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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第三章 交換の後に
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530 どういうわけか

「あら、今度はしっかりカレー皿を救出して来たみたいですね、ファインプレーです」


「へへーっ! 二度とカレー皿を失うような失態は致しませんので、今回はこれで……ってそれどころじゃないんだ、全員集合!」



 野営していた場所に戻った俺を含む6人の派遣部隊は、すぐに全員を集めて作戦会議を始める。

 そこで救出した美少女の話を伝えると、未だ敵の姿を見たことのない仲間達からは疑いの声が上がった。


 無理もない、俺とマーサ、マリエルの3人で遭遇したのは良くわからん最強のジジィ、しかも月から来たなどと主張し、挙句誘拐の被害者である美少女によって、中級魔族如きに苦戦している瞬間を目撃されたのだから。


 そこから考えられるのは最初の3人がキツネかタヌキにでも化かされたかして、実在しない敵に苦戦し、敗北して逃げ出したということ、もちろん誘拐された美少女も化かされてどうのこうのである。


 だがそれにしても体験がリアルすぎる、竹で出来た掘っ立て小屋にしても日が登ってから、最初の3人プラス3人、さらには美少女も合わせて合計7人で確認しているわけだし、何よりも死んでいた中級魔族はホンモノだ。


 さらにその中級魔族とジジィの戦いを目撃していた美少女、争いになる前の会話で出てきたという『魔王軍』のワードは、適当なデタラメを言う際に口をついて出る言葉でないのも事実。


 不可解な点は多すぎるものの、状況からしてミヤツコのジジィは実在ジジィ、そして何らかの理由で恐ろしく強くなったり、逆に中級魔族と同等の雑魚になったりしていると考えて良さそうだ……



「てことでだ、そんなの夢だった、幻だったで済ませちゃいけないと思うんだ、嫁にするとか言っていた美少女も取り返しちゃったわけだし、今夜辺りまた攫い直しに来るかもだしな、しかも恨みを持ってだ」


「そうよ、あの敵は間違いなく私よりも素早かったし、攻撃も何だか見たことない変なのだったわ、ぜぇ~ったい見間違いとかじゃないんだからっ!」


「う~ん、勇者様はともかく、マーサちゃんがそう言うなら……」

「確かに、主殿が言ってもアレだが、マーサ殿はそういう話でふざけたことを抜かしたりはしないはず」

「そうね、ご主人様はともかくマーサが言うなら信用出来るわ」


「おいお前等、酷い言い草だがこの後で覚えておけよ……と、仕返しを画策している暇じゃないな、今は一旦ここを離れることを考えよう、とはいえあまり遠くじゃなくて、あの竹林にアクセス可能な場所に移動するんだ」


「そうね、敵が強キャラにしろキツネやタヌキにしろ、誘拐事件があったのは事実なんだし、移動だけはしておいた方が良さそうね」



 どうにか皆を納得させたいのであるが、それにはあのジジィの強いところを見せる他に方法がない。

 だがあの強さには太刀打ち出来ないし、実際に遭遇してしまった俺とマーサ、マリエルの3人は絶対にゴメンだ。


 結局は討伐しなくてはならないのだが、出来ることであれば『弱モード』、つまり中級魔族に苦戦して、ようやく殺害して満身創痍レベルの状態のときに再会したいものである。



「……これでよしっと、お~い、忘れ物はないか~っ?」


「生お肉確認、干し肉確認、生ハム確認……」

「ベーコン確認、ビーフジャーキー確認……はい、荷物はOKですっ!」


「お前等肉しか確認してないだろ、ちゃんとやるんだ、ほらリリィ、手拭いを忘れているぞ」


「あ、ホントだっ!」


「急げ急げっ、敵が来て誘拐されるぞ~っ」



 すぐに出発の支度を済ませて馬車に乗り込み、1人が復帰して36人に戻ったロリー隊およびその予備役を引っ張りながら、適当に陣を張るスポットを探す。


 竹林の場所はおおよそで把握し、地図に大体の場所を印して移動している。

 しばらくして停まる馬車、どうやらルビアが良い場所を発見したようだ……



「ご主人様、ここなら敵の姿も見易くて、反対側は沢なので攻め辛いから良い……ってジェシカちゃんが言ってますよ」


「そうか、じゃあここでもう一度滞在の準備をしよう、セラ、本来の目的である砦までの距離は?」


「う~んと、あと半日ってところね」


「ほう、何だか知らんがかなり短縮したみたいだな」


「ええ、その竹林があるって場所を、こうぐるっと回りながら街道が続いていたの、かなりラッキーだったわね」


「あ、そういうことなのか、まぁラッキーなのは事実だが、余計なトラブルで進軍が遅延させられているのもまた事実だ、不幸中の幸いとでも言っておこうか」



 街道のカーブの関係によって、ターゲットの拠点である竹林からほとんど離れることなく、目的地の砦にはかなり近付くことが出来た俺達、もう一度荷物を外に広げ、水を汲んで食事の準備を始めた。


 まだ日は高いが、今から準備するとなるとこれが夕食になりそうだ、なぜならば再度カレーとすることが採択されたためである、準備に30分、煮込みに3時間要することを考えると夕食として妥当な時間を迎えるはずである。


 念のため周囲の警戒を怠らず、1時間もすると漂ってきた良い匂いに反応しつつ、夕食の時間を待った……



 ※※※



『いっただっきま~っす!』


「いやはやカレーは最高だな、欠点は皿を洗うのが面倒なことぐらいか?」


「勇者様は自分でお皿を洗わないから、その欠点を指摘する権利がないと思うわよ」


「それはお姉ちゃんも一緒よ」


「あ、そういえばそうだったわ……」



 適当な話をしながらカレーを嗜む、もちろん36人の美少女達と共にだ。

 だが昨夜仲間のうち1人が攫われたこともあり、美少女達、特に被害者本人である最年長の子はビクビクと怯え、カレーどころではない様子である。


 とはいえ今夜はかなり注意している、被害者の子を一番真ん中に、その周りを密集させた美少女で囲い、さらにその周りを、円を書くようにしてアイリスを除いた、つまり戦えるメンバーで囲っているのだから。


 意識の半分はカレー、残り半分を周囲への気配りに回し、暗くなってきた森の中から迫る敵が居ないかどうかを確認し続ける。


 食べ終わって片付け、そこまで終わったところであたりは真っ暗に、焚火の明かりと月明かりだけが頼りとなる時間帯に突入した。


 そこからはもう完全に警戒モード、いつどこからミヤツコのジジィが襲い掛かったとしても対処出来るよう、そして今度は絶対に、誰一人として誘拐させないよう、2人1組になって可能な限りの監視をしていく……



「勇者様、次はちょっと向こうの方を見てみましょ」


「だな、沢がある側はリリィと精霊様が見に行ったみたいだし、俺達は反対、というか竹林側だ」


「被害者を取り返されて怒っているのならまっすぐ来そうだものね」



 俺はセラと2人行動、特にくじを引いたわけでもなく、自然の流れでペアになっていた。

 ということで逸れないよう手を繋いで森の奥へ、まるで肝試しデートをしている感覚だが、探しているのは心霊ではなく現実の強敵である。


 一応明かりは持っているものの、夜の森は暗い……というか昨夜よりも僅かに月の明かりが弱いようだ、ランタンの明かりに照らされていない場所はほとんど見えていない。



「ほら勇者様こっちこっち!」


「ちょっと待てよセラ、あまり2人だけでベースから離れるのは危険だぞ、敵はすんごく強いんだからな」


「う~ん、私は見てないから何とも言えないんだけど……と、噂をしたら影よ」


「だな、しかしアレは間違いなく別のだ、あんな雑魚キャラじゃないし羽もない、あと魔族じゃなかったし、そもそも2匹じゃなくてジジィ1匹だからな」


「じゃあアレは何なわけ?」


「知らん、通りすがりのモブキャラだろうが……何かこっち来てるみたいだな、態度が悪いようなら殺害しようか」



 セラと2人、森のかなり奥深くまで来てしまった、これ以上行くともうミヤツコのジジィが居た竹林に突入してしまう、今日は特に作戦を立てていないし、何よりも2人だけでは危険。


 そう思って引き返すことを提案しようとした矢先、上空に何者かが迫っていることに気付く。

 魔族、それも中級魔族が2体、上から降りて来て……しかも敵意むき出しである……



『ゲェ~ッヘッヘ! ミヤツコ氏の所へ行った奴が帰って来ないから探しに来たら、まさかこんな森の中で人族の女に出会うなんてな』

『あぁ、おっぱいは小さいがなかなかの上玉だ、魔王城ではこんな子すぐに幹部のモノだからな』

『それをこっそり俺達だけのモノに出来るなんてラッキーだよなぁぁぁっ!』


「……おい、何だお前等? 魔王城から来たらしいが、俺達に何か用か?」


『お前に用はねぇよっ! そっちの女が欲しいんだぜっ! ゲェ~ッヘッヘッ!』


「・・・・・・・・・・」



 中級魔族2体、属性はおそらくチンピラだ、いや魔王軍に所属しているようだし、チンピラ木っ端役人とでも言っておこうか、とにかく雑魚の代名詞のような存在である。


 体のサイズに見合わない巨大な羽をバサバサとはためかせ、俺達の目の前に降り立った馬鹿2匹。

 早速俺をガン無視し、セラにだけ手を出そうと近付いて行く……



「セラ、どっちを残してどっちを殺す?」


「う~んと、じゃあこっちね、それっ!」


『ひゃぺっ……』


『え? あ……し……しん……死んでるっ!? 一撃で? コイツが……ぎょぇぇぇっ! お、お前人族の癖にどうしてそんなに強いんだぁぁぁっ!?』


「いやそんなの普通に見ただけでわかれよな、それともアレか、お前の目はケツの穴か何かか?」


「勇者様、汚いからやめなさい」


「すみませんでした」



 最初に粋がっていた方を、無数に放った魔法の刃で微塵切りにしたセラ、それを見たもう一方は驚愕、そして完全に戦意を、その尊厳すらも喪失してへたり込み、ケツの穴、もといその節穴から涙を流して許しを請うている。


 しかしこっちの1匹、いや既に物言わぬ肉塊、『ミヤツコ氏の所へ行っていた奴』がどうのこうのと言っていたな、ということはあの殺害された魔族を探しに来たということか。



『ぐぅぅぅっ、許して下さい、許して下さい、許して……』


「ダメだ、俺のセラに絡んだ以上、お前は死刑確定だ、ちなみにお前等が探していたらしい中級魔族、アレも死んだ、ミヤツコのジジィに殺されたんだ、あとこのままおめおめと魔王城に帰ってもお前は殺されるだろうな、もちろん逃げ出そうとしても殺すし、運良く俺達から逃げ切ったとしても世界を挙げて捜し出して確実に殺す、あと抵抗しても殺すしやかましいから黙らないと殺す、黙っていても情報を寄越さなかったとして殺すし全て洗いざらい吐いても同時に臭い息を吐いた罪で殺す、ちなみに上記全てを回避したとしても顔がキモい罪で死刑だ……まぁ、お前はもうどこからどうやっても詰んでんだ、確実に殺される運命なんだよ、どうだ嬉しいか?」


『ひょげぇぇぇっ!』



 中級雑魚魔族はショックで気絶してその場に倒れた、今日明日中には確実に死がやってくるという現実が受け入れられなかったようだ。


 ということでその薄汚い足にその辺にあった木の蔦を巻き付け、セラと2人で引き摺って野営をしているベースへ戻る。

 他の皆も哨戒任務に飽きて戻って来ているようだ、そして戦果があったのは俺達だけらしい、堂々の帰還を果たすこととしよう……



 ※※※



「あ、おかえりなさい勇者様、お姉ちゃん……で、そっちのお土産は何なんでしょうか? とても食べ物には見えないんですが……」


「おう、コイツはセラにちょっかい掛けようとした悪い魔族だ、魔王軍のモブキャラでもあって、どうやら竹林にあるミヤツコの拠点を訪問しようとしていたらしい、2匹居たんだが1匹はセラの鬱憤晴らしでミンチにした」


「そうでしたか、じゃあ早速精霊様に頼んで斬ったり炙ったり、あと削ったりして情報を引き出しましょう」


「そうだな、肉体もメンタルもゴリゴリ削ってやろうぜ」



 すぐに『(殺しても良い)捕虜確保』を聞きつけた精霊様が飛んで来て、未だ気を失ったままの雑魚魔族を引き摺って行った。


 まずは水をぶっ掛けして目を覚まさせ、次は真っ赤に焼けた金属の棒で鼻を……とんでもない悲鳴が響き渡ったではないか、きっと暗がりで執り行われているのは闇の儀式よりも闇色の行いである……


 そんなものを見たらせっかく食べたカレーが逆流しそうだ、しばらくそちらへは行かないように気を配りつつ、ミヤツコのジジィが隙を突いて襲撃する可能性に備えた。


 およそ1時間後、精霊様がボロボロでもはや元々どういう形をしていたのかわからない状態の、先程捕らえた雑魚魔族らしきモノを持ってこちらへ来る……



「やれやれよ、泣いてばっかで全然情報を出さなくて手こずったわ」


「ん? おいおい、そこまでしてダメだったのかよ」


「いいえ、一応話は聞けたわよ、ほら、もう一度さっきの供述をしなさい」


『コロシテ……モウコロシテ……ハヤク……』


「喋れって言ってんでしょっ! このダボがっ!」


『ボヘッ……は……はい……』



 そこからはダラダラと、まともに口を動かすことすら出来ない雑魚魔族の話を聞く。

 途中で聞き取ることが出来なかったりした場合には、皆で殴る蹴るの暴行を加えて話を続けさせる。


 かなり時間を掛けてその雑魚魔族が話した内容は、まず現在空を飛んでいる魔王城の保守管理は、本当に月から来た、この地上にはない高い技術力を誇るミヤツコに委託してあるということ。


 それで『空飛ぶ城』であることをキープしていたのか、元々が失われた古の技術か魔界の知識なのかは知らないが、あのわけがわからんジジィならそれを維持することも可能であるはずだ。


 で、それはともかく、重要な契約をして業務を委託していたにも拘らず、ミヤツコが突然その任を離れ、月へ帰るなどと言い出したため、昨日死体で発見されたあの魔族が、そしてそれを探しに今回の2匹が派遣されたということである。


 ここまではまぁ予想通りというか、ほぼほぼわかっていたこと、だが問題はここからだ。

 なんと今回派遣された2匹の魔族、もし何かあればミヤツコのジジィをボコボコにして連行するようにとの指示を受けていたのである。


 あの強さを知っていれば、少なくともこんな雑魚にその命令を下すことはない。

 やはり魔王軍も、俺とマーサとマリエル、そして被害少女の4人だけが見た奴のあの状態を知らない、そういうことだ。



「おいっ、本当にお前なんかがあのジジィをボコれと言われていたのか? 普通に勝てると思っていたのか?」


『は……はひぃ、命令では2人なら十分に勝てると、逆に殺さないよう注意しろと……あ、でも本当は夜よりも朝行った方が良いとか……』


「何で朝なんだよ? その理由を簡潔に述べよ」


『し……知りません、だからもう……ぎゃぁぁぁっ! コロシテ……ハヤクコロシテ……』


「チッ、情けない奴だな本当に、精霊様、もう構わんから望み通り残虐な方法でころしてやれ」


「わかったわ、じゃあせっかくだからこの間買った『折り畳みファラリスの雄牛』を……と、これは2人乗りだったわね……あ、ロリコン野朗もついでに……」


「折り畳……2人乗り……っと、おいコラ、ロリコン野朗は処刑しちゃダメだぞ、せっかくここまで来た意味がなくなってしまうからな」



 精霊様には物騒なモノをしまわせ、雑魚魔族は通常の方法、つまり足先から徐々にミンチしていくスタイルでの処刑を執行させた。


 再び暗闇から聞こえる獣のような悲鳴、念願叶って殺して貰えた雑魚魔族は、その夢を叶えてくれた俺達に対して多大な感謝を捧げつつ、そろそろ三途の川で渡し賃を払っていることであろう。


 しかし先程の供述、夜よりも昼行った方が良いというのが気になって仕方ない。

 昼も夜も関係がないと思うのだが、むしろ敵の姿が見えない夜の方が危険だ。


 ……いや待てよ、俺達が最初に奴と遭遇し、苦戦したのは夜。

 そして次の朝に訪れた魔族は互角の戦いをして惜しくも敗北。


 ということはアレか、もしかするとミヤツコの奴は『夜は最強・昼は激ヨワ』という、ジキルとハイドタイプのジジィなのでは?


 だとしたら明日の朝、こちらから攻め込んで一気に叩くのが得策だ。

 また派遣部隊の6人で行って叩きのめす、今度は救出すべき美少女やカレー皿もない、この仮説が偽であったと確定する場合以外に逃げる必要はない。


 そう思って皆に作戦を提示しようとしたところ、被害少女含む美少女達を見張っていたカレンとマーサが大声を出す……



「来ましたっ! そっち、こんどはそっちですっ!」

「木の上を移動しているわね、でも今日は絶対に見逃したりしないんだからっ!」


『フォッフォッフォッ! 貴様等、いつの間にやらわしの嫁を攫っていたようじゃの、しかも不在の間を狙って、なんと卑怯な連中じゃ、成敗してくれようっ!』


「黙れっ! 成敗されんのはお前だこのクソジジィッ! ブチ殺してやるからサッサと降りて来やがれっ!」


『それはならぬわ、貴様等には素早く動くわしの姿を捉えることが……っと、何じゃっ!?』


「見えてるわよっ、何だか知らないし、全然追いつけないけど見えてはいるのよっ! 昨日の夜と違ってね」


『まっ、まさかそんなことがっ!? クソめ、じゃが見えているからと言って追いつけないのでは無意味、さぁっ、わしの嫁を返して貰うぞっ!』


「そうはさせるかっ! カレンとマーサは戦って、残りのメンバーで美少女を囲んで守るぞっ! 他の子を攫って行くかもだから全員に気を配ってなっ!」



 闇の中、突如として姿を現したミヤツコのジジィ、素早く移動して接近したのであろう、直前まで誰もその存在に気付くことが出来なかった。


 だが、昨夜とは違ってカレンとマーサがその姿を目で捉え、さらには木の上を高速移動するのが見えている様子。

 このジジィ、竹林でないとそこまでのスピードを発揮出来ないのか? それとも他に理由があって多少減速しているのか?


 まぁ、それは後で考えよう、とにかく今はこの場を切り抜けることが先決だ……

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