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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第四部 第一章 新たな戦いの幕開け
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512 次は南へ

「やれやれ、やっとゆっくり寝られるわね、もちろん夕飯を頂いてからだけど」


「そうだな、おいアンジュ、ペロちゃんを連れて『サキュバス保管ルーム』に行くんだ、料理が出来る奴を選んで連れ出して来い」


「何よ保管ルームって、モノじゃないんだからもう少しリスペクトしなさいってば……とりあえず行って来るわね」


「あ、2人だけでウロウロさせるのもアレだ、セラ、付き添いとして行ってやってくれ」


「わかったわ、ついでに厨房を貸して貰えるよう頼んでおくわね」


「了解、じゃあいってらっしゃ~い」



 セラの付き添いで部屋を出るペロちゃんとアンジュ、せっかく手に入った食材を無駄にしないためにも、優秀な料理当番であったサキュバスを連れて来て欲しいものだ。


 あとミケも呼んでやらないとかわいそうだな、この温泉郷ではミケが俺達の接待当番なのだ、よって向こうからは色々とサービスをしてくれるのだが、たまにはこちらからもお返しをしてやる必要がありそうだからな。


 となると俺とセラ、ミケにペロちゃんとアンジュとお料理担当サキュバス本人、それから……



「・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・」



 しまった、そういえば無口な大柄サキュバスお姉さんと2人きりになってしまったではないか。

 セラ達が戻るまで、およそ数十分であろうが、それまで何を話していたら良いのか見当も付かない。


 というかそもそも普通に話せるのか? 雑談とかしたことあるのか? 声も小さいし、話し掛けて返事を貰ったとしても、それが何を言っているのかわからなかったらどうする?


 俺とサキュバスお姉さんの間に微妙な空気が流れる、俺は部屋に設置された一番高級なソファに腰掛け、お姉さんの方は腕を縛られた状態で床に正座させてある状態。


 無表情でジッとこちらを見つめているのだが、良く見ると尻尾を体にピタッとくっつけているではないか。


 ユリナやサリナ、エリナと同じ形状ではあるが、サキュバスらしくピンク色の長い尻尾。

 これまで悪魔3人娘を観察してきた俺にはわかる、あの尻尾仕草は怯えているときに出るものだ。


 とりあえずこれ以上恐がらせないよう、少し場を和ませる……いや、そもそも離し掛けるための突破口が見つからない。


 どうしよう、どうする俺……そうだ、まずは優しい感じを出そう、冷たい床に正座させられているサキュバスお姉さんを、その苦痛から解放してやることによってそれを仲良くなるキッカケとするのだ……



「な、なぁ、床は冷たいだろ? ベッドに腰掛けても良いんだぞ」


「……はい」



 しばらく沈黙の間を置き、小さな声で返事をした後、無表情のままスッと立ち上がってベッドに、もちろん俺の居る位置から最も遠い場所を選んで腰掛けるお姉さん。


 もちろん背中を見せたりはしないし、尻尾も腰の辺りにへばりつけたままの状態で、俺から目線を逸らすことなく行動したのであった。


 これはかなり警戒されてしまっているな、このままだと仲良くなるどころか、セラ達が戻ったときに架空の猥褻被害をでっち上げられてしまうかも知れない。


 そうなれば世間様、というかまぁ3人なのだが、誰も俺の主張も、弁明も聞き入れはしないであろう。

 きっとセラに殴られる、卑劣な痴漢として処断されてしまうのは確実、窓から投げ捨てられるかもだ。


 まぁ、この子がそんなわけのわからないことをする悪質なサキュバスには見えないのだが、ここで仲良くなっておくことが損か特かで言えば確実に特、プラスにはなれどもマイナスということは断じてない。


 ということで少し頑張ってみよう、セラ達が戻るまでの短い時間に、最低でも普通に冗談を言い合う仲に、そして可能であれば、いきなりおっぱいを揉んでも怒られないぐらいには仲良くなっておきたいところだ。


 まずは日常的な会話を始めなくては、だが失敗して心理的距離が離れてしまうような話題は拙い。

 となるとここは定番でいこう、下ネタや突っ込んだ話ではなく、まともな質問を投げ掛けるべきなのである……



「え~っと、す……好きな食べ物は何かな?」


「……ゴリラ……です」


「えっゴリラ? まさかのゴリラ? ゴリラって食べられるのか? 食べ物なのか?」


「……ごめんなさい……ゴリラは飲み物でした」


「いや意味わかんねぇよっ! お前おちょくってんのかコラァァァッ!」


「……恐い……です、ごめんなさい……冗談でした」


「あ、こちらこそキレてしまってごめんなさいでした……」



 いきなり冗談をかましてきたサキュバスお姉さん、しかも非常につまらないし、そもそも理解に至らないタイプのキツい冗談であった。


 拙い、今のちょっとしたブチギレでさらに警戒されているではないか、このままだと痴漢猥褻変態行為の冤罪まっしぐらだ、いくらお姉さんが大人しい性格とはいえ、ここまでビビっているのであれば、もう虚偽の告発をしてでも俺を遠ざけようとする可能性がある。


 そうなる前に2人の距離を縮めなくては、だが俺のしょぼくれたトーク力は既に限界を迎えている、であれば次は物理だ、実力行使に出て、物理的な距離を縮めるしかない……



「え~っと、ちょっと寒いからな、そっちに行って密着しても構わないか?」


「……いえ……その……どうぞ」



 ソファから立ち上がり、サキュバスお姉さんの隣へ……俺が座った瞬間に何となく体を捩り、少しでも離れようとしているではないか。


 というかサキュバスなのに、通常であればこのお姉さん側からグイグイくるはずなのに、どうして俺に対してはここまでビビッているのだ?


 ……そうか、お姉さんは無口ゆえ、どこかに文章を書いてそれで自分の意思を伝える能力が高いのではないかと、ペロちゃんの屋敷で見た光景から推測したではないか。


 だが現状は手を縛られ、その意思表示をすることが叶わない状態、それでは口を塞がれているのと同じである。

 それが怯えている原因か、となるとコレをするのは少し拙いかも知れないが……



「なぁちょっと、あの屋敷で馬鹿オヤジ共を呼んで見せた文書の魔法、アレをやって見せてくれないか? もちろん手は自由にしてやるから……」


「……まぁ、はい」



 気のない返事をしつつも、一瞬で目の色が変わるお姉さん、しかも後ろを向いて直ちに縄を解いて貰うつもりだ。

 一応確認しておいたが、お姉さんにはたいした戦闘力もないし、そもそもここで逃げ出そうとする意思が微塵も感じられない。


 大丈夫だと判断して縄を解き、意思表示が可能なようにその辺にあったクリップボード……なぜそんなものがあるのかは不明だが、それを黒のマジック……だからなぜ異世界にそんなものが……とにかく手渡しておく。



「どうだ、それでビビらずに会話することが出来るようになっただろう? ほら、今の気持ち、というか優しくしてくれた俺に対する感情をそこに書いて見せてくれっ!」


『さっきからめっちゃキモいです』


「貴様ぁぁぁっ!」


『ごめんなさい冗談です、怒りましたか?』


「冗談でも許されんぞぉぉぉっ!」


『プッ(笑)』


「笑ってんじゃねぇよっ! コレはもう没収だっ!」


「あうぅ……」



 クリップボードを与えた、つまり字がかける状態になった途端、突如として饒舌? になり、ついでに途轍もなく調子に乗ったサキュバスお姉さん。


 頭にきたのでそれを取り上げると、再び最初の状態へと戻る。

 一度は嬉しそうにピンッと張った尻尾も、また腰の辺りに擦り付けて隠すような姿勢だ。


 だが一瞬であっても、この女の本心というモノが垣間見えてしまったのである。

 これは許してはならない、異世界勇者様たるこの俺様に対し、捕らわれの身であるにも拘らず馬鹿にしたような態度を取るとは。



「ほら両手を後ろに揃えろっ! あとキツめのお仕置きだかんなっ!」


「……はい……ごめんなさい……ひぃぃぃ、し、尻尾は」


「黙れ、悪いサキュバスはこうやって成敗するのが慣わしなんだよっ!」


「あうぅぅぅ……」



 サキュバスお姉さんを元通り縛り上げると同時に、尻尾をガシッと掴んで引っ張る。

 痛そうだ、そして穿いているスカートが捲れ、黒いエッチなパンツがあらわになっているではないか、パンツというかほぼ尻丸出しだ。


 当然であるが肉付きの良いその尻に狙いをシフトし、尻尾を離したその手で握るようにして……その瞬間、部屋の扉がバンッと開いた。


 開いた先の廊下に立っていたのはミケ、その後ろにセラ、ついでにペロちゃんとアンジュと、その後ろには調理担当と思しきサキュバスが2人……



「にゃにゃにゃっ! ど、どういうことだにゃっ!? 痴漢が居るのにゃっ!」


「あぁミケちゃん、これは最近良く出現する変質者の妖怪よ、いつも勇者様に乗り移って悪戯をするの、倒しても倒してもまた出てくるんだから」


「じゃあどうするのにゃ? このままだとサキュバスの子が可愛そうだにゃ」


「こうするのよっ!」


「おいちょっとまっ、セラ、これには理由があってだな……ほげぇぇぇっ!」



 俺は討伐された、今は床に転がって痙攣している。

 しばらくすると料理担当のサキュバスとミケが出て行き、さらに時間が経過した後、良い匂いと共に台車が運ばれて来たようだ。


 どうやら夕食の時間らしい、そこでようやく復活することが出来た俺は、ブツブツと文句を言いつつ席に着いたのであった……



 ※※※



「だからさっ、ホントに調子に乗ったんだってばっ!」


「なわけないと思うわよ、ほらこの子、凄く大人しそうじゃない」


「だいたいずっと一緒に居る私にだってそこまで調子に乗ったことないのに、いきなり2人っきりでそんなことするわけないもんっ、ね?」



 無言でコクコクと頷くサキュバスお姉さん、チクショウ、皆完全に嵌められている。

 この中で真実を知っているのは俺だけ、全てはこの女の策略なのだ……と、今は大人しい状態なのか、俺が発言すると怯えてしまうから静かにしておこう。


 無口サキュバスお姉さんにお仕置きするのは、クリップボードを与えて調子に乗らせ、ボロが出た瞬間を狙って正当に執行するしかない、今は我慢のときなのだ。


 とりあえず食事を続け、この後の予定に関しえて話し合う、だが同席しているミケはそれどころではない様子、なんと捉えたゴミオヤジ共の供述から、色々と新たにわかってきたことがあるのだという。


 もちろん全て王国の興亡に関わる問題、そして現状で俺達が優先すべきとしている事案のほぼ全てに関わってくることなのだという……



「それで、何がどうなってどうなったんだ?」


「ニャッ、実はこの地域のサキュバスボッタクリバーに協力していた人族のの中に、まだ捕まっていない『大物』の存在が確認されたのにゃ」


「大物……ってことは相当に悪い奴なのか? 貴族? 金持ち? それともどっかの為政者とか?」


「いや、本人はその辺のテロリストなんだにゃ、でもテロや犯罪で集めた資金を使って、世界中の悪い組織を援助していることが発覚しているにゃ、そいつの名前は『()()()()()()()』、今はどこに居るのかさえわからないんだにゃ……」


「ロリ・コーン師……名前からしてとんでもない奴だな、だがいまはわからんにしても、その前の足取りとかはどうなんだ?」


「ついこの間皆さんの活躍によって回復することが出来た失地、ヨエー村から女性を連れ出すのに一枚噛んでいたという文書が発見されたにゃ、きっと大仙人とか何とかから買い取って、それをヴァンパイアに売ったんだにゃ」


「やべぇ奴じゃないか、てかもう元凶クラスの暗躍ぶりなんだろうな、普段から……」



 その後もミケの話は続き、ロリ・コーン師がその後、この地域の馬鹿金持ち共と結託し、旧共和国領の馬鹿共に武器を供給していたことも発覚したとの報告を受ける。


 そういえばあの食事会場にて、『非暴力を唱える癖に武器ばかり欲するからウケる』的なことを言っていた奴が居るような居ないような。


 しかしこの地域でのサキュバス関連の事案と、それから南方の旧共和国領の事案を繋ぐキーマンが存在していたとは。


 この西方にサキュバスボッタクリバーが多いというのは、この地域に有名な温泉郷が存在するせいだと思っていたのだが、それはどうやら誤り、全てはロリ・コーン師による資金提供やその他の協力によるものであったのだ。



「それでペロちゃん、当然お前はそのロリ・コーン師に会ったことがあるんだよな?」


「え? 誰それ知らない、名前からしてロリコンなのかしら?」


「勇者様、この子、というかサキュバスと直接関わりあっていたらとっくに魅了されて、今捕まえてある馬鹿なおじさん達と同じ末路を辿っていたはずよ」


「む、確かにそうだな、じゃあそのロリコン野朗は自分だけどこかに隠れて馬鹿共に指示を出していたってことだな?」


「そうよ、きっとあのおじさん軍団が魅了されて、儲けてるつもりで損ばっかりしていたのを見て影で笑っていたんじゃないかしら」


「なお一層のこととんでもない奴だな、しかも反勇者団体にも、それからヨエー村事件にも絡んでんのか……」



 コーン師を早急に討伐しなくてはならない、そう思わせるには十分な内容の報告であったし、これを今はいない他の仲間達に報告しても同じことを思うはずだ。


 ここの件、というか世界中のサキュバスボッタクリバーの件が片付いたら、次は旧共和国領を軽く掃除してやろうと思っていたのだが、もしコーン師が現状でそこに力を入れているような状態であった場合、それはそれでまた骨の折れる作戦になりそうである。


 とにかく翌朝にはここを出て、仲間達の待つ拠点村へと戻ることを決めた。

 帰ったら報告をしてすぐに南へ転進だ、もちろん誰かが他の町村に呼ばれて出動していればそれを待ってからだが。


 ちなみに連れて行くのはペロちゃん一派のサキュバスのみ、他のグループの連中もかなりの数捕らえてあるようだが、そちらの処遇は王国の派遣部隊と、それからこの温泉郷を統括する獣人部隊に任せよう。


 あとは南方で『勇者様に逆らった馬鹿のサンプル』として処刑するおっさんは、後程俺達が南方で拠点とすべき場所が出来てから、そこへ宅配で送って貰うということとなった。


 おっさんはナマモノではあが、まぁ腐ったりはしないはず、冬だし、場合によっては氷魔法使いを出動させて『クール』の状態で運搬することも可能だ、いやそれ逆に死ぬか。



「よし、じゃあそういうことで、今日はもう風呂に入って寝ることとしよう、明日は朝から準備、出来次第すぐに出発だ」


「ニャッ、そしたら連行するサキュバスは夜のうちに繋いでおくのにゃ、それと御者のお姉さんにもそのことを伝えておくのにゃ」


「ああ、じゃあそっちはミケに頼んだ、馬車に乗せるサキュバスはペロちゃんと……なぁ、そういえばこのこの名前知らないんだが……」


『名前……ありません……』


「ごめん、何かかわいそうになってきたぞ……」



 既に食事を終え、先程没収したばかりのクリップボードを回収していたサキュバスお姉さん。

 名前がないとはどういうことだ、ペロちゃんも気を使って名前ぐらい与えてやれば……そもそもペロちゃんの、ペロリンヌという名前自体が源氏名なのか……



「え~っとね、この子はこれで良いと思うのよ、普段から喋らないし、名前も要らないみたいだし」


「とはいえな……う~む、じゃあとりあえず()()()()としておこう、今日からお前はナナシーだ」


『……微妙ですが承りました、本当は名前なんて別に要りませんがそれで良いです』


「感想が正直で大変よろしい」


「あら、この子がこんなにハッキリものを言う……じゃなくて書くなんて珍しいわね……」


「いや、さっきはもっとすげぇ調子に乗っていたぞ……と、とにかくだ、お前等2人は馬車に乗せて、尋問しながら俺達の拠点を目指すからな、覚悟しておけよ」


「はいはい、どうせもうたいした情報なんか出せないわよ、私とか別にただのリーダーだし、色々考えるのは他の子にやって貰ってたんだもん」


「お子様にしてお飾りか、だがあれだけの力があればそうなるのも無理はないな、飾っておくだけで凄い効果なんだからさ」


「う~ん、イマイチ良くわかんないけど別に良いか」



 その日は風呂に入り、サッサと寝ることで翌日の出発に備えた。

 朝目が覚めるとほぼ同時、文書らしきものを持ったミケがやってくる、マリエルからの手紙らしい。


 どうやら俺達以外は既に帰還し、拠点村で王都へ戻るための待機状態に入っているようだ。

 もちろんこのまま転進ゆえ、王都に戻るなどという無駄なことはしないつもりなのだが、こちらの状況を知らない他の仲間がそう考えるのも無理はない。



「ちなみに各方面に派遣された王国軍もだいたい作戦が終了しつつあると昨夜報告を受けたんだにゃ、てかこの西方が一番遅くなっているみたいだにゃ」


「そりゃ敵の数が多かったし、抵抗勢力もあったからな」


「あと作戦の要となった勇者パーティーのリーダーが無能だったからという評価もあるんだにゃ……」


「その評価を下した軍事評論家を死刑にしておいてくれ、で、そろそろ出発の準備を始めないとだな」



 荷造りをし、ペロちゃんとナナシー、それにアンジュも縛り上げ、あらかじめ馬車の荷台に乗せておく。

 遅れて起きて来た御者のお姉さんにお願いし、手を振るミケにまたしばしの別れを告げて温泉施設、そして温泉郷を出る。


 結局ここでやったのはペロちゃん一派の捕獲のみであった、だがここから先、捕まえたサキュバス軍団が非常に良い働きをしてくれるのは確実に間違いないこと。


 馬車の後ろに繋いで歩かせているサキュバスはおよそ30程度だが、これを使って敵地、旧共和国領の富を簒奪、ついでに偉そうにしている敵対者共の人生を破滅に追い込むのだ。



「あ、勇者様、空に鳳凰が居るわよ」


「エリナが何か送って寄越したな、っと、書簡をナイスキャッチだぜ」



 エリナが放ったに違いない鳳凰が落とした書簡、中にはマリエルの字で書かれた……かなり焦ったような筆跡だ、そもそも伝書鳩が戻るのを待たず、エリナの魔獣を使ってまで何かを伝えようとしたのは……


 書かれていた内容、『南方の作戦において、派遣していた部隊の一部が離反、残りは全員敵の手に落ちました』とのこと……どういうことだ?


 そもそも南方はボッタクリバーの摘発もそこそこに、というかほぼせずに、これから壊滅に追い込むべき敵の調査がメインであったはず。


 そこで何が起こったのか? イマイチ掴めないのだが、とにかく今は仲間と合流し、詳細な情報をゲットしなくては……

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