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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第七章 大小様々
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580 蹴っ飛ばされて

「お~いっ! お~いっ! ほらっ、そこですよ~っ!」


『あっ、あそこの木の陰に居ましたっ! ちょっとでっかいおじさんですっ!』

『何よアレッ⁉ 全身ツルツルで気持ち悪いわねっ!』

『ん? 待てっ、アレはもしかして敵の主要キャラ、帝猛とかいう奴では?』



 ルビアの大声が届き、仲間やその他様々な存在がそれに反応し、それぞれの取るべき行動を取った。

 皆は敵の姿を確認、敵は驚いて動き、距離を取る……奇妙な鳥はまたしてもルビアに集る。


 だがそのまま走り出し、仲間と合流するために泉の畔を目指すルビア、俺はそちらへは向かわず、一歩退いた場所まで退避した剃毛野郎を狙って走った。


 ここで奴を殺してしまうことが出来れば大金星、皆はこの俺様に対し、『さすがは伝説の勇者様!』とか『前から思っていたけど凄く素敵です!』など、溢れんばかりの賞賛を捧げてくれるに違いない。


 と、そんな妄想が空しく終わることは既に想定内であった、俺の接近に気付いた剃毛野郎は謎の宝石? を取り出し、それを手に持って高く掲げる。


 次の瞬間にはヌッと、音もなく現れた巨大なダイオウシカ、間違いなく昨日、そしてその前の日にも遭遇している個体だ。

 技術者の予言した黒幕的存在、それがこの剃毛野郎であったということは、もう確実であって疑う余地は一片もない。



『ハハハッ! どうして私の存在に気付いたのかはわからないが、このダイオウシカΩさえ呼べばこちらのものだっ!』


「何だよこのツルツル野郎! せっかく楽に殺してやろうと思ったのに、これじゃもう後程とんでもない方法で惨殺するしかなくなるぞっ!」


『フンッ、貴様等が、というかこの世界に現存するすべての存在がこのダイオウシカΩ(一番機)に勝てないことは知っているのだぞ、このダイオウシカはΩ化することによって絶大なパワーを得、そして私の思い通りに動く、まさに最強の兵器となったのだっ!』


「チッ、調子に乗りやがって、だが偉そうにすればするほどに俺達のヘイトを買うんだぞ、そこんとこしっかり意識して態度を決めた方が良いと思うんだがな」


『黙れっ、どうせ最後に勝つのは私だ、この森に住む全てのダイオウシカをΩ化し、それを操って世界を蹂躙、魔王軍に成り代わって私が世界の支配者となるのだっ!』



 強大な力を持つダイオウシカΩをバックに、それはそれは偉そうな態度を取る剃毛野郎。

 とりあえず俺も仲間の所へ戻ろう、少し作戦を立てると同時に、これまでのいきさつを話しておく必要がある。


 敵である剃毛野郎とダイオウシカΩ、その両者から目を逸らさぬよう、ジワジワと後退りして泉の畔へ。

 到着して早々、まずはこの状況で虚舟を飛ばし、魔法薬の散布を始めようとしていた技術者を制止しておく。


 このまま作戦を始めたら殺られるだけだ、素早いダイオウシカΩによって足蹴にされ、それこそ粉々になって消えてしまう。


 そうなればもう、ダイオウシカを元に戻すための魔法薬はその製造技術と共に失われ、剃毛野郎が目指す『ダイオウシカΩによる世界征服』はもうリーチなのである。


 ひとまず止まった技術者には後ろへ隠れるよう告げ、俺は既に武器を構えている仲間達の隊列に合流した……



「ちょっと勇者様、どこへ行っていたのよ、ルビアちゃんと2人でナニしてたわけ?」


「ルビアのせいで置いてけぼりを喰らったんだ、その後やたらと不自然な足跡を発見して、それを追跡したら奴が居て、ついでにここへ辿り着いたんだ、俺は一切悪くないし全部ルビアのせいだからな」


「じゃあルビアちゃんには後で皆からのお仕置きね、と、その前にこの状況をどうにかしないとだわ」


「ああ、普通に戦っても勝てそうにないからな、どうにか絡め手でいきたいところなんだが……」



 ようやくフルメンバーで敵と対峙することが出来た俺達、だがΩを操るブルー系の連中の中でもかなり身分が高いと思われる剃毛野郎には、おそらくダイオウシカΩが邪魔をして近づくことさえさせないはずだ。


 もちろん俺達が全員で、全身全霊を賭けて戦ったとしても、それでダイオウシカΩをどうこうしてしまうことが出来るというわけではない、むしろアッサリ敗北しそうである。


 ならばまた逃げ出すか? しかし俺達がここを狙っていることが敵にバレた以上、明日以降はもうこの泉へ接近することすら困難なレベルで見張られることになるはず。


 それでは作戦そのものが頓挫してしまう、そして、新たな作戦が立案され、実行段階に移されるまでに時間を要すれば要するほど、Ω共、いやこの剃毛野郎が勢力を拡大、世界がこんな気持ち悪い輩の支配下に置かれるという悲劇的な未来へと近付いてしまうのだ。


 戦っても勝てない、かといって退くわけにもいかない、この状況を打開するには……ダメだ、もう考えるのが面倒臭くなってきた、とりあえず敵と会話してみることとしよう……



「おいコラそこのツルツル野郎、ちょっと聞きたいことがあるんだが……」


「何だい? これから殺されるというのに、なのに私に聞きたいことがあるのか? まぁ、その知的好奇心は嫌いではないし、仕方ないので少し付き合ってやることとしよう、さぁ、何でも聞くが良いっ! ん? どうしてそんなに清潔感溢れるツルツルボディなのかって? 私は兄者とは違うのだ、あの不潔極まりない兄者はハッキリ言って馬鹿でしかない、どうして『処理』しないのだ全くっ!」


「……いやそうじゃなくてだな、まずお前が何をしたいのか、どうやってこの巨大なダイオウシカにそんな小さな粒子だか何だかを取り込ませたのか、あとお前、ブルー何とかを裏切って自分がトップに立つつもりなのか?」


「ハハハッ、この私が何をしたいのかって? そりゃこのダイオウシカΩを使った世界征服だ、さっき言ったはずだがもう忘れたのかこのド低能めがっ! あ、もちろんブルー商会などゴミだ、そしてあの毛むくじゃらで頭の悪い兄者もゴミだっ! 兄者め、寄生型Ωを開発したあの陰キャ野郎が現れたとき、真っ先にΩとして使うべきはデュラハンだなどとほざきおって、何度私が『でっかい方が良いに決まっている』と教えてやっても見向きもしないっ! 本当に馬鹿だっ!」


「お、おう……」



 剛毛の方の兄者とは仲が悪いらしい剃毛野郎、ついでに言うと雇い主であるブルー商会とその傘下、おそらくΩの本社工場などに対しても相当の嫌悪感を抱いている様子。


 それでその剛毛兄者を滅ぼし、ブルー系の連中も出し抜こうというのか。

 もしかしたらコイツをしばらく泳がせて、内乱が済んだ後に弱体化した生き残りを叩いた方が良いのかも知れない。


 ……と、それはさすがに危険か、コイツが操るダイオウシカにしても、今の話の中に出てきた、そして俺達もそれに関して良く知っている『デュラハンΩ』、それがまともに戦い合った場合、おそらく生き残りなど存在しない、もちろん俺達もかなりのダメージを負い、そして人族は滅びる。


 まぁ、もちろんコイツの狙いは人類を『根絶やしにする』ことではなく、ある程度残して自分の支配下に置き、誰も逆らう者の居ない大帝国を築き上げることであるはずだ。


 そしてその達成のための手段としてはおそらく、いやこの異世界においてそんなことを考える者が居るなど、にわかには信じがたいことなのだが……



「……本当にあの馬鹿共は無知で低能でゴミクズ以下の存在でっ! っと、それでだ、私の操るΩ粒子、それはなにもこの巨大で強いダイオウシカのみに影響を及ぼすものではない、この森、Ω粒子を散布した範囲の大型動物、魔物等、食物連鎖の上位に位置する生物には皆影響があるのだっ! そしてこれを突き詰めていけば、その大型動物を狩って食べる魔族にも、そして人族にもっ!」


「やはり生物濃縮を用いているのですか、そんなことだろうと思いましたよ」


「クソめがっ、どうしてこんな異世界まで来てそんな用語を聞かないとならないんだよ……」



 予想通り、ここまでどうやってあのダイオウシカに、その体内にΩ粒子などというものを高密度で蓄積させたのかと考えていたが、やはり生物濃縮によって大型動物に化学物質が蓄積する、その手法を用いていたようだ。


 そしてそのことには技術者も薄々気付いていた様子、というかそれを前提にして魔法薬を精製したのかも知れない。


 とにかく、剃毛野郎は何らかの方法でこの森にΩ粒子を散布、それは小さな昆虫やその他の生物に取り込まれ、それを食べた中型の生物が、さらにそれを食べた大型の生物が、そして本来、最後の最後にやって来るのは超大型の肉食動物であるはず。


 だがこの森においては少し状況が異なる、散布されたΩ粒子が最も蓄積されるはずの超大型生物を、さらに捕食してしまうような凶悪な植物、そしてさらにさらにそこから養分を吸い取り、実質餌食にしてしまうようなわけのわからないキノコの存在。


 そこからさらに、さらにさらにと言うべきか、ポコ〇ン型のバケモノキノコすら獲って喰ってしまう巨大なダイオウシカ、ここでようやくこの森の生態系は頂点を迎えるのだ。


 つまり、通常の食物連鎖程度では濃縮し切らない、この森の一般的な生物のように多少は強くなるものの、Ω化したりはしないものとは異なり、究極の捕食者であるダイオウシカにはその『生物濃縮Ω』の効果が及んでしまうのである。


 そしてそうなればもう、強く巨大なダイオウシカはこの剃毛野郎の意のままに動く、とんでもない力を有する最強の魔道兵器に早変わりするという寸法。


 冗談では済まされない、もしこれがダイオウシカを食べるハーピーに、いやそれだけではない、他の似通った特徴を持つ地域でも同じことをされ、その地に住む最大生物はおろか、その生物を集団で狩って食べるような原始的な生活をしている人族や魔族のコミュニティにもΩ化の波が押し寄せてしまうことになるのだ……



「……おいお前、マジでとんでもねぇこと考えてんだろ、1人でこっそり、誰にもそのことを告げずにな」


「ハハハッ、それは当たり前だっ! こんな計画を、もちろん私の野望を隠して発表したとしても、それはそれでどこかの馬鹿からストップが入る、だから単独で、普通に出張している感を出して行動しているのだっ! だが残念なことにこの地に派遣されていた馬鹿は勘違いが惨くてな、せっかく『Ω粒子散布用』に確保していたハーピーベースのΩを、まさか戦闘用だと思い込んでぇぇぇっ! はぁっ、無能馬鹿のことを考えたらまた腹が立ってきたぞ……ウォォォッ!」



 何だか知らないがキレて暴れ出したではないか、どれだけ情緒不安定だというのだこの剃毛野郎は?

 だがここでひとつわかったことがある、コイツ自体がそれほど強いわけではなく、戦闘はΩに頼り切りなのであろうということだ。


 ひとしきり暴れ、勝手に太い木の幹を殴ったところではたと止まる剃毛野郎。

 どうやら怪我をしてしまったようだ、右の拳から何とも言えない緑色の知が流れ出している。


 もちろん木の方はビクともしていない様子、対して我に返り、絶叫しながら転げ回っている剃毛野郎は雑魚キャラ同然の動き。

 これなら、コイツ本体のみであれば一撃でどうにか出来そうだ、つまり問題はその後ろのダイオウシカΩのみということ……



「おぉ~っ、痛いっ、血とか出てめっちゃ痛いではないかっ! これは帰って『蘇生魔導機械』の世話にならないとだ、どうにか、これほどまでの重傷を負っているにも拘らずこの場を収め、命からがら帰還するのだっ!」


「いや大げさだなお前……」


「黙れっ! 私にはまだやることがあるのだっ! 本来であれば今日明日中にこの森全体にΩ粒子を散布し終えて、来週までにはダイオウシカΩをあと10体程度追加する予定であったのにっ! 無駄な邪魔はするわ大切な散布用ハーピーは持っていくわっ! それとそこのお前だぁぁぁっ! 死ねぇぇぇっ!」


「あぶっ! しまった……と、どうにかなったか……」



 剃毛野郎がダイオウシカΩに命じ、真っ先に攻撃させたのは俺や前衛の仲間ではなく、後ろで虚舟に乗ったまま待機していた技術者であった。


 確かに賢さというのはこういう敵にとってかなりの脅威だ、賢さだけで強大な力を持つバケモノを操ってきた以上、その賢さで敗北すればすべてを失うことが明らか。


 よって剃毛野郎の選択は正しく、こんな唐突に殺る気を出すというところまでは見抜けなかったこちらのミス。


 だが殺気だとか野生の勘だとか、そういったものでいち早く察知していたのであろう、寸でのところでマーサが助けに入り、どうにか技術者本体のみは救出することに成功した。


 ダイオウシカΩに蹴飛ばされたのは虚舟のみ、それは円盤めいた特殊な形状ゆえ、次の瞬間には端が地面に引っ掛かり、大きくバウンドして方向を変える。


 木にぶつかって跳ね返り、岩にぶつかって跳ね返り、しばらく元あった位置の周辺を行ったり来たりしていた虚舟を目で追う……と、最終的には泉のど真ん中に落下した、ホールインワン……でもないか……



「ハハハッ! 何だか知らんが貴様等の兵器は水没したぞっ! オペレーターは救助したようだが、それでもあの円盤と同じものを新しく造り出すのは相当に困難ではないのか? ん?」


「……う、うあぁぁぁっ! やられたっ! チクショウめがっ! これはもうおしまいだぁぁぁっ!」

「……この世の終わりよぉぉぉっ! 世界はこのツルツル野郎のものになってしまうわぁぁぁっ!」


「ご主人様、精霊様、どうしてそんなに叫んでいるんですか?」


「シッ! 黙るんだカレン、てかお前も合わせろっ!」


「……うわー、もうお肉が食べられないー、お魚も生焼けだー」


「クソッ、とんでもない大根役者が居たもんだ、これじゃ余裕で演技バレして……いないようだな、アイツもたいがい馬鹿なのか?」



 虚舟が泉に投げ込まれただけ、それは俺達にとってプラスの作用を生じるものでしかなく、決してダメージではない。

 だが敵の剃毛野郎にはそれがわからない、奴には技術者の乗った虚舟こそが俺達の最終決戦兵器に見えているためだ。


 もちろん本命はその中身、Ω粒子だの何だのかんだのを無効化し、強力なダイオウシカΩをちょっとお強いだけの単なる巨大生物に戻すための魔法薬。


 そしてその発動条件は『泉に散布すること』なのだ、本来は空中から撒いていく予定であったが、ここで意図せずして、敵のナイスアシストによって一気に作戦が完了してしまったのである。



「ハハハハッ! 貴様等は虎の子の決戦兵器を、たったの一撃、しかも初撃で失ってしまったようだが、これからどうするつもりなのだ? まだ私に歯向かうのか、それとも……」


「すまん、今日はもう帰るわ、頑張って用意した最強兵器だったのに、こうもあっさりやられたらやる気が失せるってもんだ」


「そうかそうか、では貴様等はこれより、私の覇道を指を咥えて眺めるということ、それで良いのだな? まぁ私が世界を手にした暁には、そこのちょっと可愛い小さな悪魔っ子に世界の半分をくれてやらないこともないがなっ! ハハハハハッ!」


「ひぃぃぃっ、ろ、ロリコンじゃないですかっ!」


「大丈夫だサリナ、ほら他の皆も、今日はもう撤収するぞ、サッサと帰って残念会でもしよう」


「ハハハーッ! ではさらばだ雑魚ゴミムシ共よっ! あ、サリナちゃんって言ったかな? すぐにお迎えに行ってあげるから楽しみに待っててねっ、チュッ!」


「キモぃぃぃっ!」



 最後の最後でとんでもなく不快で気色悪い一面を披露してくれた剃毛野郎。

 俺は気絶してしまったサリナを抱え、他の仲間達と共に野営スポットへと帰還した……



 ※※※



「うわー、もうお肉が食べられないー、お魚も生焼けだー」


「ギャハハハッ! 良いぞカレン、面白いからもう1回やれっ!」



 途中まではトボトボと、そして剃毛野郎から見えない位置まで来たところで、そこから先はウッキウキで帰還した俺達、先程カレンがやらかした大根芸を再現させながら酒を酌み交わす。


 最大のピンチから一転、まさかの成功で幕を閉じた今回の『Ω粒子無効化魔法薬散布作戦』。

 あとはΩではなくなり、通常の強さに戻ったダイオウシカを、いや生まれついての軟弱者である剃毛野郎をブチ殺すのみだ。



「う~む、可愛い系大根役者というのもなかなか、これはもしかするとですがお金になるかも知れませんね」


「おう、全部終わって王都へ帰還したら、冒険者ギルド会館のステージで何かやらせても良いかもな」


「勇者様、あの連中はお金を持っていないからダメだと思うわよ、おひねりの中に飴とかキャラメルとか、最悪石とか入れてきそうだもの」


「そんな奴は殺してしまえ、で、そんな夢の実現のための第一歩だ、明日……どのぐらいでダイオウシカが元に戻るんだろうな?」


「それは私から説明致しましょう、おそらく森の野生動物は朝方、まだ日が昇る前に水を1杯、持って行った、そして泉に溶けた魔法薬もかなりの量でしたから、おそらくはそこから10分程度で元に戻るものかと思います」


「なるほど、起き掛けに1杯の水をのむのは非常に健康に良いと聞いたことがあるからな、きっとダイオウシカもそれを実践しているに違いない」


「そうじゃないと思うけど……とにかく明日は朝から出発すればちょうど良いってことね、そのノリでいきましょ」


『うぇ~いっ!』



 そのまま祝勝の前夜祭を続け、適当なところで切り上げて翌日に備える。

 時間は早いが朝早くから出発するにはこのぐらいで良いにしておかねばなるまい。


 というか本来ならこんな宴、フラグ以外の何物でもないのだが、今回の作戦について一番よく知っている技術者がそれに対して何も言わなかった時点で、もはや失敗などということはあり得ないし、その可能性が微塵もないのは明らか。


 慌てふためく剃毛野郎を地味に追い詰め、馬鹿にし、蔑み、絶望させ、最後に吐き出すであろう無様な命乞いをBGMに、敵幹部殺害という今回の遠征で最初の大勝利を飾ることとしよう……

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