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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第二章 資金源
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524 停船

「かなり深いな、下は見えないけど足を滑らせないように気を付けるんだぞ」


「そう言っている勇者様が一番心配なんですが、上ばっかり見てると足元がお留守になりますよ」


「おいミラ、どうして俺が上を見ているとわかったのだ?」


「それは勇者様がパンツを見ていないとは思えないからです、許可も得ないでこっそり堪能するパンツは美味ですか?」


「うむ、大変に美味であるぞ」



 上が明るく下が暗い、この状況で先陣を切って、つまり一番下となって梯子を降りる俺の視界には皆のパンツがくっきりと見えているのであった。


 だがこれは『俺がパンツを見ている』のではない、『パンツが俺の視界に入っている』だけ。

 そこを勘違いして俺を覗き魔、出歯亀扱いするミラには後で世界の真理を教えてやる必要がありそうだ。


 しかし相変わらず梯子が続くな、真っ暗な中ゆえどれぐらい降りたのかはわからないが、降りる前にカレンが聞こえると言っていた助け、いや様々な意味での救済を求める声は、徐々にではあるが俺の耳にも届くようになってきた。


 それは地獄の底から沸き上がる声に等しい、辛く苦しい状況の中で、大量に集められたおっさんの塊が、ただ船を動かすためだけにそこに留められ、さらにはろくでもないモノを食わされながら生きているのであろう。


 漕ぎ手であるその者共を救出するのか、それとももはや手遅れとして安らかに眠って頂く方向で処理するのか、このまま梯子を降り、行き付いた先の光景次第でそれは決まってくる。


 降りれば降りるほどに大きくなる地獄の声、ようやく何を言っているのか判別出来るようになってきた。

 まぁほとんどが辛く苦しい、それを誰かにどうにかして欲しいという、全く身勝手で他力本願な要請のようだ。


 そしてその声は、下に人が居るということを知らなければ完全なる恐怖、心霊、超常現象、他の追随を許さないレベルの恐がりさんといえるジェシカなどは、両手で耳を塞ぎ、その声を聞かないようにしながら梯子を降りている……いや、マジで器用だな。


 そんなジェシカに感心しつつ下へ、ひたすら下へと梯子を伝って進んで行く。

 しばらくすると、どこからともなく漏れている様子の小さな明かりが見えた……



「あっ、間違いなく底だぞ、ようやく地面に降り立つことが出来るな」


「敵は居ませんか? 他にトラップなんかもないか確認しておかないとですよ」


「敵は居ないようだ、あとトラップもあるとは思えないな、これは普通に敵の誰かが使う梯子で、そんな所にトラップなんて設置するわけがないからな、ということで到着だ、よいしょっと……」


「どうしたんですか勇者様、早くそこを退いて下さい、じゃないと皆降りられませんよ」


「……すまん、何か取り餅みたいなのに貼り付いてしまったようだ」


「ほら、だから言ったんですよ、そういう系のセキュリティを何も解除しないで降りて来ちゃったんですから」


「クソッ、迂闊だったぜ……コイツ、なかなか手強いぞっ! ふぬぬぬっ、ふんっ! あっ……」



 降り立った地面には粘着質の何か、確実にトラップだ、そしてそこから逃れようと無理矢理に足を剥がした俺は、転倒して突いた手と、それから勢い余って接地した顔面が……アレだ、例のハウスに迷い込んでへばり付き、死を待つだけのGの気分だ。


 動かない手足、動かない顔、だがその貼り付いた顔が強制的に向けられている方向には、扉のようなところから漏れ出している明かりが見えている。


 間違いなく進むのはその先、だが進む以前にこの状況を何とかしなくては、と、そこへ救世主の精霊様が、宙に浮いたままこちらへやって来た……



「はいはいちょっと良いかしら、ありゃ、これは『酸化ウンウンウンチニウム』ね、べっちょり貼り付く性質を持った物質なの」


「げぇぇぇっ!? またウ○コじゃねぇかぁぁぁっ! マジでふざけんじゃねぇっ! 今回の戦いにおける脅威はちょっとウ○コ率が高すぎ、いやほぼウ○コだろっ!」


「そんなこと私に言われてもね……まぁ、とにかくこの『酸化ウンウンウンチニウム』は水で流すと綺麗になるのよ、ちょっと冷たいと思うけど我慢してね」


「ほう、そうかそうか、流すと綺麗になるのか……ってやっぱウ○コじゃねぇかっ! うわっ!? 超冷てぇぇぇっ!」


「いちいち大げさな異世界人ねぇ……」



 冷たい水でザバッと流されると、今までのへばり付きが嘘のように、まるで最初からツルツルの地面に寝転がっていたかのような感覚。


 やれやれということで立ち上がり、その場を退いて他の仲間が降り切るのを待つ。

 その間もチラチラ見ていた光の漏れる扉……どうやら声もその奥から聞こえてきているようだ……



「よいしょっ、はい、私で最後ですよ、それではあの扉の向こうへ行ってみましょう」


「おう、じゃあ誰が開けるか……といっても危険はなさそうだな、ここは勇者様たるこの俺様が手ずからオープンしてやろう、感謝するが良いぞ、フハハハッ……は?」


「また貼り付いてるじゃないですか……」


「すみません精霊様、取って頂けると大変に幸いなことでして……っていでででっ! 無理矢理剥がすんじゃなくてっ、ぎゃぁぁぁっ!」



 手の皮が剥がれるとか、そんな生易しいものではない、もう掌ごと持っていかれそうになったのだが、扉にベッタリ塗られた酸化何とやらからはどうにか手を剥がすことが出来た。


 ということで扉も水洗いし、完全に清潔な状態にしたうえで再び手を掛ける……眩しい、まるで巨大な光に包まれたかのようなその白い明かりに目が慣れると、そこには手摺の付いた通路が……


 体育館の2階にある観覧席、それの超細いバージョンに近い感じだ、狭い体育館で良くありがちな梯子で登って行かないとならないタイプの奴だな。


 そしてその狭い通路、出てみると手摺の向こうには何やら異常な広さを誇る吹き抜けが見える。

 吹き抜けに近付き、その下を眺めると、まるで工場見学にでも来たような、上から眺めるタイプの作業場。


 もちろんその作業場に居る人々が何かを製造したり、その他の作業をしているわけではない。

 一列に並んだ半裸のおっさん達が、それはもう必死になって櫂を、船の外から見える巨大な櫂を前へ後ろへ、走りながら動かしているのであった……



「……すげぇな、もう何人いるかわかったもんじゃねぇぞ」


「2万……いやもっとでしょうか? おそらくこの船の『乗組員』の中には含まれていない人達でしょうね」


「モノ扱いってことだな、本当にどこから引っ張ってきたんだよこんなに……」



 呻き、苦しんでいる状態のおっさんが非常に多い、この声が地獄からの叫びとなって、俺達がウ○コ野郎と戦った階層まで届いていたというのか。


 また、所々に棍棒を持った兵士、ロリ・コーン師の配下のユニフォームを身に纏った兵士が配置され、作業の監視をしている様子。


 もちろん疲労によって倒れたり、座り込んだりしてしまうものも多いのだが、そいうおっさんは見張りの兵士によって容赦なく殴られ、血を流してさらに動きを鈍くする、死んでしまう者も多いようだ。


 死んだ、或いは生きていても使い物にならなくなったおっさんは、そのまま兵士によって運ばれて行く。

 どうやら船体の後方に位置していると思われる舟漕ぎ場のどん詰まり、そこにはダストシュートが設けられ、運ばれて来たおっさんを次々に放り込んでいる。



「あっ、また死体を捨てましたね、一体ここの乗組員は海を何だと思っているのでしょうか?」


「全くだ、このままじゃおっさんの腐肉で海洋汚染が進んでしまう、てか早いとここの船を停止させないとだし、さっさとどうにかしようぜ」


「どうにかか……うむ、主殿、前のステージに居るマッチョを見てくれ」


「おいジェシカ、俺はそんなもん見たくないんだが……あぁ、あの太鼓持ちのマッチョか、アレがどうかしたのか?」


「おそらくあのマッチョが太鼓で指示を出しているんだ、船をまっすぐ、素早く航行させるためにはどちらのサイドにより力を入れて漕ぐべきかなどを判断して、太鼓のリズムでそれを漕ぎ手、いや漕ぎ手に指示を出す兵士に伝えているということだな」


「なるほどな、じゃああのマッチョを殺せば良いのか、精霊様、やっておしまいっ!」


「面倒ねぇ、まぁ、ここから狙撃すれば良いか、それっ!」



 指先から水の弾丸を発射した精霊様、ターゲットまではかなり遠いのだが、それでも1秒と少しでその弾丸はマッチョの額に到達、頭の上半分を失いつつ倒れる。


 一瞬、周りの兵士が驚いた表情でそちらを見た後、一斉に駆け寄った。

 不思議そうに調べているが、まさかこんな所に敵が侵入していて、かなり離れた場所から狙撃したのだとは思うまい。


 しばらくして、謎の『マッチョ死亡事件』に関する調査団(周りに居ただけの一兵卒)による結論が出たようだ、事故死として扱う雰囲気、それで本当に良いのかは知らないが、とにかくマッチョの死体を片付ける……そして、新たなマッチョをそこに据えた……



「あらあら、新しいのが出て来ちゃったわね、じゃあアイツもっ!」


「……また新しいマッチョが出て来たぞ、もう1回殺ってみてくれ」


「わかったわ、それっ……あ、また新たなマッチョが……」


「どんだけマッチョストックしてんだよっ!?」



 その後もマッチョに次ぐマッチョ、いくら殺しても積み上がるのはマッチョの死体のみ、周りの一兵卒はどこからともなくマッチョを召喚し、それを新たな太鼓持ちとして利用しているのであった。


 これではキリがない、いくら精霊様でも1匹ずつマッチョを殺害していくのには限界がある。

 肉体的にもそうなのだが、何十回、何百回とマッチョに照準を合わせる、即ちマッチョを凝視することによって生じる精神的ダメージは大きいはず。


 それにマッチョはストックしているのではなく、その都度『素』から生成しているのかも知れない。

 良く見れば次々に出て来るマッチョは皆同じ顔、同じ筋肉の完全に一致マッチョなのである。


 このままではダメそうだ、マッチョ排除は諦め、もっと直接的な手段で行くしかないな……



「よし、もう降りて戦おう、ここの兵士を皆殺しにして半裸のおっさん達を解放するんだ」


「そうですね、その方が早いし確実だし、頭を使わなくて良いから簡単です、すぐに行きましょうか」


「おう、じゃあ行くぞっ、オラァァァッ! 天誅じゃボケェェェッ!」



 観覧席状になった通路から一斉に飛び降り、必死で櫂を前後させるおっさんの群れの中に降り立つ。

 周囲で見張りをしていた兵士が、一瞬だけキョトンとした後、すぐに武器を抜いて騒ぎ出した。


 それを始末してもまた次の兵士の一団が、それを殺しても次と、それから別の集団もだ。

 最初の連中が何らかの合図を出していたのであろう、大量の兵士が俺達を囲むようにして殺到する。



『キエェェェッ! ぐえっ……』

『アチョォォォッ! ほげっ……』

『ヒョォォォッ! ぶちゅっ……』


「クソッ。これじゃあキリがないぞ、少しずつ前へ移動してみよう、あの無限マッチョの元になる装置を破壊すればどうにかなるかもだ、それと偉いっぽいのを見つけたら逃さず始末するんだ、指揮系統がアレになれば敵全体がアレだからな」


「ええ、じゃあマッチョの方は私に任せなさい、すぐに行ってどうにかするわ、あんた達は司令官探しを」


「おうっ、じゃあマッチョは精霊様に頼んだ、俺達は……面倒だな、だがなるべく一撃で広範囲に攻撃するよう心掛ければどうにかなりそうだ……」



 ワラワラと、まるで砂糖に群がるアリの如く押し寄せる敵兵、どれも奇声を発しながら斬り掛かってくるのだが、残念なことにその意味を持たない声が最後の言葉となってしまっている。


 他の任務に当たるという名目でこの状況から抜け出した精霊様、もしかするとこの兵士共の相手をするのが面倒でそうしたのでは?


 まぁ良い、もしマッチョ排除ミッションに失敗したら尻叩きの刑に処してやろう。

 とにかく今俺達がやるべきは……居た、指揮官らしき服装の奴1匹と腕章を付けたモブが5匹、まとまっているではないか。



「居たぞっ! あいつらを潰すんだっ!」


「ええ、ですが遠すぎるし、兵士の死体とまだ生きている兵士が邪魔で近づけませんっ!」


「困ったわね、あ、そうだ、お~いっ! 半裸のおじさ~ん! 私達は皆を助けに来たのよ~っ! だから船なんか漕ぐのやめて、私達と一緒に戦ってちょうだ~い!」


『何だ? もしかして今暴れているのは救世主様なのか?』

『まさか、助けて欲しいとは常々思っていたが、本当に助けが来るなんて思ってもいなかったぞ』

『とにかく俺達も戦おうっ! 生き残って自由を手にするのだ!』

『ウォォォォッ!』



 マーサが良いことに気付いた、というか普通に頭を使った。

 船を漕がされていたおっさんの集団を味方に付けることに成功したのである。


 いや、良く考えれば半裸のおっさん集団は十分にこちらの味方たり得る存在なのだ、もうすっかり『動くタンパク質の塊』にしか見えていなかった俺や他のメンバーは猛省すべきだな。


 しかしこれで少しは戦いが楽になる、そう思ったのも束の間であった、なんと敵も頭を使ってきたのだ、指揮官らしき男が遠くで叫ぶ……



「お~いっ! 裏切るものには当然に惨たらしい死を与えるっ! だが我らロリ・コーン様の将兵は慈悲深くもあり、忠義に対してはそれなりの見返りを与えるっ! よってこの場で、その命を賭して侵入者と戦った者には『5分間の休憩』を与えるっ!」



『マジかっ!?』

『5分間の休憩? そんなことが本当にあるのか?』

『こりゃ救世主様なんかの味方してる場合じゃねぇな』

『ああ、そもそも救世主様、いや侵入者が勝つかなんてわからねぇし、ここは確実に得られる5分間の休憩に駆けるべきだっ!』

『ウォォォッ!』


「お前等ァァァッ! たった5分の休憩なんかで寝返るんじゃねぇぇぇっ!」



 本当に馬鹿しか居ないのであろう、まぁこんな所に閉じ込められて反撃もせず、死ぬまで働かされ続けている時点で相当に馬鹿なのだとは思うが、それにしてもこのおっさん共は頭が悪い。


 せっかくの助かるチャンス、それを完全にフイにしたうえ、俺達の怒りを買うような真似をするなど、通常では到底考えられない行いなのである。


 そもそも俺達が勝つのかわからない時点で相当にアレだ、ここまでの戦いを少しでも見ていたのであれば、『数』以外の要素では完全にこちらが上回っている、そしてその数さえも、このままいけばいつか押し返されることも明らかなのに……



「やれやれ、面倒臭いことになってしまったな」


「ですが勇者様、これはチャンス以外の何ものでもありませんよ」


「ああ、間違いない、ここからは気兼ねなく戦えるな、この馬鹿共を皆殺しにするんだっ!」


『うぇ~いっ!』



 当然のことではあるが、これまで馬鹿でも殺されるようなことは一切していない半裸のおっさん連中を巻き込まぬよう、必死で制御しながら戦ってきた。


 だがその必要はもはやなくなったのである、兵士も、そして漕ぎ手のおっさんも全てが敵、全てが抹殺の対象になるのだ。


 こうなってしまえばもう、指揮官だの班長だのを狙って殺すようなことはしなくても良い。

 ひたすら、ただひたすらに目の前の敵から命を刈り取っていけば良いのである……



「ヒャッハーッ! 死ね死ね死ねぇぇぇぃっ!」


『ぎょえーっ×100』


「ほらっ、そっちも死ねやボケェェェッ!」


『ぎょえーっ×100』



 取っては投げ千切っては投げ、そういう表現がしっくりくる状況、もはや攻撃を繰り出すのが面倒で、目の前の敵の首をチョンッと取って、そして千切って投げているのだ。


 次第に減っていく敵の数、もちろん俺達に対する攻撃の中心となっているのは兵士ゆえ、漕ぎ手共よりはそちらの方が減りが早い。


 元々高かった半裸のおっさん比率がさらに上昇していく、30分も戦い続けると、もはやロリ・コーン師配下の兵士を探すのが難しいレベル、さらに10分で兵士は絶滅危惧種の超レアモンスターに。


 さらにさらに20分程度、残りの敵は完全に半裸のおっさんだけとなった、ちなみにもう戦う気力すら残っていない者が多いようだ、疲れ切って力なくうなだれているか、へなちょこ攻撃を続けているかのどちらか。


 もう脅威はなくなった、漕ぎ手がこの状態では船も進むことがない、あとは……うむ、前方には死んだマッチョの山、そして誰一人としてオンステージでないところを見ると、精霊様の方も上手くやったようだ。


 これで上層から兵士が追加され、それに伴って生き残っている漕ぎ手が『本来の職務』に戻ったとしても、もはや海上をまっすぐ進むことは叶わないはず。


 巨大な主砲も破壊したし、旗艦自体の足を止めたことにより、さすがに艦隊全てが停止することであろう。

 とりあえず、トンビーオ村を破壊されるという実質こちらの負けENDは回避されたと言っても良さそうだな。



「よし、ここはこんなところかな、漕ぎ手のおっさんは後から皆殺しにするとして、一旦はここに放置して置こう、次は上だ」


「ええ、早くロリ・コーン師を捕獲して帰りましょう、もう何だか眠くなってきちゃって……」


『そうはさせないわよっ!』


「……眠すぎるゆえの幻聴でしょうか? 何だか変な声が上から聞こえるんですが」


「うむ、俺にも幻覚が見えるぞ、さっきまで俺達が居た場所に小さい女の子が立ってるんだ」


「ご主人様、あれ、たぶんホンモノの人ですよ……」


『ちょっと聞いてんのかしらっ!? この侵入者めっ! 成敗してやるから早く上がって来なさいっ!』


「……何か呼んでるみたいだけどどうする?」


「とりあえず行ってみましょうか、放っておくわけにもいきませんし……」



 船の推進力を維持していた漕ぎ手とそれに指示を出す兵士、マッチョの排除に成功した俺達であったが、ここにきた新たな敵? とにかく上で女の子が呼んでいる。


 マッチョに対応していた精霊様も戻って来たことだし、あの何だかわからない女の子の所へ言ってみることとしよう……

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