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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第九章 怨霊軍団との戦
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53 国境の戦い

「まだ着かないのか?」


「今日中には着きます、そしてこのやり取りは3回目です」


王国と聖国の国境までは、なんと馬車で4日もかかるのである、地味に遠い。

今日はその4日目なのだが、未だに国境らしきものは見えてこない、というか国境って目に見えるものなのだろうか?


「軍の連中はもう着いているんだろ? 向こうと睨み合いでもしているのか?」


「ええ、宣戦布告前に出たこちらが国境に着くのと、聖国側が着くのがほぼ同時だったようです、向こうの聖都からの方が近いですからね」


「で、聖国側の軍はやっぱり魔族なのか?」


「いえ、先程の報告だと見た目は人間のようです、ユリナちゃん達に見て貰うまでは本当に人間かどうかわかりませんが」


国境へ向かう旅の途中、俺達の乗った馬車には何度も何度も、王国の兵士が馬に乗って何らかの報告をしてきた。

それは宿のことであったり、味方や敵の情報であったりと様々だが、大変にご苦労なことである。

もう個人的に表彰してやりたい、金は一切やらんがな。



様子を見るために先行していた精霊様が戻ってきた……


「もう少し向こうに王国と聖国の軍が見えたわよ、怨霊の臭いがしたから取り憑かれているのも多そうね」


ですよね、結局そうなってくるんだよ。

怨霊と聞いてお化け怖いチームは震え上がった、こんなんで戦えるのか本当に?





「あ、見てっ! あれがウチの軍じゃないかしら?」


「そうですね、インテリノの旗が見えます、本陣の守りはやはりウォール家のようですね」


ようやく着いたようだ、草原を挟んで両陣営の背後は森、こちらは少し小高い丘も陣取っている、ちょっと有利そうである。

俺達の接近に気がついた兵士達がマリエルの旗を準備している、勇者パーティーの旗とかも欲しいんですが? というか勇者軍も早く欲しい。


誰かが嬉しそうに走って近づいてくる、シールドとバトラーだ、本当に戦争が好きな奴らだ。



「勇者殿、一旦本陣へ入ってくれ、作戦会議をやっている最中なんだ、是非異世界の兵法などを参考にさせてくれ」


「わかった、すぐに行く!」


兵法なんて知りませんよ、平方根すらイマイチわからないんですから。

アレだわ、適当にそれっぽい陣形組んで戦っとけば良いんでないの?



本陣に入る、何やら偉そうな将軍達が、地図の上で凸みたいな形のやつを動かして遊んでいるようだ。

最新のボードゲームかな?


「勇者殿、来られましたか、早速ですがこの陣形でここからこうやって切り込んでこういう感じで……」


「インテリノ王子、その前に敵の正体を確かめたい、戦闘開始と同時にコイツの魔法で奴等の本来の姿を暴いてやろうと思うんだ」


サリナをひょいと持ち上げてインテリノに見せる、すぐに俺の作戦を察してくれたようだ。

戦闘が始まっていきなり仲間が魔族に変わったり、苦しみ出したりしたらどうなるか? 敵は混乱するであろう、そうなれば圧倒的に有利なスタートを切ることが出来る。



「そういうわけだ、俺達はちょっと敵陣の様子を見に行く、誰か案内をしてくれ」


偉いようで偉くない、ちょっとだけ偉いと思われるおっさんに連れられ、敵の背後の森に隠れながらその様子を見に行った。

これで本陣で兵法について聞かれ、醜態を晒すことは回避できたのである。

異世界に転移しようが何だろうが、普通の日本人はそんなこと1ミリも知らないのですよ。



「勇者様、ここから見えるのが敵の本隊です、数は全部で1万程、中央の天幕に敵将が居るはずです」



「よし、ユリナ、サリナ、ちょっと様子を見てくれ、敵将まで確認したら戻るぞ」



「半分ぐらい……ですわね、取り憑かれているのは、残りは洗脳されただけの人間のようですわ」

「指揮官らしき格好の者は魔族ですね、中級魔族、それから下級も混じっています」


外に居る連中については2人の力ですぐにわかるのであるが、敵将はなかなか出てこない、ウ○コでもしているのか?

天幕の中には居るようだ、索敵に反応しているということは敵意むき出しの魔族なのであろう。



「ダメそうだな、見つかると拙いから帰ろう」


「そうですわね、待っていても始まる直前まで出てきませんわ、きっと」



おっさんの先導で来た道を戻る、王国軍の兵士は何やら盛り上がっていた。

今回の総大将であるインテリノがスピーチしているらしい、マリエルの100倍は上手である。

俺達はとりあえずパーティーで集合しようかな……



「はい集合、皆さん集合です! おい早く集まれ……」


皆テンションが上がっているのであろう、真面目なミラ、早く戦いたいカレン、火を吹きたいだけのリリィは座っているが、他は遊んでいる。

マーサなんかもうどこへ行ってしまったのかもわからない、とりあえず見当たらないのである。

仕方ない、1人ずつ言いに行こう。


「戦闘が始まったらまずはサリナね、敵の本性を暴くんだ」


「わかりました」



「次はリリィとユリナ、洗脳されている馬鹿な奴等を焼き払え、憑依されている人を巻き込むなよ!」


「は~い」

「了解ですわ」



「その後はミラとカレン、それからジェシカが突撃、セラはブレスを撃った後のリリィと一緒に行動な」

「精霊様はマーサと一緒に動いて適当に怨霊系の奴等を吸い込んでくれ、マリエルは本陣、ルビアは救護班、以上!」


俺は日向ぼっこでもしていよう、呼ばれたら聖棒で突きに行けば良いのだ。


ちなみにマーサは本陣でマトンと遊んでいたようだ、お前の持ち場はそこではない、前衛だ。

捕まえてデコピンし、精霊様のところへ連れて行く、バスターズの装備を準備させておいた。



「勇者殿、敵将が出てきたようです、姿を見ますか?」


「おうインテリノ王子、わかった、ユリナは一緒に来てくれ!」



ユリナと一緒に最前列に向かっていく、居た、あいつだ!

俺にも見えるということは幽霊ではないな、見た目は人間だ。


「あの方、草魔将の補佐ですわよ……どうしてこんな所に?」


「ゆうれいの部下は俺達が殺り捲ったからな、借りて来たんじゃないのか?」


「その可能性は高いですわね、あれなら大丈夫、どちらかと言えば頭脳タイプなので、ウチの近接戦闘メンバーなら誰でも勝てますわ」


「一騎打ちに持ち込めれば、だろ……」


「ええ……」


一旦戻ると、ユリナが今見た敵のことをマーサに報告していた。


「ねぇマーサ、オリバーが居たわよ、草魔将から借りたのかも知れないわ」


「あら、あいつは脇の下からオリーブオイルが出るのよね、ミラちゃん、料理用に欲しい?」


「臭そうなので要りません……」


ごもっともである。



『お~い、勇者殿ぉ~っ! そろそろ始まるらしいぞっ!』


シールドが呼んでいる、サリナを連れて前に出よう。

敵の側から仕掛けてくるようだ、そのためにオリバーとやらは前に出てきたのだな。





『聖国軍の皆さん! 全軍、攻撃を開始して頂けますでしょうか!』


何だあの腰の低い大将は?

とにかくこっちもサリナを出そう!


「サリナッ! やれぇっ!」



サリナがいつも通り指を鳴らす、苦しみだす者、醜い姿に変わる者、そして仲間の変化に戸惑う者など、敵軍は完全に混乱した。


ちなみに霊がはみ出た奴も居るようだ、ミラが後ろでおもらししている、カレンとジェシカは耐えたようだ。

ルビアは救護所のテントに隠れている。



徐々に敵軍は動き出した、動けるものは半分程度であるが、それらが一塊になって押し寄せてくる。

奴等は憑依されているわけでもなく、洗脳されているのだ、馬鹿共め!

自軍の指揮官の姿が魔族になっても、それについて何か疑問に思うことは無いようである、慈悲を与える必要は感じられない。


「リリィ、ユリナ、焼いてしまいなさい! 周りは森だからな、最小限で頼むぞ!」


ブレスと、爆発のような火魔法が聖国軍の一団を襲う、火が点いてのた打ち回る者、そのまま黒焦げになる者、直撃した者は灰となったようだ。

洗脳されているのは敵対行為をしていることの言い訳にはならない、惨たらしく死ね。



「じゃあ、そろそろリリィちゃんを借りるわね、ハイこれ、おやつの干し肉を齧りながら行くわよ!」


「ユリナは本陣に戻って良いぞ、サリナも、お菓子が用意してあるはずだ」


「やったっ! さぁ姉さま、早く!」


続いてカレンを先頭にした王国軍が突撃を開始する、だからカレン、貴族の人達にも少しは良いところを譲ってあげなさい……

そういえばバトラーは帝国に行ったはずだ、帝国貴族として来ているのか? そういえばキャリルは本陣で待機していたな、突撃しているようだが観戦武官なんじゃないのか、お前は……



「おいミラ、ジェシカ、早く行け、皆行ってしまったぞ、あと矢が飛んできたぞ!」


幽霊を見てへっぴり腰になっている2人の尻を聖棒でシバく。

カレンは戦いたい欲の方がお化けに対する恐怖よりも勝ったようだがこの2人はダメだ、本陣に引っ張っていき、サリナに幻術を掛けて貰った。


そこへ、精霊様入りの掃除機を背負ったマーサも入ってくる。


「もうカートリッジが一杯よ、ちょっと幽霊タイプの魔族が多いみたい」

「ちょっと、人間の怨霊が少ないんだけど、不満だわっ!」


そうだよな、魔族が始めた戦を手伝ってやるような気前の良い怨霊はそうそう居ないであろう。

ここに居る、というか居て精霊様に食われた怨霊は、もしかすると脅されて参加させられたりしたんじゃないのか?

まぁ良いか、どうせ悪さをする怨霊だろ? 野放しにしておいて良いモノではないからな。



「あ、そうだマーサ、カートリッジは今ここにある分だけなんだ、追加は無いから今回は温存して欲しい、聖国内に攻め込んでから一気に使おう」


「そしたら私と精霊様はストレス発散のために敵を殺してくるわ、ね、精霊様っ!」

「じゃあそうしましょうか、お腹も満たされないし、イライラしてきたわ!」


やる気満々のマーサと精霊様、それからヤバい幻術をキメたミラとジェシカが突撃して行く。

頼むから味方に被害を出すのだけはやめて欲しい。


さて、俺も出るとするか……


といっても俺は幽霊が見えないし、そもそも戦いたくも無い。

そこで『魔族の止め刺します』と書いたたすきを掛け、戦場をうろうろしておいた。


「勇者様、ここを突いて下さい!」

「勇者殿、こっちも頼む!」

「勇者のダンナァ! こっちを……」


わりと忙しいのだが? しかも結構矢が飛んでくる、危ない。


カレン、シールド、バトラーの3人は相変わらず突出しているようだ、今回はそこへマーサも追いついて来ている。

上空からはリリィのブレスと精霊様の水が降って来る、セラも時折魔法を放っているようだ。



『聖国軍の皆さん! 一旦引いて下さいませんか! 態勢を立て直したいと思っております!』


先程の腰が低い敵将オリバー、なのだろうが誰かが掛けたと思しき幻術が解けてもう完全に木そのものである、顔がついているがな。

横に長く伸びた2本の枝の付け根から黄色い液体が垂れている、オリーブオイルであろう。


下がっていく敵、一方王国軍は深追いするのをやめ、元よりもかなり前に出た位置で全軍を並ばせた。

シールドとバトラーが、興奮して尻尾の毛を逆立たせた状態のカレンを引き摺ってくる。

あれは放っておくと1人で突撃しかねない。


俺は一旦本陣へ戻ろう……


「ようインテリの王子、勝っているようで何よりだ」


「いえ勇者殿、油断はなりません、見ましたかあの敵将の禍々しい姿を?」


「ああ、あれは大丈夫らしいぞ、ウチのメンバーなら十分勝てる強さらしい」


「本当ですか!? ではここで一気に攻めて……」


「そうだな、敵がまた一箇所に固まってきたらリリィと精霊様が攻撃を再開するはずだ、そのタイミングで叩こう」


「わかりました、2人の攻撃を合図にもう一度突撃をかけさせましょう!」



インテリノと話した後、もう一度前線に戻ってカレンを宥める、本陣と前線の距離は500m程、ちょっと頑張れば行ったり来たり出来る距離だ。

敵はその先さらに300m位の所にある自陣に集結している。



上空を旋回していたリリィと精霊様が、わざわざ王国軍の真上を通り過ぎるようにして敵陣に向かう。

テンションが上がる王国兵、一方、聖国の軍は隊列を乱し、一部は逃げ出そうとしている。

恐怖によって洗脳が解けかかっているようだ。


ちなみに憑依していた霊が抜けて倒れた方々は救助してある、今立っているのは全部殺しても構わない連中だ。


ブレスに焼かれ水で流され、あっちへ逃げこっちへ逃げ、聖国の軍はもはや総崩れである。

敵将の木も逃げる準備を始めたようだ、だがもう遅い、突出組+マーサの4人が目の前まで迫っている。


マーサだけが、オッス、みたいな感じで挨拶めいた動きをした後、敵将はバラバラの木屑となって崩れ落ちた。

4人同時の攻撃である、なす術も無かったであろう。



『敵将を討ったぞ~っ!』

『王国軍の勝利だ~っ!』


シールドとバトラーが叫びながら戦場を駆け回る。

カレンとマーサはまだ殺し足りないようだ、手近な敵を見つけては切り刻んでいる。



大将を討たれた聖国軍は、魔族も人間も、全てが降伏してきた。

洗脳されていた連中は完全に正気に戻っているようである、ショック療法が効いたのであろう。


初戦は王国軍の勝利だ……



※※※



「偉いわ~っ! 初陣で大勝利よっ、さすが私の弟ね!」


9歳にして初陣、しかも完全勝利を勝ち取ったインテリノよりも、姉のマリエルの方が喜んでいるようだ。

インテリノは迷惑そうにしている……



「あ、勇者殿、姉上を何とかしてください、先程からしつこくて」


「マリエル、そんなところで遊んでないでルビアを手伝って来い、怪我人が多いぞ!」


「わかりました、では行ってきますねっ!」


「全く、どうしようもない姉上です、ところで勇者様、投降して来た敵軍はどう処理しましょう?」


「連れて歩くのも面倒だ、というか無理だ、魔族は当然として、人間の方も処刑しよう」


「では憑依されていただけの人間は王都に使いをやって迎えに来させます、それ以外は今から殺しましょう」


処刑すべき捕虜の数は魔族50と人間700程といったところか、精霊様にお願いしよう。


「精霊様、捕虜の処刑を頼みたい、今日はここで野営するそうだからゆっくりやってくれて良いぞ」


「任せなさい、最大の恐怖を与えて残酷に殺してあげるわ!」


「ああ、特に洗脳されて魔族に加担した人間は苦しめてやってくれ、そんな奴等精霊様のストレス発散用以外に価値が見出せないからな」



精霊様は王国軍の兵士達に処刑方法のアンケートを取り出した。

今日の夕飯時の余興として殺していくつもりのようだが、頼むから俺からは見えない所でやって欲しい。

飯が不味くなるどころかリバースしてしまう。


王国軍が夕食の準備をしてくれている間、ユリナが頑張って風呂を準備してくれた。

火魔法と水魔法を駆使し、巨大な桶に湯を張ったのである、有能だ。

怪我人の治療に当たっていたルビアも呼び、順番に体を洗う。


「カレンとマーサは特によく洗えよ、尻尾が血でガビガビになっても知らないぞ!」


ユリナ特製の風呂は人気が出た、貴族達が列を成して待機している、結局桶50個分程の湯を用意させられたらしい。

火魔法使いと水魔法使いが集まって手伝ってはいたが、そもそもの魔力量が桁違いのユリナがほぼやらされていたと見て良いであろう。



「俺達は貴族と同じ飯だってよ!」


「お姉ちゃん、貴族の夕飯なんてなかなか食べられるものじゃないわ、余ったら持って帰りましょう」

「そうね、持って行って明日の移動中に食べるべきだわ」


リリィが居る限り余ることは無いというのを見抜けない、実に残念な貧乏姉妹であった。



「というかあれだけ人間を切り刻んだ後にステーキかよ……皆神経が図太いな、ほらカレン、俺の分をリリィとはんぶんこしなさい」


「ご主人様、ありがとうございますっ!」

「お肉美味しいです!」


もう今日は肉を見たくない、貴族用の白いパンだけで十分である、野菜も少しマーサに分けてやった。


俺達が食事をしている最中に、兵士達は勇者パーティー用として大きめのテントを1つ設営してくれる。

治療班のルビア、その手伝いのセラとミラ、それから処刑がしたい精霊様以外の8人がここで寝るのだ。


治療班と精霊様、それから会議のマリエル、敵将討伐の表彰や追加の食事など、次々にメンバーが呼ばれて出て行った。

ユリナとサリナに至ってはアイドル活動などと称して変な踊りを踊っている、兵士は盛り上がっているようだ。


テントに残されたのは俺と、隅っこの方で体育座りで落ち込んでいるジェシカのみ……


「主殿、また私は幽霊などというモノに臆してしまった、サリナ様に術を掛けて貰わないと戦えんのだ」


「全く、ちょっとは克服できたと思ったんだがな……」


「この先の敵もこういった感じなのであろう、果たしてやっていけるのか、不安だ……」


「まぁ今回の魔将だけだし、それに最初より全然ビビらなくなったじゃないか、おもらしもしないしな」


「うぅ……主殿、ちょっと膝枕してくれ」




ジェシカを膝枕で慰めていると、会議を終えたマリエルが戻って来た。


「勇者様、私達の行動なんですが、もし良かったら明日以降、軍より先行して進んで欲しいとのことでした。」


「つまり、先に行って露払いをしておけと……」


「……よく考えたら実質そういうことになりますよね、断ってきます」


「いや、良いから先に行こう、聖国の様子もちょっと見ておきたいしな、あまり先を行き過ぎないようにはしたいが、少しぐらいは離れても大丈夫だろう」


「わかりました、では明日からは大型の装甲馬車で移動することになると思います」


何か強そうなのに乗せてくれるようだ、まぁ王女のマリエルを乗せて敵国内を行くわけだし、当然の措置であろう。


明日以降、もし余裕があるのであれば馬車を降り、一般の旅人の振りをして宿に泊まってみようなどという話もした。

このテントで寝るべき8人全員が戻ってきたため、就寝とした……

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