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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第三章 交換の後に
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538 ここでもまた

「……ねぇ勇者様、さっきから何だか変な気配がしてるような……気のせいよね?」


「気のせいでも何でもないし、現にほれ、あそこを見るんだ、この間殺害したジジィと似たようなのが居るじゃないか」


「本当ね、しかも今度は5匹、もしかしてアレも月から来たとかそういう類の世迷言を……」


「わからんが、少なくとも全員ミヤツコのジジィより強いのは確かだ、まだ真昼間なのにあんまり雑魚感が出ていないのがその証拠だな」



 作戦は成功し、人質にされていた王国軍の女性兵士を全員救出、ついでにこちらが交換で差し出したロリコン野郎も、さらには敵である反勇者、反王国系組織のかなり上の方に君臨していると思しき馬鹿共を捕らえることが出来た。


 そう思ったのも束の間、海に浮かぶ小さな舟が一艘、それに搭乗した5人のジジィが、こちらに明らかな敵意を向けた状態で居るのを発見してしまったのである。


 ついこの間討伐したばかりのミヤツコ、それと同じオーラを放つジジィ共の群れは、まるで漕ぐこともなく船を進ませ、ゆっくりと俺たちの居る海岸へと近づいて来る。


 現状はあの月から来たと主張していたミヤツコが弱体化し、完全に雑魚キャラと化していたのと同じ時間帯。

 だがどういうわけか船に乗った5人のジジィはそこまでの雑魚ではない、少なくともそれぞれが上級魔族100体分程度の戦闘力を持っているはずだ。


 まぁ、もちろん現状では俺達の敵ではない、サラッと攻撃すれば5人全てがアラッとこの世から消滅する程度。


 だがこれが夜になったとしたらどうか? 今が新月、つまり間違いなく奴等にとっては最も本領の発揮が難しい時期ではあるのだが、もうどう考えても俺たち全員より強く、束になっても勝てない次元の強さに変化するであろう。


 そして本人達もそれを見越しているようで、海岸には近づくものの、闇やたらに俺達の間合いへ入ったりはしない、今のところは『見』という雰囲気だ……



「ふ~ん、全然隙がないわね、あれじゃ私が攻撃を仕掛けても上手く逃げられるわ、たぶんリリィちゃんとセットで動いても1匹殺れるかどうか……」


「マジかよ、現状だとそこまで強いようには見えないんだが……まぁ精霊様がそう言うならそうなんだろうな」


「でも奴等、一体何が目的なのかしらね? もしかしてミヤツコとかいうのを殺された復讐だったりして」


「かもな、だがそうではないかも知れない、確認のために一度聞いてみようぜ、お~いっ! そこの薄汚いクソジジィ共! ちょっと俺たちの質問に答えてくれると助かるんだが~っ!」


「全く、勇者様は相変わらず聞き方が惨いわね……」



 セラに注意されてしまったが、まともな口の利き方などというものはこの異世界で生き抜くために必要でない。

 それに奴等は明らかな敵、この後戦って、殺害するべき対象なのである、それにどんな言葉を贈ろうと俺の自由だ。


 で、耳が遠いのか声が掠れて通らないのかは知らないが、ジジィ共の乗った小舟はもう少しだけ岸に接近、そこから何かを伝えようと、ジジィの1人が船首から身を乗り出す……



『貴様! わしを年寄り扱いするとはどういう了見じゃっ!』


「……いや、そういった感じのことは一切申し上げていないと思うのだが?」


『黙れいっ! わしは断じて年寄りなんかではない、まだ若々しく頭もハッキリ、聞こえもスッキリ、体の方もバッキバキなのじゃっ……で、今回は契約に従ってそこのほれ、捕まっておる変な酔っ払い人間を助けに来たというわけなのじゃ、殺されとうなければそれを置いてさっさと帰らぬか』


「そうはいくかよバーカッ! ボケジジィはとっとと帰って取ったばかりの食事をまだかまだかと待ちわびてりゃ良いんだよ、あと事故起こすと困るから馬車に乗るなよ、牛車もだ、免許は返納するべきだぜ」


『むきぃぃぃっ! まーた年寄り扱いしよってからにぃぃぃっ!』


「お、今度はキッチリ聞き取れたみたいだな、じゃあそういうことで早く月だか何だかへ帰れ、さもないとただでさえ老い先短いのがこの場で打ち切りになるからな」


『ぐぬぬぬっ……』



 こちらの挑発に対して怒りはするものの、やはりその辺の敵とは違って年老いている分賢いようだ。

 普通の奴、もちろんこの世界の住人に限定した場合、もうとっくに食って掛かってきて、即座に命を落としているはず。


 それをグッと堪え、俺達から一定以上の距離だけはキッチリ保っているジジィ5人、あともう少しだけ近づいてくれさえすれば精霊様の攻撃でどうにかなるというのに、なかなか上手くはいかないな……


 いや、しかしこのまま夜になると非常に拙いぞ、あのミヤツコのジジィよりも強い力を持っていることが確実の敵、それをまとめて5人も相手にしなくてはならない状況に陥ってしまう。


 もちろんそうなってしまった場合はこちらが方針を変更せざるを得ない、勝ち目はないため、せっかく捕らえた敵を引き渡して帰って頂く以外に生き延びる方法がないのだ。


 だがその状況を迎える前にどうにかしてしまいたいものである、何とかして舟ごと岸までおびき寄せ、一気に叩いて始末を付けてしまうのが目標。


 となるとジジィ共の気を引く、というか怒りで正常な判断能力を失ってしまうような話題を振らなくては……そうだ、この連中の仲間であることがほぼ確定しているミヤツコ、奴の死について教えてやることとしよう……



「え~っとだな、お前等はおそらく月から来たのだとか言うんだろうが、もう1人、お前等とは別にこの地へ降り立っていた仲間のジジィが1匹居たはずだろ?」


『わしは年寄りなどではないとっ! 何度言ったらわかるのじゃこの無能なボケナスはっ! で、もう1人の仲間じゃと?』


「いや、そこまで聞こえてんならまともに会話しようぜ、でだ、もう1人ってのはミヤツコのジジィのことだ、もちろん知っているだろう?」


『はて……あ、ん? おぉっ! そうじゃ、思い出したぞ、確か永年便所掃除担当大臣のっ!』

『ほうっ、あの便所掃除のミヤツコかっ、そういえばストレス発散のために毎日殴っておったの』

『うむ、すっかり忘れておったぞい、それで最近便所が汚い、というかウ〇コが全然流れておらんかったのじゃな』


「何だよその役職は……てかウ〇コぐらいは自分で流せやっ!」



 そういえばミヤツコのジジィが自分でも言っていたことだが、奴の評価は仲間内ではとんでもなく低いもの、完全に雑魚扱いであったのだな。


 だがいくら弱いとはいえ永年便所掃除を担当させるのは如何なものか、そういうのは持ち回りでやるか、高い金を出して専用の業者に依頼……と、そんなことを考えている暇ではなかったな、ここで奴の死を、もちろん俺達によって殺され、無様な姿を晒しながら地獄に落ちたことを教えてやらねば……



「おいっ! お前等が馬鹿にしているその便所掃除担当大臣のジジィだがな、俺達がブチ殺してやったぞ、最後はスライスになって死に晒したぜっ! どうだ悔しいか? ん?」


『ブワッハッハッ! あの馬鹿者め、こんな連中に殺されていたというのか』

『大方油断して真昼間に戦ったのであろう、奴は知能が低すぎるがゆえ、我ら月族の力の流れを理解しておらんかったからの』

『で、その馬鹿者を殺したことをわしらに自慢したいというのか? そんなの、もう秒でやってのけることが出来なくてはならぬことじゃ ブワッハッハッ!』


「……えっと、もうそんな感じだったんだ……まぁ、とりあえず奴は死んだから、それだけだ」



 完全なるスカ、このジジィ共にとってはミヤツコの死などどうでも良いこと、些事なのであろう。

 俺達が奴を殺したことに関して全く動じないどころか、これまで怒りに震えていたリーダーらしき1人も笑い、落ち着きを取り戻してしまったではないか。


 仲間の死をもってキレさせる作戦は完全に裏目、この連中は亡きミヤツコのジジィのことを仲間だとは思っていない、せいぜい便利な雑用係か、ストレス発散のためのサンドバッグぐらいの気持ちでいたのであろう。


 さて、となるとここから先は厄介だ、このまま攻撃を仕掛けられずに敵が強化される夜を迎えてしまうのか、それともダメ元で飛び道具を使った一斉攻撃を仕掛けていくべきか。


 いや、どちらにせよ勝利する望みは薄いな、精霊様でも、それにリリィが参加しても空中からの攻撃をヒットさせることは容易でないというのは先程聞いた通り。


 魔法攻撃も効果が得られるのか不明、というかこの時点でセラもユリナも、そしてタイプの違う魔法を使うサリナまでもが沈黙しているということは、各々の攻撃力をもってしてはダメージを与えられないと踏んでいるのであろう。


 他に何か有効な手立てはないものか、そういえばマーサは海の上を当たり前のように走る能力を持っていたはず……



「なぁマーサ、ちょっと海面を走って行って奴等の顔面にキツいのをガツンとお見舞い出来ないか?」


「う~ん、無理だと思うのよね、だってたぶん殺気で気取られるもの、攻撃モーションとかじゃなくて、私が助走を付け始めた途端に一目散だと思うわよ、もちろんドロンと消えるみたいに」


「そういうことか、ミヤツコのジジィは竹に紛れて行方を眩ましたけど、こっちのジジィ共はまた別の方法で逃げるんだな……」


「みたいね、どうやるのかはわからないけど、きっと凄い方法で逃げだすつもり、それはもう動きでわかるわね」



 マーサの言いたいことは戦闘センスがイマイチな俺にはさっぱりわからないが、マーサの隣ではマリエルが、そしてカレンも精霊様もウンウンと頷いていることから、別にデタラメを言っているのではないことだけは確かである。


 ということで全く手が出せない、すぐ近くの海上に浮かぶ小舟の上で、ジジィ共は余裕の面持ち。

 既にこちらが手詰まりであることを察し、このまま対峙しつつ、ゆっくり日が沈むのを待とうというのだ。


 そして日没後に上陸、せっかく捕らえた馬鹿共をロリコン野郎も含めて一気に掻っ攫っていくのであろう。


 また攻撃を受ける際にはそれだけでは済まないのが明らか、というか、先程からジジィ共がジロジロと見ているのは肉付きの良いジェシカの尻や太もも……これはあらかじめどこかに隠れさせないと、仲間を愛玩用として拉致されるという最悪の事態に発展しかねないな……



「クソッ! 本当に卑怯卑劣、ゴミみたいなジジィ連中だなっ!」

「そうよっ! 今すぐに上がって来て正々堂々と戦いなさいっ!」


『黙れっ! わしは年寄りではなく少し腰の曲がっただけのヤングなのじゃっ!』


「だからそういう話じゃねぇっって何度言ったらわかるんだよっ!」


『あっ、はいまた年寄り扱いしたーっ! 貴様、絶対に許さぬぞっ! 少し黙っておれっ!』


「おう、もうこれ以上会話したいと思えないわ……」



 誘い出すことも出来ない、そして話もまともに通じないという状態で時間だけが流れていく。

 真南にあった太陽は徐々に角度を付け始め、そろそろ気温が下がってくる、その時間帯を超えたらもう夜、完全に奴等の時間となってしまう。


 ここで一旦周囲の様子を見ておこう、まずサキュバス達は……もう本店の方で打ち上げを始めているようで、海岸沿いで繰り広げられている戦いのことなど露知らず、楽しそうな笑い声がここまで響いてくる。


 救出した兵士や砦の指揮官、実働部隊は……何らかの危険が生じていることを察し、もうかなり遠くまで逃げたようだ、これは正しい判断であるといえよう。


 そして一番の問題である海、5人のジジィは今か今かと、まだ当分先である日没を待ち望みながら、適当に雑談、いやジェシカの太ももの話をしているではないか、本当に危険極まりない連中だ。



「……おいジェシカ、ちょっと逃げた方が良いと思うぞ」


「うむ、確かに私が狙われているのはわかっている、だがこんなところで敵前逃亡など……」


「いや、今回はプライドとか矜持とか家訓とか、そういったしがらみに囚われず臨機応変に対応した方が身のためだと思うんだがな」


「で、では少しだけ後ろに下がって……」


『ブフォフォフォッ! エッチな女子よ、そうはさせぬぞ、今日より貴様はわしの嫁、わしの屋敷で不老不死の術を施し、これから末永く共に過ごそうぞっ!』

『いや待て待て、あの者はわしの嫁に……』

『いやわしが、わしがっ……がべっぽっ!』


「はっ? 何だよ今のは……」



 ジェシカを巡って内輪揉めを始めた5人のジジィ、ろくでもない限りだと思いつつそれを眺めていると、そのうちの1人、後列の右端に居たジジィの頭が消し飛んだではないか。


 仲間割れの結果として残り4人のうち誰かが攻撃を仕掛けたのか? いや、他も一様に驚いた表情をしている辺り、そういうわけではないのだということがわかる。


 では一体誰が、何者があのジジィの頭を吹き飛ばしたのだ? 戦闘センスの高い仲間曰く、殺気を感じてとんずらしてしまうような敵の頭を、気付かれずに一撃で消し飛ばした猛者が……居た……



「えいやっ!」


『ぶちゅっ!』


「あったり~っ!」


『わぁぁぁっ! こ、こんどはわしがやられて……これでは前が見えぬではないかっ!』


「……何でああいう人達っていつも頭なしで喋れるんでしょうね? まぁ良いや、次いきま~っす!」



 謎のスナイパーの正体は俺のすぐ後ろ、海岸の石を拾って遊んでいたリリィであった。

 ポケットに詰め込んだ良い感じの石を、良い感じのフォームで小舟に乗った的目掛けて投げる。


 当然そこには殺気もなく、攻撃モーションも非常に小さい、リリィにとってこの投石攻撃は、単なる的当てゲームであって敵を殺害するためのスナイピングの類ではないのだ。


 そして、そのことが功を奏しているのである、敵は未だに後ろで遊んでいる少女が、仲間2人……いやもう3人の頭を吹き飛ばしたなどとは思っていない、そんなことは想像だに出来ていない。



「次! 最後はふたつまとめて~っ……うりゃっ!」


『あっ、アイツがへろぼっ!』

『うべぽっ!』


「よっしゃ~っ! 全部ヒットしましたよっ! 何か食べられる景品が出ますかねっ?」


「お、おう、迸る血潮とか、あとジジィの中身が出ているな……」



 あっという間の出来事であった、これまで散々悩み、考え、もう八方塞がりなのではないかと思い始めていた5人のジジィとの戦い。


 だがその苦戦は、苦戦していることすら認識せずに遊んでいたリリィによって解決されてしまった。

 しかも『投石』という、とても正義の味方がやるようなものではない攻撃によって……


 ちなみに頭が消し飛んだ5人のジジィ、どういうわけか、というかこの世界ではもう定番なのだが余裕で生きている、そして原理不明の方法によって普通に喋っている。


 しかし頭がない以上、目は見えていないようだ、ここは通常の人間と同一で安心したのだが、とにかく手を前に出して右往左往、その動きは明らかにこれまでのものとは異なっていると、先程までの奴等の動きから色々と察することが出来ていなかった俺にさえもよくわかった。



「さてと、じゃあここは私が魔法でスライスするわね」

「その後で焼き尽くしますの、薄く切ってくれると燃やし易くて良いんですのよ」


「じゃあセラ、ユリナ、あとの処理はお前等に任せた、とりあえず跡形もなくなるように、素粒子レベルで崩壊するように徹底的に殺ってくれ」



 後始末は完全にお任せし、俺は新たな敵との戦闘が生じていることに気付きもせず遊んでいた元魔王軍四天王を叱り飛ばしに行く。


 砂浜を歩いている途中、大爆発の衝撃と、本当に粉微塵になったと思しきジジィか、その周りの何かから飛び出したらしいニュートリノをいくつか、聖棒で打ち返して本塁打を獲得する。


 ボッタクリバーの本店ではアンジュと、それから中心メンバーを正座させて拳骨を喰らわせておいた。

 もちろん鋭い角が刺さって大出血した俺は、今度はルビアの治療を求めて砂浜を帰る。


 ちょうど避難していた女性指揮官達も戻って来たところのようだ、救出した兵士達の縄は未だに解けていないのだが、もう敵が存在しない以上、ゆっくり自然解呪されるのを待てば良い。



「これで一件落着、ということでよろしいでしょか?」


「うむ、とりあえずはな、あとは捕まえたこの馬鹿共を砦に持ち帰って……」


「処刑しますか?」


「いや、その前にまず拷問をしておきたい、あとこいつらが真の大物だったとしたら、処刑場所は砦じゃなくて王都の広場になるだろうな」


「あら、それは残念です」


「だがアレだ、これから帰る前に町で食料調達をするからな、その辺をウロついているクソ連中を適当に逮捕して処刑すれば良いんじゃないか?」


「それもそうですね、では魔法が解けて兵士達の縄をどうにか出来るようになったら町で略奪、そのまま砦に帰還することとしましょう」



 その後、町で散々略奪と破壊行為を繰り返した俺達は、逆らう者を生きたまま焼却したり、細かく斬り刻んだりしながら人の住むエリアを抜け、ついでに付近の盗賊団なども壊滅させつつ砦を目指す。


 なお、今回の圧倒的MVPであるリリィには、反勇者を看板に掲げて営業していた肉屋の屋台を、中身の店主だけ消し去ってそのままプレゼントしてやった。


 町やその付近での戦いの間に、女性指揮官らの乗る馬車の御者兼捨て駒として使っていたおっさん兵が殉職したが、汚いので死体はその辺のドブに捨て、女性兵士の中から御者が出来るものを募り、ついでに俺達の馬車も、そして捕らえた馬鹿を収納した牢付き馬車もどうにかさせる。


 そこから先は非常に快適な旅であった、行きに邪魔臭い敵共を一掃してあったのもそうだが、この先は特に難しい作戦もなく、帰って風呂に入って寝るだけという旅路であったためだ。


 何日か後にようやく砦が見えてくる、楽とはいえ徒歩で進む兵士達を連れての旅にはかなり時間を要した。


 今回ゲットした敵の幹部らしき連中と、それから取り戻したロリコン野郎を使ってこの後の作戦は進む、次こそは間違いなく、鬱陶しい『何でも反対』連中を根絶やしにしなくては。


 と、その前にまずは休憩だ、色々とあって疲れ果てたし、すぐに門を開かせて中へ入ろう……

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