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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十九章 最後の1人
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499 終局

「……てことなんだよ、風魔法直撃だとまた俺が追っかけまわされる羽目になるが、間接的にいけば逆に効果覿面なんだ」


「わかったわ、風でスカート捲りをする感じね」


「うん、まぁ……否定はしたいところだがその通りだ、残念なことにな……」



 例えがイマイチなセラはどうでも良いとして、カレンにもリリィにも、これからどうすべきなのかが何となく理解出来たようだ。


 地上の方では相変わらず挑発を続けているが、ジェシカの元居た足場は完全に崩落し、今はマーサに助け出されて少し離れた別の足場に居る。


 だがそれがかえって好都合だ、1人だけ離れていることにより、カーミラの攻撃は分散、さらに遠くのジェシカに攻撃するため、かなり意識がそちらへ持っていかれてしまうようだ。


 また、足場間を行ったり来たり、位置が安定しないマーサもなかなか狙い辛そうである。

 もちろんジェシカからは離れた位置を跳び回っているため、カーミラの視線は定まらない。


 カーミラは地上の仲間達の方しか見ていない、俺達は背後から、まるでスカートを捲るが如く攻撃を加えるのがベストだ。

 やはりスカート捲りに他ならないのは残念なことだが、世界平和のためにはもう捲るしかないのである。


 まぁ、後で訴訟を起こされたら正当防衛を主張しよう、カーミラの巨大瘴気コウモリの中を覗かれない利益よりも、俺達が成すべき作戦による利益の方が公共の福祉に適っているはずだからな。


 というかそもそも本当にスカートを捲るわけではなく、そのさらに上に纏った禍々しい瘴気の塊を吹き飛ばすだけなのだ、別に犯罪ではないはず。


 と、そこで地上の仲間達の方に動きがあったようだ……



『やったやったっ! どうにか1人落とすことに成功しましたっ! これからも頑張ろうと思いますっ!』



 嬉しそうにそう叫んだカーミラ、見ると、ひとつの足場が完全に崩落し、ついでにミラの姿が消えていた。

 支えとなっていた石造りの柱が折れてしまったようだ、それでは床を維持することが出来ない。


 直後にミラが居た場所の真下、かろうじて見える位置で、差し込む太陽の光を反射した剣か盾かがキラキラと輝いているのが確認出来た。

 かなり下まで落とされたようだ、あそこから上がって戻るのは困難であろう。


 遂に1人が落下したという感じ、このまま戦いを続ければ、全員いつかは落とされる。

 そうなる前に作戦を成功させねば、下からは何をするのかまだわからないが、先に俺達が攻撃を仕掛けることを期待しているような動きをしているのが確認出来た。



「急ごう、このままだと下の仲間が減って、こっちにカーミラの意識が向きかねない」


「そうね、落ちちゃったミラも心配だし、サッサと作戦を始めましょ」



 1人だけ落下してしまったミラ、このまま放置された場合には物理的な落下だけでなく、孤独と不満から闇堕ちしてしまいかねない。


 そうなる前に戦闘を終わらせ、救出してやる必要がある。

 スネてメチャクチャをするミラなど誰も見たくはないのだから。


 ということでカーミラとカーミラが纏った巨大瘴気コウモリの背後に回り、気付かれぬよう、セラが徐々に風を巻き起こす。


 いつものように風で壁を作ったり、刃を飛ばしたりという攻撃ではない。

 ゆるやかに、大気そのものを動かして瘴気の塊を押す感じである。


 もちろん直接的に魔法が触れてしまえば、何らかのかたちでカーミラが気付き、魔法のコントロールを奪われることによって作戦は失敗、以降同様の方法が通用することはさすがになくなるであろう。


 ゆえに一発勝負だ、慎重に、間接的にやっていくことを意識しつつ風魔法を操るセラ、そして上手く調整を掛けながら飛ぶリリィ。



「よし、徐々に動いてきたじゃないか、カレン、カーミラの姿が見えたら飛び付いて攻撃出来るように準備しておくんだ」


「でもご主人様、何の攻撃をしたら良いですか? 引っ掻いてもそれでお終いだし、叩いたり蹴ったりしても落ちちゃえばもう届きませんよ」


「そうだな……うむ、ガッシリしがみ付いて首筋に噛み付いてやれ、相手はヴァンパイアで人を噛むことはあっても、まさか人から噛まれるなんて思ってないだろうからな」


「わかりました、じゃあそれでやってみますね」



 カレンの攻撃は決まった、あとは俺と精霊様が何をするかだが、それはもう、やるべきことがひとつしか見当たらない。


 せっかく後ろから風を当て、スカート捲りの如く瘴気のコウモリを剥がすのだ、そしてついでに、不可抗力でリアルスカートも捲れてしまうはず。


 となると見えるのはカーミラのパンツとその下に隠れた尻、俺が持っているのは聖棒。

 カンチョーするしかない、最強の敵に対してこの攻撃はどうなのかといったところではあるが、もうそれ以上に有効な攻撃はないといっても良いであろう。


 それは精霊様もわかっているはず、当然この場で俺がその選択、カンチョーするという選択をすることもだ。



「精霊様、推進力は任せたぞ、俺はただ聖棒を突き出しているだけだ」


「わかっているわ、全力の一撃をお尻にブチ込んでやりましょ」



 セラの魔法に煽られて徐々に前へ移動していくカーミラの巨大瘴気コウモリ、名称は忘れた。

 だが本人はその現象にまるで気付いていない、今度は逃げ回るマーサを落としてやろうと必死なのだ。


 それでも気付かれてしまう可能性を考慮し、また直接当ててしまわないよう細心の注意を払いつつ、セラは徐々にその風の領域を前に出していく。



「あっ、今チラッと何か白いものが見えたわっ!」


「マジか、だとしたら本体かも知れない、だって黒いコウモリはもう……」



 明らかにおかしな形、先程までコウモリだと言われればそうだと答えるしかない形状をした瘴気の塊であったのだが、今はもう、何だか滑って後ろに転ぶ人影のような姿になっている。


 それで何かがおかしいことに気付かないカーミラもカーミラだが、何かに夢中になっている馬鹿というのはこういうものなのかも、そう思わせるほどに地上の仲間達を落とすことに没頭しているのであった。


 というか、前に出てしまった瘴気の塊が邪魔で下が見えなくなっているのではないか? だが飛び回るマーサを追えているということは、今のところまだ見えているということか。


 だがその風で押され、形を崩した瘴気が視界に入ってしまったとき、さすがのカーミラ、奇声を発しながら謎のゲームに勤しむサイコヴァンパイアでも、明らかに何かが起こっているということに気付くはず。


 そうなる前に……と、俺にも白い何かが見えた、今のは間違いない、リアルスカートが捲れて姿を現した、カーミラのお嬢様然とした白パンツだ。



「精霊様、準備は良いかっ?」


「バッチリよ、あと10秒ってとこかしら、背中が完全に見えたら突撃ね」


「ああ、だがカレンが先だ、俺達の攻撃で姿勢が崩れると上手く掴み掛かれないかもだからな」


「ええ、じゃあ向こうのタイミングを待っていきましょ」



 そこからおよそ10秒ないし15秒程度待ったところで、遂にカーミラの背中、比較的長めのスカートが捲れて羽に引っ掛かった状態の背中が、瘴気の塊の退いた場所からチラッと見えた。



「いきますっ! てぇぇぇぃっ!」


「キャッ!? あいたたたたっ! 何? 何なんですかっ!? あなた一体どこから……って、こっちも何なのぉぉぉっ!?」


「今更気付いてももう遅いぞっ、全身全霊の一本気勇者カンチョーを喰らえぇぇぇっ!」


「はっ、はうぅぅぅっ!」


「ついでにドリルしてあげましょっ!」


「あばばばっ! はうぁぁぁっ! ひぎぃぃぃっ!」



 最初に飛び掛り、首筋に齧り付いたカレンに驚き、そして噛まれた痛みから解放されるため、前のめりになって必死で体を捩ったカーミラ。


 だがその行動は、後ろで狙いを定めていた俺と精霊様にとって絶好のカンチョーチャンスとなった。

 俺は聖棒を突き出し、精霊様は全速力でカーミラの尻に突撃する……そしてザックリと突き刺さった直後に、天地の別が認識出来なくなるレベルの強烈なドリル回転。


 その攻撃により、カーミラには凄まじい勢いで継続ダメージが入り続ける、首筋に噛み付かれ、血を流していることも同様にダメージ要因だが、もはやそれを振り解く余裕などない。


 カーミラ本体がダメージを受け、体に纏っていた瘴気をキープする余裕を失ったことにより、巨大瘴気コウモリは徐々にその形を崩し、霧散していく。


 雲が晴れ、山の頂から下の街が見えるかの如く、ボロボロになった元玉座の間で、辛うじて残った足場の上に立つ仲間の姿が見えた。


 居ないのはミラだけ、そしてユリナが魔法を発動する寸前であることの他に、もうひとつ気になる点が、グルグルと回転する視界の中で、下を向く度に目に入ってきている。


 あまりにも回転速度が速いため、それが何をしているのかをキッチリ把握することは出来ない。

 しかし少なくとも、4つの位置でルビア、マーサ、マリエル、ジェシカの4人が、何やら繋ぎ合わせたロープのようなものを握り締めていることだけはわかった。


 そしてそれぞれの手から伸びたロープは、真っ暗な足場の裂け目、下のフロアへと続いている、4人がそれを一斉に引いた瞬間、何かが爆発したように見えたような気がする。


 直後、回転する俺の視界に、まるでパラパラ漫画でもやっているかのようなコマ送りの光景、なぜか飛び上がるミラが写り込んだ。



「おいっ! ちょっ、精霊様、何が起こっているのか説明しろっ!」


「知らないわよっ! 私だって回っているの、でも何かが矢みたいに飛び出して……」


「その未確認飛行物体はミラだったんだよっ! そんでこっちにっ……どわぁぁっ!」

「きゃっ! 何よ……ってどゆこと?」



 急に受けた凄まじい衝撃、精霊様も思わず回転を止め、どうにか姿勢を維持した。

 俺が突き出した聖棒は、その衝撃によってカーミラの尻にガッツリ食い込んでいる、これは効いていそうだ。


 そして、そのカーミラの尻を挟んで反対に見えるのは、飛んだ勢いでパンモロとなったミラ。

 ミラは足を突き出し、カーミラの腹部にドロップキックをお見舞いしていたのであった……



「かはっ……な……なぜ……あなたは落ちたはず……」


「よっと、落ちたフリをしていて、本当はロープでぶら下がっていたんですよ、それでマーサちゃんが動いて、4人で引っ張って逆バンジーする感じのシステムを構築したんです。あと下のフロアにユリナちゃんの火魔法を撃ち込んで、それで推進力をプラスしました。ちなみに落ちた私が見えていなかったのは幻術です」


「そ、そんな……はうっ……」



 力を失い、ガクッと垂れたカーミラの足にしがみ付いたミラは、ここで地上部隊による作戦のネタバラしをする。


 全員参加の素晴らしい作戦だ、ミラが落下したということのフェイク、そして無駄に逃げ回っていたかに見えたマーサが、途中からは引き上げ役の4人にロープを配布する役回りを担っていたとは。


 で、巨大瘴気コウモリは消滅、ヴァンパイアの羽ももはや羽ばたくことが出来ず、空中でこの一団を支えているのはもはや精霊様の飛行能力と、カーミラの尻にブッ刺さった俺の聖棒のみ。


 ダメージと、それからカンチョーの効果で気を失ったカーミラ、もはや飛んでいる意味はないと判断したのか、精霊様が高度を下げ、後ろからリリィも付いて来る。


 カーミラが浮いていた場所の少し後ろ、玉座と共に残った比較的広い足場に着地、セラとカレンを降ろしたリリィが遠くの足場に取り残された6人を回収していく。


 そのリリィの背中から降り立ったセラは、地面に寝かせたカーミラの両腕に魔力を奪う金属で出来た腕輪を、さらに魔力を奪う金属で出来た足枷を嵌め、魔力を奪う金属で出来た鎖でグルグル巻きにして魔力を奪う金属で出来た首輪を……とにかく厳重すぎるのではないかと思われるほどにガッチリと拘束していく。


 まぁ、放っておいたら回復してまた暴れかねないし、ここまで強大な力を持っているとなると、普段通りの対応では簡単に打ち破られてしまう可能性がないとは言えない。


 ということでがんじがらめにされ、未だ意識を取り戻さないカーミラを、念のため、聖棒がブッ刺さった尻を中心にリリィに運ばれて来たルビアの回復魔法で癒しておいた。


 体の傷は癒えても、生まれて初めて敗北を喫したこと、しかも討伐に至るメインの攻撃がカンチョーであったことなど、カーミラには癒えない心の傷が深く刻まれているはずだ。


 だがそのお陰で、これからやっていく必要のある『矯正』はかなり楽になるはず。

 元々の性格、サイコな馬鹿ヴァンパイアでは一度死んで転生するしかないが、メンタルをボロボロにした状態であればどうにかなるに違いない。



「っと、もう目を覚ますわよこの子」


「マジか、どんだけタフなんだよヴァンパイアってのは? おいカーミラ、起きたかこの馬鹿、ここがどこで、自分がどういう馬鹿なのかを認識しているか?」


「ん? あれ……あらら~、縛られてますね、さっきの攻撃で気を失って……でも治療がしてあるということは命だけ助けられて……あ、え~っと、あの~、何と言いますかその……」


「どうした、何か言うことがあるんじゃないのか? メチャクチャしやがったことに対してとか、敗北した四天王にしてヴァンパイアの長としてとか、どうなんだ?」


「え~っと……あっ、実は私、『ヴァンパイア』じゃなくて『アンパイア』なのでしたっ、だからセーフッ!」


「余裕でアウトだボケッ! やってることも外道ファールだしよっ! これでも喰らえっ!」


「あいでっ、ごめんなさ~い……」



 この期に及んで意味不明な言い逃れをしようとしたカーミラには拳骨をお見舞いしておく。

 とにかくコイツには色々と、これまでにやってきたことを自白させ、その全てを反省させよう。


 そのためにはまず王都へ連れて帰って正式に裁き、お仕置きというか刑というか、正当な理由で酷い目に遭わせる準備をしておかなくてはならない、だがその前に……



「よし、コイツを連れて、あとさっき捕まえた女の子ヴァンパイアも引き摺って城の外に出るぞ、ついでに中で生き残っているヴァンパイアを全部外に集合させよう」


「集合って、ちゃんと従うかしら?」


「逃げようとした奴は殺せば良い、女の子だったら優しく殴って捕らえるけどな、とにかく圧倒的な力を持つ親玉が捕まっているのを見れば、そう易々と逃げ切れるなんて思わないだろうさ、とにかく行こう」



 半分以上の床が抜けた玉座の間、壁も天井も、戦闘開始と共にカーミラが吹き飛ばしてしまったため、今は完全にオープンな状態だ。


 まずはひとつ下の階、メインコントロールルームであった部屋から、縛って転がしてあった女の子ヴァンパイアを回収する。

 戦闘によって落下した瓦礫の直撃による大ダメージを負っていたが、ルビアの治療によってすぐに歩ける程度まで復帰したため、そのまま精霊様が抱えて上へ戻った。


 俺達は来たときと同じように全員で協力して、だが今度は先程ミラが攻撃を発動する際に用いた長いロープを使って登る。


 次にそのロープを外に向かって垂らし、それを伝って特に面倒な亜空間だの何だのを通過せず、直接下へ降りる、即ち城の建物から脱出したのであった……



 ※※※



「全員居るな、じゃあカーミラ、この城の主としての最後の仕事だ、城内の生き残りを全部ここへ集めろ」


「え~っと、それはどうやってしたら良いのかわからなくて……」


「カーミラ様、僭越ながらその業務は私が代行致します、高貴なカーミラ様が、このようなゴミ共に命令されてするようなことではありません」


「何だとこのボケェェェッ! お前後で鞭打ちな、それとカーミラがやられていたのを見たかも知れないが、とんでもなく凶悪なカンチョーをお見舞いしてやる、覚悟しとけよ」


「ひぃぃぃっ、余計なことを言うんじゃなかった……と、呼び出しは完了したのでどうか減刑して……」



 どうやったのかは知らないが、女の子ヴァンパイアの活躍によって、城のあちこちにある出入り口から次々とヴァンパイアが出て来る。


 亜空間の接続がアレな感じになってしまっているため、若干道に迷ったりもしているようだが、10分もしないうちにこれで全部だとの宣言がなされた。


 全部で50~60程度、そのうち女の子が約半数か、戦闘に際して死亡した連中が居たことも考えると、おそらく城には100程度のヴァンパイアが勤務していたのであろう。


 で、その生き残りヴァンパイアを男女別に並べ、女の子は全て捕虜として縛り上げていく。

 一方の野郎は……精霊様がその辺にあった銀のナイフをいくつも、ユリナの火魔法で溶かしている、鋸を作成しているようだ、もちろん処刑用の……



「出来たわっ! しかも3つ、さて、薄汚い野郎ヴァンパイア共はそこに跪いて、鋸引きの刑に処される準備をしなさい」


『ひぃぃぃっ! にっ、逃げろ……あれ?』



 銀の鋸で首を切られたら死んでしまう、この先に待ち構える結末を察し、とっさに逃げ出そうとした野郎ヴァンパイア共であったが、その前にサリナの幻術が干渉し、全員力なくその場に跪いた。


 それでも恐怖だけは感じているようで、俺と精霊様、ミラの3人が10匹ずつ首を落としていく最中、順番待ちをしている奴等は異常にやかましく泣き叫び、とても高貴だの何だのとは言えない、無様な最後を遂げたのである。


 ちなみにカーミラはその光景を見て興奮していた、マジでやべぇ奴だ、とりあえず目隠しでもしておこう……



「さて、処刑も終わったし捕虜も取った、戦利品の回収は後程として、今はアイリスやエリナと合流することを考えよう、おそらく山脈を越えて狐獣人の里へ戻っているはずだ」


「勇者様、向こうに高級そうな馬車があります、隣は厩舎みたいですし、ちょっと『足』を調達しましょう」


「おっ、ナイス発見だマリエル、じゃあ適当に馬を選んで、あそこのデカい馬車で出発だな」



 準備を済ませ、カーミラは荷台に、捕虜にしたおよそ30人の女の子ヴァンパイアは後ろに繋いで歩かせる。


 まずは最初の荒廃した村に寄って、連れて行ったお供の全員が無様……じゃなかった名誉の戦死を遂げたことを報告しよう、次いで狐獣人の里へ。


 そこからはもう、王都を目指して馬車を走らせるのみだ、これで四天王は壊滅、俺達の勝利である……

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