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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第三章 交換の後に
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532 わかった

「ということで今日はもっと準備して待ち構えようぜ」


「トラップでも設置する? でもそうするとうっかり犠牲になるのは勇者様な気がするけど」


「うむ、暗い森でトラップはよそう、片付けの際に見落として、明日の朝俺が嵌まる未来しか見えないからな」


「じゃあ簡単な警報装置だけにしておくわね」



 ミヤツコのジジィを待ち構える、そして本当に『月の満ち欠け』によって強さが変化するのかを確かめるため、俺達は最低限の準備を進めていた。


 まずは木と木の間にロープを張り、そこに色々と木の板や何かをぶら下げ、引っ掛かった際にはガラガラと音を立てる仕組みである。


 これだと野生動物や森の中をウロついている変質者にも反応してしまうのだが、動物は肉として使え、変質者は新しい処刑器具の実験台として最適だ。


 まぁ、もちろんあの最強のジジィがこんなモノに引っ掛かってその接近を俺達に報せてしまうようなことはないと思うのだが、一応はやっておくべきことでもある。


 ちなみにジジィの狙いは『嫁』として一時誘拐した美少女のみであることもわかっているこの状況。

 当人を全力で保護すべく、馬車の中で荷物に紛れ込ませるかたちを取っている。


 もちろん縛り上げたりはせず、いざとなれば自分の足で逃走を図ることが可能な状態。

 俺達に捕まっているという現状よりも、あの変態ジジィに誘拐されるという未来の方が恐ろしいはずなので、このまま逃げはしないはずだと期待してのことだ。



「よ~し、準備はこのぐらいで……と、どうしたリリィ?」


「ご主人様、落とし穴を掘っても良いですか? カレンちゃんと、あとマーサちゃんも一緒に」


「別に構わないが、ちゃんと『危険、落とし穴アリ』って書いとけよ、俺が落ちたりしたら承知しないからな」


「えぇ~っ、それじゃ罠の意味が……」


「そうか、じゃあ3人共100叩きの刑だな」


「か……書きますから……」


「よろしい、あまり深く掘るなよ、万が一何かあってもすぐに上がれるようにしておくんだ」


「えぇ~っ」


「そうか、じゃあ100叩きの……」


「わっ、わかりましたですっ!」


「うむ、ちゃんと理解出来て大変によろしい」



 許可を得て落とし穴を掘り始める3人、最初の頃はカレンとリリィのみでやっていたのだが、ベースがウサギで穴掘り好きなマーサは、もう500歳を超える立派な大人だというのに我慢が出来ず、次第に参加するようになっていた。


 というか、カレンにしてももう18歳なのだが……あとリリィは12歳か? リリィはともかく、あとの2人は根本的に落とし穴を掘って喜んで良い年齢ではない。

 特にマーサは俺の20倍以上も生きているのに、どうしてあれほどまでに知能が低いのだ……


 と、そんなことはどうでも良いとして、俺は今日も今日とて実施されるカレー作りに関与すべく、『カレー作成委員会』の方に参加しよう。


 本日の予定は『野菜たっぷりグリーンベジタリアンカレー』、『ドM向け激辛カレー』、そして『肉だけの肉王カレー』の3種類である。


 俺のオススメはグリーンと肉の混合なのだが、その辺りは思想信条、または生態によってかなり異なってくる。

 連行している最中の美少女達の中にも、基本的に野菜しか食べないタイプの子が居るし、あとドMの子も複数人確認されているのだ。


 パーティーの中でもドMキャラはかなり多いし、結果的には『激辛カレー』を主に作っていかなくてはならないはず。


 その激辛は持っているスパイス、主に唐辛子パウダーをありったけ、ベースはもちろん、大きいドMのお友達であるマーサにも食べられるグリーンカレーとする。



「おいルビア、ドM筆頭として一度香辛料を直でペロペロしてみろ」


「イヤですよそんなプレイ、食事の楽しみが減る感じの痛さは私の好みではありません」


「そうか、それはすまんかったな、詫び代わりに頬っぺたを抓ってやろう」


「いてててっ、う、うれひいでふっ!」


「よし、ではお散歩の時間だ、行くぞっ」


「はひぃぃぃっ!」



 カレーのスタイルが決まって暇になった俺とルビア、もちろんヘタクソだし邪魔だということで調理は手伝わせて貰えない。

 仕方ないので2人で午後の森を散歩しつつ、夕食までの時間を潰すことに決めた。


 とりあえず適当に歩き、ついでに設置が進んでいる警報装置のチェックや、落とし穴を掘っている3人の監視、それから念のための警戒をしておく。


 まぁ、あの感じ、つまり昼間の弱体化を考えると、ミヤツコのジジィがこのタイミングで襲撃してくるとは思えないが、野獣や魔物、森の変態などといった鬱陶しい外野に邪魔をされることがないようにするのも重要な任務である。


 ちなみにジジィの竹製掘っ立て小屋でゲットした周辺マップを持参した、これは単なる散歩ではなく、バトルフィールドとなり得るこの森の詳細を把握するための非常に重要な行為なのだ。



「あ、ご主人様、凄くしなる枝を見つけました、これは鞭打ちに最適ですよ」


「おう、じゃあ試し打ちをするから尻を出せ」


「待ってましたっ、はいどうぞ……きゃんっ! いちゃいっ! もっと強くっ!」


「この雌豚がっ! 尻を引っ叩かれて嬉しいかっ?」


「最高ですっ! やっ、ひゃんっ! あ、誰か見てます……」


「何だってぇぇぇっ!? クソッ、こんなプレイをしているところを見られたなんて、もう殺すしかないだろその目撃者はっ!」


「でももう逃げちゃいましたね、そっちの竹に登ってそっちの竹に飛び移って……あれ?」


「おいおい、てことは目撃者は……」



 竹林から少し離れた場所ではあるが、周囲の森には若干ながら竹が生えている。

 俺とルビアの秘密の遊びを目撃した『賊』は、わざわざそれを伝って高速で逃げた、つまり竹に関係するキャラということ。


 この状況で『竹キャラ』なのはもう、ミヤツコのジジィを差し置いて他には考えられない。

 とんでもないシーンを目撃されてしまったではないか、完全に弱みを握られたかたちだ。


 しかしなぜ奴がこの時間帯にこんな所に居たのであろうか? 何か目的がない限りは外出し、自分の間合である竹林から離れたりしないような気がするのだが……



「ご主人様、ちょっと周辺マップを見せて下さい」


「ん? ああ、そういえば懐にしまったままだったな、ほれ、好きなだけ見るが良い」


「ありがとうございます、で、え~っと、あ、ほらここ、このすぐ近くに『復活の泉』なるものがあるみたいですよ」


「復活の泉? 何だそりゃ……」


「おそらく傷を治す効果がある温泉の類かと、だってそのおじいさん、最初は中級魔族と戦って怪我をしたんですよね? でも次に会ったときには回復していたと」


「じゃあその傷は回復の泉とやらで治癒させたってことか、そして今あのジジィはカレンにやられた傷を癒して……おい、ちょっとその泉を探そうぜ」


「はい、そのおじいさんが私達のことを見ていたのだとしたら、きっとこの近くに回復の泉があるはずです」



 ということでルビア2人、『回復の泉』とやらの捜索に当たる、最初に地図を広げてみたときには書き込みも多く、全くその存在に気付いていなかったのだが、どうやら自らが回復魔法使いであるルビアはそのとき、『復活』というキーワードに反応してそこに目が行っていたようだ。


 後で褒めてやろう、ご褒美として甘いものもくれてやろう、だが今はその復活の泉を捜索するのが先決。

 ターゲットはすぐ近くだ、破壊するなどしてジジィの回復手段を断ってしまう、それがベストな選択肢である……



 ※※※



「あったっ! ありましたよご主人様!」


「おう、ようやく……って、完全に温泉じゃねぇかぁぁぁっ!」


「でもご主人様、原泉掛け流しだからあのおじいさんの出汁が出ていたお湯はもうどこかへ流れています、はいっても大丈夫だと思いますよ」


「いやいや入って大丈夫なのかよ?」


「この感じは大丈夫な感じです、回復魔法を使える私が言うのですから間違いありません、試しにさっき木の枝でシバかれたお尻を……」



 スカートの裾を捲り、丸出しになった尻を躊躇なく温泉に浸けるルビア……先程木の枝で打ち据えた際に出来た赤い蚯蚓腫れがどんどん癒えていき、すぐに真っ白な尻へと戻ったではないか。


 ちなみにパンツは穿いていない、この寒い中でノーパンなのである。

 いつもしっかり穿けと言っているのだが、まぁこの期に及んで言っても無駄であろう。



「ほら、大丈夫でしょう? これは破壊する前に皆を呼んで来て入るべきですよ」


「そうだな、じゃあ食事の前に風呂の時間だ、もちろん入り終わったら埋めるなどして処理するがな」


「やったっ! すぐに行きましょうっ!」



 温泉に入れると知って大喜びで走って行くルビア、もちろん野営しているスポットとは逆の方向へ行ってしまった。

 それを追って捕まえ、迷子にならぬよう手を引いて仲間の所へ……



「あっ! ちょっとそこはっ!」


「ん? マーサがどこかで……え? うわぁぁぁっ!」


「あ~あ、言っておくけどちゃんと『落とし穴注意』って書いてあったから、私達のせいじゃないわよ」


「にしても深すぎだろっ! 何だコレはっ、井戸でも掘ったつもりかっ?」



 ルビアを引っ張ることに集中しすぎた結果、カレン、リリィ、マーサが掘った落とし穴に真っ逆さま、しかも下は狭く、体が引っ掛かって抜け出すことが出来ないではないか。


 まぁ良い、どこかへ走って行ったマーサがすぐにロープなどを垂らしてくれるはずだし、温泉の件は難を逃れ、同時にトコトコと去ったルビアが報告してくれるはずだ。


 安心してそのまま待機していると、聞こえてきたのはマーサの足音……ではなかった、どうやら来てくれたのはセラとマリエルらしい、引き上げなら力のあるマーサがやった方がいいと思うのだが……



「お~い、セラ、マリエル、早く助けてくれ~っ!」


「え~っと、ごめんね勇者様、ルビアちゃんが温泉を見つけたって聞いて、せっかくだから捕まえてあるロリー隊の子達をいれてあげようと思って……」


「勇者様は覗きが趣味のご様子なので、せめてあの子達が出るまではそこで待機していて下さい、これは世界のためなので……」


「はぁっ? ふざけんじゃねぇよお前等! そんなことしてただで済むなんて思ってないよなっ?」


「ええ、でも見つけた温泉は『復活の泉』なのよね? 怪我してもすぐに治るみたいだし、後で好きなだけ引っ叩いて良いわよ」


「ということで勇者様、ちょ~っとだけ我慢していて下さいね、ホントにちょっとだけですからっ!」


「おいっ、ちょっとまっ……マジで行きやがった、後で良くしなる枝を2人分用意しておこう……」



 復讐を誓った俺であるが、引っ掛かってしまっている以上そのままでの待機を余儀なくされる。

 しばらくして聞こえてきたガヤガヤと喋る声、美少女達をあの温泉に連行しているのであろう、俺も一緒に入りたかったぜ。


 そして森が暗くなってくる直前、またガヤガヤと喋りながら戻る様子の美少女達、誰かがうっかり蹴飛ばしたと思しき小石が落とし穴に落下、俺の頭を直撃する……許さん、マジで許さんぞセラ、マリエル……


 怒りに震えつつ、どうにか自分で這い出そうとして何度かの失敗もしつつ、そして湯上りの美少女達が群れを成す情景を想像しつつ待っていると、ようやくロープが垂れ下がってきた。


 それを強く手繰り寄せ、怒り心頭の表情を作りつつ穴から脱出する。

 俺が現れた瞬間にはサッと身を退いたセラとマリエル、覚悟が出来ているようなことを言っておきながら、やはり攻撃されるのを恐れているようだ……



「えっと……ごめんね勇者様、後で叩いたり抓ったりして良いから、今ここでその手の中にある泥団子を投げるのは……いやぁぁぁっ!」


「どうだっ! 土に塗れて待たされた俺の恨みっ、とくと味わうが良いっ! マリエルもだっ!」


「あ~れ~っ!」



 既に入浴済みと思しきセラとマリエル、そのツヤツヤになった柔肌に、薄汚い泥で作った泥団子をお見舞いしてやった。


 これで成敗完了だ、2人はもう一度風呂に入る必要があるため、その耳を引っ張って『回復の泉』へ連行、服を剥ぎ取って尻を蹴飛ばし、泉の中へ突き落としてやる。



「あでっ! もうっ、失礼しちゃうわっ」

「きゃんっ! 全く乱暴な異世界人ですね」


「どうだ二度目の風呂は? 大変に気分が良いであろう、さて、俺もようやく……」


『でたーっ! 敵が出たわよーっ!』


「マーサの声だな、てことはまたオアズケかよ……ほら2人共、敵襲みたいだからサッサと行くぞ、あ、ちなみに俺に酷いことをした罰として全裸で戦うこと、良いな?」


「は~い、しょうがないわね」

「あの、それはむしろご褒美なのですが……」



 野営しているスポットから響き渡ったマーサの声に反応し、再び風呂に入ることが出来なかった俺、そして寒空の下全裸で戦う嵌めになってプルプルと震えるセラ、かなり嬉しそうなマリエルを引き連れて戻る。


 既に戦闘は始まっているようだ、焚火の明かりに照らされて見える影、素早く動いているのはカレンかマーサか……いや違う、俺の目に入ったのはミヤツコのジジィだ。


 一昨日の段階では誰にもその姿が見えなかった、昨日はカレンとマーサだけが目で追うことが出来た、そして今日はルビアに次いで動体視力の酷い俺にすら見えているのであった。



「あっ、戻って来たわね……ってどうして2人は素っ裸なわけ?」


「お仕置き中だ、それよりも敵はっ?」


「それがさ、ぜ~んっぜんノロマになってるのよ、ほら、もう丸見えでしょ?」


「いや……辛うじて見える程度なんだが……」



 とはいえ見えているものは見えている、そしてミヤツコのジジィは木の間を自信満々で飛び交っているのだが、まさかその姿を捉えられているとは思っていないようだ。


 どうやらこのジジィ、自分が弱くなっているという感覚がまるでないらしい。

 時折見える顔に浮かんでいるのは気持ちの悪い笑顔、そして見据える先にはジジィが嫁と呼ぶ、誘拐被害者の少女が居る。



『フォッフォッフォッ! 今日という今日はわしの嫁を返して貰うぞっ! 嫁を攫った罪、地獄で償うのじゃっ!』


「うっせぇよこのクソジジィ、サッサと降りて来て大人しく殺されやがれ」


『フンッ、見えてもおらぬ分際で調子の良いことを、貴様は殺して女は全員わしのメイドさんにしてくれるわっ!』



 調子に乗るミヤツコ、だがしばし俺と目が合っていることで気が付かないのか、自分が一昨日のような速度を有さず、この場に居る美少女達、あとアイリスを除いた、つまり戦闘員全員から見られているということに……



「ねぇねぇご主人様、ちょっと良いですか?」


「どうしたカレン、俺はいつも通りヒマだから、何かあるなら遠慮なく言ってみろ」


「リベンジしたいので1人で殺りたいですっ!」


「そうかそうか、まぁここなら密集した竹に紛れて逃げられる心配もなさそうだしな、他の全員が良いと言うなら俺は構わんぞ、そもそもあんなのと戦いたくないしな」



 もちろん全員OKサインを出している、まぁセラとマリエルは本格的に寒くなってきたようで震えているだけなのだが、そもそも武器を持っていないこの2人は戦うことが出来ない。


 ということでカレン単騎での戦いとなった、前に出たと同時にミヤツコが接近、攻撃を仕掛ける……と、カレンは最小限の動きでそれを回避した、さすがの戦闘センスだ。



「うぅっ、メチャクチャ弱くなってます……ぐすんっ、こんなんじゃなかったはずなのに……」


「おいこら泣くなカレン! 敵の前で泣くとかめっちゃ恥ずかしいんだぞっ!」


「だって……」


『フォッフォッフォッ! どうやら狼娘は恐怖で戦意を喪失してしまったようじゃのっ! 時間をやるから交代すると良い、なんならまとめて掛かってきても構わぬぞっ! フォ~ッフォッフォッ!』


「……要らない」


『むむっ? 何か言ったかの?』


「お前弱いからもう要らないっ! えいやっ!」


『ひょげろぼっ!』



 カレンが消えた、のではなくミヤツコを遥かに上回るスピードで移動しただけのようだ、俺とルビア以外にはその動きが見えていたらしい。


 で、直後に降り注いだのは血の雨と、かなり薄切りになってしまったミヤツコのスライス。

 これならすぐに火が通りそうだ、もちろんこんな肉食べようなどとは思わないが……いや、しかもこの状態で普通に生きているではないか……



『ば……馬鹿なっ、そんな馬鹿なことがあるのかっ!? 地上の人間は夜になると弱体化するはずなのに……』


「いやお前が馬鹿なだよ、薄切り肉の状態でどうやって喋ってんだこの馬鹿は?」


「もう良いわ、こんなの早くソテーして埋めちゃいましょ」


「そうだな、焼肉だが捨てても罰は当たらないだろう、フードじゃなければフードロスにはならないはずだ」


『待ってくれぇぇぇっ! そ……そうじゃっ! わしを、わしを殺すと良くないことが起こるぞっ、月の者共が黙っておらん、絶対に貴様等を追い詰めて討伐する、そうなるに違いないのじゃ、だから……だからソテーにはしないでくれぇぇぇっ!』



 無様な状態でさらに無様を晒すミヤツコのジジィ、つきから助けが来ようが、満月の周辺を決戦の日から外してしまえばどうということはないであろうと、既にこの時点で『ジェシカ説』が正しかったのであろうと予測出来る。


 喚き散らすスライスジジィを木の枝を使って掻き集め、調理に使うのとは別の場所に焚火を熾して焼却した。

 最後までどうのこうのと喚いていたが、燃え尽きると同時に静かになって絶命、月ではなく土に還ったのだ。



「やれやれ、どうにも厄介な敵だったが、無事に切り抜けることが出来て良かったな」


「ええ、、そんなことよりも勇者様、早く泉に戻りましょっ!」

「そうですよ勇者様、もう寒くて寒くてっ!」


「はいはい、カレンも汚れたからもう1回お風呂に入ろうな」


「あ、は~い」



 ミヤツコの討伐はようやく完了、守り抜いた美少女達、そして『荷物』であるロリコン野朗の生体を砦に届けるという本業に戻ることが出来る。


 かなり遅くなってしまったが、砦まではもうあと少し、明日の朝出発して、昼過ぎぐらいには到着するはずだ。

 今夜もカレーだが、砦で出される昼食もカレーだと良いな……

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