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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第九章 才能開花
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596 誰が一体

「さてさて、奴とはどう戦っていくか……」


『ブモォォォッ! ブモォォォッ! ウゴフッ!』


「きめぇぇぇっ! おいっ、アイツ何か知らんが興奮し出したぞっ! 誰かどうにかするんだっ! おうホルン、お前の妹が連れて来たんだから責任取れっ!」


「知りませんよあんなのっ! てかカバサだって好きでやっていたわけじゃ……」


「む、確かにそれもそうだな、どちらかというと被害者だ、てことはアレは全員で協力して……おい、何だか激しく動き出したぞっ!」



 巨大人力車に設置された三角木馬、そこに騎乗している元魔将補佐のドM豚課長、そして現ハーフΩ豚野郎のアイマスク的な何かが、蠢いたことによって徐々に外れていく。


 しばらくして完全に脱落したそのアイマスクの下から現われたのは、それはもう真っ赤な、あり得ないぐらいに真っ赤な目。

 白目も黒目もない、ただただ赤い宝石でも嵌め込んだかのような目玉が2つ、並んで埋め込まれているのである。



「ご主人様、どう考えてもあそこからビームを出しますの、元々、つまり整然の奴ぐらいの強さであればあんな拘束は無効も同然でしょうし、それを外せないまでに手足が弱体化させられているということは……」


「……その分あの目から発射されるビームに、いやビームというかレーザー火魔法に全振りしているってことだな?」


「そういうことになりますの、おそらくとんでもない出力で、直撃しなくても周囲に居れば熱で溶かされたりしますわ」


「おう、そういうことだ、とりあえず戦闘員を精霊様の後ろに、レーザーなら水の壁で屈折させたり出来るからな、あとデュラハン軍団も少し下がった方が無難だと思うぞ、初撃で死んでしまえばそれで終わりだ、武功なんてもう立てることは出来ないんだからな」


『ああ、全員後退! これより後方にて水の大精霊の庇護下に入るっ!』


「ちょっとあんた達、様を付けなさい様をっ! 種族ごと滅ぼすわよっ!」


『うっ、これはすまなかった、え~っと、水の大精霊さ……』


「来るぞっ、そんなどうでも良い敬意とかは後払いにしてとにかく下がれっ!」



 カッと光った豚野郎の真っ赤な目、次の瞬間には攻撃が始まることは誰にでも予測可能な状態だ。

 となるとそれに反応したのは戦うことが出来る俺達だけではない、後ろの非戦闘員の中で、半分は戦闘員と化しているコパーも動くことが出来た。


 コントロール化に置いた敵軍前方のΩに命じ、俺達と敵の豚野郎を遮断するかたちで割り込ませる。

 素人ゆえ射線が把握出来ておらず、薄く広い防御壁となってしまっているが、これがあるのとないのとでは大きな違いが出るのは明らか。


 バババッと前に、仁王立ちする感じに展開したコパー支配下のシルバーΩ、そのちょうど真ん中付近の数十体が突如として赤熱状態となり、ドロンとまるでアイスのように溶けた次の瞬間、それによって空いた穴から凄まじいエネルギー量のビームが漏れ出す。


 デュラハン達は間一髪、どうにかして8人全員がその影響範囲から逃れることが出来た。

 もしコパーが動かなかったら直撃、すべてとは言わないものの、おそらく半数はその場で跡形もなく消えていたのは明らかだ。


 そしてビームは俺達の隠れた精霊様の水壁の少し手前、今は誰も居なくなった地面に着弾する。

 一瞬だけその地面に穴を空け、地下深くへと潜って行ったかに見えた敵のビーム、だがそれで終わるなどということがあろうはずもない。


 刹那、ビームと同じ真っ赤に染まった着弾地点周囲の土は、本当はその穴の下からマグマが染み出してきたのではないかと思う程度に緩く、渦巻くように流動しながら膨張していく。


 次に訪れたのはマグマの大爆発、飛び散ったドロドロの土は森の木々に被り、放っておけばこの後業火となるであろう種火をそこかしこに生じさせた。


 この間およそ1秒、たったそれだけの間に様変わりしてしまった周囲の景色、本当に恐ろしい攻撃だ、もしアレをまともに喰らったとしたら、いくら最強の異世界勇者様たるこの俺様でも痛みで跳び上がる程度のダメージは受けるはずだ。



「……凄いな、と、コパーはよくやったぞ、引き続きその調子でお願いしたい」


「はっ、はいっ! 微力ながらお役に立てるよう頑張っていきたいと思いますっ!」


「おう、そこそこ期待しておいてやる、で、ここからが本題だ、敵のあのレーザービームを利用するぞ、もちろん俺達が喰らわないように、どうにかしてコバルトブルーの結晶だけに照射させるんだ、そこまではもう皆わかっているな?」


『うぇ~いっ!』


「で、その具体的な方法に関してだ、普通にやっていたらこんな小さい結晶に、まぁ数はあるので地面に敷き詰めればそれなりの範囲にはなるのかも知れないが、それでもあの攻撃をピンポイントでぶつけさせるのは難しい」


「それで、誰か何か策がないのかってことを言いたいのよね?」


「その通りだ、皆率直な意見を頼む、あと今回はふざけている暇がないから馬鹿は発言禁止とする、コパーの手が回らない、こっちに向かって来るシルバーΩとか、あと地上部隊の……何だか知らないが妙な形状をしたΩを蹴散らすぞっ!」


「ちなみに勇者様、あの地上のは『と金Ω』っていうらしいわ、カタログに書いてあるの、通常時は弱いけど敵の懐に入ると覚醒したかのように強くなるとか何とか」


「そうか、きっと斜めステップとかも出来るようになるんだろうな、まぁ良い、とにかくいくぞぉぉぉっ!」


『うぉぉぉっ!』



 防御役の精霊様を除く賢いグループが作戦を立て、その間の敵の攻撃は馬鹿共が食い止める。

 俺が自然な流れで後者に組み込まれたのは納得がいかないのだが、とりあえず今は与えられた役割を全うしよう。


 敵レーザーの第二波、第三波を掻い潜り、一気に敵陣へと突っ込んだのは俺とカレン、リリィにマーサ、それからマリエルの5人だ、ちなみにどちらかと言えば戦いたいデュラハン戦士達も前に出た。


 いや少し待とう、攻撃に参加するメンバーが不足してはいないか? 100歩譲って回復役のルビアが来ていないのはわかる、だがセラめ、もしや自分が『賢いチーム』に組み込まれたとでも思っているのか?


 と、どうもそうらしいな、当たり前のような顔をして後方で行われている作戦会議に参加している。

 セラには後程『賢さとは何なのか』について、ミラと2人でじっくりゆっくりと教えてやる必要がありそうだ。


 まぁ、それはともかく、ここから先は俺達『お馬鹿さんチーム』による敵との乱戦、派手なバトルの始まりである……



 ※※※



「ウォォォッ! アチョォォォッ! アチョッ、アチョッアチョッ、アチョォォォッ……フッ、華麗な技で1体倒したぜっ」


「勇者様、まだ1体しか倒していないんですか? もう少し頑張って下さいね、あと、さすがに敵の数が多いのでふざけていると怪我をしますよ」


「す、すみませんでした」



 なんとマリエル如きに怒られてしまったではないか、とりあえずふざけるのは止めよう、皆から白い目で見られるのも、それから目立ってしまって敵の赤い目に付け狙われるのも厄介だからな。


 ビームを回避、Ωを討つ、ビームを回避、Ωを討つ、ビームを回避、Ωを討つ……そんなことを続けている間にも、後ろで開催されている臨時作戦会議は進んでいるようだ。


 Ωを自陣側に寄せ、コパーの指揮権の及ぶ範囲に収めることが出来れば、それは即ちこちらの駒に早変わりということになるため、それさえ意識すれば非常に楽に戦える。


 他に俺達お馬鹿さんチームが気にすべきことはそこまで多くなく、地上Ω部隊が『と金』になってしまわないよう監視を怠らないこと、そして空中のシルバーΩが、自爆のためにまるで香車の如く一直線に突っ込んで行かないか監視しておくことぐらいだ。


 まぁ、もちろん敵もその2つを狙っているためそこそこそういう事態の発生はあるのだが、だいぶ慣れてきたコパーがサラッと対応し、コントロール下に置いてくれるようなケースも増えてきたため、こちらの戦いはどんどん楽になっていくのであった。


 目の前で粉々になっていくΩ、うっかり俺達の陣に近付きすぎて操られ、同士討ちを始めるΩ。

 さらには『人の感情』を持っていることが仇となり、ビビッて逃げ出しているΩまでいるようだ。


 このペースであればそう時間を掛けず、敵の豚野郎VS『個』としての俺達遠征部隊という、非常にフェアな1対1の戦いに持ち込むことが出来るはず。


 せめてそのタイミングまでには何か良い作戦を思い付いてくれよ、そう願いながら戦いを続ける……



「わぅぅぅっ! わうっ! わうっ……う~ん、ご主人様、ちょっと数が多すぎますよ、これじゃあこっちが先にバテバテになってしまいます」


「お、何だカレン、もう疲れてきたのか?」


「いえ、お腹空きました、何だかバラバラになったΩの腕が美味しそうに……」


「何を馬鹿なことを言っているんだ、そんな薄気味悪いモノが喰えるわけ……って、おいリリィ、マーサもっ!」


『お肉っ! お肉っ! シッワシッワΩのおっにっくっ!』

『大根よぉぉぉっ! 大根が沢山落ちているわぁぁぁっ!』



「ちょっと待てぇぇぇっ! リリィ! Ωは食べ物じゃありませんっ! 口に咥えるのも禁止!」


『え? 凄く美味しそうなんですけど……』


「ダメッ! それとマーサ、お前は何とんでもないモノ掻き集めてんだっ!」


「えっと、大根だけど?」


「それ大根じゃなくてΩの千切れた脚じゃねぇかぁぁぁっ! いやまぁアレだ、そういう業界の人にとってはそれが『ダイコン』なのかも知れないがなっ! 決して『大根』じゃねぇからっ!」


「ん? ちょっと何言ってるのかわからないわ、とりあえず私は大根集めをしておくわね、今日の夕飯は風呂吹き大根よっ!」


「ご主人様、何かヘンになってます、私もお肉集めに行くのでその間に元に戻っていて下さいね」


「クソッ、どうしたんだよ3人共……」



 敵のΩ軍団の中へ食い込んで戦っていたカレン、リリィ、マーサの3人、その3人の様子がおかしい、いやおかしいどころの騒ぎではなく、完全に何かによってやられてしまっている。


 一方、少し距離を取りながら敵の固まった部分を見つけ次第突撃という戦法を取っていた俺とマリエルはどうにもなっていない。


 いや、もしかしたら俺とマリエルがおかしくなっていて、前衛の3人が正常なのかも知れないが、とにかく今の俺から見て3人がおかしいと考えられることだけは事実だ。



「……勇者様、これは敵による分断工作では?」


「うむ、何だかそんな気がするな、あの3人は俺達がおかしくなったように感じているのは明らかだ」


「ええ、私と勇者様はおそらく同じ気持ちを共有していますので、ここはひとまず生おっぱいの方から触って頂けると嬉しいです」


「って、脱いでんじゃねぇぇぇっ!」



 マリエルもダメであった、いや先程も述べたが俺1人がダメで、残りの4人が正常である可能性も……なさそうだな、既に俺以外は誰も敵のΩと戦っていない状態だ。


 となると魔法か何かを使って4人を混乱させている奴が、敵部隊のどこかに存在しているはず。

 今のところ見えてはいし目立ってくる様子もないが、確実にその辺のΩが有している能力でないことはわかる。


 しかし、こちらがコパーの力で一方的にそういうことをしていたように思っていたが、まさか敵にも精神攻撃系のキャラが存在していたとは……とりあえずこれに関して俺は門外漢だ、サリナを連れに戻ろう。


 ということで一旦、どうにかなってしまった4人を置き去りにして撤退、全員やられているとはいえ弱いわけではないため、敵陣の中に放置してもまぁ別に大丈夫に違いない。


 精霊様の水壁を潜ると、会議をしていたメンバーから1人外れたサリナが待機していた、こちらに手招きをしているということは、既に何かわかっていることがあるということか……



 ※※※



「おかえりなさいご主人様、平気……ということはやっぱり異世界の存在には効果がない術式のようですね、たまにそういう幻術があるんですよ」


「そうなのか、じゃああの敵の大軍団の中にそういうのが居ると考えて差し支えないってことだな?」


「……いえ、それが実は違うみたいなんです、敵陣奥にそれが居るにしては効果範囲がおかしくて、むしろご主人様達が居た場所よりもこちら側の方がヤバいです、私の干渉がなければ全員とっくにあんな感じだったはずですよ」


「てことは後ろか、拙いな、気付かないうちに回り込まれていたんだ」


「ええ、しかも敵術式に干渉を続けている間は余裕がないので、このままだとずぅ~っと術者の居場所が特定出来ません、どうしましょうか?」


「どうしましょうって言ってもな……」



 幻術ガチ勢であるサリナが解決出来ない問題を、幻術ウ○コ勢である俺がどうにか出来るとは思えない。

 仕方ないのでその場は任せ、2人で後退、俺達の背後に隠れている術者を捜索することに決めた。


 俺は索敵を使い、サリナは尻尾をピンッと、まるで誰かが妖怪の類を発見する際に用いるレーダーの如く上に向けて張り、自陣後方から探索を始めていく……



「……ここよりは……少しだけ後ろですね、いや、ここよりも前です、あれ?」


「……てかさ、もうこのすぐ近くに敵が居る感じになっているんだが? 上空……ってわけじゃなさそうだし、もしかしたら地中に隠れているってのか?」


「わかりませんが、でも術者が近くに居るのは間違いないです、それを……えっと、ちょっと、ご主人様ちょっと良いですか……」


「おうおう、どうしたそんなに焦って、とんでもなくやべぇモノでも発見したのか?」


「ええ、ちょっと、良いからこっちへっ!」



 小さな手で俺の服の裾を掴み、グイグイと引っ張って茂みに入ろうとするサリナ、その額には冷や汗のようなものが浮かんでいる、いつも冷静なサリナが焦っているとは珍しい……相当にヤバい発見をしたのは確実だな……


 と、そのまま手を曳かれて茂みの中に隠れた俺は、同じようにガサッと前へ入ってきたサリナが、服の裾を掴むのとは反対側の手を使って指差した方角を強制的に見させられる。


 指差した先には……俺達が乗っている、デュラハンの里から持ち出した首なしウマの馬車があるではないか、その周りには非戦闘員達が身を寄せ合っているのだが、一体それがどうしたというのか……



「何なんだよさっきから、何を見つけたのかそろそろ教えてくれよな」


「教えていますよご主人様、良く、あそこに固まっている集団、本当に1人1人良く見てみて下さい……」


「1人ずつか……っておいっ! こりゃまたどうしてっ!?」


「わかりませんが、私達は最初から騙されていたんだと思います、あの子、かわいそうな被害者ってだけじゃないんですよきっと……」



 サリナが言っているのは非戦闘員の中に居る1人、先程あの薄気味悪い豚野郎の所から救出したばかりのカバサ、姉のホルンの命がどうのこうのと騙され、嫌々Ω連中に協力させられていたはずのカバサである。


 もう一度しっかりと索敵を使って確認してみたところ、確かにカバサが敵であるようだ。

 そして手の動きからしても、姉のホルンにそれを見られないよう、コソコソと術を使っているのがわかる。


 これでカバサの裏切りは間違いない、いや、裏切りというかむしろ俺達が勘違いをしていただけなのかも知れない、勝手に被害者だと思い込み、勝手にこちらへ引き入れたのだ。


 もちろん本人の類稀なる演技力によってそうなった部分はあるのだが、今回に関しては全員一律に騙された俺達の落ち度であったと認めざるを得ない。


 とにかくこの『カバサは敵キャラ』ということを前提にした動きにシフトしなくてはならないが、はてさてどうしたものか……



「うむ、とんでもないことになったな……だがカバサがどういう理由で俺達を騙していたのかわからないからな、いきなりとっ捕まえるのは危険かもだ」


「ええ、何か裏がある可能性がないとはいえませんからね、ここは少し策を講じましょう、上手いことあそこの皆を戦闘エリアから引き剥がすんです」


「なるほど、さすがは悪魔だ、ずる賢いことを考えよる」


「それはまぁ、単に卑劣なだけのご主人様と違って色々と考えて行動してててっ、久しぶりにお尻を抓られるとなかなか痛いですね、もっとお願いします」


「それは後でな、とにかくその『引き剥がす』作戦は採用だ、チャッチャと始めようぜ」


「は~い、じゃあ私が主導しますから、ご主人様は合わせて下さい」


「わかった、よろしく頼むぞ」



 こちらの動きはカバサにバレていないようであるため、ひとまず茂みを抜け、あたかも前の方から来たかのような感じを醸し出しつつ非戦闘員の塊へ近付く。


 別にリーダーである俺と、直接的な戦闘には向かないサリナが前で戦わずに後ろに居ても、それは特におかしいことではない。



「は~い、ちょっとみなさ~んっ、そろそろ馬車の辺りも『巻き込まれ率』が高くなってきそうなんです、だからもうちょっと後ろの、安全な場所へ下がって待機して貰います」


「そういうことなんだ、全員立って移動してくれ、移動中は俺とサリナで守るから安心して良いぞ」


「……こっ、腰が抜けて立てないんですっ! さっきまで恐くてキモい思いをしていたから、まだちょっと移動するのは無理ですっ!」


「そうか、カバサは酷い目に遭ったんだもんな、あんな豚野郎と一緒に行動させられて、しかもホルンの命がどうのこうのと脅されて」


「そっ、そうなんですよ、だからまだ立って動くのは無理で、もうしばらくここで、ほら、馬車の後ろに入れば安全な感じですし……」


「うむ、大丈夫だ、ここよりももっと安全な場所へ行こう、俺がおぶってやるから、な?」


「それとも、何かここを離れることが出来ない理由でもあるんですか?」


「いえ、べ……別にそういうことはないかな~って……」



 抵抗するカバサに対し、サリナがド直球の質問でそれを封じる。

 どうやら諦めるようだ、すぐにカバサの手を取って立たせ、背中にヒョイッと乗せてやった。


 このままかなり離れた場所まで連れて行ってしまおう、そこで、戦闘エリアに術を掛けられなくなったその場所で、ゆっくりじっくり話を聞くこととしよう。


 念のため『戦える非戦闘員』のエリナにもハンドサインで事情を伝え、もし万が一の事態に備えておく……

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