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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第四章 殲滅作戦
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550 作戦開始

『お集まりの皆さんっ! 本当の敵は内部に存在しているのですっ! 奴等は裏切りものだっ! 反勇者、反王国を掲げる団体の面汚しだっ!』


『ウォォォォッ!』


『異世界勇者をっ、王国を倒す前にっ! まずはそれをどうにかしないといけないのですっ!』


『ウォォォォッ!』


『参りましょうっ! 本当の敵を討つためにっ! 全てを蹂躙しっ! 町を焼け野原にするのですっ!』


『ウォォォォッ!』



 ニセモノ反勇者組織の決起集会、かつて共闘した反共和国レジスタンスのメンバーの1人が、その類稀なる演技力で騙し、群衆をその気にさせる。


 これまでその連中が過ごしてきた、俺達や王国軍に対抗するための拠点としてきた海沿いの町に反旗を翻し、本来は自分達のリーダーとなるべきであった者、仲間となるべき者を殺害していく。


 それをさせるためには生半可な洗脳では足りない、ニセモノ組織の正当性、その理念の秀逸さを信じ込ませ、自分達がそれをしなくてはもはや反勇者、反王国組織の未来はないと考えさせる必要があるのだ。


 だが低脳極まりない『お集まりの皆さん』はそれを信じた、それが正義であると、真っ当な行いであると完全に信じ込んだ、途轍もない馬鹿野郎共である。


 そもそもこの連中は『壇上に立つ指導者らしき人間』が白と言えば白、黒といえば黒に染まる、非常に御し易い、自分の考えなどろくに持たない人間のクズ。


 放っておいても騙され、利用され、搾取されて捨てられるのが確定のゴミ人間共。

 それであれば俺達が、この世界のすべての争いにおいて『善』の立場を有するこの勇者パーティー様が利用してやろう。


 そういえば転移前の世界にもこういう連中は多かったな、テレビを見てそれを信じ込み、特に考えもなく同じ主張をする。

 逆にネットのデマを参照してくだらない、嘘八百の論を垂れ流す馬鹿共、それらの主張のぶつかり合いは実に滑稽なものであった。


 そして、どんな世界においてもその『騙され易い馬鹿共』、『論者の意見をストレートに取り込んでくれる都合の良い人間』というのは存在し、そのうち南の大陸に巣食う者が、今この場に俺達の仲間として集結しているのだ。



『え~っ、では皆様方! これより武器を取って町を襲撃致しますっ! もしね、お持ちでないという方が居られましたら金属バット等、それぞれ1日金貨1枚での貸出となります。もちろんここで支払われたレンタル料も勇者討伐に向けた活動資金となりますゆえ、ぜひね、ご自信の武器を持っている方もレンタルをご利用頂けたらなと思う次第ですっ!』


『ウォォォォッ! 俺は借りるぞっ! 持参した武器なんかよりもよっぽど徳が高いシロモノに違いないっ!』

『ヒャッハーッ! 最後の残った家宝を売り払っておいて正解だったぜっ!』

『金属バット! 手持ちが金貨5枚だから5本頼むっ! 今日は五刀流だっ!』


『はいはい押さないで下さいっ! こんな所で将棋倒しになって死んでもつまらないですからっ! せめて死ぬなら敵と戦って死んで下さいっ! そう、これから向かう町に居る裏切り者と刺し違えてですっ!』



 あっという間に売り切れる用意した武器、それぞれ原価は銅貨1枚以内なのだが、やはりこのために用意しておいて正解であった。


 元々絞りカス同然であった『仲間達』からは最後の1滴が搾り取られ、これで完全に用済み、今この場で死んでしまっても惜しくない、まさに粗大ゴミばかりとなったのである。


 だがもちろんその粗大ゴミにも用途というものは存在する、決起集会を終えたニセモノ組織は海沿いの町へ向うべく、武器を手にゾロゾロと歩き出す。


 その後ろからはコパー指揮下のΩ軍団が、自爆に必要な魔力を十分に詰め込んで付いて行く。

 最後は皆殺しだ、町に残った連中も騙されたこの連中も、そして敵が取り返そうとしているであろうΩ共もだ。



「よし、奴等が行ったからもう外へ出ても良いだろう、それで俺達はどうしようか……」


「ご主人様、私は強い敵と戦いたいですっ!」


「強い敵か……いやカレン、残念だが今回はそういうのが見当たらない可能性が非常に高いぞ、なんたって雑魚キャラの人族ばっかりだからな、護衛で魔族を雇っている奴が居たりすれば話は別だが」


「あ、それなら界隈で有名なのが居るわよ、上級魔族を3人も用心棒にしているの、そいつらは魔王軍の関係者じゃないけど、私敵にはかなり『デキる』感じに見えたわよ」


「おっ、元魔王軍四天王様のアンジュがそう言うのであれば間違いないだろうな、カレン、やっつけるのはソレで良いか?」


「何でも良いです、強ければ、あと討伐したときの気分の良さがあれば」


「それに勇者様、そんな連中を野放しにしておいたらこっちの手駒が……ちょっとだけ情報を得るのが遅かったようね……」


「ああ、そうみたいだな……とにかく急ごう」



 そんな話をしている最中に、今しがた『仲間達』が向かった町の方から響き渡る轟音。

 しばらくして到達した凄まじい衝撃波と同時に、『仲間達』のものと思われる肉片がベチャベチャと砂浜に降り注ぐ。


 どうやら話題に上っていたターゲットはかなり近く、町の海側に居住しているものと推測される。


 そうでなくてはあの威力の攻撃、もちろん何をしたのかはわからないが、そういったものを繰り出すことが出来る何かを囲っているはずがない、間違いなく今のそれは3体の上級魔族のいずれかが放ったものだ。



「……場所はもう聞くまでもないな、じゃあアンジュ、引き続き撤退作業をしておけよ、俺達が戻るまでに終わってなかったらどうなるのかぐらいわかっているよな?」


「ええ、ちゃんと終わったら地下の部屋で整列、終わらなかったら全員お仕置きされる準備をして整列しておくわ」


「うむ、弁えているようで何よりだ、では行って来る」


『いってらっしゃ~い!』



 サキュバス達に見送られ、俺達は町へ、既に大混乱で、その町における共通の敵である勇者パーティーが登場しても誰も気付かないような状況の市街地へ入る。


 目指すは先程の大規模攻撃があった地点、そこに居るのは間違いなく、突入して行った『仲間達』はおろか、Ωシリーズが束になって掛かっても倒し得ない強力な敵、しかもそれが3体だ……



 ※※※



「え~っと、さっきの場所は……ここを曲がって行くのが近道か?」


「そうね、ほら、あそこに見えているのはΩの集団じゃないかしら? 指揮官の2人も居るわよ」


「本当だ、かなりの強敵が出現したってことで集まって来たんだな、あと雑魚の『仲間達』は引き離してあるみたいだ、正しい対応で何よりだな」



 ターゲットの居住地を目指し、歩いて行った俺達が辿り着いたのは町の外れ、本当に海側の壁ギリギリのラインに位置する居住区であった。


 土地が余っているのか巨大な屋敷が多く、そのうちひとつに集結していたΩ軍団。

 とりあえず指揮官の2人に状況を聞いてみよう、対処するのはそれからあ。



「うぃ~っす、コパー、赤ダイヤ、元気してるか~っ?」


「あっ、大勇者様! まさかこんな所までご足労頂けるなんてっ!」

「申し訳ございませんっ! 本来であればお迎えに上がらなくてはならないところを……」


「いや構わん、で、ここの敵にはかなり苦戦しているようだな」


「はい、誠に情けない限りでして、もしこのまま敗北を喫するようでしたら、私共が責任を取って自爆攻撃を仕掛けます、というかそうなる可能性が非常に高いと考えております」

「短い間でしたが大変お世話になりました、役立たずである私共の残ったパーツ等はゴミとして処分して下さい」


「おいっ、馬鹿なことを言うな、お前等は俺様のご好意で助けてやったんだからな、それなのに無駄な自爆をするだと? そういう考えは後でキッチリ修正してやるから覚悟しておけ」


『へへーっ! 大変申し訳ございませんでしたぁぁぁっ!』


「あとここは俺達……というかこの戦いたがり狼さんに任せておけ、だがまぁとりあえず情報だけ貰っておこうか……」



 責任を取って自爆するのは名前すら与えられていない、まるでハンコでも押したかの如く同じ顔をしたモブΩ共で十分、せっかく手に入れた従順な、しかも可愛らしい2人を、この程度の失敗に起因して失うことなど到底出来ない。


 コパーと赤ダイヤ……もう面倒だからダイヤと呼称しよう、その2人がトチ狂って余計なことをしないよう、戦闘中はマリエルとジェシカが外で見張ることに決めた。


 そこからは2人を落ち着かせ、敵の情報を得るべく話を聞くフェーズに移行する。

 敵はアンジュの話し通り3体、どれも人型の上級魔族で野郎、つまり惨たらしく殺す対象ということだ。


 敵の屋敷の方を見ると、チラッと見えたのはワイングラス片手に、窓を開けて余裕の表情でこちらを眺める金持ち風のデブ。


 この場で狙撃でもしてやりたいところだが、ああいうのは王都に持ち帰って公開処刑する必要がある、つまりここでは殺さず、確実に生け捕りにしなくてはならないのだ。


 そしてそのデブが薄汚い面を晒している屋敷建物の2階ではなく、1階の玄関前にはたちはだかる2体の上級魔族の姿。


 どちらも変な髪形の野郎だ……辮髪とでも言うのであろうか、それが両手を袖の中に入れた状態で、かつそれが全く隙のない構えとして機能している、武闘家タイプということか。


 あと残り1体の姿が見えないのだが、デブの後ろの空間、即ち屋敷のメインルームに巨大な敵の反応がある。

 おそらくはその1体が最強であり、万が一に備えてデブの近くで護衛しているということなのであろう。


 3体をまとめて相手にするのであればそこそこの強敵だが、2体プラス1体であればそうでもないはず。


 そしてこの町においては、この3体を倒せばあとはもう楽勝なのである。

 既にそこかしこから火の手が上がり、馬鹿共に殺される馬鹿共の悲鳴が響き渡っている状況、作戦は順調に進んでいるのだ。



「じゃあご主人様、私が全部倒していきますから、捕まえなくちゃならない奴を捕まえるために付いて来て下さい」


「おう、ここはカレンに任せるよ、だが変な攻撃をしてきそうだと思ったらすぐに避けるんだぞ、変な菌とか悪臭、汚れを移されても敵わないからな」


「わかりました、そしたらえっと……うん、とりあえずいきますっ!」



 代表選手であるカレンを先頭に、既にΩ軍団によって破壊されていた門を潜って屋敷の中へ突入する。

 建物入口を守る2体の上級魔族がそれに反応、強い殺気を放ち始めた……



「ふむ、貴様等はこれまでの魔導兵器、それからわけのわからん人族のゴミ共とは違うようだな、まずはその狼獣人が戦うということか?」


「そうですっ! 私はカレン! 勇者パーティーの……何でしょう?」


「フハハハッ! 貴様等が勇者パーティーであったか、我等、常に雇い主より倒すべき対象として貴様等の話をされているのだ、ちなみに我の名は雲功うんこう!」

「そして我が湿功しっこうだっ!」


「汚ったねぇ名前だなっ!? で、中に居るもう1体は……まさか……」


「中に居るのは我等義兄弟の長兄、その名は珍功ちんこうであるっ!」


「やはりか、カレン、もうどうあってもこの連中を生かしておくことは出来ない、放送出来ない言葉をその名としているのは人類に、いや世界すべてに対する挑戦だ、確実に仕留めるんだぞ」


「わかりましたっ! それじゃ、いきますよ~っ!」



 トトトッと走ったカレンと、それに応じて全く同じ動きで向かった2体の敵が行き違う。

 次の瞬間には片方、おそらくウ○コと名乗ったの方の頭がスライスされたハムのように薄く、血を噴出しながら吹き飛んだ。


 一旦跳び上がり、壁を蹴ったカレンは反転、それを完全に見失った状態のオシッコ野郎の首を後ろから刎ね飛ばす。


 この間およそ0,3秒、あっという間の出来事に驚いたのは指揮官のΩ2人だけではない、2階の窓から余裕のキモ顔を覗かせていたデブもその場で固まり、手から滑り落ちたワイングラスがパリンと音を立てて割れた。



「……全然弱かったです、これじゃ面白くないし、もう1匹もこの程度なんでしょうか?」


「おそらくな、敵も確かに強かったがカレン相手じゃ一手で終わりか」


「じゃあもう1匹はえ~っと……ルビアちゃんにあげます」


「え? 私は別に……いえ、やりますっ、決してサボろうなんて、戸棚のお菓子でも漁っていようなんて考えてませんからっ!」


「いやそんなこと誰も言っていないぞ、自白してどうするつもりだ」


「うぅっ、墓穴を掘ってしまいました、罰としてお尻を叩いて下さい」


「それは後でな、今はこの屋敷を攻略してしまおう、時間もないからサッサとな」



 くだらない話をしている間にも、現在はこちらの指揮下にあるΩを回収しようという勢力が動いているのだ。

 ゆえにサッサとどころではなく可及的速やかにここでの用事を片付け、戦闘力を持ったΩを町の蹂躙と住民の殺戮に戻らせる必要がある。


 ということで今度はルビアを先頭に屋敷の建物の中へ……と、その直前で2階の、この屋敷の主らしきデブが居る部屋の方から大騒ぎの声が聞こえてきたではないか……



『待てっ! 待つんじゃ珍功! わしを置いて逃げるでないっ!』


『冗談じゃねぇっ! あの弟者達が一瞬で殺されたんだっ! もう絶対に敵わねぇよあんな連中にはっ! あばよっ!』


『あぁぁぁっ! わしが、わしが殺されてしまう……』



 大騒ぎが終息すると同時に、先程カレンが殺した2匹の雑魚魔族と同じ辮髪を風に靡かせる1匹が、窓を突き破って飛び出してきた。


 俺達相手では全く実力不足とはいえ、さすがは武闘家の類である。

 引き際、逃げるべき時点を完全に把握しているらしい、だがこちらとしては奴を逃がすわけにはいかない、絶対にだ。



「ルビア! あんな名前の奴を取り逃したら後世に禍根を残すことになるぞっ! この場で確実に殺してしまえっ!」


「わかりましたっ! 喰らえっ、ルビア流大開脚ハイキッーック!」


「ぬおっ!? ぶひょぉぉぉっ! は……はいてない……だと……」


「あら? 当たる前に死んでしまったみたいですね、でも靴が汚れなくてラッキー!」



 ルビア流大開脚ハイキックとは、先日精霊様が踏み付け処刑の際に使っていた『最後にパンツを見せてやる』という行為から着想を得た必殺技である。


 バレリーナの如く開脚し、敵の顔面にハイキックをお見舞いするところまでは通常の攻撃なのだが、その際、死に行く敵の目には食い込んだパンツがクッキリと焼き付けられるという有情の拳。


 だがこんなモブキャラにその大技を使ってやる必要などあったのか、そしてそのモブキャラが、蹴りを喰らわずにショック死した際に、鼻血を大量に噴きながら放った『はいてない』の言葉。


 これは少し確認をしておく必要がありそうだ、ルビアの奴、この期に及んで町中でのノーパンを貫いているのか……



「おいルビア、お前まさか今日もノーパンなのか?」


「いえ、確かにノーパンですが、『はいてない』というのは敵の見間違いです、ほら、今日は縄で縛ってあるので大事な部分はしっかり隠れていますよ」


「あぁぁぁっ! はいてないよりなお一層のこと悪いわぁぁぁっ!」



 どうやらサキュバスの店の片付けを手伝っている際、使わなくなった『お仕置きコース』専用の縄を発見し、譲り受けたらしい。


 だからと言って翌日の真面目な作戦行動に際して、それで自縄自縛(物理)してくるなど言語道断。

 ルビアには正座や夕食抜きなどの厳罰を……と、まだ作戦は終了していないのであった、用心棒は潰したが、屋敷の主はまだ建物の中だ。


 すぐにルビアのたくし上げたスカートを戻させ、建物の中へと突入する。

 階段でふと気になったのだが、ジェシカのズボンにもパンツのラインが浮かんでいないし、チラリと見えたセラとマーサの尻にもパンツらしき布地が見えない。


 これは問題の根が深い気がしてならないぞ、真昼間から趣味で自縄自縛しているような奴は、後程確認して一斉摘発する必要がありそうだ。


 などと考えているうちに屋敷の主の部屋へ辿り着く、外ではΩ達が見張っているゆえ、あの珍野郎のように窓から逃げたということは考えにくい。


 部屋の扉をマーサが蹴破り……やはり縄で縛っているようだ、この変態ドMウサギめ……まぁそれは良いとして、フルオープンとなった部屋の、執務用デスクの後ろにはデブが立っていた。


 覚悟を決めたのか、逃げ出そうという様子は一切見られない、というか何やら余裕の表情を浮かべているではないか、雲功、湿功、珍功以外にも、何らかの秘策や最強の護衛が存在しているというのか?



「おいクソゴミデブ野郎! 何だか知らんがやけに余裕じゃねぇか、もしかして気持ち悪い自分の容姿に嫌気が差して、俺達に殺されることがあり難いことだとでも思い始めたのか?」


「ふんっ! 貴様等こそ余裕そうではないか、このデバイスを見てもそれが保てるかな?」


「何だそれ? そんなもの換金価値がなさそうだから要らないぞ」


「ブフォフォフォッ! これはこの間屋敷に来たブルー何ちゃらの営業が置いて行った『緊急連絡用デバイス』、このボタンを押せば1週間程度でΩだか何だかという最強の魔導兵器が、遥か東の本社工場から大量に送られてくるそうなのだっ! ちなみにもう押したからなっ! あと1週間待てば助けが来るゆえ、そのときを震えて待つが良いっ!」


「……それで、今この場で最大のピンチに陥っているという状況はどうやって切り抜けるんだ?」


「え? あっ、うっ……そ……それを考えていなかったではないかぁぁぁっ!」


「どんだけ頭悪いんだよこのデブは……まぁ良いや、誰かコイツを捕まえて、ズタ袋にでも入れておいてくれ」


「ぎゃぁぁぁっ! 見逃してくれぇぇぇっ! ほげっ……」



 やかましいデブは捕らえ、そのまま屋敷の中を漁って金目のものだけ回収しておく。

 外のΩ軍団には略奪と殺戮に戻るよう伝え、俺達も適当なところで捜索を切上げた。


 1週間後にまたΩの軍勢か、そんなに時間があるというのであれば特に問題はないな、連中が来たときには既にこの地域はもぬけの殻、死体と瓦礫、それから壊れたシルバーΩの残骸が転がる死の町と化しているはず。


 まぁ、完全に放っておくというのもアレだし、とりあえずここを滅ぼし次第、ゆっくりと対策を考えていくこととしよう……

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