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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第七章 大小様々
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575 強いっ

「ねぇねぇ、ダイオウシカってどんなのなんですか?」


「そりゃこ~んなでっかくて、毛皮とかガッチガチで、しっかも超強くて足も速いでやんの、マジでハンパネェから、知らずにに見たらチビるっしょ」


「へぇ~っ、美味しそうですっ!」


「おいカレン、どうやったら今の話から『美味しそう』という感想が導き出せるんだ?」


「う~ん、まぁ、強いのは美味しいんだと思います」


「意味不明の極みだなマジで……」



 カレンもそこそこに意味不明だが、羽根の生えた両腕を大きく広げ、それを余すことなく使って『こ~んなにでっかい』を表現しているギャルのハピエーヌも意味不明だ。


 というかこの2人、知能レベル的にかなりウマが合うようで、、先程から到底人間同士とは思えない、まるで絵文字だけで会話するお馬鹿さん達の如く意思の疎通が取れている。


 しかし今回のターゲットである『ダイオウシカ』の情報が欲しい、早くそれを狩るという目的を遂げて、次へ駒を進めたいと考えている俺達、もちろん付き合ってくれているデュラハン軍団にもあまり迷惑は掛けられない。


 ということで意味不明な言動をするギャルハーピーとのコンタクトを、どうにか、未知の生物と遭遇した場合を想定しつつやっていく。


 結果として判明したのは、ダイオウシカのカラーは当然のゴールド、それは強キャラが何かとピカピカしがちなこの世界では至極当たり前のことだが、どうやら『狩っても良いサイズ』というのは本当に良い色艶が出ている毛皮のものであり、その判断はハピエーヌがするとのことだ。


 なるほど、資源保護のためにサイズ基準に到達していないものは狩らないようにしているのか。

 それならばわざわざ許可書などを取得して、集落の者を交えて狩りに出なくてはならないのも頷けるな。



「それで、そのダイオウシカとやらがゴールドなのは良くわかったさ、で、サイズ感についてはどうなんだ? で~っかい、とかじゃなくて正確に聞いておきたいところなんだが……」


「サイズ感? そりゃもうアレっしょ、歩く度にドーンッて、近くに居たりした奴はギョェーッて」

「ドーンッ!」

「ギョエーッ!」


「いや意味わかんねぇから、あとカレンもリリィも乗るんじゃない、話が先へ進まなくなる」


「とりまドーンッでギョエーッてことなんでよろしく」


「おうおうハピエーヌよ、お前さ、この俺がハーピー集落の皆様方から何をお願いされているのか知っているのか? 普通にお前を連れて行くってだけじゃないんだぞ」


「え? 何それ聞いてない」


「うむ、言っていないからな、俺はあの場でハーピーばぁさん達からな、お前が調子に乗った際にはシバき回して躾をしてくれと頼まれている、つまり、今がその『調子に乗った』という状況だな」


「ひぃぃぃっ!? 超ごめんなさいぃぃぃっ!」



 腕から生えた真っ赤に燃えるような羽根、それが形成した翼を駆使して、ハピエーヌは蝶のように舞い、蜂のように、床に向かって突き刺すように土下座した。


 だがこれまでの態度、そして集落の年寄共から解放され、この後さらに調子付くであろうハピエーヌの、悪化するに違いない態度はこの場で修正しなくてはならない。


 ということでルビアに指示して縛り上げさせ、そのまま馬車の天井にあった、荷物でも掛けるのであろうフックを用いて吊るしてやった。


 先程集落で罰を受けたときもそうであったが、いざその場になるとまるで抵抗しないハピエーヌ。

 態度はこの有様だが本当は小心者なのか、それともまた別の理由があってそうしているのかは知らないが、とにかくやりやすくはある。



「それで、ダイオウシカの正確なサイズは?」


「え~っと、高さが角まで含めてだいたい20mぐらい、小さいの、てか狩猟適合サイズギリギリでそれっす」


「ほう、じゃあ最大サイズは?」


「見たことないっすけど、確か70mぐらいにはなるとか何とか、あ、ちな高さがそれで、あとのバランス感とかは普通にシカそのものなんで、勝手に想像して欲しいところっす」


「む? 何だか生意気な物言いだな、尾羽を引っこ抜かれたいのか?」


「ひぇぇっ……そ、そんなことありませんですことよ、オホホ……」


「ならばよろしい、ただし今のは『減点1』だ、減点が3までいったら尻を500回、5までいったら1,000回叩くからな、そのつもりでいろ」


「わかりましたっ! 以後気を付けますっ!」



 こうして生意気なギャルハーピーを制圧し、ダイオウシカが出現しがちだという森の一画を目指す。

 ある程度進んだ所で馬車が進めなくなり、そこからは徒歩での移動ということになった。


 だが行くのは俺達とハピエーヌだけで良い、技術者は狩りになど興味がないし、デュラハン達も特に行く意味はないのだという。


 こちらも非戦闘員であるアイリスを抱えたまま明らかに危険な森へ突入するの芳しいとは言えないし、鹵獲Ωの3人も別に連れて行く必要はない。


 ついでに本来はバッチリ戦うことが出来るエリナも行く気が更々ない様子だし、これらのメンバーはここに置いて行くべきだな。

 いや、むしろこの場所を本日の野営スポットとして、俺達が帰るべき拠点を設営しておくのがベストな選択肢であろう。



「じゃあアイリス、夕方には帰ると思うからそのつもりで諸々の準備をしておいてくれ」


「あ、は~い」


「それと、凶暴な何かに教われて、いよいよ危なくなったらその辺のデュラハンの頭でも投げてやれ、怪獣がそれを喰っている間に、エリナとかを盾にして逃げるんだぞ」


「は~い、わかりました~」


『いやはや、なかなか酷い作戦ですな……』



 何か言いたげな様子のデュラハン隊長であったが、本来顔があるべき場所を見て話をしている俺にその表情を窺い知ることは出来ない。


 まぁどことなく悲しげな顔を作っているのであろう、どうでも良いが、もしもの場合にはアイリスのために献身、いや献頭してくれればそれ以上のことは求めない、実に簡単なお仕事なのだ。



「よ~っし、準備が出来たら出発だ、ハピエーヌには足に紐を付けて……オート誘導装置の完成だっ!」


「もうっ、ペットの鳥じゃないんすからっ」


「いやどちらかと言えば風船の方が近いかな」


「生物ですらないっ!? イヤッ、それならもうイヤッ!」


「ほう、これで減点が『2』になったな、最初のお仕置きラインまであと1ポイントだ」


「ごっ、ごめんなさいですっ!」



 この期に及んでどちらの立場が上なのか理解出来ない様子のハピエーヌ、次の『減点』、そしてお仕置きの執行はもうすぐそこのはずだ。


 とにかくそのハピエーヌの足に取り付けた紐を持ち、ダイオウシカとやらが出現するエリアに突入した。

 周りの森よりも明らかに高い木々、なるほどこれなら巨大生物であったも十分にその姿を隠すことが出来るな。


 感心しつつ先へ進むと、徐々に足元の植生が変わってくる、これまでの地ではもちろん、転移前の世界でも見たことがないような草やキノコ、そして花など。


 食虫植物、というか食人植物の類が非常に多いようで、先程から空を舞う精霊様やハピエーヌが、度々わけのわからない蔦や葉っぱの攻撃を受けている。


 その敵は当然地面にも、能動的な植物に狙われるのは栄養価の高そうなミラやルビア、ジェシカなどばかりだが、粘着性の葉を持つ何かには俺も引っ掛かる可能性があるのだ。


 おそらくは駅で落ちていたガムを踏んづけたときと同程度の厄介さなのであろうそういうタイプのトラップに注意しつつ、またアイリス達を置いて来たことが正解であったとも感じつつ歩く……



「全く、本当に見たこともない植物とかキノ……何じゃあのキノコはぁぁぁっ!? おいセラ、マジで何なんだアレは、まるでポコ……」


「気を付けて、アレは猛毒の『ポチコン茸』よっ!」


「いやポコ○ンだろぉがぁぁっっ! サリナ、モザイクだ、モザイクを用意しろっ!」


「あのね勇者様、ポチコンだって言ってるでしょ、ちなみに刺激するとムクムク大きくなって、先端から猛毒の白い胞子を飛ばすから、本当に気を付けなさいよね」


「だからそれポコ○ンじゃねぇかぁぁぁっ!」


「……あの、さっきから何騒いで……って、モザイクで良く見えないすけど、それポチコンっすよね? ダイオウシカ好物なんでー、ここで待っときゃそのうち来るっしょ」


「コラァァァッ! こんなもん喰ってんじゃねぇよぉぉぉっ!」


「いや私じゃなくてシカが……」



 実に気持ち悪く不快なキノコ、だがそれを食べるためにターゲットが現われるというのであれば、この場でそれを待っておく以外に選択肢はない。


 もちろん実際にハーピー達がダイオウシカを狩る際は、その機動力を生かしてこのキノコの周囲を探索、餌場であるそれの群生地帯に居るダイオウシカを、素早く発見して攻撃することが可能なのだという。


 だが現状で空からの偵察が可能なのは2人だけ、リリィも飛べないわけではないが、さすがの巨大なシカも草食動物、肉食で凶暴で、その辺に生息している魔族などとは比べ物にならない力を持ち、さらに用意に発見することが可能なドラゴンを見れば、餌場など放棄して一目散に逃げ出してしまうのは確実。


 地上を探すにしても、木々が生い茂っている森の中ゆえ、誰かが発見した際にそこへ集合するのが非常に困難だ。


 となるとやはり待ちがベスト、耳の良い者は耳を澄ませ、その他は目で周囲を警戒する。

 ということで耳も目もあまり優秀とはいえない俺は、周囲を警戒する仲間達の真ん中に、ピクニックシートを敷いて茶でも飲んでおくこととした。



「ふむ、この高級感溢れるブランド茶葉がどうのこうので……」


「ご主人様、これ50個入りで鉄貨3枚の安物ですよ、そのそもティーパックですし」


「うるせぇルビアの分際でっ、ティーパックがイヤならTバックでも穿けやオラァァァッ!」


「ひぃぃぃっ、く、食い込むっ!」


「おいコラ2人共、もう少し静かにするべきだぞ、今私達は獲物を待っているんだ、そんなに騒いでは来るものも来なくなるのではないか?」


「いえ、これで良いっすよ、もっとエッチな感じで騒いで、そしたらほら、ポチコン茸が反応してちょっと巨大化……」


「だからもうどう見てもポコ○ンだろそれっ!」



 俺がふざけてルビアにTバックを穿かせた、それが食い込んで悲鳴を上げたルビア。

 悲鳴は空気の振動として伝わり、地面から生えているポコ○ンのようなキノコを刺激、どう作用するのかは知らないがとにかくサイズアップした。


 ということで試しに、何も知らない癖に静かにしろなどと注意してきやがった、生意気なジェシカのおっぱいを罰としてポロリさせる。


 ポロンッと出て揺れるそのダブルおっぱいに、ポコ○ンキノコはさらに反応、巨大化したではないか。

 きっと貧乳のハーピーぐらいしか訪れないこの場所で、このクラスの巨乳を感じ取ったことなどなかったはずだ。


 ポコ○ンキノコはジェシカのおっぱいを揺らせば揺らすほどに、そのサイズを増大させていった。

 ある程度まで増大したそのキノコのサイズは、やがて生長を止め、そこが限界サイズであることを俺達に伝える。


 と、まぁ全てはサリナが形成したモザイクの向こうの話であり、その生々しい、色々な意味で有害なキノコの姿はハッキリとは見えていないのだが……



「はーいOK、もうOKでぇ~っす、これ以上やると『進化』するんで、それだとちょっと拙いかもなんで~」


「進化する? どうなるんだこのポコ○ンは? 普通に白い胞子が出てそれで終わりじゃ……」


「え~っと、そっちルートで進化すると『賢者ポチコン茸』に、正直それだとダイオウシカの餌にはならないっすね、で、もうひとつがギリギリこの状態を保った場合の『ポチコン茸グレート』、動き出して女の子を見境なく襲うっていうヤバい奴で~っす」


「そうか、じゃあこれ以上の攻撃、じゃなかった刺激は相当に拙いってことだな」


「いや、もうダメっしょ、これ、グレートに進化する流れっすね、でもそっちならダイオウシカを惹き付けるパワーがなんと100倍……だと思うんであとよろしく」



 そう言って足に付けられた紐を取り払い、大空へと舞い上がるハピエーヌ、逃げやがった、そして精霊様もそれを追うように見せかけて逃げやがったではないか。


 これは地上部隊で対応する以外に選択肢はないな、だがもしポコ○ンキノコと戦っている間にダイオウシカとやらがやって来たら? それこそカオスだ、獲物と激ヤバの敵、それを同時に相手にしなくてはならない状況へと追い込まれてしまう。


 となれば速攻、いやむしろ進化が始まる前にポコ○ンキノコの方を……おや、ポチコン茸の様子が……



「勇者様大変ですっ、このおかしな形状のキノコの様子がっ!」


「あぁぁぁっ! 誰かっ、誰か早くキャンセルボタンを連打するんだぁぁぁっ!」


「さっきからやってます、でももう進化が止まらない……いやぁぁぁっ!」



 最初に犠牲になったのは先頭に居て進化への対応を試みていたミラ、全長1m前後まで巨大化したそのとんでもないモノは、ミラに覆い被さり、先端の部分をおっぱいに押し付ける攻撃をキメている。


 もちろんミラはそんな攻撃を受けても良い年齢ではなく、むしろ現時点でここに居る中でもリリィに次いで『そういうモノ』から守られるべき存在。


 焦った他のメンバーは一斉に救助に向かうが、変態ポコ○ンキノコ野郎のパワーは絶大、なかなか引き剥がすことが叶わない。



「このっ! ミラちゃんから離れなさいよ変態キノコがっ、むぅぅぅっ!」


「ふぬぬぬっ! そうだぞ、ミラ殿を責めるというのであれば私を……ひっ、ひやぁぁぁっ!」


「あ、今度はジェシカちゃんに移ってしまいました、頑張ってっ!」


「ひぃぃぃっ、お、恐ろしい……敵……だ……」


「残念、負けちゃいました」



 あまりのキモさに気を失うジェシカ、その後も容赦のないポコ○ンキノコ野郎。

 だがその後ろ、というか石突の部分には、小さな袋に入ったボールのようなものが2つ見えている。


 ……もう間違いなく弱点だ、つぶすと『ナニ』が出るのかはお察しだが、とにかくあの部位にダメージを与えればこの変態そのものを討伐するのは非常に容易いことであるはず。



「カレン、マーサ、ちょっと申し訳ないんだが……そいつのタ○タ○に蹴りを入れてみてくれ」


「……ちょっとイヤです、ご主人様がやって下さい」

「私も完全にお断りよ、だってとんでもなくキモい事態になりそうだもの」


「まぁ、ですよね……しょうがない、俺が殺ってやろうじゃないかっ! 見ろっ、これが漢の生き様だぁぁぁっ!」


『お、オーバーヘッドキック……』



 ピッチを駆け抜け、ジェシカに対して凶悪なファールをしている最中のポコ○ンキノコ野郎の、その明らかな急所に喰らわせるオーバーヘッド。


 カーンッと良い音が鳴り響き、次いでビッと直立するポコ○ンキノコ、そのままプルプル震え出し倒れる……のではないようだ、明らかにその様子は見せない。


 いや、むしろ発射されるのだ、何が? というのは想像通りのそれではなく、タ○タ○の部分が炸裂し、本体そのものが上空へ、まるでロケットの如く飛び立った。


 そして、そのポコ○ンキノコ、というかポコ○ンロケットはまっすぐに、卑怯にも上空へ退避していたハピエーヌを狙う。


 気付いたときにはもう遅い、回避が不可能な位置まで迫られ、そこでようやくハッとしたような顔を見せるハピエーヌ。

 罰が当たったのだ、調子に乗ったり、自分だけ逃げようとするからそういうことになるのだ。


 もちろん同じく逃げ出した精霊様にも、後程強力な天罰、ではなく俺からのお仕置きを喰らわせてやらねばならないが、とにかく今はこの後すぐ、巨大で最悪なモノに襲われるハピエーヌの末路を見届けよう。



「ひぇぇぇっ! も、もうダメかも……って、えっ?」


『えぇぇぇっ!?』



 誰もがそのモノの直撃を受け、すっ飛ばされるハピエーヌを笑ってやろうと構えていたところに、突如として出現したのは巨大な頭、金持ちの家に飾ってありがちな、壁に掛けられたシカの頭に見えるのだが、それは高い木々の隙間から顔を出したゆえそう見えているだけ。


 本体は俺達から見えない位置に、それこそ『食べ応え』のありそうなボリュームで隠されているのだ。

 そして唯一見えているその頭、いや口がパクッと動き、ハピエーヌに迫っていた例のブツを一撃でその中に収めてしまった。



「出やがったっ! 間違いなくアレがダイオウシカだっ!」


「金ピカだし間違いないわね、あの変なキノコが飛んで行く爆音のせいで足音がわからなかったんだわ」


「ちなみにめっちゃこっち見てますけど、これは餌場を荒らす卑劣な侵入者を見るときの目ですね」


「どんな目だよそれはっ!? とにかく武器を取るんだ、蹴られたり、それから踏み潰されたら怪我をするかも知れないぞっ!」



 この敵にやられて重傷を負う、などということは考えにくいのだが、それは俺達だけの話であり、ハピエーヌが狙われれば十分に危険だ。


 それに慣れない巨大生物の討伐である、もし何かに失敗して暴走を招き、そのまま野営しているアイリス達の所へ行ってしまえばもう大変。


 ここは慎重に、こちらに意識を集中させるように戦っていくべきだな、なるべく余計な移動はさせず、居間この場で完全に倒し切るべきであろう……



「ふふんっ、ここは私に任せなさい、森ではウサギがシカのライバルなの、だからこの場は私が戦って勝利するべきよ」


「おう、何だか知らんがマーサに任せた、適当に御御足でもへし折ってやれ」


「ええ、いくわよっ! はぁぁぁっ! いやぁぁぁっ!」


「……え? ちょっと、何コレ、強くない?」


「つ……ツェェェェッ!?」



 意気揚々と突撃したマーサ、普段ならアッサリトと勝利し、逆に獲物が使い物や食べ物にならなくなってしまうことが危惧されるような場面である。


 だが前足の片方をチョイッと動かしたその全長30m前後のダイオウシカに対し、蹴飛ばされたマーサは吹っ飛び、俺達の立っている場所を高速で通過、森の樹木を10本程度破砕したところでようやく止まった。


 これは一体全体どういうことだ? こんな巨大で強力な生物など、とてもではないが存在し得ないはずなのだが……

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