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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十章 終局的解決
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605 進化の真価

「え~っと、そんなに大量の敵が居るんじゃあ非戦闘員は連れて行けないよな」


「そうね、私達勇者パーティーで12人、デュラハンが8人、あとはコパーちゃんも入れて合計21人で行くわよ」


「だな、他のメンバーは済まないがお留守番だ、逃げたりはしないと思うが一応捕虜の監視と、それから何か敵っぽいのが出たときには戦える者中心でどうにかしてくれ」



 今回は鹵獲Ω3人、いやグラスも入れて4人になったのか、とにかくその中で連れて行くのはコパーのみ。

 他はお留守番として非戦闘員と共に残って貰う、正直ダイヤとレッドに付いて来られるような戦いではなさそうなのだ。


 ちなみに8人のデュラハン軍団は全員が参加するようだが、強さ的に最強の戦士でさえも微妙なライン。

 特に最初から一緒であったデュラハン隊長以下の5人は、本当であれば安全に配慮して残って欲しかったのだが……それは戦士のプライドが許さないのであろう。


 ただしデュラハン部隊は若干後方気味での配置だ、前は最強のΩとなったコパーと、それを守るミラとジェシカ、隙間からは俺とマリエルがそれぞれ聖棒、槍で防御の薄い箇所を埋める作戦だ。


 おそらく、というか確実に転移先での緒戦は相手がΩ、それもエリナの主張するように膨大な数で待ち構えているのは明らか。


 だがそれも全てのΩを支配下に置くことさえ可能な今のコパーの力さえあれば全く無に等しい。

 その作戦の要であるコパーを極力守りながら、敵の『調教』が完了するのを待つのみ、至極簡単なお仕事である……


「よしっ、じゃあ出発だ、居残り組は後に語られる俺様の奮戦の記録、そして後に伝説にもなるその生き様を土産話にしてやるから、楽しみに待っておくんだぞ」


「ご主人様、今回ばかりはそうやって調子に乗らない方が良いですの、間違いなく強敵ですし、うかうかしていると死に様が語られることになりますわよ」


「良いよ、そしたら女神に頼んでコンティニューして貰うから、良い画が撮れるまで何度でも挑戦だぜっ!」


「相も変わらず極めていい加減な異世界人で逆にホッとしましたの……」


「そうかそうかそれは良かった、では出発だっ!」



 予め武器を抜き、隊列を組んだ状態でミラが転移装置を作動させる。

 眩い光に包まれた先発メンバー21名は、傍から見ればその光の中に姿を消したように見えたはずだ。


 とりあえず転移は成功、飛んだ先での異様な明るさに目が慣れたところで、徐々に瞼を持ち上げて周囲の様子を確認していく……



 ※※※



『ヒャッハーッ! 今度は女悪魔じゃなくて団体様だぜっ!』

『しかも女ばっかりじゃねぇかっ! こりゃ天にまします大神官Ω様の思し召しってやつだぜきっと!』

『間違いねぇ、野郎はブチ殺して女を頂くぜっ!』

『まぁ、わしらはΩだからヒトの女をゲットしてもどうしようもないがな、ギャハハハッ!』

『そりゃそうだ、ギャハハッ!』


「……おいてめぇら、何が面白いのか言って見やがれこのゴミクズ共めがっ! ジジィの見た目してモヒカンの雑魚みてぇに粋がってんじゃねぇっ!」


『何だとワレェェェッ!』

『殺せっ! このクソ野朗を殺して美女を我等の手にっ!』

『ヒャッハーッ!』



 転移先にあった装置の片割れ(子機)へと飛ばされた俺達だが、先程エリナが姿を見られていたのであろう、もはや完全に囲まれた状態でもゲームスタートとなった。


 見渡す限りΩおめがオメガ、基本的に戦闘用であるシルバーΩがメインなのだが、なぜかここの奴は性格がどうかしている。

 心の中にモヒカンを抱えているというか、集団で粋がる雑魚キャラの典型例というか、とにかくそんな感じだ。


 おそらく本当に蝗害と似たような感じなのであろう、異常な数が集まると凶暴化し、普段とはまた異なった性質を有するΩに変化する。


 それが最初からそういう風に創られてそうなったのか、それともイレギュラーな現象でこのようなことになったのかはわからないが、とにかく現状で鬱陶しい限りなのは変わらない。


 で、コパーが準備する隙もなく、最初の数回の言葉のやり取りだけで襲い掛かってきたΩ軍団。

 全方位から同じ顔で、同じ動きで迫る様子は、さながら分身の術だとかどれかが本体であとはニセモノだとか、そういう類のアレに見えて仕方ない。


 だがここに居る敵Ωは全てがホンモノ、そして完全に俺を、21人も居る中で俺だけを狙っている。

 おそらくは最初に口を開いたのが俺というだけの理由だ、面倒だがこの感じだと俺1人で戦うしかない。


 と、まぁ雑魚なので問題はない、聖棒を使って接近したそれを薙ぎ払うと、ギョベッだのヒョゲッだのと、変な音を発しながらイナゴ野郎風のΩ共は粉々になった。



『チクショーッ! おいっ、仲間が殺られたぞっ!』

『殺せっ! 仲間を殺ったこの野郎を絶対に許すなっ!』

『ヒャッハーッ! 腕が鳴るぜぃっ!』


「鬱陶しい連中だな、コパー、そろそろいけるか?」


「ええ、もう『全Ω支配モード』はスタンバイOKです、あとは発動命令をっ!」


「よしっ! じゃあやってやるんだ、お前の力、とくと見せて貰うぞっ!」


「はいっ! では全Ω支配モード、対象、エリア内のイナゴ系雑魚Ω、例外なし、被支配Ωに与うるもの、私のパンチラ、以上、発動しますっ!」


『ヒャッハーッ! オラオラッ、このΩ様が貴様の息の根をとめ……と……め……クリムゾンΩ様万歳!』

『クリムゾンΩ様万歳! パンチラ万歳!』


「……成功です、以降、対象のΩを支配下としてロックします」


『ウォォォッ! 俺達はクリムゾンΩ様のために製造されたのだっ!』

『クリムゾンΩ様、何なりとお申し付け下さいっ!』

『あっ、パンチラだっ! 今一瞬だけ天恵たるパンチラを頂いたぞっ!』

『へへーっ! ありがたやーっ!』


「あなた達、言っておきますが私は『クリムゾンΩ』という呼称を嫌っています、私の名はコパーΩ、コパーですから」


『へへーっ! 畏まりましてございますっ!』

『コパーΩ様万歳! コパー様万歳!』


「では先程私のことを『クリムゾンΩ』などと呼んだ方、何か向こうの隅っこの方で自壊して果てて下さい、あなた達はもう不要ですから」


『へへーっ! 存在してしまって申し訳ございませんでしたっ!』



 その後も続くコパーと、先程までヒャッハーしていたクソゴミ雑魚Ωの集団のやり取りを、俺達は黙って、いや唖然としながら眺めていた。


 こういう強制支配というのはもっとこう、『クッ、何なのだこの抗い難い力はっ!?』だの『し……侵食されていく、我の精神が侵食されていく……』といったようなプロセスを経て行われるものだとばかり思っていたのに。


 いや、確かにこれまでもこんな感じではあったか、例えばダイヤから奪った『プラグイン』を使用して無理矢理にコパーを指揮官としたときも、敵性Ωはあっという間にその支配下になっていたような気がする。


 今回は規模が大きすぎるゆえかなりの違和感を感じるのだが、これはまぁ、こんな感じなのですからということで納得しておく他あるまい……


 で、エリア内の全てのΩを支配下に置き、気に食わなかった複数体を自死、ではなく自壊させるなど、早速独裁者としての道を歩み始めたコパー。


 今はそのΩ軍団をビッと整列させ、少しでも動きの悪いΩは難癖を付けてまた自壊させようと、はたまた自分の力を誇示するために手ずから破壊しようとしているようだ。



「そこっ! 『小さく前ならえ』がミクロレベルでズレていますっ!」


『もっ、申し訳ありませんでしたクリム……コパー様!』


「今更謝っても遅いです、あなたは取り返しの付かないことをしてしまったのですから、バトルモード、ブレードスタイル!」


『ひっ、ま、待って下さい……ぎゃぁぁぁっ!』



 ここへ転移して来る前の戦闘時と同様、両手を剣に変化させてやらかした雑魚Ωを斬り捨てるコパー。

 通常の武器、もちろん聖棒も伝説武器も含むものでΩを討伐しようとすると、相手の耐性を破壊するために少し力が必要になる。


 だがΩ同士、つまりΩによるΩに対する攻撃の場合、一切耐性がない状態で受けることになるため、スッと、まるでスチロールカッターでも使っているかの如く気持ち良く斬れるようだ。



「……あの、ちょっと指揮官っぽさを出してみたのですが、こんな感じで良かったでしょうか?」


「いや、無理はしなくて構わないぞ、どうせこいつらはもうコパーに逆らったりしないんだし、自然体で接してやれば良い、もちろん破壊する分には止めないがな」


「わかりました、では次なんですが、このΩ軍団総勢132万と6,851体についてはこの後どのように扱いますか?」


「あら、そんな正確な数がわかるの? もしかして今のが今まで見た能力の中で一番凄いんじゃ……」


「いえミラさん、まだ口から牛乳を入れてお尻から発酵乳製品を出すという隠し玉があります」


「……その力は封印した方がいいと思うわよ」



 進化したコパーの能力には驚きだが地味に不快な技が隠し玉であったことにも驚いた。

 まぁ他にも様々な機能が発現しているのであろうが、それはこれからの戦闘の中で順次見ていくこととしよう。



「あ、それでだ、このΩ軍団は……そうだな、Ω製造の本社工場がどこかにあるはずだ、そこへ突撃させよう、あとその前に重要施設の配置が俺達にわかるようにしなくちゃな、正確な地図を作成させるんだ」


「ええ、ではそのようにさせます、あ、一応私達の現在位置も教えさせましょう……支配下の全Ω傾注! これより『グランドマスター閣下』よりの質問を伝達するっ!」


「誰だよグランドマスターって……」



 他人にいい加減な呼称を付するのはやめて頂きたいところなのだが、とにかく現在地と周辺エリアの詳細なマップを、雑魚Ω軍団の一部を用いて作成させる。


 今俺達が居るのは転移装置があった触手穴から東へかなり行った場所、Ωの本社工場まではここからおよそ東へ10km程度らしい。


 そしてそこからさらに東へ行った所に、今回の遠征の最終目標にして確実に仕留めるべき敵の首魁、まだその姿さえ見せぬブルーとやらの邸宅が存在しているところまで把握した。


 広大な敷地に巨大な工場と邸宅、ブルーとやらの金持ちぶりが良くわかる、凄くムカつくマップではあるが、そのブルーをブチ殺すことに資する重要なアイテムなのだ、最後まで大切にしておこう。



「それでどうするんだ主殿、このΩ軍団に工場を襲撃させている間に私達は邸宅の方へ回るのか、それとも一緒になってまずは工場から制圧していくのかだが」


「う~む、工場の方をやっているとその間にブルーが逃げそうだし、かといってこれだけのΩ数で工場を屠り切れるとは思えないんだよな」


「ご主人様、当然邸宅にも護衛のΩが大量に居るはずですし、それと対峙した、つまりまだコパーちゃんの能力で屈服させていないタイミングですわね、そこで今居るこちら側のΩを駆逐した工場護衛のΩが攻めて来たら……」


「あっさり挟み撃ちにされそうだな、それはそれで危険だ、コパーの行動が間に合わなかったら今度こそ蝗害みたいなΩ軍団と一戦交えることになるぞ」


「それに勇者様、私達が敷地内に入ってからかなり時間が経っています、敵はもちろん最初の監視装置? でしたっけ、トラップを模したものでしたか、それで私達が来ていることを把握しているはずです」


「つまりミラは『もしブルーが逃げるつもりならばもうとっくに逃げ出している』ということが言いたいんだな?」


「そうです、そしてその場合でも敵は護衛のΩを大量に残しているでしょうね、もう財産も何もかも持ち出した空っぽの邸宅に……これは大損の臭いがしますよ、必死で戦ってようやく制圧した邸宅内部には、お宝どころか鉄貨の1枚すらないという悲劇的な結末の臭いが……」



 儲け主義者にとって最悪の事態、それに怯えるミラは青い顔をしてガタガタと震えている。

 まぁ、今回はお宝の略奪が目的ではない……主目的ではなくてサブなのだが、それでもミラの指摘は一理あるといえよう。


 そういうことであれば邸宅は完全に後回しだ、ここはまず全員で工場の方を完膚なきまでに叩きのめし、装置等は全て破壊、そしてΩは戦闘によって少し減少するかも知れないが、その分残ったモノを全て支配下に置くべきだな。


 おそらく今よりも増えるであろう味方Ω軍団を、その次の邸宅攻略時における戦力として使用するのだ。


 そうすれば俺達の労力、つまり自力でまともに戦う時間をΩに負担させて削り、もしガッカリな結果に終わったとしてもそこまで精神的ダメージを受けなくて済む状況を作出することが出来るのだから……



「よしっ、それじゃあ決めたぞ、このまま全軍でΩ製造工場の制圧に向かうっ! 敵の数は膨大だろうが怯まず行くぞっ! なんたってこっちには最強の指揮官であるコパーが付いているんだからなっ!」


『うぇ~いっ!』



 マップ上に記されたΩ製造の本社工場、そこへ向けての進軍開始を開始する。

 だがもちろん俺達は徒歩であるため、先行するのは首なしウマを駆るデュラハンチーム、そしてそれよりもさらに前を行くコパー配下のΩ軍団。


 Ω共がどうなろうと構わないのだが、デュラハンの8人には安全マージンを十分に確保しておくように、こんなわけのわからないところで戦死して最後の、大勝利の瞬間を目撃出来ないなどということがないようにとくぎを刺しておいた。


 大丈夫だ大丈夫だと言いながら走り去っていくデュラハン達、それよりもさらに素早く、超高速で飛び去って行ったイナゴ……ではなくΩ共。


 俺達も急ごう、味方Ω軍団が突撃して攪乱するのだから、その効果が継続している間に俺達も到着すべきである。

 着いたらすぐにコパーの力を使い、その場の全Ωを支配下に置く、上手くいけば俺達は一切武器を振るうことなくΩの製造拠点を消滅させられそうだ。


 そして本社工場のうち最初の攻撃で破壊し切れなかった部分をどうにかする部隊を残し、他は最後の戦いがある、かどうかはわからないが、とにかくそのままブルーの邸宅へと移動しよう。


 ということでまずは工場へ向けて全速前進である……



 ※※※



「見えてきましたっ! 建物があって……もう所々煙が上がっていますよっ!」


「つ……疲れたんだが……もう休憩しようぜ……」


「何を言っているんですかご主人様は、ほらファイトッ、ファイトッ!」


「おいルビア、お前はどうして息切れすらしていないのだ? 俺よりも体力がないお前がだ、で、それは精霊様に抱えて貰っているからだろう、ズルいぞっ! 卑劣だぞっ! ちょっと俺と代われ、代わって必死で走れっ!」


「イヤですよそんなの、もしここで私が走ったら置いて行かれるのが関の山です、デュラハンの方々が怪我しているかも知れないし、私が遅れるのはちょっとないですからね。あとご主人様は重量オーバーですから、長距離移送は精霊様に拒否られますよ」


「クソッ、回復魔法使いの存在価値を目一杯利用しやがって、あとで覚えておけよっ!」


「もちろんですとも、お仕置きはお待ちしております、フフフッ」


「じゃあ今この場で喰らえっ!」


「あでっ、拳骨はやめて下さいよぉ~」



 精霊様に運んで貰うという楽をしつつ、大変な苦労を強いられている俺に対して調子に乗るルビアを成敗しつつ、見えてきた何ヵ所からか煙の上がっている工場らしき建造物を目指す。


 巨大な、本当に信じられないぐらい巨大な灰色の四角く無機質な建物が徐々に近づいてくる。

 壁には穴が空き、上がっている煙の大半は稼働によって生じたものではなく、攻撃によって炎上しているがゆえに出ているもののようだ。


 いや、その状況でもまだ半分以上が動いている、正常に稼働し、Ωを生産し続けているらしいな。

 出来上がったΩはそのまま実戦投入しているのであろうが、それらしきものが壁に開けられた穴からワラワラと飛び出しているのがわかる。


 そして工場の真上、空中ではイナゴの乱戦が繰り広げられているかのような、それ以外の表現をするとコバエが大量に集っているかのような、とにかくブンブンと飛び回るΩ共が見えているのだが、もちろんどれが味方のΩでどれが敵のΩなのかということは認識することが出来ない。


 目的地が見えたことでペースを上げる仲間達、もう限界の俺……と、サリナもなかなか辛そうだ、出来ることなら抱えてやりたいが、残念ながら今の俺にそんな余裕はないのだ。


 ということで自分のことだけを考えて走り続け、どうにか仲間の背を見失わない距離で目的地の手前まで辿り着いた。


 後ろから聞こえるゼェゼェという息遣いはサリナのみ、最後には手を取り、2人揃ってフラフラと既に立ち止まっている仲間達の下へと合流を果たす。


 精霊様は既に飛び立ち、戦闘の状況を把握しに行ったようだ、と、もう戻って来た……



「はぁっ、はぁっ……精霊様、状況はどうだった?」


「こちらのΩがかなり押されている、というか全滅寸前のようね、あとデュラハンが3人倒れていたわ、まだ生きているみたいだったからルビアちゃんを借りるわね」


「わかった、治療して、それからヤバそうならそんな所に居ないで下がるように言っておいてくれ」


「ええ、それとまだ立っていた5人も十分戦ったはずよ、もう後退させてあとはコパーちゃんの力でどうにかする感じで良いわね」


「おう、それでコパー、あとどのぐらい接近すれば工場の敵全部に支配の力を振るうことが出来そうなんだ?」


「もうちょっと、あと500mも近付けば……あ、でも空からの方が効率が良さそうですね……」


「空からか……セラ、リリィ、ちょっとお願いしても良いか?」


「良いわよ、ね、リリィちゃん」


「トクベツに乗せてあげます、エヘンッ!」


「よし、じゃあ決まりだ、それぞれ頼んだぞ、あとは戦闘の準備だけして待機だ」



 倒れているというデュラハンの救助、まだ立っている者への撤退要請、そしてΩの制圧という任を帯びたメンバー達が動き出す。

 しばらくすると止んだ戦闘、リリィの背に乗ったコパーが力を使い、このエリア全体のΩを支配下に置いた証拠だ……

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