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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第四部 第一章 新たな戦いの幕開け
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503 出発式と出発と

「クソッ、どうして神界から請求書なんか来てんだよっ!」


「別に良いじゃないそんなの、普通に踏み倒してしらばっくれれば、直接請求に来たらブチ殺せばそれで終わりよ」


「お、確かにそうだな、じゃあこの請求書は着火剤として有り難く使わせて頂こう、上等な紙だし良く燃えるだろ」



 神界から来ていた請求書を雑紙コーナーに追いやり、存在を忘却する。

 酒の出る蛇口ももちろん使い続けるし、料金未払いで止められたりしたら神界へ攻め込んで滅ぼす。


 俺達、というかこの蛇口を報酬として選んだ俺は悪くない、使用上の注意事項がないかと聞いたときに、有料であることを告げなかった女神の一方的な落ち度なのだ。


 ということで部屋の壁に設置された『無限に安酒の出る蛇口』は、この屋敷の宝として大切に、絶対に失わないよう全力で守り抜くと誓った。


 コレさえあればタダで酒が飲み放題、料理酒にも使えるし、夢の『酒茶漬け』はもちろん、樽を用意すれば酒の風呂にだって入ることが出来る。


 そうだ、消毒効果を高めるため、帰ったら酒でうがいをしよう。

 健康に気を使う勇者パーティーは、そこまでしてこそ常にベストな状態で戦いに臨むことが出来るのだ。



「で、酒の蛇口は良いとしてだ、マリエル、今日は何だっけ? ささやかな式典をするんだったか?」


「ええ、午後から王宮前広場で四天王討伐記念式典が執り行われます、参列するのは貴族ばかりで、周りの平民ギャラリーには粗品として飴玉の付いたポケットティッシュが配布されるだけですが」


「いやいや、愚民共への施しなどどうでも良い、俺達にはちゃんとした料理が出るんだよな?」


「もちろん食べ放題飲み放題、ついでにお土産まで付いて至れり尽くせりです」


「よっしゃっ! じゃあ今日は昼食抜きで、全員ブッ倒れるまで飲み食いするぞっ!」


『うぇ~い!』



 昨夜は遅くまで宴をしていたため自動的に朝食は抜き、これで昼食も抜くとなれば相当に腹が減るはずだ。

 途中で我慢出来なくなって暴れる狼やドラゴンが居そうだが、せっかくの高級料理なのだから無理にでも我慢させよう。



「あ、ところで勇者様、捕虜として捕らえてある2人の元四天王なんですが、今日の式典で晒し者にすることが決まっています、本人達にその旨伝えておいて頂けますか?」


「わかった、ステージの上で四つん這いにさせて、鞭で丸出しの尻を引っ叩くんだな、モロに公序良俗違反だが、特にカーミラにはキツめのお灸を据えてやる必要があるからな」


「ええ、まぁそんなところですね、他にも王宮の牢屋に入れてあるサキュバスやヴァンパイアを曳き出して、公開オークションにかけたりもするそうですよ」


「そうか、じゃあオークションで儲かった分は俺達の懐にも……入ってこなさそうだな……」


「もちろん全て国庫に丸呑みされます、諦めましょう」



 まぁ、それでも高級料理を堪能して、ついでにお土産までもらえるのならそれで良い。


 明日には世界のボッタクリバー摘発作戦のための出発式、そしてそのまま王都を発って西へ向かう必要があるのだ。

 ここで腹拵えと、ついでに栄養をたっぷり摂取して長旅に備えよう。


 頃合を待って地下牢へ行き、アンジュとカーミラにお仕置きの執行を告げた俺は、縛り上げた2人を牽いて外へ、広場へ向かうべく馬車に乗り込んだ……



 ※※※



「うむ、主役が来たようじゃの、今日は食べ放題、しかも飲み放題ゆえ適当に飲んで食って、迫り来る次の戦いに耐え得る滋養を……」


「あ~、はいはい、ちょっと腹が減って不機嫌になっているのが居てな、早めに食事をスターとしたいんだが、俺も腹減ってお腹と背中が入れ替わりそうだしな」


「全く節操がないの、仕方ない、ではそっちの『勇者パーティー』と書いてあるテーブルを使うのじゃ」


「げっ、前の方かよ、料理は後ろなのにな……チラッ、チラッ……」



 係員に殺気の篭ったチラ見を送ると、ご丁寧に料理の盛られた台車を丸ごと俺達の方に運んで来てくれた。

 大変にありがたい、こういう気の効くスタッフにはチップをやらねば、まぁ、金はほとんど持っていないのだがな。


 ファインプレーを見せてくれた数人のスタッフには、その辺に落ちていた石ころに俺のサインを入れて渡しておいた。

 何だか凄く嫌そうな顔をされたのだが、いくら価値のあるものとはいえ職務中にそんなものを受け取らせるのは拙かったか。



「さてと、じゃあ早速料理の方を……あれ? カルボナーラのトレーがひとつ消えているんだが……」


「おう勇者殿、久しぶりだな、主役を差し置いて勝手に食べ始めていて申し訳ない、だが一応肉と野菜は奪わないよう注意しているぞっ」


「何だゴンザレスかよ、てかトレーごと食ってんじゃねぇっ!」


「トレーごとだと……本当だ、お~い、これはどうやらトレーのようだっ! 皆中身のカルボナーラだけ食べて返却するんだっ!」


『うわっ、そうだったのかっ!?』

『てっきりモナカだとばかり……』

『だから下しかなかったということだな』



 俺達が不在の間、王都の守りはこのMランク冒険者、ゴンザレスを始めとする王都筋肉団が担っていたのである。

 全員人の形だけ模した何かであるのは間違いないが、銀ピカに輝く料理のトレーをモナカと間違えるとはなかなかだ。


 他にもしばらく会っていなかった連中に次々と遭遇し、俺は食事どころではなくなってしまった。

 ようやく俺達のテーブルを訪れる人の流れが途切れた頃には、精霊様がアンジュとカーミラを引き連れてオンステージしたところ。


 2人共全裸に剥かれ、サキュバスであるアンジュは余裕の面持ちで、一方のカーミラは恥ずかしそうにクネクネしている。



「いくわよっ! それっ!」


「ひぎぃぃぃっ!」


「今度はあなたよっ!」


「あっひゃぁぁぁっ!」



 四つん這いにされ、長い鞭を持った精霊様がそれを2人の尻と背中に打ち付けていく……見た目ではかなり効いているようだが、アンジュは全裸で注目されてどことなく嬉しそうだし、倒錯の極みであるカーミラはなぜかヘラヘラ笑っているではないか。


 別にこれは余興なのだから、それはそれで構わないのであるが、ちっとも反省していないカーミラはまだ許すわけにはいかないな、屋敷に戻ったら地下牢でシルビアさんからのお仕置きを受けるべきだ。


 しばらくしてボロッボロになった2人を引き摺り、精霊様がステージから捌けた、ここで今日のメインイベント、捕まえたサキュバスとヴァンパイアの公開オークションである。


 サキュバスはここ最近で少しボッタクリバーの摘発があったようで、合計30人程度、ヴァンパイアはたったの5人だ、サキュバスと違い、金持ちの変態オヤジに売却されることを拒否した者が多かったとのこと。


 で、売られるサキュバス共はやる気満々、ついこの間も聞いたように、サキュバスにとって変態エロオヤジに売却されるというのは願ったり叶ったり。


 もう搾れるだけ搾り取ったら次に売られ、そこでも搾り取って……そのうち王都では金持ちの変態が絶滅危惧種になりそうだな。


 もちろんそれは喜ばしいことであるし、そもそもそういう変態などサッサと死ぬべきなのだが、このように意味不明な方法で絶滅に向かわせても良いものなのだろうか、かなり疑問だ。



『さぁ~っ! 始まりました奴隷オークション! 今回はなんと魔族! しかもサキュバスが大半という激アツの内容となっておりますっ! 意地汚い金持ちの皆様! どうかお誘い合わせのうえっ! 全財産つぎ込んで破産する勢いでジャブジャブ金を落として下さいっ!』


『ウォォォッ!』



 熱狂の嵐だ、もちろん勝利を記念するささやかなパーティーに参列しているような『本当の上流』はこのような騒ぎになど参加せず、蔑むような目でその会場に集るゴミのような成金共を眺めている。


 オークションも立派な余興だが、むしろ目を血走らせた頭の悪い参加者の動き、キモさこそが、このパーティーに招待されるような連中にとっての『ショー』そのものなのだ。


 まるで動物園の何かのように見られているとは露知らず、オークション参加者共は必死で札を上げ、ときには乱闘もし、今後自分の身を滅ぼすタネとなるであろうサキュバスの身柄を奪い合った……



「キャハハハッ! 見てよあのおっさん、自宅の権利書をベットしちゃったわよ、それでサキュバスを連れ帰ってどこで飼うつもりなのかしらね」


「アレはいかんな、完全に魅了されていやがる、俺みたいに賢者の石を身に着けていないからああなるんだ」



 自宅、それにその他諸々の全てと引き換えにサキュバスを1人ゲットした知らないおっさん、嬉しそうに会場を後にしたのだが、一体どこへ帰るつもりなのであろうか?


 そのおっさんに連れられたサキュバスは、会場横の檻に入れて飾ってあったアンジュにお辞儀をし、これからオークションにかけられる他のサキュバス達に、『またね』と言って去って行く。


 きっと自分を購入したおっさんがすぐに使い物にならなくなることはわかっているのであろう、そして他の仲間も同様、そのうちまたこのようなオークション会場で出会うことになると踏んでいるのだ。


 そんなこんなで鉄火場状態のオークションは数名の重傷者と1名の死者を出しつつ終了を迎え、こちらのパーティーもそこでお開きとなった。


 スタッフに大量のお土産を包ませ、ついでに新品のまま残っていた高級品の酒樽を3つ強奪して岐路に着く。

 今日は蛇口の安酒で良い、この酒樽は明日以降の旅のお供にしてやるのだ……



 ※※※



 ささやかなパーティーを終えた翌日、俺達は朝からまた王宮前広場へ、昨日のセットのままのステージに立った偉そうな将軍の話を聞いていた。


 周りの一般兵士や憲兵、そしてその見習いと思しき格好の参加者はほとんど女性ばかり。

 これから店を摘発していくサキュバスに魅了され、甘い対応をしてしまわないための措置だ。


 もちろんここに並んでいる俺達以外の大半が、実際にサキュバスによる物理的抵抗を受けたら即死、どころか存在すら忘れ去られるほどに、それはもう綺麗サッパリこの世から消し去られてしまうはずだ。


 ゆえに俺達以外は絶対に戦闘をせず、アンジュにサインさせた文書を見せても投降しない場合には、王都で待機している筋肉団その他の精鋭部隊、または俺達の方が近ければ俺達を呼ぶこと、そういう内容の説明を壇上のおっさんがしているようだが、非常に寒いのでイマイチ聞いていない。



『え~っ、とにかくだ、諸君らには細心の注意を払って行動して頂き、そのなかでさらに、いかなる状況に陥ったとしてもパニックにならず、鋼の精神を持って冷静な対処を……あぁぁぁっ! 風でヅラがぁぁぁっ! 待って、待ってくれぇぇぇっ!』



 鋼の精神を持っていなかった将軍は、冬特有の強風でヅラを飛ばされ、パニックを起こして壇上から姿を消した。

 代わって上がって来たのはその部下、というか今回の大将補佐を務めると思しき女性。


 ヅラおじさんの情けない姿を見てヘラヘラ笑っていた兵士達が、その女性が登壇した瞬間、まるで凍りついたかの如くピシッと、姿勢を正して前を見る。


 いかん、これは絶対に怖いやつだ、余計なことをしたらたとえ勇者であっても容赦なく罵倒する、そういう感じの方であるに違いない。


 ということで今回は調子に乗らず、真面目に話を聞いてサッサと出発することとしよう……



『貴様等! さっきのハゲのような醜態を晒してみろっ! そのような者は生きて再び王都の門を通ることが出来ないっ! いやっ! その資格がないのだっ! だいたいあのハゲは大将だというのにヅラなど追ってどこへ行ってしまったのだ? 全くこれだから年功だけで昇進した無能ハゲは……』



 強い言葉で激を入れた後、何となく文句を言い始める女性指揮官代行、長くなりそうだ。

 普段ならここで止めに入るところだが、口を開いて目を付けられると何をされるかわかったものではない。


 極寒の中、しばらく黙ってその場をやり過ごすことしか出来なかったのである。

 ちなみにヅラと共にどこかへ行ったおっさんは、広場の隅でドブに嵌まった瞬間を、そして意識を失い、その辺のチンピラに身包み剥がれる瞬間を見てしまった……



『……ということで以上! ここからは各方面ごとに分かれて出発前のミーティングとするっ! 解散!』



 最後にビシッと気をつけ、そして敬礼をした兵士諸君、俺達だけボーっとしていたためか、一瞬だけ指揮官代行の女性と目が合ってしまった、もしかしたら殺されるかも知れない。



「ふぅ~っ、やれやれ、あんなヤバそうな奴が指揮官代行かよ、全く困ったものだぜ、開会式だけで疲労困憊ですよっと」


「指揮官のハゲおじさんはどこへ……あ、あそこで瀕死の重傷を負ってるじゃないのっ!」


「よせよせ、どうせもう助からん、命は助かるだろうが社会的にな、放っておいてやって方が本人のためさ、ドブ水の効能で毛根が復活するかもだし、何よりもあんなのが指揮官だったら事態は余計悪い方向へ進むと思わないか?」


「確かにそうね……今はそっとしといてあげましょ……」



 ということで指揮官、いや元指揮官のハゲは見捨て、俺達は『西方派遣部隊』と書かれた看板を目指して歩き、そこに集まっていた一団に合流した。


 この派遣部隊はどうやら、俺達の西方拠点である村に陣を張り、そこから各所、主に例の温泉郷などで営業しているボッタクリバーに降伏勧奨を行っていくのだという。


 で、もちろん言うことを聞かない店舗が出てくる、そのときは俺達の出番、ボッタクリバーを世界中に撒き散らした張本人であるアンジュを連れて、直接交渉に向かおう、そして交渉が決裂したら少し痛い思いをさせてしまおうという作戦だ。


 なお、俺達が西方の部隊に組み込まれたのは拠点を持っているからという理由だけではない。

 どういうわけか西方はボッタクリバーの数が多いそうなのだ、まぁ温泉郷があることが影響しているのだとは思うが……



「では一旦それぞれの部隊へ戻り、準備が整い次第ダッシュで西門に集合です、全員揃ったら即出発ですのでそのつもりで」


『うぇ~い!』



 どうでも良いミーティングはあまり聞いていなかったのだが、とにかく西門へ行けば良いらしい。

 俺達の準備は既に万端だ、食糧も酒も馬車に積み込んだし、荷物の中に『アンジュ』が入っていることもキッチリ確認済みだ。


 ということで広場から直接西門を目指した俺達、パーティーメンバー12人とアイリス、それとオマケのエリナ、全部で14人、いや、荷物扱いのアンジュも入れれば15人、セラの杖の中にはハンナが……まぁ、人数はどうでも良い、とにかく西方拠点へ向かうのだ。


 ちなみに、移動するのが俺達だけであれば、王都の屋敷にエリナが設置した転移装置を使い、あっという間に西方の拠点ハウスへ飛ぶことが出来てしまう。


 だがこれは一般の方々にはナイショにしたいことなのだ、魔族の技術でしか成し得ない超便利アイテムを俺達だけで独占していることが外に漏れると、それこそ『反勇者』の連中を勢い付けさせる結果となりかねないためである。


 西門に到着してから、1時間程は馬車の中で待たされたであろうか? 徐々に部隊が集合し始め、そこから30分もしないうちに全体の点呼が取られた。


 動き出す隊列、すべての部隊が集合していた証拠だ、俺達には一応王女であるマリエルが含まれているため、一番安全であろう真ん中付近に入るよう指示を受ける。


 部隊は総勢でおよそ500、馬車や馬の者は良いが、歩兵として参加している者が非常に多いため、進軍速度はかなり遅い、正直言ってノロマだ……



「あ~、面倒臭せぇな~、どうして俺達まで馬車でのんびり行かないとなんだよ」


「勇者様、少しは我慢して下さい、というかあまり横着ばっかしてるとデブとかハゲになりますよ」


「おいミラ、デブはともかくハゲは関係ないだろうよ……」



 とはいえハゲになるのは嫌だ、この世界には有効なハゲ防止方法がなく、あっても質の悪いヅラ程度、そう、どんな高級品であってもリアルに風で飛んで行ってしまうほどだ。


 そんな世界において、遺伝的にハゲ確、ハゲのサラブレッド、世界ゲーハー協会の幹部候補生とも言われた俺が無事ハゲずに生涯を全う出来る可能性は極めて低い。


 ゆえに、それが少しキツめの冗談であったとしても、『ハゲるかも知れない』という情報を得てしまった以上、それまたはそれに類する行動を取ることは出来ないのである。


 というかミラの指摘通り、最近は便利アイテムに頼りすぎて堕落している感が否めない。

 ここは少し頑張っておくか、どうせ西の拠点ハウスに着けばゆっくり出来るのだし、もう数日の辛抱だ。


 ということで少し気合を入れておこうと思い、馬車の窓から顔を出して外の空気、晴れた冬の昼下がりの、とんでもなく冷たい空気に顔を晒す……と、謎の衝撃、冷たい……そしてなぜか汁のようなものが顔に垂れてくるではないか……



「えっ? 何コレ? うわっ、くっさぁぁぁっ! オェェェッ! ボォェェェッ!」


「ちょっとホントに何よそれっ!? 生ゴミよっ!」

「お魚の骨ですっ! ご主人様、汚いからどっかにポイッて、こっち来ないで下さい!」

「どうしてそんなモノ頭の上に乗せてんのよこの異世界人は……」


「知らんっ! 今突然頭に乗っかって……って、雨か?」



 晴天から降り注ぐ雨、横殴りの雨、生ゴミの雨、いや、上がどうこうではない、遥か先の山に引っ掛かったように見える、まるで夏場のような巨大な雲、そこから降り注いだ生ゴミが、真冬の風に乗ってここまで飛んで来ているのだ。


 徐々に西へ流れるその雲の向かう先は、明らかに俺達の西方拠点がある方角。

 ヤバい、アレは間違いなく今話題の浮遊魔王城だ、そしてこのままだと俺達の拠点が狙われる。


 美しい温泉を湛える俺達の拠点が、とんでもない生ゴミの雨によって滅ぼされてしまうのだ。

 これはどうにかしないと……いや、まずは激クサの雨に晒され、パニックに陥った派遣部隊をどうにかしなくては……

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