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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第二章 王都到達
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4 奴隷メンバーとパーティーの拠点

 俺とセラは王宮を出る、出るといっても王の居住している建物を出たというだけで、ここも城の中ではある。


 これから俺たちがやるべきことは……


 ・ミラの回収

 ・奴隷兵の受取

 ・拠点(勇者ハウス)の確認

 ・リリィの回収


 という順番になっている。


 まずはミラだ、ミラは奴隷の身分であるというだけで王宮への立ち入りを許されず、今は衛兵の詰所で身柄を預けてあるのだ。



「え~っと、あ、ここね」


 詰所は王宮から程近いところにあった。



 中に入る、ミラは……食堂でバイトしていた!


 逞しい限りである、つい先程縄で縛られて連行されたばかりだというのに、何事もなかったかのように皿洗いをしている。


 俺たちに気が付いたミラは周りのおばちゃんたちに挨拶をし、お駄賃の鉄貨5枚を受け取ってこちらにやって来た。


 1時間弱で日本円に換算すると500円程度の稼ぎになったようだ。

 とにかく、ミラの回収は完了である、次へ行こう。


 帰ろうとする俺たちに縄を持った兵士が近付き、またしてもミラを縛り上げようとする。

 が、そんなことしなくて良いと断っておいた。


 全く、ウチの大事なパーティーメンバーを何だと思っているのだろうか?


 コイツと、王宮に入る前にミラを連れ去った奴の顔は覚えておくことにする。

 俺が魔王討伐を果たしたときに、その記念として処刑してやるつもりだ。



 ※※※



 次は牢屋に向かう。


 パンツ一丁の国王に言われたとおり、奴隷兵とやらを受け取るためである。


 30人、好きなだけ連れ帰って良いとのことであったが、そんなに何人もは要らない。

 もちろん、可愛い女の子が居ればすべてパーティーメンバーとするつもりであるが、居なければ適当に強そうな奴を見繕って扱き使うことにする。


 なお、1人も連れ帰らないという選択肢は無い。

 どんな奴であっても肉の壁とか、邪神を召喚するときの生贄ぐらいには使えるはず。



「ここが王様の言っていた牢屋みたいね……」


「臭そうな建物だな、掃除とかちゃんとしてんのか?」



 石造りで半地下のようになった頑丈そうな建物、入り口からは負のオーラが溢れ出しているように思える。

 ここはあまり長居したくない。


 奴隷兵に関しては早めに済ませて拠点の確認に移ろう……



 中に入ると既に上層部から話を聞いていたのであろう兵士たちが出迎えてくれた。

 薄暗い廊下を歩き、ひときわ広い部屋に案内される。



 部屋にはステージのようなものがあり、その上には30人の奴隷兵と呼ばれる人間が居た。


 筋肉……筋肉筋肉筋肉!

 ムッキムキのおっさん達がこちらに向かってポーズをとり、その筋肉をアピールしてくる。

 うん、切れてるよ……


 なお、この連中の頭はスキンヘッド、モヒカン、七三分けの3パターンに固定されている。

 指定の髪型とかあるんだろうか?


 が……その中でも俺は見逃さなかった。

 筋肉達の僅かな隙間、そこに女性らしき2人の姿が覗いていることを。



「あの~、すみません兵士さん? あそこの女性2人だけ残して、あとのむさ苦しい連中は全て片付けていただけますかね」


「ハッ! わかりました!」

「オイッ! お前ら、さっさと出て行け!」


 部屋を追い出される筋肉達、皆一様に残念そうだ。


 奴等には申し訳ないが、俺にはゴリラを使役できるようなスキルが無い。

 いつの日か、猛獣使いの勇者が召喚されてきたときにはその仲間になってやって欲しい。



 さて、この場に残ったのは2人の女性だ……


 片方はもう明らかに普通の人間じゃない。

 いや、顔は人間なんだが、犬か狐っぽい耳ともっふもふの尻尾がある。


 頭も尻尾も白に近いほど薄い金髪だ。

 背丈は140cm前後とかなり小さい。


 ちょっとステータスを確認してみよう。



 カレン LV12 (狼獣人)

 職業:拳闘士(奴隷)

 性別:♀

 年齢:17


 HP:253

 MP:57

 総ステータス:811


 スキル

 ・俊足


 装備

 ・なし



 あぁ、狼だったのね。しかも結構強い。

 尻尾をパタパタと振りながら、目を輝かせてこっちを見ている。


 実に可愛らしい、この子は文句なしで決まり!


 もう一人は何となく見たことがあるような無いようなといった感じの女性。

 髪は茶髪のロング、巨乳。


 だが何だか顔が赤いし息も荒い、体調が悪いのであろうか?

 それとも卑劣な筋肉達に何かされたのだろうか?


 実に心配である、そしてこちらもステータスを確認……



 ルビア LV10

 職業:回復術師(奴隷)

 性別:♀

 年齢:19


 ※状態異常:欲情


 HP:158

 MP:317

 総ステータス:517


 スキル

 ・被虐

 ・回復魔法


 装備

 ・なし



 ……色々と突っ込みたいところが多い。


 まずこの女性ががルビアか、見たことがあるように思えたのはシルビアさんに似ているからだ。

 このルビアは完全にシルビアさんの娘ということで間違いないであろう。


 そして顔が赤くて息も荒かったのは調子が悪いとかそういうことではなく、ただ単に変態なだけだ。


 その状態異常を何とかして頂かないと使い物にならないかも知れない……


 で、このルビア、まさかのスキル2つ持ちである。

 回復魔法はわかる、凄く使えそうだ、だがこの被虐というスキルは何だ?



 被虐

 ダメージを受けるごとにステータス上昇。ただし受け過ぎると狂う。

 効果時間:最初の被ダメージから10分間


 変態スキルだった。



 まぁいい、この子も仲間に加えよう、シルビアさんのこともあるし、何よりも胸がデカい。

 年齢の方がちょっと不安だったが、俺よりも年上というわけではなくて安心した。


 カレンとルビアを鑑定している間、周りからは俺がこの2人の容姿を吟味しているように見えたのであろう、兵士の一部はニヤニヤし、セラとミラは呆れ顔だ。


 まぁ、ずっとルビアのおっぱいを見ながら鑑定していたのは事実だからな。

 そう思われても仕方が無いところはある。



「勇者殿、お決まりですか?」


「うむ、この2人を連れて帰ることにするよ」


「やった! 私はカレンです、よろしくお願いしますっ!」


「私はルビアと申します、薄汚い雌豚とお呼びください。」


「俺はアタル、で、セラとミラ、こちらこそよろしく、カレンと……薄汚い雌豚さん」




「それでは引渡しの準備をしますので、勇者様はしばらくお待ち下さい」



 そう言った女性兵士が2人を引き連れて退室して行く。

 何の準備をするんだろう? 別に洗ったりしなくても構わんぞ、2人とも清潔そうだし。


 私物とかを取りにいくのかな?


 セラ、ミラと雑談しながら待っていると、先程の女性兵士が2人を連れて戻って来た。

 2人共手枷を嵌められ、首輪まで付けられているではないか。


 カレンはジャラジャラする手枷の鎖が鬱陶しいようで、しきりに気にしている。

 一方のルビアは凄く嬉しそうだ、この雌豚が……


 別の兵士からは2人がこれから使う武器を手渡される。


 カレンは長い爪の付いた籠手みたいなもの、ルビアは杖だそうだ。

 どちらも高級品とはいえないような造りだが、少なくともセラやミラの持っている武器よりは良い品だろう。


 ついでに手提げに入った2人の着替えも受け取る、そういえば俺も早く着替えたい……



「では、奴隷兵のカレンとルビアを引き渡します」



 2人をパーティーメンバーに加えてついて来るよう指示し、陰気な牢屋を後にした。



 ※※※



 勇者ハウスまではまた馬車を出してくれるらしい。



 俺たちに宛がわれたハウスの場所は七丁目、先程の城門から歩いて行ける位置にあるそうだ。

 勇者は王都の外で活動することが多いはずであるから、その出入りの便に配慮したのであろう。


 馬車の座席は4つしかなかったため、セラが一番体の小さいカレンを抱っこすることとなった。


 本当のことを言うと俺が抱っこしたかったのだが、ビジュアル的に問題がある。

 何かの容疑者にされてしまいかねないため、泣く泣く諦めた。



「なあ、2人はどうして奴隷兵なんてのになったんだ? 差し支えなければ教えてもらえないだろうか?」



 馬車の中で聞く、ミラが奴隷になってしまった経緯は聞いている。

 この2人にも一応聞いておきたい。


 もちろん、言いたくないのであれば無理強いはしない。



「私は悪い商人に騙されたんです、兵士を募集しているところがあるって言われて、ついて行ったら兵は兵でも奴隷兵でした、手数料まで払ったのに……」


 カレンがそう答える、仕事をやるから手数料を払えってのは往々にして詐欺だ。

 この子はそれに引っ掛かったうえに借金どころか奴隷にされてしまったということか……哀れな狼である。




「私は奴隷兵にされると毎日鞭で打たれて酷い目に遭うと聞かされまして……それで志願したんです」


 ルビアの回答は前半と後半が全く繋がらない。

 救いようのないドMである、さすが薄汚い雌豚を自称するだけのことはある。




 しばらく走ったところで、馬車は幹線道路を外れ、町の中に入っていく。

 目的地が近くなったということだろう。ここは七丁目商店街のようだ。


 あ、シルビアさんの店だ、しかも本人は丁度帰宅したところのようで店の前に居る。



「おいっ、シルビアさんが居るぞ! あの~、ちょっと馬車を停めて頂けますか?」



 御者のおっさんに告げると、馬車は路肩に止まる。



「あれ?ご主人様はお母さんのお知り合いだったんですか?」


「ああ、さっきちょっとな」



 ルビアを連れて馬車から降り、シルビアさんの元に向かう。



「あらあら~、ちゃんと出会えたのねっ!勇者様、娘をよろしくね。」



 その言い方はどうかと思いますが……



「いやはや、まさか奴隷とは思いませんでしたよ」


「うふふっ! びっくりした? あ、もうわかってると思うけどその子昔から凄く変態なの、週に1回はいじめてあげないと変になっちゃうから気をつけてね」


 取り返しのつかない状態になったのを確認したためか、ここにきて娘に重大な瑕疵があることを告げてくるシルビアさん、鬼畜だ。



「それと、本当にお仕置きするときには正座させて放置が一番よ、それだけは辛いみたいなの、お尻ペンペンは喜ぶだけだから逆効果ね」


「は、はぁ……」


 たじたじである。



「もぉっ! お母さんは余計なこと言わないでよ、正座させられたらお母さんのせいだからねっ!」


「あらあら、ごめんね~」



 シルビアさんにまた来る旨を伝えて再び出発した。

 このときはまだ知らなかったが、その後ドラゴンへの騎乗に関連して、この店には通い詰めることになる。



 ※※※



「勇者のダンナぁ~、着きましたぜぇ~っ!」


 馬車の運賃は先程王の間に居た大臣が前払いしてくれてあったようだ。

 太っ腹だ、物理的にも……



 ということでそのまま馬車を降りる。

 さて勇者専用の拠点は……


 これは『ハウス』なのか? 大貴族の屋敷かなんかじゃないだろうか?


 2階建ての木造家屋、巨大だ。

 そして広大な庭、リリィが10体入っても差し支えないレベルの広さだ。


 ちなみにこの屋敷は本当に貴族の館だったらしい。


 前の所有者はというと、王宮の前庭で毎日のように野グ○をしていたことが発覚し、罰として別邸であるこの屋敷を没収されたとのこと。


 その後、ここは競売に掛けられたのであるが、別邸とはいえそんな輩の所有物であったのだ。

 どこにウ○コが落ちているかわからないという理由から全く売れず、国の方で仕方なく、勇者ハウスとして再利用しているとのことだ。


 とんでもない事故物件である。別の所にして欲しかった。


 鍵を開けて中に入る。1階2階だけでなく、地下室もあるらしい。


 とりあえず全員で地下に降りてみる……牢屋であった。

 10室ほどある。屋敷に侵入した盗賊なんかを捕らえた際には、一時的にここに収監しておくのだろう。



「みてみてミラっ、なんて素敵なお部屋なのかしら!」


「凄いねお姉ちゃん! こんなところに住めるなんて、私たちは幸せ者よ!」


 お2人共、盛り上がっているところを悪いがそこは牢屋です。



 1階には広い食堂、調理室、そしてちゃんと風呂が設置されていた。

 井戸から直接水をくみ上げることができるらしい。沸かすのは薪のようである。


 2階には寝室がたくさん、もちろん俺は真ん中の一番広い部屋をキープする、ちなみにこれは勇者特権である。


 そしてカレンとルビアは俺と同室ということになった、激アツだ。



 しかもクローゼットの中には、国の方で用意したものと思われる冒険者風の服が、サイズ違いで5着収納されていた。

 寝巻きもあるではないか、サイズが合うものを探して風呂上りに着替えよう。


 セラとミラは2人で一部屋、俺の部屋の隣……のさらに隣だ。


 今後、カレンやルビアとナニかするかも知れないことを考えると、さすがに隣の部屋はまずい、ですよね……


 すべての部屋を確認した後、一旦俺の部屋に集合し、完全に忘れていたカレンとルビアの手枷・首輪を外す。

 ルビアはこの方が興奮するとかなんとか意味不明な供述をしていたのだが、とりあえずスルーした。



「じゃあ俺はリリィを迎えに行って来るよ、ミラは風呂の準備をしておいてくれないか?」


「はい、わかりました。ところで食事はどうしましょうか?」



 それも忘れていた、食べるものが一切ない、そして金もない。



「マズイな……おいセラ、何とかしてくれ」


「まぁ、明日冒険者ギルドに行けば勇者様の持っている魔物のコアとかを換金できるし、あと私達の金一封もそこで貰えるはず、だから今もっているお金を全部使って何か食材を買ってくるわ!」


「おう、それで頼む、カレンとルビアは一時待機、じゃあ行ってくる」


 全員が了解の意思表示をしたのを確認し、俺は屋敷を出る。城門までは本当にすぐであった。


 さてリリィは……入門検査待ちの列の真横でオークの丸焼きと思しきものを貪っている。


 その横には立て看板があり『列を乱すとこうなります』と書かれていた。

 先程までとは違って喧嘩も起きていないし、皆整然と並んでいる、脅しの効果はかなり高いようだ。



 もっとも、この世界の人権意識レベルを考えた場合、不届者は本当にリリィの餌にされかねない。

 だがそれだけは御免被りたい、いや、ソイツのためじゃなくて、リリィを人喰いドラゴンにしたくないからな……



「勇者殿、お疲れ様です、少しリリィ殿をお借りしていた、これがバイト代です」



 近づいてきたおっさんの門兵が銅貨1枚を俺に手渡す、バイトだったのか。



 ちなみにおっさん兵は右目と、左腕の肘から下を失っていた。

 スライムにやられたらしい、どんだけ弱いんだよ……


「ほらっ! リリィ! 早く行くぞ」


 オークの肉に夢中になっているリリィの手綱を引っ張るが、もちろんビクともしない。

 結局、オークの丸焼きがオークの骨格標本に生まれ変わるまで待たされた。


 しかしよく食べる奴だな……この先の家計が心配である。


 王の許可を貰っているため、リリィを連れて町に入った。


 勇者ハウスに着くまでの間、リリィの姿を見た子どもが泣き出したり、肩で風を切って歩いていたチンピラが失禁したりと色々あったが、無事に帰宅することが出来た。



 で……勇者ハウスの敷地を隔てる外壁の門の上には、金属製のアーチが架かっている。

 この高さが思ったより低く、その下をリリィが通ることは叶わない。


 どうしようかと考えていたところ、アーチを徐に咥え、引きちぎって投げ捨ててしまった。

 当然周囲のブロックも一部破損する。


 初日から大々的に破壊するのはやめて頂きたい……



「ただいまぁ~っ!」


「あ、お帰りなさい勇者様。お風呂が沸いていますからお先にどうぞ」



 ミラがそう言うのでとりあえず風呂に向かう。

 沸騰していた、釜茹での刑かな……



 セラは既に買い物から帰ってきていた、もう一度俺の部屋に集合する。

 リリィは屋敷の中には入ることが出来ないため、窓から頭を突っ込んでいる。


 風呂焚きでやらかしたミラは正座させておく。

 後でセラがお仕置きするということで合意したため、解放して食事の準備に移らせた。


 調理は慣れているはずだし、まずもってやらかさないであろう。



「さて、明日はとりあえず俺達の冒険者登録か……」


「ご主人様! 私、早く強い奴と戦いたいです!」



 カレンは支給された爪状の武器を大事そうに抱え、尻尾をブンブン振っている。

 どっかの戦闘民族ですか?


 セラがミラに対してどのような罰を与えるべきか真剣に考えているが、ルビアが横からろくでもないアドバイスをしている。

 全裸市中引き回しはおそらく違法行為だからやめなさい。


 リリィは消えた……いや、下の階でミラが調理をしている厨房の窓に頭を突っ込んでいるようだ。

 まだ食うつもりかお前は。



 食事が出来たようなので、ミラ、カレン、ルビアの3人が俺の部屋に運ぶ。

 食堂はあるのだが、窓がないためリリィが参加できなくなってしまう。


 しばらくはここで食事をすることになるであろうな。



 窓際にテーブルを置き、謎生物のステーキ・野菜炒め・パンを頂く。

 ウマいっ! ちなみにステーキだけは、時折大きく開けたリリィの口に放り込む。



 食後はようやく良い湯加減になってきた風呂だ。

 順番はまずセラとミラ、次に俺、最後にカレンとルビア、ということに決まった。


 俺としてはカレンとルビアと一緒に入りたかったのだが……言い出せなかった、ヘタレである。



 風呂は……温かかった。


 この異世界は見た目は中世風、しかしなぜかハイレベルな風呂がある。

 パンはかなり黒っぽかったが、ステーキはスパイスをふんだんに使った味付けが施されていた。


 良くわからないな、まぁ、そのあたりは流れに身を任せるとしよう。


 部屋に戻ると交代でカレンとルビアが大喜びで風呂に走っていく、廊下を走ってはいけません。


 先に上がっていた姉妹はまだ俺の部屋に居た、ミラは再び正座させられている。

 その過失により俺を釜茹でにしかけたミラへのお仕置きは『巨乳揉みしだきの刑』に決まったそうだ。


 個人的恨みが量刑の大半を占めているような気がしなくもないが、公開処刑とのことなので、俺にも刑の執行を見る権利がある。

 ゆえになんら指摘はしない、激アツだ。


 最後の2人が戻って来る、カレンの尻尾は水を吸ってしおしおであった。

 タオルで挟んでポンポンしてやろう、寝る前にもふもふしたいから早めに乾いて欲しい。


 と、そこで始まったミラに対するお仕置きを見届けた。

 俺とルビアはガン見、カレンは手で顔を覆っているが、指の隙間からしっかり見ている。お約束である。


 リリィは庭に出現した変な猛禽類と戦闘していた。圧勝のようだ。だが敷地内で火を噴くのはやめて欲しい。


 その後、ヘロヘロになったミラを引き摺ってセラが出て行く。


 ちょっと早いが今日はもう寝ることにしよう。

 あまり長いこと明かりをつけていると、電気……ではなく燃料の油がもったいない。


 念のため、ランタンを一つだけ残して俺はベッドに入る。


 ルビアは椅子に座り、その長い髪の毛を乾かしている、ドライヤーなんてものはない、ロングは大変だ。


 カレンの尻尾は大分乾いてきたが、もふもふまでは今一歩だ。

 寝転がった俺の横に座らせ、タオルポンポンを続けた。


 下着から少しはみ出した可愛いお尻を見ながら、単調な作業を進める。

 明日は朝から冒険者ギルドに行って、午後からは森で修行だな。



 そんなことを考えていると、意識が遠のいた……

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