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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第九章 才能開花
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592 復活したバケモノ

「わぁぁぁっ! たすけてぇぇぇっ!」


「どうしたんだよ一体? おいマーサ! 何が起こってこうなった? そしてあのバケモノは何だっ?」


「わかんないわよそんなのっ! とにかく超絶キモいから逃げて来たのよっ!」


「全く理解出来ないな、まぁ良いや、詳細は後でジェシカから聞くとしよう」



 森の奥からずっとこの翼竜のようなバケモノに追われ、必死で逃げて来た様子の4人をひとまず先頭態勢が整っている仲間の後ろへ隠す。


 長い嘴に巨大な羽、そして特徴的なのは……嘴の下、顎の部分が何というかその……異様な形状をしているのだ、どう考えても通常の生物ではない。



「……セラ、コイツが何なのかわかるか?」


「ええ、私も実際に見るのは初めてだけど、話しには聞いたことがあるわ、おそらく封印されし古のバケモノ、『ケツァゴルコアトルス』よ、めっちゃケツアゴなのが特徴的ね」


「なるほど、それであんな顎をしているというのだな」


「しかもあのケツアゴ、飾りじゃなくて実際にお尻になっているという話よ、めっちゃブリブリ攻撃してきたっていう伝説が残っているわ」


「マジかよサイテーなバケモノだなっ!」



 言われてみればそう、このバケモノの特徴d的な顎はまさにケツアゴだ。

 しっかり嘴があるというのに、どうして顎部分をケツアゴにする必要があるのかと思うところだが、それはセラの説明の後半で明らかになること。


 そう、このバケモノはその長い嘴での突き攻撃、恐竜と鳥類の中間らしいその図太い脚と鍵爪による攻撃に加え、『ケツアゴからめっちゃブリブリしてくる下品な攻撃』も得意としているのだ。


 もちろんそのような攻撃は女子である狩猟班の4人にとっては凄まじい脅威となる。

 よって戦わずに逃げ出し、仲間と合流して体勢を立て直すことに決めたのであろう。


 その判断は間違いなく正解だ、正解なのだが……合流したからといってコレをどうにか出来るとは思えない、既に俺だけでなく、その他の仲間も若干引き気味、まぁ、敵がそのケツアゴを前に突き出して攻撃態勢に入っているのだから当然か。



「しっかし、セラの話だとコイツは『封印されし』古のバケモノなんだろう? どうしてこんなタイミングで、ピンポイントで復活してきたというのだ?」


「それがだな……そのぉ~、えっと……」


「何だよジェシカ、それに関して知っているのなら教えてくれよ、特に口を噤むようなことでもないだろうに」


「えっとだ、私達は森の奥で祠と、それからその中に邪悪な祭壇を発見したのだ」


「ほうほう、で、それがどうしてこうなったんだ?」


「……ちょっとだけ、ほんの少しだけふざけてしまってな、軽いノリで狩ったイノシシを生贄に捧げたら……何だか知らないがいきなりアレが復活したんだ」


「……とんでもねぇことしてくれたなお前等はっ!?」



 ジェシカが付いていながら、いやジェシカも調子に乗ってそういうことをする癖があるからな、とにかく元凶がこの4人であることだけは判明した、古の凄い誰かが頑張って封印したこの異形を、『軽いノリ』で復活させてしまった罪は重い。


 とりあえずこのバケモノを討伐したら、罰としてこの4人に死体等の片付けをさせることとしよう。

 まぁもっとも、コレをどうやって討伐すべきなのかということをまず考えなくてはならないのだが……



「皆さん気を付けて下さいっ! 最新の研究によると、ケツァゴルコアトルスはそのケツアゴから、ウ○コだけでなくファイアブレスも出していたのではないかと言われ始めているのですっ!」


「ケツからファイアブレスって、可燃性の屁でも燃やしてんのか? てかおい、やっぱもう戦うの止めようぜ、ジェシカ、お前責任持って再封印して来いよ」


「すまないがちょっと無理そうだ、謝るし後始末もキッチリするからどうにかして欲しい……っと、攻撃がくるぞっ!」



 振り返って後ろに隠れたジェシカと話していた俺の背中に、技術者の言葉通りにケツアゴから吐き出された、ではなくひり出された、屁を燃焼させたらしい灼熱のブレスが襲う。


 間一髪、どうにか逃れることが出来たのだが、この威力はリリィが普段使っているものの半分程度の破壊力を有していると推定出来る。


 これが非戦闘員に直撃すれば大惨事だ、念のため精霊様がアイリスとハピエーヌ、それから捕虜として居るホルンを守るようにして立ちはだかり、技術者とその部下2人も慌ててその後ろへ隠れた。


 しかしこれはとんでもないバケモノだな、まさに神話級、昔の人がどのような手段でこのバケモノを封印したのだ? それがわかれば討伐のヒントになりそうな気がするのだが……ここはそういう系の話に詳しいであろうセラと、詳しくて当然の天才技術者からお話を伺うこととしよう……



「ということだ、奴に関する、主に封印した際の伝承とか伝説とか、有力そうな情報があったらドシドシ寄せてくれっ!」


「う~ん、私は……最後は最強の兵と相打ちになるかたちで倒れ、封印されましたってことぐらいしか知らないわ、ちなみに兵ってのは死んだらしいわね」


「それはご愁傷様だな、だがそんなんじゃ伝承としてはイマイチだな、もっと具体的に、臨場感がある感じで遺さないとダメだ、ユリナ、俺の伝承を残す際にはそういう感じで頼むからな」


「はいですの、ご主人様の卑劣さや異世界転移から人でなしになるまでの軌跡、日頃の悪行や猥褻な行為に至るまで、余すことなく伝えますのよ」


「そうか、お前は伝承者クビな、そういうのはもっと従順な奴にやらせることにするよ」


「どこにそんな方が居ますの……」



 ユリナの話は別にどうでも良いとして、セラの知っている伝承からはまるでヒントが得られないということがわかった。


 あとは後ろで頭を抱え込み、必死に何かを思い出そうと試みている様子の技術者なのだが……どうもこれは相当に時間が掛かりそうだ、その間にも敵は構わず攻撃を仕掛けてくるようだし、一旦セラと精霊様の二重防御策を取り、ドラゴン化したリリィを先頭にしてこの場を凌ぐこととしよう。


 ちなみに、この敵には打撃による攻撃はあまり効果がないらしい、それであれば森の中でのファーストコンタクトにおいて、特に逃げる必要もなく4人のうち誰かの一撃で戦闘は終わっていたはずなのだ。


 そして、目には目をよろしくブレスにはブレスで対抗したリリィの攻撃。

 もちろん威力は倍近くあるため、敵のブレスを押し戻したうえで残りの半分を本体へ浴びせることに成功した。


 だがそれも効果ナシ、ブレスを使う敵にはブレスが効かないということなのであろうか、あとはセラやユリナの魔法、それと精霊様の水だが……ユリナは炎系だしリリィのブレスと同様に無効なのであろう。


 また、後ろに非戦闘員が居る状態で、しかもその守りをしばらくはキープしなくてはならない現状において、セラと精霊様の力を少しでも攻撃に割くのは愚策。


 サリナの幻術が効くような知能を持っているようには到底思えないし、ここは攻撃を中断して耐え抜き、技術者のおっさんが何か有用な手掛かりを思い出すまで待つべきだな。


 二重防御に加え、嘴や鍵爪などによる物理的な攻撃は前衛が受けたうえでなるべく遠くへ弾き返す。

 これで時間を稼ぎ、技術者が何か閃いたような顔を見せるまで耐え抜く……と、ようやく思い出したようだ……



「思い出しましたよっ! やっと、やっとケツァゴルコアトルスの封印方法に関しての詳細な記録の全文面を思い出しましたっ!」


「全文面って、もしかして一字一句思い出そうとしていたのか?」


「もちろんですよ、ほとんどは最初からわかっていたのですが、最後が『封印したり』なのか『封印したりっ!』なのかが思い出せなくて、いやはや本当に苦労しました、ですがもう大丈夫です」


「余計なところに気を遣ってんじゃねぇぇぇっ!」


「いえいえ、皆さんに誤った情報をお伝えするわけにも参りませんからね、で、その内容なのですが……」


「おう、もう何でも良いからサッサと教えてくれ」


「え~っと、『ケツァゴルコアトルスなる怪物、これが我らの森に出現してから10日になろうとしている、この間多くの戦士達が立ち向かっては、そのケツアゴから発射されるきめぇブレスの前に散っていった。戦士達は来る日も来る日も突撃を加えるものの、死体の山が高くなるのみでこれといった戦果は得られず。夜襲、背後からの攻撃、どのような策によっても戦況好転せず、この日の夜にはいよいよ戦士も最後の1人となってしまったのであった……来週号へ続く』とのことで第一部が終わっています」


「雑誌のコラムか何かなのかよその伝承はっ⁉」



 最後のフレーズによって、突如として限界まで希釈されてしまった伝承の信憑性。

 もしかしたら単なる作り話なのかも知れない、いや、それでもケツァゴルコアトルスの封印が為されていた以上、過去に誰かがそれをやってのけたのは事実。


 その誰かというのがこの雑誌のコラムを書いていた、しかも良いところで『続く』をかましてくる嫌な奴であるのかどうかに関しては全く不明だが、とにかくこの話の続きを聞いてみることとしよう、というか聞いてみる以外に選択肢が見当たらない。



「で、早くその続きをどうぞ、次は第二部か?」


「ええ、では翌週の『週刊古代文明』に載っていた第二部の内容を……え~、『既に矢は尽き刀は折れ、最後の戦士には武器さえ持たせることが叶わず。せめて盾代わりにと三角縁神獣鏡を与えるも、真ん中のポチッとしたところは持ち辛いので不要だと、竹の槍のみ持ちて最後の戦いに臨む……』」


「おいっ、三角縁神獣鏡ってめっちゃ大事なやつじゃねぇのかっ⁉ そんな盾代わりなんかで戦士だか何だか知らんがわけのわからんおっさんに与えて良いモノじゃねぇだろっ!」


「まぁ、それは大昔の方の判断ですから、で、続きを申し上げますと、『最後の戦士は過去の戦士達の肉を喰らい終え、眠るケツァゴルコアトルスへと近付く。最後の最後で枝を踏み折り、気付かれるものの、そこから飛び掛かり、攻撃せんと向けられたその禍々しいケツアゴに、竹の槍をブスリと突き刺せり。槍の隙間よりブリブリと漏れ出でる灼熱の炎に全身を焼かれ、最後の戦士はそれはそれはこんがりと焼かれ、天に召される。だがケツァゴルコアトルスも無事ではなく、戦士の竹槍に貫かれしそのケツアゴが……』と、こんな感じであとは弱っているうちにシャーマンがどうのこうのやって封印するというわけです」


「……つまりカンチョーを喰らわせろということだな、あのケツアゴに? それでブーブー漏れたブレスに焼かれろって? ふざけんじゃねぇぞっ!」



 おそらくは俺のスピードでも全てが可能、あの忌々しいケツアゴに聖棒を用いてカンチョーをブチ込むことも、そしてその際に漏れ出すファイアブレスを耐え切ることもだ。


 だがその行為がどの程度不快なことか、この異形のバケモノの、ホンモノであるという薄汚いケツに、これまで苦楽を共にしてきた俺の大切な最強兵器をブチ込まなくてはならないのである。


 まともな精神状態では到底不可能、もしそれをしなければ敗北、この場で全員殺されることが確定して、それでようやっと重い腰を上げることが出来る程度の恐ろしい行為なのだから。


 とにかくこれに、こんな異常な作戦に俺の武器を捧げるわけにはいかない、それは同じ長物を持つマリエルも同じ、どころか既に後ろへ退避し、『作戦の成功を女神に祈る』ための儀式を始めている、自分でやってやろうという気概は一切感じられない。


 そうなると俺が、聖棒以外の何かを用いて攻撃を仕掛ける他ない……と、マーサが最初から背負っている籠にそのヒントがありそうだ、鋭く尖ったブツの先端がはみ出している……



「マーサ! ちょっと後ろ向いてみろっ!」


「何? 私の背中に何かヘンなモノでも付いてる?」


「そうじゃない、その背中に背負った……コレだな、『ちょっと食べるには固すぎる』感じのタケノコだよっ!」


「あ、それね、煮込んだらどうかなと思って持って来たんだけど、良く見たらもうタケノコじゃなくて竹よね……」


「その通り、そしてコレをちょっと使わせて頂く、そう、竹槍としてなっ!」


「竹槍って、食べるのには固いけど、武器にするならこんなのフニャッフニャのお粗末なアレなのよ、ちょっと無理だと思うわ」


「いや、それでもその竹槍を使う他に、奴を葬る方法が見当たらないんだ、頼む、それを使える状態に仕上げてくれっ!」


「わかったわ、じゃあ先っちょだけ、私が剥いてあげるっ!」



 誤解を招きそうな発言を平気でしつつ、マーサはそのタケノコと竹の中間に位置するブツの先端の皮を剥き、俺に手渡してくれた。


 ほのかに香る採れたて新鮮なタケノコの匂い、このまま放っておくとすぐに腐ってしまうため、なるべく早めに茹でて……と、それは普通に食べる際の話だ。


 今回はタケノコではなく竹槍、こうしている間にも延々と攻撃を続けているケツァゴルコアトルスに、これを使って必殺のカンチョーをお見舞いしてやらねばならない。


 ちょうど良いところに温泉を掘っているため、予めその湯を冷ましたものを被って炎耐性をアップさせたうえで、一歩前に出て敵のケツアゴ、そのど真ん中に狙いを定める。


 まだだ、ファイアブレスを放つタイミングが狙い目、欲を言えばリリィが敵の動きを封じたタイミングで……と、そこで敵が振り下ろした鍵爪の足を、リリィがそのさらに巨大な足で踏み付け、同時に射線を開けつつこちらを見た、ここがチャンスだ!



「ウォォォッ! 喰らえっ! 必殺ジャンピング勇者ミラクルカンチョーだっ!」


『ギョォォォッ!』


「入ったぁぁぁっ!」



 ズボッと、タケノコ改め竹槍はそのケツアゴの中心に突き刺さり、ほぼ根元まで深く押し込まれた。

 少なくとも古の戦士よりは俺の方が高い攻撃力を持っているはず、だが獲物がフニャすぎたか、これだけで倒れるようなことはないようだ。


 そしてそのまま倒れない以上、次にやってくるのは敵のファイアブレス攻撃である。

 ケツアゴの穴に詰め込まれた竹槍を押しのけるようにして、しかし飛び散って放たれたそのブレス。


 ……正面に居る俺には全く到達しない、完全に周囲へ散ってしまっているではないか、これではまるでゲ……あまりにも汚らしい、このことについて考えるのはやめておくこととしよう。


 苦しむケツァゴルコアトルス、もう1発ブレスを放つ様子だが、次に何か行動を起こせば大変なことになる、そう、もはや今の一撃で逆流した火が体内を回り、内臓が丸焦げになっているのだ。


 おそらく次に放てば破裂、とまではいかないかも知れないが、完全に火が通って絶命するに違いない。

 むしろ竹槍のせいで詰まって出てこない分、攻撃準備段階の今でもケツアゴの奥はジワジワと焼かれていることであろう。


 まぁ、敵がそんな状態なのは俺達にとっては願ったり叶ったりなのだが、現時点で苦しさに悶え、転げ回っているような有様。


 つまりこの後ファイアブレスがどこで放たれ、そしてどこへ飛び散るのかわかったものではない。

 万が一セラと精霊様が防御する真横に転がり込まれ、そこで放たれたとしたら厄介だ。



「よしリリィ、俺達で移動しながら常に奴の前に立つぞ、どうあっても最後のブレスが非戦闘員の所へ行かないようにするんだ」


『はーいっ! わかりましたーっ!』



 のたうち回るケツァゴルコアトルスに付いて回りいつ攻撃が来ても良いように待ち構える。

 なかなか発射されないブレス、先程の一撃で竹が良い感じに焼き付き、より一層出辛くなっているのであろう。


 そのまま3分、いや5分以上転げまわるケツァゴルコアトルスを注視していたか、そして遂に訪れるその瞬間、ケツアゴがパカッと開き、こちらに向けてブレスが……



「来るぞリリィ! 構えるんだ……あれっ?」


『反対向いちゃいましたね、ラッキー!』


「ラッキーッ……でもないような気が……やべぇぞぉぉぉっ!」



 攻撃の瞬間、ブレスをひり出す痛みに耐えかねたのか、ケツァゴルコアトルスはゴロンと反転し、俺達が構えているのとは逆の方向を向いてしまう。


 こちらに炎の塊が飛んで来ることはなくなった、だが奴の向いた先にあったのは、今まさにエリナ達が潜入し、コバルトブルーの青い鉱石を採集している毒ガスの充満した洞窟。


 そこへポンッと抜けた黒焦げの竹槍と共に、引っ掛かっていた異物が除去されて勢い良く飛び出し、そして洞窟の穴へ飛び込んで行くファイアブレス。


 直後、パッと光ったと同時に凄まじい熱が俺達を襲う、次いで衝撃波、これは精霊様がとっさに水の壁を張ってどうにか凌ぐことに成功した。


 と、もちろん俺や後ろの仲間達はそれで良いのだが、問題は……洞窟の奥の方で誘爆したような音が聞こえると同時に、そちらから叫び声が近付いて来る……



『ぎょぇぇぇっ! 何なんですか一体ぃぃぃっ!』


「エリナだっ! コパーを抱えているのはエリナだぞっ! 精霊様、そっちの守りはもう大丈夫だからキャッチしてやってくれっ!」


「あとの2人は大丈夫みたい、普通に墜落姿勢を取っているわ、と、バラバラなのは全部ハリボテーΩみたい、精霊様、とにかくエリナちゃんだけキャッチをっ!」


「私に任せなさいっ!」



 大爆発の中から飛び出してきた影はキッチリ3つ、だがそのうちひとつ、悪魔の角と尻尾を生やした影が抱えているのは、派遣組の4人の中で唯一、爆発によって危険な目に会うことが想定される非戦闘員のコパーだ。


 どうやら大丈夫らしいが、かなりの熱でやられているようにも見える、念のため水を掛けるなどして冷やして……いや、急に冷やすとひび割れを起こしたりして修理が大変そうだ。


 そしてその修理を技術者のおっさんに任せることは、もちろん素っ裸にされたコパーがその手で弄繰り回されるということであり、それは本人にとって不快どころの騒ぎではないはず。


 となると何か……そうだ、アッツアツのままの温泉を掛けよう、これを掘り当てたのはラッキーであったな、きっと天の思し召しに違いない、とにかく急ごう……

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