具はどうするの? 売ってお金に換えても良い?」


「ダメだ、そもそも価値を見出せない、ノートなんかチラシの裏だろうが」


「でもこれから伝説になる大魔導師セラ様の取ったノートよ、きっと100年後には博物館行きの代物よ!」


伝説の大馬鹿者が取った汚いノートとしてならワンチャンありそうだ……


何にしても恥を晒すような真似だけはしないで頂きたい。

勇者パーティーのメンバーがチラシの裏をノートにして、炭を布でぐるぐる巻きにしたものを鉛筆代わりにしていたなんて一般人には知られたくないからな。


そもそもノートを見られたら馬鹿ばっかりであることが発覚してしまう。

内々に処分するのが最善の選択肢だ。



「他に今回の作戦について話がある者は居るか? 明日はクライマックスだから聞きたいことがあるなら今のうちだぞ」


「あのご主人様、もちろん明日の潜入時には私達も手の縄を解いてもらえるんですわよね」


「もちろんだ、だがそのときに限り、だぞ!」



「そういえば勇者様、どうしてマーサちゃん達が縛られているんですか? レーコちゃんとギロティーヌちゃんではなくて……」


「マーサが悪いんだ、今回の事件発生に責任がある立場なのに遊び呆けているから、解決してお仕置きが終わるまで3人共縛っておくことにした、ミラも手を縛られたいのか?」


「私は結構です、料理の邪魔をするお姉ちゃんでも縛っておいて下さい」



「ところで私達はどんな罰を受けるわけ? 先に知っておきたいわ」


「そうだな、庭と風呂と精霊様の社の掃除当番を3人交代で1ヶ月連続の刑としよう、それで良いな?」


「わかったわ」

「私もそれで良いですわよ、サリナは?」


「それは構いませんが、あのクスリを作ってしまった私も残りの2人と同じで良いんですか?」


「じゃあ今回一番悪い子だったサリナは……そうだな、その間毎日便所掃除の刑に処す」


「……やぶ蛇でした、最低の酷刑です」




「よぉし、明日はいよいよ大詰めだ、気合入れていこうぜ!」



※※※



「良いか、皆バラバラに動いて、色んな角度からセラの様子を監視するんだ、怪しいやつが近づいて来たらガン見しろ」


「色んな角度から見るのは良いんですが、どうして勇者様は這いつくばっているんですか?」


「俺はこの角度から女子生徒のパンツを監視するんだ!」


ミラ女王様に頭を踏みつけて頂いた、ありがとうございます、ありがとうございます。



「カレン、お前とマーサは素早いからな、2人でホール全体をカバー出来るように動くんだぞ」


「わかりましたご主人様」


「こら、今は作戦行動中だ、サーと呼べ、イエスッサー! と返事するんだ」


「イエスッサー!」


「主殿、恥ずかしいし馬鹿みたいだからやめてくれ、ただでさえサリナ殿の幻術で凄まじい見た目なんだぞ」


元々学院に潜入しているメンバー以外は、全員サリナの幻術で姿を偽装してある。

勇者パーティーのメンバーは面が割れている可能性が高いからな。


今の俺は周りから『中等部の制服を着た校長っぽいハゲ』に見えているのだ。




「ご主人様、セラちゃんが敵らしき人達と話を始めました!」


駆け寄ってきたカレンがそう伝える。

本当だ、男3人、女2人と何やら話しをしているようだ。



「男の方はアメフト部、女はチアリーディング部だな……」


「何ですか勇者様、そのあめふとだとかちあ何とかって言うのは?」


「イケイケな奴が入るクラブのことさ、異世界のハイスクールでは大体こういう連中が密売組織の末端なんだ、主人公はそいつらに馬鹿にされているのが基本スタイルだな」


「よくわかりませんが、お姉ちゃん達は移動するようです、付いて行きますか?」


「そうだな、全員でコソコソと後を追うんだ、念のためインテリノとリリィも呼んで来るんだ!」




おかしい、突き止めてあった密売組織のアジトとは逆方向に向かっている。

というかそっちは学院の体育館に繋がる道だ、それ以外の建物は存在しないぞ。


まさか計画がバレていて、体育館裏でセラをボコボコにしようと言うんじゃあるまいな……



「勇者殿、やはり体育館裏へ行くようですよ、あそこは定番のカツアゲスポットです、助太刀した方が良いのでは?」


「大丈夫だインテリノ王子、あの連中は確かに鍛えているようだが、セラ1人でも十分に退治できる強さだ、しばらく様子を見よう」



そう言った矢先、突然事態が急変した。

5人のイケイケ集団が見覚えのある瓶を取り出し、一気に中身を飲み干したのである。



「身体強化のクスリだ! 拙い、さすがにあれじゃ勝てるかわからんぞ!」


慌てて全員で飛び出す、全力で走って行き、敵から距離を取ろうとして飛び退いたセラを追い越し、前に出る。

足の遅い俺とルビアだけは遅れてしまったがな……ちなみに幻術は解除済みです。



「クソッ! 何で勇者パーティーが、後を付けてやがったなっ!」



「はぁっはぁっ、お前らこそどうしてセラを襲撃しているんだ? 身体強化のクスリを売るんじゃなかったのか?」


「何っ!? なぜ異世界勇者がそのことを知っているんだ? さてはセラ、俺達を嵌めて捕まえるつもりだったのかっ!」

「クソめっ! 勇者パーティーのメンバーを1人でも倒せば私達の力が証明できると思ったのに」



「で、セラを狙ったと、なぜセラなんだ? カレンでも良かったんじゃないのか?」


「そのセラが勇者パーティーで最弱だからに決まっているだろうが! 見てすぐにわかったぜ」


「……お前ら、おっぱいの大きさで判断していないか?」


「当たり前さ、それ以外の判断基準があるなら教えてもらいたいね!」




すげぇ馬鹿でした、これはいつまで経っても末端から這い上がることが出来ないだろうな……


「とにかくこの5人を倒そうか、マーサは女2人を担当してくれ、生かして捕らえる、インテリノ王子、あとの3人だが、殺しても良い奴だよな?」


「ええ、見たところ全員下級貴族の3男とかその辺りです、殺ってしまっても差し支えありません」


今は人数もこちらの方が多い、そして当然個別に比べればこんな奴等よりもはるかに強い。

男3人は元が何であったかわからない程の肉塊に、女2人はギッタンギッタンにして縛り上げた。



「勇者様、昨日王宮で貰っておいた解毒薬があります、この2人に飲ませて完全に無力化しましょう」


「そうだな、おいお前ら、今から飲ませる解毒薬はヘビのフン、カエルのフン……とにかく全ての原料がウ○コだ、よく味わって飲むが良い!」



「ヒィッ! お助けをっ!」

「お許しください、お許しくださいっ!」


とりあえずこいつらを拷問して親玉の情報を吐かせよう。

名前はイチコとニーコか、一号と二号ね、モブとして生まれ、モブらしい名前を授かったようだ。



拷問するまでもなく、マリエルが司法取引を持ちかけると簡単に親玉の名前を吐いた。

戦車競技部の顧問、メッサーラ=サラサラとか言う名前のイケメン人気教師らしい。



「勇者殿、戦車競技部の部室はサークル棟にあります、先生もそこに居るはずです!」


「では今から襲撃しよう! 体育館に馬車があったのが見えた、それを2台拝借して分乗しよう」




体育館の奥にあった厩舎で馬を、そして先程見つけた馬車2台を確保し、分乗して敵の親玉の下へ向かう。

この事件の大詰めであるカーチェイスの時間だ……




「先生が居ましたっ! もうこちらに気付いているようです!」



サークル棟に辿り着くと、先程の5人が帰って来ないことで異変を察知したのであろうか、髪の毛サラサラのイケメン教師が馬車…というか変な乗り物で逃げ出そうとしているところであった。


馬2頭でかなり小さい立ち乗りの乗車部分を引っ張る乗り物である。

ばんえい競馬の車輪付きみたいな感じだな。



「ルビア、ジェシカ、敵はあれで逃げるようだ、追いかけて挟み撃ちにするんだ!」


「ダメです勇者殿、あれが戦車です、横に近づくと車輪に付いた槍みたいなのでやられますよ!」


「というか主殿、そもそも徐々に離されているのだが!?」


どんどん学院から遠ざかり、完全に町に出てしまった。

今は直線の馬車道を走っている。

だが敵の方が小回りが効きそうだし裏路地に入り込まれたら終わりだ、何とかせねば。



「セラ、ユリナ、馬車の屋根に乗って魔法を撃ち込むんだ、ユリナは火魔法を使うなよ、殺すのも火事を出すのも拙いからな」


屋根の上にしゃがみ込んで魔法を撃ち始める2人、ドレスのスカートが風に煽られ、パンツが丸見えである。

というかセラは下にバニーガール衣装を着込んでいるようだ。

俺と一緒の馬車に乗っているのだが、上を向いて天窓から確認した。

Tバックだからお尻丸見えだぞ!



「当たらないわね、サラサラ避けられるわ、何て技術なのかしら」


「あの先生は元戦車競技の世界代表ですから、それがどうしてクスリの密売なんかに手を染めたのか……」


世界代表なのか? 王国代表じゃなくて、それになると次は何と戦うことになるんだ?

タコみたいなエイリアンと勝負するのか?



「ご主人様、魔法のおかげでかなり追いついて来ました、このまま一気に抜き去りましょう!」


「待てルビア、レースじゃない、捕まえるんだ! 抜き去ってどうするというのだ?」


「……忘れていました」


「とにかく2台共横付けするんだ、車輪の槍みたいなのに気を付けろよ!」



敵に近付くほどに魔法の精度はアップする、当たりはしないものの、避けるので精一杯になって来たようだ。

このまま一気に先頭に……じゃなかった、横に並ぼう。



2台の馬車で挟み込むようにして並ぶ、敵は戦車を横に揺らし、何とかして俺達の乗る馬車を破壊しようと試みているようだ。


だがそうはさせない、屋根の上からセラとユリナが魔法を飛ばして牽制する。

さらにカレンとマーサは飛び掛かる準備が出来ているからな、この2人は両方の馬車に分かれて乗っているため、どちらに近付いても敵はお仕舞いだな。



「勇者殿、先生はこのまま馬車道を通って王都の外に出るつもりです、町から出たら私とユリナ殿で広範囲の火魔法を連打して車輪を焼きましょう」


「それが良いな、セラ、ユリナ、城門が見えたらそこから門兵に合図して通してもらうんだ!」


「了解よ!」

「わかりましたわ!」



門の扉はいつも全開である、異変に気が付いた兵達が一時は立ちふさがるものの、状況を察して下がっていく。



「セラさん、私と上を交代しましょう、もう火魔法を使っても大丈夫なはずです!」



天窓から降りてくるセラを支えてやる、バニーちゃんはお尻丸出しであるが、有難く触らせて頂こう。



「ちょっと勇者様、もう足が床に付いたわよ、いつまでお尻を支えているのかしら?」


「もうしばらくだ」


「エッチな異世界人ね……」




セラに代わって上がったインテリノは、反対の馬車に居るユリナと頷き合う。

同時に飛ばした火魔法は敵の乗った戦車の車輪に直撃、だがユリナ、お前は力みすぎだ。


敵が火達磨になってしまったじゃないか、あれじゃあすぐに死ぬぞ。

戦車から転げ落ちたもののまだ燃えているため、精霊様が出て行って消火する。


こちらも馬車を止め、ルビアが降りて回復魔法を使った。

どうやらギリギリで間に合ったようだ、気を失った敵が呼吸しているのは確認が取れたようだ。



「メッサーラ=サラサラ、貴様を身体強化のクスリ密売の容疑で逮捕する、貴様には弁護士を呼ぶ資格も弁解をする権利も一切ない、ただただ情報のみ吐き、その後は苦しんで死ね!」


インテリノが犯罪者を逮捕するときの決まり文句を告げる。

とんでもない内容であるが、特に冤罪などの可能性は無いはずだ。


元々残っていた魔法のクスリは155本、そのうち5本は先程の襲撃犯が使った。

そして、雑誌広告に書かれてていたのは数量限定150本の文句である。


これで全部のクスリについて所在が発覚しそうだな。



「ジェシカ、とりあえず馬で門まで行って兵に状況を伝えてくれ、王子の護衛馬車と犯人の移送馬車を頼むんだ」


「わかった、この一番気合が入っていそうな馬を外して乗って行こう」



今の良し悪しとか気合の入り具合とかわかるものなんだろうか?

俺は以前居た世界でも競馬をやったことが無かったからな、馬は馬にしか見えない。



「しかし遂にここまでやってくれましたね、この男……」


「姉上、この先生は人格者ではなかったのですか?」


「ええ、初等部の子ども達には伝わっていない、というか意図的に隠していたんですが、引退後にギャンブルで身を持ち崩してからは黒い噂ばかりでしたよ」


「それは知りませんでした……」


9歳のガキは知らなくて当たり前だ、先生のそんな話とか教育に悪すぎるぞ。



しばらく待つと門兵達が新しい馬車を牽いてこちらに来る、ジェシカも一緒のようだ。

俺達は乗ってきた馬車で門まで戻り、そこからは徒歩で屋敷へ帰ることとなった。



「この後は王宮の方で密売組織の残党を始末し、そちらにも報告をします」


「わかった、また何か起こったら伝えて欲しい、さすがにもう大丈夫だとは思うけどな」



「ご主人様、そういう言葉はフラグになりかねません、全て解決してから言ったほうが良いのでは?」

「勇者殿、ルビア殿の言うとおりですぞ、発言にはお気を付け下さい」


怒られた……何かムカつくな、腹いせに帰り道でやりすぎたユリナを叱っておこう。



「ユリナ、どうしてあんなに強気の火魔法を使ったんだ? 敵が死んでいたらまた解決が遠のいたんだぞ」


「申し訳ありませんですの、バランスが悪かったせいで少し力みすぎてしまいましたわ」


「そうか、調子に乗った訳でないならそこまで責める事でもないな、以後気を付けるように」


「へへぇ~っ、畏まりましたぁ~」



屋敷に帰り着き、とりあえず風呂に入ることとなった。

夕飯は後で良いであろう、本来はパーティー会場でタダ飯を喰らう予定だったんだけどな、敵が動くのが早すぎたんだ、クソめが!



「ねぇ、私達は明日から庭とかの罰清掃をすれば良いのよね?」


「まだだ、全部解決して報告を受けてからだぞ、もし現時点で考えているよりも結果が重大だったとしたら、掃除期間は2ヶ月に延長だな」


「本当に鬼畜なのね……」



「ご主人様、その場合私のトイレ掃除も2ヶ月になるということでしょうか?」


「ああ、もちろんだ」


「ひぃぃっ! 魔神様、邪神様、どうかこれ以上事態が悪化しないようにお願いします、2ヶ月もトイレ掃除をしたら鼻がもげてしまいます!」


サリナがあからさまに禍々しい神様に祈りを捧げている、さすがにちょっとかわいそうになってきたな……



これから王宮の方でアジとのガサ入れと、それから残党の討伐をするはずだ。

俺達はそれが全て終わるのをゆっくり待ち、報告だけを受けるとしよう。

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