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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第三章 交換の後に
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527 救世主とは

「お待たせしましたっ! さぁっ、これを使って敵を倒して下さいっ!」


「……明らかに少ないんだが? てか『5g』ってお前さ、敵の質量は『5kt』ぐらいなんだよっ!」


「どこへ行っても品切れで、ようやく発見してきたんです、それでどうにかして下さい」


「出来るかぁぁぁっ!」



 超巨大化したウ○コ野朗に対し、女神が神界から持ち帰った反物質、反ウンウンウンチウムはたったの5g。

 なお、にわかに信じ難いレベルの高比重な物質にしてその重さだ、本当に吹けば飛ぶほどの分量である。


 だが、吹けば飛ぶといってもそれだけあれば凄まじいエネルギーを放出するであろう。

 女神の手にある5gを一気に対消滅させた場合、付近一帯を巻き込む大爆発が生じることは間違いない、吹けば飛ぶ量で俺達が吹っ飛ぶのだ。


 もちろんそのことは俺も、精霊様も、そして女神の馬鹿も……奴はわかっていないようだ……



「勇者よ、いちいち手渡したりするのは無駄なのでコレは私が使用しますっ! 自然の摂理に反するモンスターに神罰をっ! てぇぇぇぃっ!」


「馬鹿じゃねえのかぁぁぁっ! こんな陸地の近くでそんなん使ったら……」


「防御は私に任せなさいっ! リリィちゃんは下がってっ!」




 反ウ○コが5g入った特殊な小瓶を、ウ○コで出来た巨大な敵に投げ付ける女神アホ、接触と同時に瓶は割れ、中に入っていた反ウ○コが飛び出す。


 次の瞬間には凄まじい閃光と、ついでやって来る衝撃波、もし精霊様が分厚い水の壁を張らなかったらどんな事態に陥ったか? 守るべき美しい村はどうなったか?


 計り知れない恐怖だ、もうあの女神クソに危険物を所持させるのはよそう、奴に触らせても大丈夫なのは便所紙ぐらいのものである。



『凄い爆発でしたね……あ、村に大きい波が……』


「クソッ! 防御しなかったら大津波だったはずだぜ、てか堤防が壊れたら女神の奴に直させないとな、で、敵の様子は?」


「まだ健在よ、ちなみに女神はどこかへ飛んで行ったみたい、まぁ、居ても足手纏いなだけだと思うし、そのうちひょっこり帰って来るでしょうね」


「おう、あんなのはもう無視して構わん、肝心なのは敵の様子だ、健在なのは知っているが……どこ行ったんだ?」


「あそこよ、ほら、ちょっと小さくなって」


『いえ、あっちに……いやこっちにも居ますね……』


「分裂してんじゃねぇかぁぁぁっ!」



 反物質をぶつけたことによって敵は小さくなった、だが対消滅した質量はたったの5g、それ以外は爆発の衝撃で飛散しただけである。


 そして問題はその飛散した破片、なんと独自に動き出したではないか。

 未だ全長50mはあろうかという本体と、そして無数の小さく茶色いヒトガタ……ではなくウ○コガタとして生を受けたバケモノとで、タッグを組んでこちらを狙う。



「おいっ、こんなんもうどうしたら良いんだよっ!?」


「今回の敵は爆破すれば分離するの、だったら粉々にして小さくしたらどうかしら?」


『でも全部さっきより大きくなってますよ、オリジナルの奴なんてもうほら……』



 あっという間に巨大化していくウ○コガタ共、きっと海洋中に存在するウ○コ物質を掻き集めて体に取り込んでいるのであろう、汚い海をろ過する牡蠣みたいな野郎だ。


 しかしその『身』は到底食えたものではなく、ただただ不潔にヘヴィーなウ○コの濃度を高めているのみ。

 そしてもはや取り返しの付かない状態にまできているという事実がそこにある。


 もうこのまま海がこのバケモノで埋め尽くされる、いや、海だけではない、俺達が誘導を開始するまでは陸を目指していたのだ。

 つまり、世界全部がこのウ○コモンスターに制圧される、この世界は剣と魔法改め、ウ○チとウ○コのファンタジー世界(新シリーズ)に移行してしまう。


 そんな世界で魔王討伐を成し遂げた俺はどうなる? 世界中から『ウ○コ勇者様』とか『レジェンドウ○コ』とか、『異世界ウ○コ』などという呼称をもって賞賛されるに違いない。


 最後まで頑張り抜いてのウ○コ扱いは精神的にヤバい、物語ももう終盤だというのに、その未来を想像するとここで挫折してしまいそうだ。


 ウ○コ塗れの暗い未来、暗い平和は不必要だ、それを回避するためには一体何を……ダメだ、もうウ○コのことしか考えられない、てかウ○コしたくなってきた……



「勇者よっ! 諦めてはいけませんっ!」


「……何だよ女神、もう帰って来たのか、どうだ、お前のせいで起こった大惨事を目の当たりにして、何か言っておきたいこととかあるんじゃないのか?」


「いえ、別に私は悪くないはずです、突然呼び出され、言われた通りにトイレ用品コーナーにある反ウンウンウンチウムを購入してきただけですから、しかもずっと裸で」


「うるせぇっ! お前もう一遍バケモノに喰われとけっ! てかあの反物質は便所用品だったんだな、ウ○コに掛けて対消滅させるのか……って、やっぱウ○コじゃねぇかぁぁぁっ!」


「いつもやかましい異世界人ですね……」



 全く反省の色が見えない女神は後でどうにかしてやるとして、その前に、というかこれまでもこれからもずっと、眼下に広がる巨大ウ○コガタの群れをどうにかする方法を探らなくてはならない。


 虎の子の対消滅作戦もどこかの馬鹿めがみのせいで不発に終わり、それ以外に有効な手立ても見つからないのである、万事休す、八方塞で一貫の終わりだ、もうどうしようもないではないか……



「おい、やっぱもう諦めて帰ろうぜ、この問題は未来に託そう、というかまだ早すぎたんだよ、俺達にこんな物質を使うほどの知識や技術がなかったんだ、ということで女神、この件を先送りする方法を提示しろ」


「そんなっ!? いまここでどうにかしないとこの世界はお終いですっ! 勇者よ、諦めずに戦って、ね、水の精霊も、そちらのドラゴンもどうにか説得して……」


「私は別にどっちでも良いんだけど……と、リリィちゃんはさっきから何を見ているの?」


「確かに、下ばっかり見てても敵は減らないんだぞ、それともあんなのを食べようとしてるのか? 腹壊すしばっちいからダメだぞ」


『いえ、減ってるんですよ敵が、ほら、また海の中に引き込まれて……』


「敵が減って? まさかそんな……あっ、マジだった、一番小さいのが何かに持って行かれたぞっ!」



 足りない知能で必死に考え、俺達に攻撃を仕掛けようと下に溜まっていたウ○コガタ軍団。

 リリィの指摘通り、見ているうちに1体、また1体と、まるで何かに引き込まれるようにして、スポンッという感じで海中へと消えていく。


 今度は何が起こっているというのだ? 次から次へとわけのわからない敵が出現して、これでは収拾が付かなくなるのも時間の問題である。


 ウ○コガタを海に引き込んでいるのは一体何者か、自然現象なのかとも思うが、それにしても動きがおかしい、これは生物によるものと考えて良いはずだ。


 女神も含めて一切手出しが出来ず、そのまま海に沈んでいくウ○コガタを眺めていると、遂にその何者かがオリジナルを、既にマックスサイズである100m級に回復したそれに攻撃を仕掛ける。


 耐えるオリジナル、一方、海の中でそれを引き込もうとする何者かも負けてはいない様子だ。

 数分の格闘の後、遂にその生物が海面に正体を現した……



「あっ! あいつはこの間のっ!」


「巨大ウミウシね、こんな所まで移動していたなんて……」


『拠点村で生ゴミ食べてた奴でしたっけ? 確かエリナちゃんが持って来た携帯トイレから出た』


「そうだ、あの模様、そしてあの食べっぷり、もう奴で間違いない、あの怪獣はまた俺達を、いやこの世界を救おうとしているんだっ!」


『おぉーっ、救世主様じゃないですかっ!』



 海中から姿を現したのは巨大ウミウシ、そう、以前にもお世話になった、上空を移動する魔王城から撒き散らされた生ゴミを全て綺麗に平らげたあの巨大ウミウシである。


 それが憎むべきウ○コガタと格闘、そしてマッコウクジラが大王イカを食すが如く、勝利を収めて海中へ引きずり込む。

 しばらくして単体で上がって来た巨大ウミウシは、その後も残ったウ○コガタを次々に捕食、自分の体に取り込んでいった。


 10分、いや15分は掛かったであろうか、海面で俺達を狙っていたウ○コガタは消滅、巨大ウミウシはその食事のボリュームに満足を得たのか、静かに海中へと戻って行く。


 残ったのは広く美しい海、何事もなかったかのように波立ち、その恵みを流れに乗せて運んでいる……



「……終わったようだな、俺達も帰ろうか」


「ええ、何だか他力本願な終わり方だったけど、まぁあのバケモノが消滅したのならそれで良いわ」


「だな、おい女神、せっかくだからお前も付いて来い、最大のピンチを招いてくれたお礼にとんでもなく厳しいお仕置きをご馳走してやる」


「ひぃぃぃっ! わ、私はちょっと忙しいので神界に戻らないとならないので」


「忙しい? 神界なんかで何をするんだ、言ってみろ」


「こ……公……」


「公務か?」


「いえ、公営ギャンブルです、最近古代の神々による戦車レースがアツくてですね……」


「精霊様、ちょっとその女神クソを捕まえてくれ、出発の時間まで拷問しようぜ」


「そうね、じゃあ大好きな戦車で手足を引っ張って八つ裂きにしてあげましょ」


「いやぁぁぁっ! おっ、お許しをぉぉぉっ!」



 ウ○コ如きに苦戦した、というかあのようなバケモノが発生する可能性がある世界のエラーを放置していた女神、今回の件では全責任を負っていただくこととしよう。


 女神は適当に縛り上げて精霊様が抱え、俺達は遥か遠くに見えているトンビーオ村の港へと帰還した……



 ※※※



「いやぁ~、結局出発が1日延びてしまったな、ほれ女神、野菜クズが焼けたから食うと良い、美味いかも知れないぞ」


「いででっ、どうして女神たるこの私が石抱きのギザギザなんかに、しかも野菜クズを食べさせられるなど……」


「ん? 調子乗ってんじゃねぇよこの役立たずが、お前みたいなのにニンジンのヘタや白菜の芯、タマネギの皮を喰わせてやっているんだ、感謝こそすれ文句など言うものじゃないだろうに」


「あ、大根の葉っぱは私が食べるからとっておいてよね」


「うむ、ほれ、野菜の『可食部』はマーサが優先だからな、好きなだけ食べると良い」



 出発を延期してまでやる船上バーベキューは実に美味い、ついでに言うといつも偉そうにしている女神の馬鹿が、拷問で使う石抱きのギザギザに正座し、野菜クズを齧っているのは楽しい余興だ。


 もちろん食材は村の名産品、それと女神に持って来させた高級食品である。

 これはもう1日ぐらい出発を延期して、またバーベキューをしても良さそう……


 いや、捕らわれている女性兵士達を早く助ける、またこちらで捕らえてある美少女達を家に帰すというミッションを早く終わらせなくてはならないのであった。


 それに、もう1匹の捕らえているアレは臭くて敵ないからな、そちらも早く『処理』したいものだ、しかもうるさいし……



『おーいっ! わしにも何か食わせるのじゃっ! わしはロリコンではないが、出来れば幼い美少女の生足を……』


「うるせぇぞっ! 砂利でも食っとけやこのタコがっ! ミネラルたっぷりでお勧めだからな」


『ぐぅぅぅっ! わしはロリコンではないっ! 何度言ったらわかるのだっ! わしは断じてロリコンなどではないっ!』


「……いや、俺の話聞いてた? あ、鼓膜が破れて聞こえてないのかな?」



 とにかくロリコンではないと主張したい様子のロリコン野朗、名前も言動も、それから顔面に至るまでロリコンの極みだというのに、今更それを否定したところで誰も聞く耳を持たないであろう。


 このゴミをあとしばらく生かしておかなくてはならないのは世界にとってかなりの損失だが、それでも人質と交換可能な価値を持っているのは現状金持ちのコイツしか居ない。


 船に積み込む際にやったのと同様、檻を蹴飛ばしてその衝撃波で気絶させておく。

 荷物としてどこかに檻ごとしまうのは簡単だが、船室に入れると臭くなるとのことでドレドが拒否したため、ずっとこんな所に放置しているのだ。



「しかし気持ちの悪い野郎だな、ホント、サッサと手放したいところだぜ」


「あ、でしたら今からもう出航しませんか? 別に船上バーベキューをしながらでも航行は出来ますし」


「しかしそうなると村に残るのは……まぁ、メイは後でエリナに送らせれば良いか」


「また私がですか……」



 船の所有者であり、船長でもあるドレドは酒を飲んでいないため、バーベキューをしながら出航することに決まった。

 翌日も、翌々日もバーベキューをするのに十分な食材が船に残っていることを確認し、錨を上げて港を出る。


 遠くで手を振る村人達に返事をしつつ、夜を迎えた海を進む。

 もう脅威は存在しない、今回に限ってはまっすぐ、安全に南の大陸を目指すことが出来そうだ。


 その日はそのまま船上バーベキューで夜を明かし、昼間に寝てまた夜にバーベキューを。

 楽しい船旅は数日続き、何日めかの朝早く、ようやく南の大陸が見えてきたのであった……



 ※※※



「よーしっ! 海岸に敵の気配はないなっ、このまま接近して構わないぞーっ!」


「前回来たときにはここにズラッと変なのが並んでいたのに、今回はどうしちゃったのかしら?」


「わからんが、前の奴等を皆殺しにしたからな、もうビビッて海沿いは諦めたんじゃないのか?」



 南の大陸にやって来た俺達、まず立ち寄るのは以前人身売買組織が隠れ蓑にしていたサキュバスボッタクリバーである。


 そこに捕らえてあるサキュバス、この先南の大陸、つまり反勇者、反王国の馬鹿共が蔓延る地でボッタクリ営業をして、敵の資金源を断つというミッションに従事するその連中を降ろした。



「じゃあアンジュとペロちゃん、あとナナシーもだな、お前等が中心になって色々とやるんだ、目標はこの旧共和国領の金を全て……とまでは言わないが、出来れば俺達に楯突く連中の財布の中身は全部吸い上げてくれ」


「わかったわ、で、もちろん作戦が成功したら私達にも報酬があるのよね?」


「アンジュは本当に欲深い奴だな、だが良いだろう、上手いことやってくれたらどこかの町での『まともな』営業を許可するなどの報酬を用意しておこう、しっかり頑張れよ」


「ええ、それじゃあまた、何かあったら、というかなくても定期的にキッチリ報告するわ」


「おう、じゃあまたなっ!」



 サキュバス達と別れ、再び船に乗り込んだ俺達、ドレドの提案でここからは上陸せず、目指すべき王国軍の砦にもっと近い場所まで航行しようということになったのだ。


 砦に到着したらロリコン野朗を降ろして、あとは捕まえてある少女達のうち『ロリー隊(本隊)』の方を家に帰す……それも王国軍に任せてしまえば良いか、というか親に迎えに来させればそれで十分であろう。


 問題は十分に『悪いことをしている』とおいう認識を持っていたはずの『ロリー隊(予備役)』の方である。

 こちらは逃がしてやるわけにもいかないし、かといって強制労働をさせるような場所もない。


 今のところは檻に入って大人しくしているのだが、砦に着いてからどうするべきなのかも決まっていないし、ヘタに解放してやるわけにもいかないのである。


 まぁ、一旦逃がしてやるから後で戻るように、などと言って戻って来るようなタイプの子達ではなさそうだ。

 ゆえに砦に着いてからもそのままにして処分を保留するしかないのだが、せっかく人数も居るのにそれはそれでもったいない。


 何か労働力として使えないものであろうか、そう考えても答えは見つからず、そうこうしているうちに砦へ向かうために最も効率が良いと試算された上陸スポットへ辿り着く……



「では私達は一旦沖で待機しますね、おそらくですが帰りの分も含めてここで1週間ぐらいですかね、そのぐらいであれば水も食糧も持つはずですので」


「うむ、じゃあそれまでに色々と片付けてここへ戻る、エリナを置いて行くが、何かあったらすぐに逃げるんだぞ」


「わかりました、ではお気をつけて」



 ここで船に残る3人、即ちメイとドレド、ついでにオマケのエリナとも行動を別にする。

 馬車を出すので非戦闘員の中でもアイリスは連れて行くが、敵と戦闘になった際は守らねばならない。


 そして、厄介なのは後ろに縄で繋いだ36人の美少女達だ、逃げ出すことは不可能なのであるが、やはり足が遅く、体力もないゆえ度々休憩を挟む必要が生じてしまったのだ。



「おら~っ! ちゃんと歩かないと尻を引っ叩くぞ~っ!」


「ひぃぃぃっ! もう限界なのよっ! お願いだから休ませてよねっ!」


「さっき休憩を入れたばかりだと思うんだが……」



 36人の先頭に立たせているのは例の、俺達を船漕ぎ場からバトルフィールドまで案内してくれた少女。

 態度はムカつくが一応は最も関係が深い、美少女達に近付かないよう監視されている俺にとっては唯一まともに話したことがある子だ。



「勇者様、また少し休憩を入れてあげましょう、もう半日歩き詰めですし、さすがにあの子達ではキツいと思いますよ」


「そうか、砦に着くのは明日の夕方……いや、このペースだともっと遅くなるか、それまでに何度休憩することになるやら……」



 特に歩くのが遅い子は馬車に乗せてやるということも考えたのだが、それでは歩くのが速い、また文句を垂れずに必死になって歩いている子が損をしてしまう。


 そのためこれといった対策は取らず、ひたすら歩いては休憩、歩いては休憩を繰り返していった結果、思いの外海岸側で夜を迎えてしまった。


 仕方ないのでそこで野宿をすることに決めたのだが、本来は森を抜けて平坦な場所に出てそうする予定でいたところ、全くの森、深い深い森の中でのご宿泊である。



「良いかお前等、逃げても構わないがな、森の奥には人を喰らうオバケがわんさか居るんだ、逃げても構わないがそれだけは覚えておけよ~」


「ひぃぃぃっ!」


「おいコラ、どうしてジェシカがひっくり返っているんだよ……」



 情けないジェシカの代わりにセラが少女達の見張りをする、俺は食事を作る反の手伝いに回された。

 イモの皮剥きをしながら考える、この予想外の場所での野宿、何事も起こらずに朝を迎えることが出来れば良いなと、もちろんそんな生易しい結果にはならないのだが……

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