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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十九章 最後の1人
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498 最終形態

「なぁ精霊様、もちろんアレがカーミラの最終形態なんだよな?」


「そうだと思うわ、ここからあれ以上の禍々しいビジュアルに変身するとは思えないもの」


「うむ、なら良いんだが……いや普通に良くねぇよ、どうすんだこの状況は……」



 生まれて初めて追い詰められたことにより、アッサリと自暴自棄に陥った北の四天王カーミラ。

 自分の体から吹き出した瘴気を入道雲のように纏い、それで巨大なヴァンパイアの羽まで再現している。


 その高さおよそ50m、中央より少し上に顔だけ出しているカーミラの位置でも30m前後だ。

 下の瘴気で出来た雲を攻撃しても、ただすり抜けるだけで特に意味はなく、ダメージを与えるにはその顔の部分、または雲に覆われたカーミラ本来のボディーを狙うしかない。


 もちろん可愛い顔を狙うのはかわいそうどころの騒ぎではない、最悪訴訟モノである。

 よって可能な限りその下を狙っていくべきなのだが……そもそも攻撃を届かせるのが困難だな……



「ちょっと退いて勇者様、この雲に一発魔法を撃ち込んでみるわ」


「構わんが、すぐに反撃してくると思うから気を付けろよ」


「わかってるわよ、それっ! あっ、中に入って……出て来たわね」


「何かこっち来てね?」


「来てるわね、ちなみに狙いは勇者様みたいよ」


「げぇぇぇっ! しかも追っかけてくんじゃねぇかぁぁぁっ!」



 魔法力を回復させたセラが放ったそこそこのサイズと圧縮率を誇る風の刃、それがカーミラを包む雲に吸い込まれ、直後に出て来た、そう、完全に俺を狙ってだ。


 当然避けるのだが、そのまま地面に激突することなく止まった風の刃は、クルッと方向を変えて再び俺を狙う。

 その様子を見て高笑いしているカーミラ、間違いない、セラの魔法を取り込み、自分のものにして操っているのだ。


 どこまで逃げようとも、どれだけ走ろうとも、振り返ればそこに居る風の刃。

 直撃させようとすればもう出来ているはずだ、つまり、あの鬼畜ヴァンパイアは逃げ惑う俺を見て楽しんでいるということなのであろう。


 というか良く見れば、事の発端である『とりあえず魔法ブチ込んでみました』のセラまでもが、俺の方を指差して大笑いしているではないか。


 笑っているような暇があのなら助けて欲しいところなのだが、どうせこの背中に魔法が直撃してもせいぜい軽傷程度、それを見越したうえでそうしているセラは、それに他の仲間の大半も助けようなどとは思っていないはずだ。



「はいはいちょっとちょっとっ! とりゃっ!」


「うおっ!? はぁっ、はぁっ……すまんマーサ、助かったぞ」


「そりゃあんな情けない姿、見てるこっちが恥ずかしくなるもの」


「とか言っちゃってるけど優しいんだなマーサは、それに引き換えそこのセラはっ!」


「あら、呼んだかしら? しかし面白かったわ、プププッ」



 俺を追い続けていた『セラの』魔法は、心優しいマーサが蹴飛ばして消滅させてくれた。

 で、こうなった張本人でありながら笑っていたセラ、戦闘中だが、今すぐにお仕置きしておこう……



「セラ、お前はお尻ペンペンだっ!」


「いや~ん、あいてっ、いでっ、もっとぶって……」


「この変態がっ! 反省しやがれってんだっ!」


「あひんっ」



 セラにお仕置きしている間、ずっと待っていてくれたカーミラには感謝しないとだ……いや、コイツまだ笑っていやがる、時折真顔に戻るもののすぐにまた思い出し笑いをするのだ。


 復讐完了、そういった感じの表情でもある、初めて追い詰められ、自暴自棄になったカーミラはここで成りを潜め、またしてもサイコヴァンパイアが表面に出てきている、態度がコロコロ変わるのもヤバい奴の特徴だな。



「しかしどうしたものかな、魔法は当たらないどころか奪われるし、聖棒で突いてもこう、ほら、完全にスルッするだ、しかも……」


「危ないですご主人様! 避けてっ!」


「そう、攻撃してくるんだなっ!」



 喋っている間に降り注ぐ真っ黒な火の玉、どうやら瘴気の入道雲を魔力で燃焼させたもののようだ。


 当然これが直撃すればただでは済まない、その証拠に、火の玉が落下した床は焼かれ、大理石がボロボロのボソボソ、乾いた食パンのようになってしまっているではないか。


 黙っていると次々に降り注ぐ火の玉、少しやめろと言っても聞いては頂けないであろうが、本当に鬱陶しいので少しやめて頂きたい。


 このままでは作戦の立案どころか、回避し続けているだけで隊列が乱れ、広いバトルフィールド、元玉座の間の中で離れ離れになってしまう。


 セラが風魔法で、精霊様が水を使ってバリアを張るのだが、それをまるで腐食するかの如くジワジワと貫き、半分程度のサイズを残したまま落ちて来るというのもまた、今までの敵が繰り出した攻撃とは違う、強キャラのやりそうな攻撃だと思わせる一因である。



「ダメね、これを避けてるだけじゃ埒が明かないわ、何かこっちから仕掛けるようにしないと」


「とは言っても精霊様、あの高さまで跳ぶのはかなりキツいし、この雲に攻撃したって意味ないし……」


「う~ん、でもこのままじゃ……そうだ、中に入って攻撃したら良いのよ、その棒で、本体に直接よ」


「……いや、俺はそんなジャンプ力ないぞ」


「いえ、私が抱えて飛ぶわ、中を突っ切って一直線に敵のボディーを目指すのよ」


「そうか、じゃあ早速やってみよう、だが無理そうならすぐに中止するんだぞ、特に俺が死にそうかどうかには常に気を配ってだな……」


「ビビりすぎっ、いくわよっ!」


「ひょぉぉぉっ!」



 躊躇する俺をガシッと抱え、精霊様は眼前の雲の塊、カーミラを包み込む巨大な、真っ黒の入道雲に身を投じる。

 傍から見れば余裕で心中である、しかも無理心中、俺はまだ生きたかったのだが……


 で、目を開けると真っ暗、何も見えない状況ではあるが、体の感覚からして上昇しているのがわかる。

 そのスピードは凄まじく、感じるGはエレベーターの比ではない。


 そのまま5秒、10秒……いや、さすがにおかしい、入道雲の高さは50m程度、そしてカーミラが顔覗かせていたのは30m程度であったのだ。


 つまり、現時点では既にカーミラの本体まで、いやとっくに雲を突き抜け、快晴の大空へと飛び立っているはずなのだが……一向にその様子がない辺り、どこかで何かを間違っているのではなかろうか……



「おい精霊様! 何かおかしいぞっ! 一旦外に出ようっ!」


「さっきからそうしているのよっ! でもどれだけ上昇しても外に……あっ待って、ようやく抜けるわっ!」



 精霊様も俺と同じことを感じ、そして焦っていたようだ、まぁ飛び慣れない、というかそもそもリリィか精霊様の助けを借りねば風を感じることすら出来ない俺よりは、普段から飛び回っている精霊様の方が遥かにその感覚には長けているはずだ。


 その精霊様が感じ取った抜ける感覚、その通り、真っ黒で真っ暗な雲中から上へ抜け出したのであった。

 だがここまで体感で十数秒、先程まで外から見ていた入道雲のサイズとマッチしないどころの騒ぎではない。


 見下ろすのが恐ろしくはあった、どうせ巨大化しているのであろうと、そしてそのままどんどん膨らみ、世界そのものを踏み潰すようなバケモノが誕生するのであろうと。


 だがその予想はハズレ、もちろんそれが良い方向にハズレなのか、それとももっと最悪を越えた先へ向かうハズレなのかは判断が付かない。


 カーミラを包み込む入道雲は巨大なコウモリ? のようなイメージの黒い飛行物体へと姿を変え、宙に舞っていたのである。

 これには驚いた、入道雲の状態こそが究極の最終形態だと思いきや、まさかそこから『飛行形態』に変身するとは。



「……もうこれは空飛ぶ要塞ね、どうやって撃墜するのかもわからないし、この世界が明日も続くのか、それともコレに滅ぼされて今日で終わりなのか、全く見当が付かないわ」


「そりゃ参ったな、だが俺も異世界勇者様として散々調子に乗ってしまったんだ、ここで『わけのわからん敵に負けました(終)』じゃ話にならんし、あの馬鹿女神からゴミを見るような目で見られるようになるのはごめんだ」


「そうね、ついでに言うと大精霊たる私が付いていて負けるとか、ちょっとないし恥ずかしいわ、とにかく戦ってみましょ」



 ここは逃げたり諦めたりせずに戦闘を続行、おそらく遥か下、俺達も先程まで居た元玉座の間から、こちらを見上げている仲間達も同じ気持ちであろう。


 しかしどうしてこうラスボス的キャラというのは変身して、ついでに空を飛んだり巨大化したり、何かと派手な行動を取りたがるのか? それは永遠の謎なのだが、ここで敗北すればその謎も本当に永遠のもの。


 どうにか勝利し、なぜこのように頭の悪い、威圧感モリモリの格好で空を飛んでいたのかを本人から聞きださなくてはならない、そのためには……と、ちょうど巨大瘴気コウモリから顔を出したカーミラの前を通過するようだ、少し話し掛けてみよう……



「おいコラッ! お前何飛んでんだっ! そもそもいい歳こいたヴァンパイアがそんな格好して空まで飛んで、恥ずかしいと思わないのか? それもう大人がやるアレじゃねぇからっ!」


『あら~、嫉妬ですか? 私のアルティメット瘴気フライングシステムがあまりにもカッコイイから、欲しいですか? 残念、あげませ~ん』


「要らんわそんなもんっ! てか名称まで酷いのかよ……」


『要らないんですかっ!? カッコイイのに……いえ、でもこの力を見ればきっと欲しくなるはずです、それっ!』


「え、何すんのお前っ!? 馬鹿なのかっ?」



 アルティメット何とかから顔を出したまま、笑顔でその巨大な両翼を稼動させるカーミラ。

 コウモリをイミテートしたとしか思えないビジュアルの羽から、どういうわけか真っ黒いカラスのような無数の羽根が、下に居る俺の仲間達に向かって降り注ぐ。


 先程の火の玉とは異なり、凄まじいいスピードで発射されたその羽根は、辛うじて全てを避けた仲間達、ではなくその足元を一気に破壊していく。


 床は穴だらけ、ボッコボコで下階が丸見えどころかその下の階まで見えるようにになってしまった元玉座の間。

 もはや元々がどんな姿であったのか、思い出すどころか想像すら出来ない状態へと変貌してしまったではないか。


 僅かに残ったいくつかの足場に分断されてしまった仲間達、リリィはセラを乗せて飛び立つようだが、それ以外はもう身動きが取れそうにない。


 このまま再びの攻撃を受ければ、残った足場は当たり前のように全壊、そこに居る仲間は全員下へ落ち、戦線復帰が困難になることは言うまでもなく、そうなる可能性が非常に高くもある。


 そうなると今空中に居る俺と精霊様、それからセラとリリィと、どうやらカレンもリリィに飛び乗ったようだ。


 合計5人での戦闘……いや少し待とう、精霊様は俺を捨てた方が実力が発揮出来るのではないか……マジで捨てられそうだから言うのはよしておこう……


 とにかく地上の皆は、今回に関しては諦めて貰う他ないかも知れない、ここから救出する方法は見当たらないし、それを無理矢理にしようとしてこちらまで戦闘が継続出来ない状態になるのは困る。


 残念な結果に終わりそうな皆には後で残念賞の飴玉でもくれてやろう、ということで地上から目を離し、カーミラの方へと向き直った。


 カーミラはその仲間達ではなく、何か遠くを見つめて黄昏ているかのようだ、この世界を滅ぼす前に、その光景を目に焼き付けておこうと……いやそういうわけではないらしい、遠くの何かを凝視している感じだ……



『あら~、かなり向こうの方でカラフルな羽虫が1匹、逃げ出そうとしていますね、ちょっと撃ち落してみましょうか』


「カラフルな羽虫? 向こうに……あっ! おいやめるんだっ!」


『え? あ、もう遅いですよ、何かごめんなさいね』



 カーミラが示した向こうの方とは、明らかに俺達が拠点として使っていたヴァンパイア屋敷の方角。

 そしてそこから飛び立つカラフルな羽虫、それに乗っているのが誰なのか、俺には容易に想像が付く。


 その羽虫に向かってごく強力な、正気で出来た真っ黒の弾丸が打ち出される。

 超高速、振り返った瞬間にはもう着弾寸前、次の瞬間、パァーッと広がる魔力と瘴気の爆発。


 ……どうやら羽虫には直撃していないようだ、辛うじて見えるのは速度を上げ、南へ向かって離脱していく小さな鳳凰、乗っているエリナも、それに同乗しているはずのアイリスもきっと無事だ。



『……え~っと、今のバリアはアンジュ……じゃないですか? 捕まえてこんな所まで連れて来ていたんですね、エッチなことするために』


「エッチなことじゃねぇしっ! しかもアレだぞお前、今回はたまたまアンジュを連れて来ていたから良かったが、あの羽虫、てか鳳凰に乗っているのは片方非戦闘員の人族だ、それを危険な目に遭わせやがって……」


『あっ、まぁっ、それは本当にごめんなさいね、あんなのに乗っているぐらいだからそこそこ耐性の高い上級魔族だとばっかり』


「ふざけんじゃねぇっ! お前もうぜ~ったいに許してやんないからなっ! このボケッ、カスッ、アンポンタンッ!」


『あらあら、何だか相当に怒っちゃったみたいですね、ごめんなさ~い』



 謝罪しつつもヘラヘラとふざけた態度を崩さないカーミラ、もし今のが直撃していたら、もしアンジュを連れて来ていなかったら。


 おそらくエリナが何としてでもアイリスを庇ったであろうが、それでも確実に安全とはいえない。

 最悪の結果を招きかねない行動を、対象の詳細を確認もせず、ちょっとした気分でやってみるような危険な敵、カーミラはマジでとんでもない奴だ。


 そのカーミラの興味はエリナ達から薄れ、今度は下に居る仲間達に移っている。

 目で追っているのは先程最初の一撃を喰らわせたマリエル、どうやら仕返しをするつもりらしい。


 瘴気の巨大コウモリから小さな玉をいくつか取り出したカーミラは、それを一部は素早く、一部はゆっくりと、もうほとんど移動することが出来ないマリエルに向かって投げ付け始めた。


 もちろんリリィが間に割って入り、そのブレスと上に乗ったセラの魔法で瘴気弾を潰していく。

 片腕で俺を抱えた精霊様もそれに参加、だがそれでも全てを撃墜することが出来ない。


 マリエルの足場はさらに小さくなり、本当に一歩でも踏み外せば真っ逆さまに下へ落ちてしまう状況。

 もはや戦うことなど出来ない、それを悟ったカーミラは、意地汚い笑顔を見せた後にマリエルへの攻撃を止める。


 今度はそのすぐ手前、直接何かをやり合ったわけではないのだが、下に居るメンバーの中で最も重量のある装備を身に着けているジェシカを狙うようだ。


 こちらもジワジワと、あえて本人には直接当てずに足場を削って楽しんでいる。

 一方の俺達は、せっかく空を飛んでいてもその防御をサポートするだけで精一杯、まずもってこちらから攻撃など出来ない。


 だがこのままではジリ貧だ、かといって下で仲間が落とされるのを、いつかは確実にそうなってしまうものとして黙って眺めるわけにもいかないのである。


 精霊様に抱えられながら必死で聖棒を振り回し、スコールのように落下する無数の瘴気弾を弾き飛ばしていく。

 と、そこでセラが、特大の風魔法を使ってその場の、現状で発生している瘴気弾を一掃する。


 魔力を大幅に消耗してでも、一瞬だけ休憩する暇が欲しかったのであろう。

 だが本人の意図しないところで、傍から見ていた俺と精霊様にひとつ、あることを気付かせることに成功したのだ。


 周囲の瘴気弾を払うことを目的として放たれ、それゆえカーミラやそれを包み込む瘴気コウモリには直撃していないセラの風魔法、だがその風圧を受けた瘴気の塊がブワッと後ろへ、まるで煙でも扇いだかのように散ったのである。


 ほんの一瞬だけだが形を崩した瘴気コウモリ、その中のカーミラは地上の仲間達を小馬鹿にすることに夢中となっており、俺達が何かに気付いたということを察することが出来ていない。



「精霊様、今のは確かに見たよな?」


「ええ、魔法を当てるとそのまま奪われちゃうけど、魔法の影響で出来た空気の乱れなら普通に、いや実態が煙みたいなものである分普通よりも遥かに効くのね」


「そういうことみたいだ、これはもしかすると勝機が見えたのかも知れない」



 下でもその光景が確認出来ていたのであろう、気付いたのはミラとサリナだけで、他のメンバーはもう上を見ている余裕はないようだが、それでもユリナにそのことが伝われば、下からでも何か仕掛けることが出来そうだ。


 また、自分でそれをやったがゆえ気付いていないセラ、そして同じ位置に居るため同様に見ていなかったカレンとリリィにもこのことを伝えたい。


 なるべく大人数で攻撃を仕掛けるのだ、具体的に何をブチかますかはまだ決めていないのだが、瘴気コウモリを風で退かし、露出したカーミラのボディーにキツい一撃を喰らわせる。


 もちろんチャンスは1回、戦闘開始時と同じく、調子に乗ったカーミラが油断している間が狙い目であることも間違いない、というか、そこを突かねばもう終わりだ。



「精霊様、とにかくセラと話をしたい、リリィと横並びで飛んでくれ、一応敵の攻撃には注意しつつな」


「難しいことを言うわね、まぁ、頑張った分の報酬は後で請求するから、今は全力でやってのけるけど」


「冗談キツいぜ、報酬の方は国に請求してくれ、あと魔王軍から賠償金をゲットしたりな」



 またしても空を覆い、下の仲間達に降り注ぎ始めた瘴気弾、それを必死で潰しているセラと、そのセラが跨っているリリィに接近する。


 地上ではミラとジェシカ、それに足場をジャンプ移動して逃げ回るマーサが、カーミラを挑発して意識をそちらに釘付けとしているようだ。


 ユリナとサリナも何か話を始めたようだし、ルビアとマリエルもそこに加わる、というか作戦そのものに参加する様子である。


 地上からの攻撃作戦と空中での攻撃作戦、その2つを同時に、息ピッタリで放ってこその勇者パーティーだ。

 そしてその程度のことは、いちいち話し合いなどせずとも以心伝心でどうにかなる。


 次の攻撃でどうにか、この最強のヴァンパイア入り空中要塞を撃墜するのだ……

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