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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十九章 最後の1人
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500 俺達の戦いはまだまだ……

 北の果て、四天王城から出た俺達は、荒廃したヴァンパイア村に立ち寄って同行した連中の戦死報告、ついでに以前関与したお子様ヴァンパイアとその姉に挨拶を済ませ、そこからトンネルを潜って人族の領域へと戻った。


 トンネルを抜けた先は狐獣人の里、何人か付いて来た村のヴァンパイアは、ここで狩った獲物から得られる生き血を何かと物々交換、または貨幣で購入出来ないものかということで、土産を持参して里の連中と交渉をするとのこと。


 おそらくこれが魔界の神々によって想定された、この人族と魔族の地を繋ぐトンネルの正式な用途なのであろう。

 突然に俺達が捕らえている分も含めた大量のヴァンパイアが現れ、狐獣人の里は少し騒ぎになったが、すぐに年寄連中がそれを収めたようだ。


 俺達はそのまま里の中へ入り、カーミラの攻撃から離脱し、南へ向かったことを確認していたアイリスとエリナ、それからアンジュを捜した……



「おうアイリス、エリナ、大丈夫だったか? アンジュがバリア的な何かでどうにかしてくれたんだろ?」


「あう~、恐かったです~」

「私ももう死ぬかと思いましたよ、あ、私死なないんでした、でもリアルにヤバかったです」



 トンネルを越えて戻った狐獣人の里、俺達が滞在していた際に使っていた宿泊所の建物にアイリスとエリナの2人は居た。

 カーミラの攻撃を受けた後、そのまま山脈を越えてこちらへ、人族側へ逃れていたのは予想通り。


 鎖で繋いで引き摺って来たカーミラをその場に平伏させ、2人に対して謝罪させる。

 あとこれまで散々、このカーミラに騙されて迷惑を被ってきたお友達、元南の四天王であるアンジュは……どうやら里の牢屋に放り込んであるようだ。


 俺達もなかなか迷惑を被ったのだが、アンジュに関してはガチで、超長期にわたってこの女の猫かぶりに騙され、信じ難い損害を被りつつも、『カーミラは世間知らずのお嬢様だから』という理由でそれを受忍させられてきた。


 それが全て演技であったことがわかった今、真実を知ったらどれだけ怒るのであろうか?

 一応『友達をやめる』とか『もう知らない』というのは勘弁してやるように行っておかなくては……まぁそれは後で良い、まずは休憩と腹拵えだ……



「さてと、じゃあ今日はここに泊まるということで、昼食と夕飯、それから明日出発する前の朝食を頼んでおこう、というかマリエル、頼んでおいてくれ、ここでは俺が言っても何もしてくれないだろうからな」


「あ、は~い、ではすぐに言って来ますね、それから王都にも戻る旨伝書鳩で伝えておきます」


「おう、そっちも俺達の勝利を祝うド派手パレードを準備しておくよう伝えるんだ、酒と料理と、あと報酬もな」


「わかりました、まぁどうせ報酬は雀どころかミジンコの涙ぐらいのモノになるとは思いますが……」


「……うむ、あまり期待しないでおこう」



 王国はケチだ、というか総務大臣のババァがケチなのだ、本当にシケていやがる。

 だが報酬で思い出した、四天王を全て討伐した暁には、女神から何らかの報酬があるようなないようなという話であった。


 こちらもろくでもないものを渡されそうな予感がしなくもないのだが、少なくとも王国が寄越す、粗品のタオルやボックスティッシュなどよりは真っ当なものを受け取ることが出来るはずだ。


 その後、マリエルの要請によって大喜びで俺達の昼食、さらには豪華な夕食を提供することも約束してくれた狐獣人の里のご厚意に甘えつつ、午後にはカーミラを連れて、アンジュを放り込んである里の牢屋へと向かう。


 鉄格子の向こうで暇そうにしていたアンジュは、俺が来たと知った瞬間に尻尾を立て、何かを期待するような表情でこちらを見る、もちろん甘えた上目遣いでだ。


 だが念のため賢者の石を装備してきた俺にそんな作戦は通用しない、おおかた何か便宜を図るようねだろうとしたのであろうが、異世界勇者様たる俺様はそんなに甘くはない。


 捕らえて来たヴァンパイアだらけの中に1人だけ居るそのサキュバスの前に立ち、まずはついこの間、エリナの鳳凰がカーミラから攻撃を受けた際の礼を述べておく……



「ようアンジュ、この間は助かったよ、この馬鹿の攻撃からアイリスとエリナ……はあのぐらい喰らっても大丈夫か、とにかく2人を守ってくれたみたいだな」


「そうよ、カーミラが間違えて攻撃してきたのが悪いんだけど、本人は反省……」


「してないと思うぞ、ほれカーミラ、ちょっとそこに正座しろっ」


「へへーっ、ごめんなさいでした~」


「何かムカつくんだよな、事実を知っていると尚更……」


「えっと、どういうことなのか説明して貰えるかしら?」



 正座して謝罪しつつもヘラヘラと、まるで反省の様子がないカーミラ。

 その様子がいつもと、猫を被った状態のときと異なることに、付き合いの長いアンジュは気付いたのであろう。


 その後は俺の口から洗いざらい、カーミラが本当は世間知らずのお嬢様……であることは確かにせよ、性格は捻じ曲がり、普段天然で色々とやらかしていることを偽装し、その裏では困惑し、困窮する人々を見て楽しんでいたことをアンジュに伝える。


 もちろんアンジュの城から帰る際、毎度毎度ガラス窓を破壊していたことも、逆にアンジュがカーミラの城を訪れた際に、亜空間の仕掛けで3日間、無限の回廊を彷徨わせたことも、それらが全て『わざと』、そして『楽しんでやってたことである』と教えてやってのだ。



「……カーミラ! あんたそういうことしていたのねっ! で、何か弁明はあるのかしら?」


「え~っと、う~ん……許してにゃんっ!」


「ちょっと、この子しばらく預かっても良いかしら?」


「良いぞ、この間の分のご褒美として今日アンジュには夕飯をやるから、そのとき呼びに来るまでは好きにシバいておいて構わん、ほら、手枷を外してやる」


「ありがと、さぁカーミラ、覚悟しなさいっ!」


「ひぇぇぇっ、お手柔らかに~っ!」



 手枷を外して自由にしてやったアンジュが入った牢屋に、縛り上げた状態のままカーミラを放り込む。

 早速くすぐられ、耳を引っ張られ、さらには頬を抓られたりしているようだ。


 まぁ、自分が悪いのだからどうなっても文句は言えまい、夕方アンジュを迎えに来たとき、カーミラがどの程度まで反省しているかは定かでないが、今はとりあえずお仕置きを任せてしまおう。


 2人を置いたまま牢屋を出て宿泊所に戻った俺は、そこから特に予定もなく、夕食の準備が整うまでまったりと過ごしたのであった……



 ※※※



 夕飯時、約束通りアンジュにまともな食事を与えるため牢屋へと迎えに行く。

 サキュバスのテクで全身を弄られてヨレヨレになったカーミラも、一応風呂で洗ってやろうということで連れ出す。


 2人を連れて宿泊所へ戻った頃には、既に豪華な夕食、そして酒の準備がされた状態で、族長以下未だに俺のことをマリエルの下僕だと思い込んでいるジジババ、そして給仕をしてくれる連中が並んでいた。


 早速席に着いて食事を開始する、連れて来たアンジュは端っこ、そしてカーミラはその横の床に正座させておく。


 優しいアンジュは血に近い色をしているというだけでカーミラの大好物であるというトマトを、すぐ下で犬のように控えるそのカーミラに……ヘタだけくれてやったのか、なかなか鬼畜である。


 で、こちらは乾杯もそこそこに、この後の計画について話を始めた。


 王都へ戻ってからもかなりやることがある、もちろん以降も魔王軍の討伐、即ちまだ見ぬ副魔王とやら、そして魔王本人をコテンパンにしてやる必要があるのだが、その前に片付けておかねばならない残務が山ほどあるのだ。


 特にサキュバスボッタクリバーの掃討と、それから取り戻したヨエー村の処理、あと屋敷で捕らえてある怪しいくのいちは……奴は今のところどうでも良いか、またそのうちにどこかで、何か立ちはだかる敵に関する話と絡んでくるに違いない。



「……とにかくだ、まずはアンジュ、お前が世界中にバラ撒いたあの不正行為だらけの店を片付けないとだ、聞いてるかアンジュ?」


「え? あ、はいはい、大人しく店を閉めて降参するように言えば良いのよね?」


「その通りだ、まぁ若干残しておくべき場所もあるんだがな、敵地にあるボッタクリ店は味方みたいなものだし」


「そういえば勇者様、旧共和国領のあの不埒者共に関してはどうするつもりですか? それこそ早めに対応しないと拙いような気もしますが……」


「う~む、確かにあの『勇者風ハゲ』を排除したことによってしばらくは大人しいだろうが、また数を増やしつつ迷惑行為を再開するのは間違いないからな、こうなれば奴等の資金供給源である旧共和国領ごと消滅させるか?」


「いえ、それだとあの地に住むまともな方々が困ってしまいます、どうにかして頭に虫の沸いた連中だけを皆殺しにする方法を考えなくてはなりません」



 マリエル王女殿下は難しいことを仰る、あのゴチャゴチャした中で、悪い奴、とんでもない思想を持つ奴だけ選りすぐりで、ついでに言うとまともな連中が生活するためのインフラ等を傷付けないよう討伐していくというのは非常に困難なことだ。


 敵は洗脳されて変な考えに染まった馬鹿とはいえ、一見まともな人間であるかのように『偽態』して追跡をかわすことぐらいは出来るはずだし、そうなったらもう、指紋やDNA鑑定などがないこの世界では見逃すか、やはり適当にとっ捕まえて、冤罪の可能性は無視した苛烈な拷問を加えるしかない。


 おそらくマリエルは、何でもかんでもフィクションのように戦い、追い詰められた敵が『畏れ入りました』と降参し、あとはこちらで死刑を宣告して一件落着という想像をしているのであろう。


 だが実際にはそこまで上手くいくことばかりでは……いや、この世界はどちらかというと俺達にとって都合の良い結末を迎えがちか、マリエルがそのような考え方を持ってしまうのも無理はない。



「まぁとにかくだ、旧共和国領のゴミクズ共に関してもまたアレってことだな、これでやるべき後始末というか何というか、そういう感じの優先タスクは3つだ、こりゃしばらくは魔王軍どころじゃないかもな」


「それに勇者様、魔王軍って言っても次の敵がどこに居るのかもわからないでしょ、良く考えたら魔王城なんて地図にもないし……あ、でも誰か場所を知っているはずよね……」



 マーサはふかし芋に夢中、そしてエリナがサリナのために卵の殻を剥いてやり、それを見つめるサリナ。

 話が出来そうなのは普通に尻尾の火魔法で焼いたパンを齧っているユリナぐらいのものか、とりあえず聞いてみよう。



「おいユリナ、ちょっと良いか?」


「何ですの? パンを焼くなら暖炉の横の釜でやって欲しいですわ、そこまで行くのが面倒ですの」


「そうじゃなくて、魔王城の場所、ユリナなら知っているだろ? 行ったことあるみたいだし」


「確かに行ったことはありますが、今その魔王様のお城がどこにあるか、というかどこを飛んでいるのかはわかりませんのよ」


「どこを飛んでいるか? てことは何か、魔王城は天空の……」


「ええ、いよいよ大魔将が危ないとなったときに飛び立ったはずですわ、そういう危機対応マニュアルがあったと思いますの、で、今は移動販売車みたいに城ごとその辺の高空をウロチョロしているはずですわ、もちろん、分厚い雲に隠れて地上からは見えませんことよ」


「あぁ、とにかくそういう感じのアレなんだな……しかし空かよ、俺達、魔法で空を飛べるようになるかな?」


「絶対に無理ですの、特にご主人様はセンスの欠片もないはず、棒高跳びの方がよほど高く飛べますわよ、その変な棒を使って」


「コレはそういうやつじゃないんだがな、とにかくわかった、どうにかしてその魔王城を地上に降ろすか、何らかの方法でこちらから行かない限りは話にならないということだな……」



 これまた厄介な話である、残務処理をしつつ、この先魔王軍と戦っていくための準備をしていこうかとも思っていたのだが、城自体が空を飛び、手の届かない所にあるというのでは仕方ない。


 まぁ、もしかしたらこの先何かの関係で、魔王城を地上に叩き落すためのきっかけや、直接中へ転移するための装置やアイテムなどを発見することになるかも知れないのだ。


 どうせすぐに何とやらというわけにはいかないのだし、ここは気長に解決策が提示されるのを待つこととしよう。

 魔王城に手が届いてしまいさえすれば、あと残すは副魔王とやら2体、そして魔王本人だけなのだから……



「ふぁ~っ、勇者様、そろそろ眠くなってきたわよ」


「そうか、じゃあそろそろお開きにして、明日は朝からここを発って王都に戻るぞ、対四天王戦の戦勝を祝う人々に迎えられて凱旋するんだ」


『うぇ~い!』



 酒のグラスが空になったところで宴会終了を切り出し、翌日に備えてサッサと寝る。

 この暖炉がないと生きていけない寒さを誇る北の地とも、ここでようやくお別れとなるのだ……



 ※※※



 翌日の朝から、数日を掛けて馬車で王都まで戻った、北門で出迎えてくれたのは数十人のどうもやる気の感じられない人々であった。


 正直言って最低賃金付近の報酬しか得ていないバイトであることが明らか、おそらく王宮の方で呼び掛けをしたものの人が集まらず、急遽その辺の暇そうな奴を雇い入れて配置したのであろう。


 まぁ、良く考えてみればそれも仕方のないことだ、前回の大魔将に引き続き、というかそれにも増して、今回の四天王との戦いは、一般に暮らす普通の人々にとって縁遠いものであったのだから。


 一見すると薄情な話だが、その背景を考慮した場合にはそれほどムカついたりは……いや、普通にムカつくな……


 などと考えつつ寂しい出迎えを通過した俺達は、そのまま北門からすぐの所にある屋敷へと向かった。


 不在の間に届いたのであろう、ポストに突っ込まれた大量の手紙、大半が踏み倒し予定の請求書か督促状、残りは不幸の手紙や謎の怪文書、DMなどだ、どれも良く燃えるので大変助かっております。


 というかシルビアさんは……店の方が忙しいのか、俺達の屋敷の手紙など、いちいちポストから抜いているほど暇ではないのであろう。


 そのシルビアさんにはお土産として持ち帰った狐獣人の里特製の酒をルビアに持たせ、店の方へと派遣しておく。


 俺達は庭の温泉に降り積もった落ち葉などを片付け、メインとなる2階の大部屋の掃除も済ませ、どうにか再びこの屋敷を主な拠点として使えるまでに清掃したのであった。



「勇者様、早速伝令が来ていますよ、というか王宮からの呼び出しです」


「面倒臭せぇな、今帰って来たばっかなんだから少し待てと言っておけ」


「報酬を用意して待っているとのことなんですが……」


「そうか、迎えの馬車はまだ来ないのか?」


「もうすぐに来るみたいですよ、ほらあそこに」


「チッ、もっと速く走りやがれってんだ、こちとら王都に入る前から王宮へ行きたくて仕方なかったんだからよ、全く使えない行政だぜ」



 何が貰えるのかはわからないが、貰えるものは貰っておく主義である、ゆえに報酬という言葉を聞いてしまった以上、すぐに行かないという選択肢はないのだ。


 ミラが倉庫の中からサンタクロースかと思われる次元の布袋を引っ張り出してきてセラに渡した。

 この袋が一杯になるまで帰って来なくても良いとのことだ、気合で粘って大量の財貨を獲得せねばならない。


 セラとマリエルと共に、すぐに迎えに来た馬車に飛び乗って意気揚々と王宮を目指す。

 到着早々駆け出し、一直線に向かった王の間では、駄王とババァ総務大臣、それからその辺のモブ大臣やモブ官僚が待機していた。



「おぉ、ゆうしゃよ、この度はごく……」


「うるせぇんだよこのアル中オヤジがっ! 張り倒されたくなかったら早く報酬を寄越せ、てか貴様に用などない、金を出すのはそっちの大臣共だからな」


「おぉ、ゆうしゃよ、今日はいつにも増して口の悪いことであ……」


「だから黙れって言ってんだろ、おいそこの衛兵、この部外者をつまみ出せ」


「あの……それそんなんでも一応国王なんですが……」



 横に控えていた雑魚キャラの衛兵に『そんなん』扱いされた駄王、全てを諦めて静かになり、玉座に深く腰掛けて何らかのサワーが入ったジョッキを傾け、葉巻を一服する、ちなみにここは禁煙だ。


 と、そこでこれ以上黙っていると俺が暴れるとでも思ったのか、ババァが前に出て、何か文書のようなものを持って俺の前に立つ。


 まさか報酬は小切手払いなのか? そうするとサンタの布袋が一杯になることはないが……まぁ、目玉が飛び出るような額面が記載されていればミラも許してくれる、どころか気を失って倒れてくれるはずだ。



「……うむ、勇者パーティー代表者であるそなたには、魔王軍四天王討伐の報酬として金貨10枚を授けるっ!」


「金貨10枚? で、パーティーが12人だから全部で……」


「何を言っておるのじゃ? 全員分全部で10枚に決まっておろう」


「いやいや何言ってんだはこっちの台詞だ、で、そんなにショボいということは、もちろん副賞があるんだよな?」


「もちろんじゃ、それがこの文書、ほれ、勇者パーティーに対する新たな指令書じゃよ、もうわかっておると思うが、未解決の些事について解決に向けて尽力すべしという内容のものじゃな」


「再び何言ってんだ、それは仕事の依頼であって、報酬ではないよな?」


「またまた何を言っておるのじゃ? このご時勢、仕事にありつけず食うにも困っておる庶民もあるのじゃ、おぬしらはここで仕事にありつけた、それで不満があるとでも……」


「おいセラ、適当に調度品を奪うぞっ!」

「合点! あのソファずっと欲しかったのよねっ」


「ぎゃぁぁぁっ、嘘じゃっ、今のは冗談であっての、副賞としてはほれ……うむ、そこのソファ、持って行って良いぞ……」


『やったぜ!』



 布袋に高級ソファを詰め込んだ俺達、どうせわかっている内容の指令書だか何だかを破り捨て、来たときよりも大きな馬車を出させて屋敷へと戻る。


 四天王を全て討伐したにしては何だかショボくれた報酬なのだが、これから女神にも何か貰えるのだ。

 今は我慢して、このゲットしたソファに交代で座りながら少し休もう。


 この先も魔王軍討伐まで、そしてさらにその先も、この世界でやるべきことは山のように存在している。

 その全ての目的を達成するまで、パーティー全員で力を合わせて戦っていかなくてはならない、俺達の戦いはまだまだこれからなのだから……

これで第三部は終わり、次、明日から第四部へ参ります。

ここまで読んで頂いた方、誠にありがとうございました。

まだもうしばらく続ける気力がありますゆえ、最後までお付き合い頂けると幸い至極にございます。

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