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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第九章 怨霊軍団との戦
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52 偽勇者RUSH

「ここ1週間で既に15組の偽勇者パーティーが検問に引っ掛かったそうですよ、すり抜けて国内で討伐されたのも居るようですが……」


「で、敵は強いの? 上級魔族?」


「今のところ最大で中級魔族です、11組目以降は女の子も下級魔族の変装だったそうです、トカゲもカナヘビだったとか」


完全にネタ切れだな、このまま放っておいてもどんどん弱くなっていく一方であろう。

しかしリリィ役がカナヘビとか泣けてくるな……


「ところでマリエル、聖国の方からは宣戦布告とかあったのか? ここまで国が動いたらもはや戦争だろう?」


「特に無いようですね、派遣されていた神官とかも全部処刑してみたようですが、それでも何ら抗議が無いそうです」



偽勇者を送り続けているだけなのか……嫌がらせだけしてこっちが攻めてくるのを待っているのかもな。

だとしたら下手に動くのは拙い、向こうにやらせるだけやらせて、それを潰しながら消耗するのを待つべきであろう。


「軍の方にはこのまま討伐を続けてもらうべきだな、俺達はいつ何があっても良いように、なるべく王都を離れないようにしよう」



次の動きがあるまで少しダラダラしていよう、そのうちに対幽霊用デバイスも完成してくるであろうからな。

とりあえず100組の偽勇者パーティーの処理に関しては国に投げてしまおう。



「ところで最初の方に討伐した連中の人間メンバーは王宮の方で捕らえているのか?」


「ええ、王都の牢屋に収監してあります、事情を説明してしばらくはそこに居ることで納得して貰っているようです」


「それならウチの地下牢に居る2人もそっちに移せないか? 食費の無駄だ」


「そうですね、明日移送の手続を取りましょう」



あいつらは遠慮なく飯を喰らうしやかましい。

食って寝て帰らせろと要求してくるだけだ、風呂の面倒をセラとジェシカが見ているが、そろそろ怒りが限界に達しているようだ、もう国に丸投げしよう。



「ようやく私達はあの子達の世話から解放されるのね」

「悪戯の罰とはいえ少々酷な労働だったぞ」


捕虜の世話は第二号パンツ事件の罰として2人にやらせていたのだ。

マリエルは王宮との連絡で忙しいので後で処刑することとしてある、そろそろ何かやっておかないと忘れてしまいそうだな。



『お~うっ! 勇者殿ぉ~! 居るかぁ~?』


外から明らかに筋肉量の多い声がする、ゴンザレスだ。

例のものが完成したのであろう、リヤカーにはカートリッジも大量に乗っている。


「勇者殿、こんな感じで構わないか?」


「マーサ、背負ってみろ……良いな、自由に曲がるホースもついているし、中は精霊様が固定されるようにシートベルトもついている、完璧だ」


「それと怨霊を封印する木札だ、いくつか種類があるが、これが普通のもの、こっちはスーパー木札、で、ハイパー木札だ」

「最後にこれがマスター木札、マスター木札は世界に1つしかないからな、よく考えて使うんだぞ」


何のボールだよ……


「早速心霊スポットで実験してみよう、ユリナとサリナも来てくれ」


お化け怖い組も連れて行こうと思ったが、ミラ、カレン、そしてルビアはゴンザレスと話している最中に危険を察知して逃げたようだ、どこへ行ったのかわからない。

逃げ遅れたジェシカだけを連れて行くこととした。



※※※



「どうだマーサ、吸っているか?」


「凄いわよ、今のところ人間の怨霊ばかりだけど、あっという間に吸い込むわ、しかも吸引力が全く変わらないの」


「それは何よりだ、精霊様も狭くないか?」


『快適よ、座ったままで苦痛に満ちた怨霊が口元までやってくるなんて、凄く幸せね!』


「なら良し、魔族タイプの幽霊も探そう、そっちは木札に封印するぞ」



「主殿、ところであの箱の下から垂れている板は何なんだ?」


「ああ、あれはマーサがふがいない動きをしたときに使うんだ、精霊様、やってやれ!」


精霊様が中で紐を引っ張ると、箱から垂れた板が稼動してマーサの尻を引っ叩く仕組みになっている。

この機能が欲しいと言い出したのはマーサ本人であるからウサギ虐待ではない。


「アレは良いな、主殿、私の鎧にもあの機能を付けてくれないか?」


「誰が作動させるんだよ……」


「カレン殿に遠隔で操作して頂きたい」


何だその超技術は、そんなのがあったら聖国なんてドローンで爆撃してお仕舞いにしたいのだが?

馬鹿なことを言っているジェシカの脇腹を抓っておく、そういえば今日はおもらししていないようだ。


その後、魔族タイプの怨霊も問題なく吸引し、木札に封印することができるのを確認したうえで屋敷へ戻った。

気がつくともう夕方になっていた……



「お帰り勇者様、実験の方はどうだった?」


「ああ、上々だよ、ところで行くときに逃げ出した3人は戻ってきたか?」


「勇者様の部屋で正座してるわよ、物置に隠れていたのを捕まえたわ」


「よし、セラ、ジェシカ、臆病者の3人に罰を与えよう!」


セラがミラ、ジェシカがカレン、そして俺がルビアを捕まえ、好きなように弄り回してやった、心霊スポットごときで逃げ出す奴はこういう目に遭うのである。

ジェシカは後でカレンに倍返しされていたが、弱い方が悪いのだ、力さえあれば何をやっても良いのだ。



※※※



「それでは、もう少ししたら王宮へ行って来ますね、捕虜2人のことも伝えておきます」


「ああ、あと対幽霊用デバイスの礼もしておいてくれ」


「わかりました、午後には戻ると思います」


しばらくして迎えに来た馬車に乗って出掛けて行くマリエルを見送り、俺達は作戦会議という名の雑談を始めた。


「偽勇者なんて私が全部焼き払ってあげます」


「やめてくれリリィ、憑依されてるだけの一般人が紛れ込んでいたら訴訟ものだぞ」


今回は特殊だ、敵の中にただ操られているだけの人が混じっている率がかなり高いのである。

間違えて殺そうものならそれこそ後でグチグチ言われてしまう。


「ところで主殿もセラ殿も幽霊が見えないのであろう、マリエル殿もそうか、3人はどうやって戦うつもりなのだ?」


「考えてないな、そもそも俺は指示された場所を聖棒で突いて止めを刺すだけの簡単なお仕事しか出来ないからな」


「そうなると今回勇者様は地上部隊ね、リリィちゃんには私が乗るわ」


「それで行こう、リリィも良いな?」


「セラさんは上手だから乗せても良いですよ、一度ふざけて精霊様が乗ってきたときは大変でしたが……」


「あれはリリィちゃんが私のテクに付いて来られなかっただけよっ!」


「リリィ、精霊様にお仕置きして良いぞ」


いつも一番偉そうにしている精霊様が、一番お子様のリリィにデコピンされている。

さすがに子どものリリィ相手に逆ギレするわけにもいかないからな、今度から精霊様にはリリィをぶつけよう。



適当な話を続け、ミラがそろそろお昼の準備をと立ち上がったところで、マリエルの馬車が帰って来た。

早かったな、しかしまた何でそんなに急いで入ってくるのであろうか? ウ○コが漏れそうなら王宮でして来れば良かったのに。



「大変です勇者様、またしても聖国が新たな勇者を認定しました!」


「また100人?」


「1,000人ですっ! 大挙して王国領に押し寄せているようです!」


何だ勇者1,000人って、それはもう軍を動かして攻めてきているのと変わらないだろう。

偽勇者RUSHである、軍の検問だけでは全て止めることは出来ないな……


「やはりこの王都は回避していきそうなのか?」


「ええ、近隣の町や村に向かっているようです、今回は迷惑をかけるとかではなく、純粋に襲うつもりでしょう」


「王国軍全部で処理に当たるしかないだろうな、王都に被害は出なさそうだし、俺達だけ残して皆打って出た方が良いんじゃないか?」


「それが王都も混乱してきているんです、偽勇者の得物である物干し竿が一気に買い占められて、価格を維持できなくなりそうなんですよ!」


「それは拙いな……」


この王国では、物干し竿の値段は2本で銅貨1枚と決められている。

6代前の王が決めた200年前のお値段である、これを覆してしまうと暴動が起きかねない。

その状況下で軍が出払っているというのはちょっと有り得ないな。


「仕方ない、セラとリリィは来てくれ、上空から探して見つけ次第潰していこう!」


聖国との国境は王都から見て遥か西である、そこを目指して飛んで行く。

セラの風魔法で風防を作ることが出来るため、普段より早く飛ぶことが出来る、少しぐらい遠くても大丈夫だ。

ちなみに俺は操縦しなくて良いため下を見て偽勇者パーティーを探すのが役目である。



「ちょっと勇者様、後ろに乗るのは構わないけど、一体どこを触っているのかしら?」


「いやいや、セラはどこがおっぱいなのか判別出来ないからな、俺のせいじゃないぞ」


「疑って悪かったわね、もう少し下を掴んでちょうだい!」


「はいはい……おい見ろ早速居るぞ、敵意むき出しじゃないか、索敵でバレバレだな」

「ふむ、あのメンバーは全部魔族のようだ、トカゲも魔物だな……」


「リリィちゃん、焼いてしまって良いわよ!」


ブレスを浴びた偽勇者パーティーはすぐに灰となって散っていく。

燃え始め、一瞬だけ魔族本来の姿を現すものの、その形状を維持していられる時間はわずかであった。



「向こうにも居る、あっちにもだ、とりあえず見つけただけ全部潰すぞ! 人間が混じっていたら言うから、それ以外は焼き払ってくれて構わん」



50、いや60程の偽勇者パーティーを潰したであろうか、まだまだ全体の1割にも満たないわけだが、今のところは全て弱っちい下級魔族と思しき連中ばかりである。

とっくに午後を回り、夕方が近づいてきた。


「一旦屋敷へ戻ろう、夜もう一回来るんだ、その方が焚き火の煙なんかで敵を発見し易いからな」


「わかったわ勇者様、リリィちゃん、Uターンよ!」




屋敷に戻った俺達は、すぐに3人だけで風呂に入る、ミラに頼んでその間に夕食と夜食を包んで貰った。

今日は遅くなるから先に寝ておいて欲しいと伝え、再び出発する。



「ご主人様、あそこで煙が上がっています! 敵ですね、殺りましょうっ!」


「待てリリィ、もしかしたら普通の旅人かも知れん、もう少し近づいて……敵だった、殺って良いぞ」


その後は絶好調であった、方々から野営の煙が上がるのを確認しておき、そこに近づけば十中八九魔族の偽勇者パーティーが居るのだ。

これは明日も夜やるべきだな。


「かなり遠くまで来てしまったな、ここらで一旦休憩しておこう」


開けた所に降り立ち、包んで貰った夕食を出す、やはりサンドウィッチであるか……

肉に肉を挟んだ肉だけの肉々しい肉サンドウィッチをリリィに渡し、残りは俺とセラで食べる。


「おいセラ、玉子の奴、2つ食べただろ?」


「バレてしまったわね、勇者様はサラダのを2つ食べると良いわ、お似合いよ」


「何だとぉ? 覚悟は出来ているんだろうな、喰らえっ!」


「ちょっとっ! 食べ終わってからにしてちょうだい!」


再び空に舞い、煙を頼りにした偽勇者狩りを再開する、あちこちで野営が始まっている、そもそも魔族ばかりなのに、なぜそんな人間じみたことをするのだろうか?

魔族も人族と同じような生態なのかな? マーサやユリナ達を見ているとそうじゃないかというような気もするが。



「リリィちゃん、もうちょっと慎重に飛んで欲しいわ、お尻が痛くて痛くて……」


「ダメだぞリリィ、こんなセラなんかの言うことを聞いてはいけない」

「セラ、言っておくがまだ途中だからな、帰ったら続きだぞ!」


「わかったわ、全く酷いことをする異世界人ね……」



次々に偽勇者を退治していくものの、やはりどいつもこいつも雑魚ばかり、高品質な敵はもう使い切ってしまったのか? それとも魔将レーコが手元で温存しているのであろうか?


まぁ、どのみちこの連中を全て潰せば次の手を打ってくるであろう、そのときにわかる。

今は余計なことを考えずに守りに徹して、敵の消耗を誘うのがベストな手段であるのは変わらないはずだ。



「勇者様、今日はそろそろ疲れたわ、戻りましょう」


「何だ、便所に行きたくなったのか?」


「つ・か・れ・た! 帰るわよ!」



道中見つけた敵を始末しながら王都へ戻る。

屋敷は帰った頃には夜中であった、皆既に寝ているようだ。

コソコソと屋敷に入り、せっかく包んで貰った夜食を3人で頬張る。


「ご主人様、もう眠たいので私は寝ます、おやすみなさ~い……ふぁ~っ」


リリィはとっくにおねむの時間だ、あまり遅くまで連れ回すのは控えよう、居眠り飛行で墜落でもされたら敵わんからな。


「勇者様、私達はもう一回お風呂に入りましょうよ」


「そうだな、結構汗かいたし、このまま寝巻きに着替えても気持ち悪いだけだ、暗いからカンテラを取ってくる」


屋敷の明かりを消していることもあり、風呂場は真っ暗である。

外の風呂なので一応照明はあるのだが、それでもそこまで明るくはならない、カンテラは必須である。


その後は2人の着替えを取りに行く、リリィはもうぐっすりだ、よく寝る奴め。

他のメンバーも全員布団に転がってよく寝ている、ここは俺の部屋なんだが?

起こさないように慎重に着替えを引っ張り出し、風呂へと向かった。



「あ~、やっぱり労働の後のお風呂は最高ね!」


「人の玉子サンドウィッチを奪っておいて良くそんなことが言えるな」


「あれは事故よ、ちょっと魔が差したの」


「世間一般ではそれを事件というのですよ、セラ容疑者!」


先程のお仕置きの続きをしてやる、頬っぺたと脇腹と尻を抓ってやった。

セラ容疑者は反省もせず、むしろ満足してしまったようである。


明日からは毎日この行動パターンが続きそうだ……



※※※



「遂に村が襲われたらしいです、ここよりは西の方ですが、自警団に死者が出ているとか」


「やはりもう形振り構わないって感じだな、下級魔族でも自警団ぐらいだとかなり苦戦しそうだし、これは参ったな……」


偽勇者達は徐々に王国中央部へと入り込んできた。

魔族の癖に真面目に検問をやっている街道を通り、そこで始末された馬鹿も居るようだが、基本的には山中を通って見つからないようにしているはずだ。


「で、聖国の方はどんな感じなんだ?」


「ええ、何度か使者を送って偽勇者の討伐に対して抗議してきましたが、それを処刑してもその先は何も言ってこないそうです、ただ……」


「ただどうした?」


「送り込んでいたスパイによると、聖国の宮殿の中に当たり前のように魔族が入り込んでいるとのことです、余裕で酒飲んで遊んでいるとか」


「それ、誰も何も言わないのか?」


「そういう人間は全て粛清されて晒し首にされているそうです、他は洗脳され、宮殿はもはや新興宗教の総本山みたいになっているようですよ」


「もう女神もクソも無いってことか、魔王軍の完全バックアップで計画が進んでいるんだろうな、ユリナ、どう思うこの状況?」


「間違いなくそれですわ、私も帝国を掌握した暁には全軍のサポートを約束されていましたし、まぁその前にお縄になってしまったのですが……」


「罪を重ねる前に止めてやったのだ、我を称えよ!」


「へへぇ~っ! 畏れ入りましたですわっ!」


「うむ、面を上げよ!」


「なんかちょっとムカつきましたわ……」


「何だと? 貴様、ご主人様を愚弄する気か!?」


生意気なユリナと取っ組み合いをしていると、遊びに行っていた精霊様が帰って来た。



「今王都の外をパトロールしていたのだけれど、偽勇者パーティーを5組も見つけて殺したわ!」


「やるじゃないか精霊様!」


「ふふんっ! 我を称えよ!」


「……申し訳ないがその件は既にやったんだ」


不貞腐れた精霊様は社に引き篭もってしまった。

かわいそうなのでワンカップ的な何かを捧げておこう。


「さてセラ、リリィ、俺達も今日の狩りに出かけるぞ!」

「マーサ達は心霊スポットで特訓していてくれ、臆病者を連行するのを忘れないようにな!」


俺達だけで偽勇者一行を300組ぐらいは狩ったであろうか?

徐々にその数が少なくなり、効率も悪くなってきた、この方法はそろそろ潮時のようだ。

後は王国の軍が全て討伐してくれるのを期待しよう。


その日は早めに切上げて帰り、翌日は休みにしようということとなった。



※※※



休みにしたため翌日は1日中ダラダラする、マーサと精霊様も心霊スポットへ行くのはやめたようだ。

旧処刑場にはもうほとんど幽霊が出なくなってしまったらしい、精霊様が食べちゃったのか、俺には見えないから確認のしようがないがな……


「そろそろお昼の準備をしようと思うんですが、マリエルちゃんは帰ってくるでしょうか?」


「確か朝出るときに会議があるからもしかしたら午後になるかもって言ってたな、とりあえず作ってくれ、余ったらリリィが食べるさ」


おかわりが出来るかも知れないと聞いたリリィは、王宮の方に向かってマリエル帰って来るな、の念を送っている。

リリィの念が通じたのか、マリエルの帰りは結局夕方であった、皆に報告があるので寝る前に集まって欲しいそうな。


いや、全員同じ部屋で寝ているような気がするのだが? そこ俺の部屋だとも思うのだが?


風呂から上がると皆興味津々でマリエルの元に集まる……



「え~と、今日の会議で決まったんですが、ペタン王国はプルン聖国に対し、宣戦布告をすることとなりました!」


「つまり、打って出ると……」


「ええ、その通りです、待っていても嫌がらせが続くだけですから、もうこちらから攻めてしまおうということになりました」


「で、俺達はどうすれば良いの?」


「遊撃隊として参加して欲しいそうです」


それは一番危険でダルいポジションなのでは? 司令部でまったりしたいのだが?


「ご主人様、私、頑張ります! ブレスで敵を全部焼いてしまいましょう!」


ええ、そうして頂けると幸いです。


「宣戦布告は明日するそうです、既に王国軍は移動を開始していますが、私達はどうしましょうか?」


「そうだな、まずは国境越えだろ、そこまで何日かかる?」


「馬車で4日かかります、馬ならもう少し早いかと」


「じゃあ明日出て馬車で行こう、国境で軍と合流するんだ」


結局、明日の朝マリエルが王宮から馬車を連れてきて、俺達はそれに乗って聖国との国境へ向かうこととなった。

あまり出発が遅くなると馬での移動を強いられるからな、早めに出て馬車でゆっくり行こう。


ようやく聖国との本格的な戦争が始まる、だが魔将レーコに手が届くのはいつになることやら。

今回は本当に苦労しているな……

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