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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第八章 最強なのは
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582 次はどちらへ

『キィーッ! すみませ~ん、デュラハンの里から依頼を受けて、え~っと、『生首』をお届けにあがりました~っ キィーッ!』


「お、凄いタイミングで配達のおっさんが来たじゃないか、てかキモいおっさん魔族だな、奴に頼んで後から落とすこの剃毛野郎の首を、ブルー何とかの本拠地へ届けさせようぜ」


「え、でも勇者様、あの配達のおじさん、背中に『魔王便』って書いてあるわよ、魔王軍がサイドビジネスでやっている事業じゃないかしら?」


「ホントだ、となるとさすがにそれを利用するのは敵を利することになりそうだ……いや、逆に好都合だろ、料金を支払う必要がなくなったぞ」


「あ、確かに、脅してタダでやらせれば良いのよね、簡単なことだったわ」



 箱に入った『新しい頭』を、以前の戦闘でそれを失ったデュラハンに渡して受領サインを貰う配達のおっさん。

 羽が生えた中級魔族であり、空からこちらの位置を確認してお届けにあがったということであろう。


 てっきりデュラハンの里から首なしウマに乗ったデュラハンが駆け付けると思ったのだが、どうやら業者に依頼したらしいな。

 まぁ俺達は家に居るわけではなく移動しているのだ、地上を追うよりもこういう飛行タイプの奴に頼んだ方が都合が良いのは明らかである。


 で、役目を終えて普通に帰ろうとしていたその配達員のおっさん中級魔族の前に立ちはだかり、飛び立つのを阻止してその場に留まらせた……



「は~いちょと待って下さい、なぁお前、せっかくこんな所まで来たんだ、これから俺達の依頼も受けようとは思わないか? もちろん無料でだ、いや、どうしてもって言うなら飴玉ぐらいくれてやるぞ」


『キィーッ! 何なんだこの失礼な人族? じゃないようだがこの男はっ! こちとらプロなんだからタダとか極端に低い料金でで依頼を受けるわけがないだろうっ! そんなことしたらダンピングの罪で魔王軍から追われる身になっちまうんだよっ!』


「大丈夫だ、俺様はその魔王軍の敵だからな、あ、てことはお前、魔王軍の関係者なのか、そうかそうか」


「勇者様、コイツはこの場で殺さないとダメよ、まぁもし助かりたいというのであればこちらの条件を呑んで働くしかないわね」


『キィーッ! 何だそっちの女はっ! 人族の分際で中級魔族たるこの俺様に逆らおうってのかっ? 舐めてっとシバき回すぞゴラァァァッ!』



 俺に同調するようにして話し掛けたセラ、それが人族であるということを知った途端に態度を変え、やたらと偉そうに恫喝してきた配達中級魔族。


 そういえば先程荷物を手渡す際、デュラハンには異様にヘコヘコしていたな、そして同じ上級魔族であるハピエーヌには、すぐ横に居たというのに挨拶さえナシときた。


 つまり、この配達魔族は力、というか戦闘力の高い者には弱く、逆に本来は雑魚ばかりである人族や、上位の存在であっても強くない者には強いという、本当にカスな性格の野郎ということだ。


 そしてそのカスっぷりは留まるところを知らず、保存食を造るための竈の準備としてしゃがみ込み、素手で地面を掘っているマーサの、そのローライズのスカートからはみ出た尻をチラチラと、実にいやらしい目で見ているではないか。


 まぁ、ウサギ魔族も本来は弱い系上級魔族なのだ、この相手の強さすら察することの出来ない下等なゴミ魔族には、マーサもその弱っちい連中の一員にしか見えていないはず。


 と、そこまでわかれば話は早い、ようは俺達がコイツの思う『強い奴』を圧倒的上位者として支配する立場にあるということを見せ付けてやれば良いのだ。


 そうすれば簡単に言うことを聞くし、場合によってはそのまま手持ちの全財産を俺達に献上してくれるに違いない……いや、それは普通に殴って奪った方が早そうだな。


 で、その『見せ付け』のダシにプライドの高いデュラハンを使うのは申し訳ないし、ここは……うむ、常日頃から戦いもせずに酒と食事だけを貪るアイツを使おう……



『おいゴラァァァッ! とりあえず退けって言ってんだよこの人族がっ! 俺は貴様等のような弱者と違って忙しいんだっ! 空も飛べるしなっ! キィィィッ!』


「全くしょうがない奴ね、うるさいし、どうする勇者様、コイツに頼むのは諦めて殺しちゃう?」


「いや、ちょっと待ってくれセラ、お~いっ! エリナ~ッ! ちょっとこっちこ~いっ!」


『はいは~いっ! 少々お待ちを~っ!』



 テントの中から聞こえたエリナの声、どうせユリナとサリナと一緒に雑誌でも読んでいたのであろう、先頭に参加しないのならばせめてアイリスの手伝いなどして欲しいところなのだが……と、完全に寝間着のまま出て来やがった。



「どうしたんでっすか~っと、あら、何ですかその変な中級魔族、殺すんですか?」


『キィィィッ!? どうして悪魔がこんな所にっ!』


「いやちょっとな、それよりエリナ、お前ちょっと尻丸出しになってそこへ四つん這いになれ」


「え~っ!? どうしてですかっ?」


「ちょっと悪魔の尻を引っ叩きたくなってな、ほら、グズグズしてると鞭で打ち据えるぞっ!」


「ひぃぃぃっ! わっ、わかりましたっ、どうぞ存分に叩いて下さいっ!」


「うむ、素直でよろしい」



 寝間着のズボンをパンツと一緒に下ろし、俺に尻を向けて四つん這いになったエリナ、その尻尾をガシッと掴み、振り上げた反対の手でビシッと引っ叩いてやる……



「ひゃうっ! いてて……あら? 今日はちょっと優しくないですか?」


「今のは試し打ちだ、ここからが本番だぞっ! オラッ! それっ! どうだっ!」


「あひっ! いやんっ! きっくぅぅぅっ!」


『そ……そんな、人族なのか何なのかわからん雑魚が……悪魔に対してこの扱いとは……』


「オラオラッ……ふぅっそろそろ良いにしてやろうかな」


「いでで、痛かったですぅ~っ」


「おいエリナ、こんなに俺様の手を煩わせておいて礼もないのか?」


「ひっ、あっ、ああああっ、ありがとうございましたっ! またお願いしますっ!」


「おう、気が向いたらな、では帰ってよろしい」


「ひぃぃぃんっ、結局何だったんですかぁぁぁっ!」



 何であったかと聞かれても答えようがない、あえて言うのであれば茶番とでも表現しておくのが妥当か。

 とにかく粋がっていた配達中級魔族は戦意喪失、これまで俺達に対して働いた無礼を深く後悔し、反省している様子だ。


 もっとも、一度あのような態度を取ってしまった以上もう許されることはなく、俺達の依頼した任務を遂行させた後には確実に死に至らしめる措置を取るつもりでいる。


 そのようなことをするのはなかなか難易度が高いのだが、そこは勇者パーティーにおいても最強、この世界で最も神に近い存在である精霊様が颯爽と登場、不思議な術でどうこうしてくれるに違いない。



「交渉の合間に余計な行動を挟んで非常に申し訳ない、で、俺達の依頼を受けるつもりにはなったか?」


『もっ、もちろんですともっ! この私めが誠心誠意、真心を込めて、お荷物を依頼主様から受け取り主様へ、安全かつ確実にお運び申し上げます、キィーッ!』


「そうか、じゃあ荷物の方は……何だよ、まだ生きてんのか、すまないな、ちょっとブツの方が『生』みたいなんだ、処理するから少し待っていろ」


『キィーッ! 畏まりましたぁぁぁっ!』


「あとやかましいからデカい声を出すな、息も臭いし、殺すぞっ!」


『キィィィッ……っぷ』



 忠告したら静かになった真面目な配達魔族はその場で正座させ、未だに剃毛野郎を甚振って遊んでいたデュラハンとハピエーヌのところへ向かう。


 蹴ったり殴ったり、ついでに首なしウマで手の甲を踏み潰したりしているようだが、上手く致命傷を回避してギリギリの状態で生かしている、それをさせているアドバイザーは精霊様のようだ。


 首の配達に関して目途が立ったため、そろそろ終わりにして首を落としてくれと頼んだところ、様子を見て笑っていた精霊様が立ち上がり、少し待てと告げて森の中へと入っていった……



「精霊様の奴、一体何を……っと、戻って来たようだ、どうして竹なんか持って来たんだ?」


「イヤねぇ、そんなのわかり切っているじゃないの、この竹で『竹製鋸』を作って、それでコイツを鋸引きの刑に処すのよ、惨殺のフィナーレとしてはうってつけだわ」


「おいおい、鋸引きの刑は普通晒しとしてやるものだろうに、まぁでも良いや、ちゃっちゃと終わらせてやってくれ、配達員を待たせてしまっているからな」



 大変にキモいことになるのは明らかであったため、最後に剃毛野郎の腹をガッと蹴飛ばしてその場を離れる、命乞いをしていたようだが鼻で笑ってやった。


 と、振り返って剃毛野郎の最後の様子を見ると浮かんでくる今回の遠征のハイライト。


 思えばここまで長かった、わけのわからん連中とばかり戦わされ、遂には全く歯が立たないような敵まで出現、そしてようやくそのダイオウシカΩをどうにかすると同時に、ここで敵幹部の1匹を処刑するに至ったのだ。


 まだまだこの先は長そうだが、敵のΩ施設を可能な限りのスピードでチャッチャと片付けつつ、本拠地を襲撃して残りの連中、即ち剛毛野郎と親玉のブルーとかいう野郎を殺害しよう。


 しばらくして聞こえてきた断末魔、直後にデュラハンの1人が、比較的綺麗な何かの葉っぱに包んだそのブツを持って来る、これを敵の本拠地に投げ込めば、多少はその戦意を削ぐか、または怒りで冷静な判断が出来ない状態に追い込むことが出来るはずだ。



「おしっ、これを木箱に入れてっと、じゃあお前、今度はこの生首を指定の場所に届けるんだ、全身毛むくじゃらの馬鹿野郎のところにな、あ、もちろん受領印なんか要らねぇから、投げ付けて普通に飛び去れば良いから、あと精霊様、何か都合の良い術でコイツの行動を制限してやってくれ」


「わかったわ、じゃあ『指定のルートから外れて飛ぶと体が破裂して死ぬ呪い』を掛けておくわね」


「すげぇピンポイントなんだな……」



 ということで大変にご都合のよろしい呪いを配達中級魔族に掛け、まっすぐに目的地を目指せば死なないから安心しろと告げて飛び立たせる、もちろん財布は回収し、代わりに目的地までの案内図(手書き)を与えておいた。


 ビビりながらもフラフラと飛んで行った中級魔族だが、どうせなら『全力で飛ばないと全身が溶けて死ぬ呪い』も掛けて貰えば良かったなと思ったがもう遅い。



「……あ、でもさ精霊様、アイツ、もしかしてまっすぐ飛んで任務を完遂したら解放されたりしないか? 困るんだよ、最初だけとはいえクソみてぇな態度を取ったんだ、そういう輩は確実に始末しておかないと」


「大丈夫よ、私が使ったのは『指定のルートから外れて飛ぶと体が破裂して死ぬ呪い』なのよ、つまり目的地に到着して、やれやれと思ってそのまま飛び去ったら……ボンッて感じね」


「ギャハハッ! そりゃ良い、安心させておいてボンッの瞬間を見られないのが多少残念だがな」



 俺と精霊様の会話を後ろで聞いていたデュラハン達はドン引き、魔王軍にほんの少しでも関与したモブキャラがどういう末路を辿るのか、それがわかった以上は余計なことをすることもあるまい。


 で、その後ろでもう1人、顔を青くしてガタガタと震えているケバケバの女が1人、ギャルハーピーのハピエーヌが、その燃えるような色の羽根とは裏腹に、完全に血の気が引いた様子でこちらを見ている……



「どうしたハピエーヌ、どこか具合でも悪いのか? 俺が『触診』してやるから素っ裸になれ」


「いえっ……えっと、そうじゃなくて……前に、ちょっと、ホントにちょっとだけ魔王軍関係のバイトを……もちろん日雇いでっ! そんなにガッツリ関わったわけじゃなくてっ!」


「ほうほう、そういうことだったか、それは許されない行為だな、重罪も重罪、万死に値する行為だぞ」


「ひぃぃぃっ! 処刑されるっ!」


「と、安心したまえ、異世界勇者様たるこの俺様は非常に寛大なんだ、ゆえに女の子は処刑しない、もちろん魔王でも、魔王軍の幹部でもな、ただし……」


「ただし?」


「ただしお仕置きだけはキッチリしておかないとだ、ちょっとこっちへ来いっ!」


「ひぃぃぃっ! 恐いっ、恐い恐い恐いぃぃぃっ!」



 抵抗するハピエーヌをズルズルと引き摺り、物置代わりに使用していた無人のテントへ連れ込む。

 ここで凄くエッチなことをしてやろうと思ったのだが、それを悟ったセラが監視のためなどと言って付いて来やがった。


 ちょうど良い、勇者様に対して実に生意気なセラも一緒にお仕置きしてやろう。

 ハピエ-ヌが保管していた自らの抜け毛、というか鳥のような羽根、それを使ってくすぐりの刑だ。



「では魔王軍の関与している事業でバイトをした悪いハピエーヌに対するお仕置きを執行する、まずは脇腹からだっ! こちょこちょこちょこちょっ」


「ひゃーっ! ひゃはっ、あふっ、ひぃぃぃっ!」


「次は腰の辺り、パンツをずらして尾てい骨の辺りもこちょこちょしてやるっ!」


「ひゃひゃひゃひゃっ! ギブッ、もうギブッ!」


「まだまだっ! お仕置きはここからが本番だっ!」


「あひゃぁぁぁっ!」



 くすぐられる感触と恥ずかしさ、そして自分から抜け落ちた羽根でお仕置きされるという前代未聞の屈辱。

 その究極の三重苦によって、日雇いバイトとはいえ魔王軍に与するような真似をしたことをハピエーヌは公開したはずだ。


 そして、そのお仕置きの様子を隣で、実に羨ましいといった表情で眺めているセラ。

 そろそろ呼吸困難になりそうなハピエーヌへの刑を中断すると、すぐに隣に来て準備を始めた。



「おい何だよセラ、今日はお仕置きされるようなことなんかしていないだろ? ん?」


「ちょっとっ、そうやって焦らすのはやめてよねっ! ほら、ちょっと私にもくすぐりの刑を……」


「お願いしますは?」


「おっ、お願いします」


「よろしい、ではくすぐられ慣れているセラは最初からこうだっ!」


「ひぃぃぃっ! ひゃはははっ! いっ、いきなり尾てい骨からくるなんてっ、あはははっ!」


「そしてくすぐられて敏感になったところで……喰らえっ!」


「ひゃいんっ! まさかこちょこちょとお尻ペンペンのコンビネーション技なんてっ! ひゃっ、あひゃひゃひゃっ、ひゃうんっ!」



 ちょうど良い固さであって、しかも非常に質の良いハーピーの羽根、セラにはさんざんくすぐりの刑を執行してきたが、やはり今回のがダントツで効いているようだ。


 その後セラがグデングデンになるまで、そして倒れていたハピエーヌがどうにか自力で立ち上がれるようになるまで物置テントのなかで過ごし、食事の準備が出来たとの報せを受けて外に出た……



 ※※※



「え~っと、これがダイオウシカのステーキ、こっちはダイオウシカの香草焼き、あとダイオウシカの……」

「これはえ~っとぉ、ダイオウシカさんをお芋と一緒に煮込んだもので~、あ、こっちはコンフィとか、あとはえ~っとぉ……」


「うひょひょっ! これはなかなか美味そうだっ、スパイスの香りがたまんねぇぜっ!」



 明日にはこの森を発つということで、本日のディナーはミラとアイリスが全力で、狩ったばかりのダイオウシカを使って最高に豪華な料理をクリエイトしてくれた。


 食卓に並んでいたのは大量の肉、もちろんリリィの前にはラストアタックボーナスとして巨大なスネ肉の塊が、骨付きのまま丸焼きにされて置かれている……というか肉がデカすぎてリリィが見えない。


 それと、どうやらダイオウシカの肉だけでなく、昼間に暇を持て余したデュラハン軍団が、修行も兼ねて森の凶暴な植物を狩りに出ていたうようだ、よって野菜系の料理もかなりの数が皿に盛られている。



「あ~、え~っと、ここがマーサちゃん専用コーナー、こっちは森の果物と焼きキノコ、それから採れたて新鮮な春の山菜です~」


「あらっ、いつの間にか山菜の季節になっていたのねっ! これっ、魔族領域でしか採れない『デスワラビー』じゃないのっ!」


「はい~、デュラハンの方々が採って、というか獲って来てくれました~」


「何だよそれ、ワラビ……じゃないみたいだな、巨大だし」


「そうなのよ、これはワラビーを襲って食べるワラビなの、たまに人も食べるし、山菜採りに行った下級魔族が帰って来なくて……みたいな話は良くあるわね、魔族領域の日常よ」


「お、おうっ……」



 山菜を採りに行ってクマに、というのは転移する前に居た世界でも頻繁に耳にしたが、まさか山菜採りで山菜そのものに殺られてしまうとは、やはり魔族領域は恐ろしい所なのだな。


 とはいえ美味いものは美味いのだ、返り討ちに遭うリスクを取ってでも森に分け入ってそういう食材のゲットに走る気持ちはわからないでもない。


 しばらくの間テーブルの上の豪華な料理に舌鼓を打ち、その後は引き続き食事もしながら、明日以降の旅程について全体での会議に移る。


 俺達の予定では、この先もひとつひとつΩ交換施設を破壊しながら進むつもりであったのだが、どうやらデュラハン軍団がそれを修正したいらしい。


 というのも倒し、処刑し、今まさに首が運ばれている最中の剃毛野郎の口から、その兄である剛毛野郎が『デュラハンΩ』にご執心であることが語られており、可能な限りそのベースとなる3人のデュラハン戦士を救出したい、そう考えているためだ。



「主殿、ここはデュラハンの方々の主張通りに行動すべきだと思うぞ、こちらは何か人質の類を取られているわけではないのだしな」


「そうだな、それにここまで高速で進軍出来ているのも首なしウマあってこそだ、あと敵の方はここまでくればもう俺達が順番に施設を潰していくと思い込んでいるはず、ならば逆にストレートで次の敵、つまり剛毛野郎だな、そいつの居る場所を目指した方が作戦の成功可能性は高まるはず」



 ということで以降の行動に修正が加えられるということが決定された。

 このまままっすぐ、首をお届けに上がる配達中級魔族を追うようにして進むのだ。


 そして目的地は剛毛野郎の所在、弟者の首が届くとほぼ同時に、俺達の襲撃を受けるというダブルパンチをお見舞いしてやることとしよう……

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