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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十九章 最後の1人
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490 操り人形か否か

 ユリナから『四天王さえ手玉に取り、意のままに操る黒幕的存在』の話を聞いた俺は、早速その情報源となった陰謀論者を収監している地下牢へ向かい、殴る蹴るの暴行を加えていた……



「オラァァァッ! てめぇそんなのが嘘だったら承知しねぇぞぉぉぉっ!」


「ぎょえぇぇぇっ! そ、それは本当だっ、北の四天王城には巨大な陰謀が渦巻いているという話を聞いたのだっ!」


「また陰謀か、だがマジで覚悟しとけよ、ただでさえ残酷処刑が確定しているというのに、ここで嘘を重ねたらもっとアレなとんでもない目に遭わせるからなっ!」


「そ、そんなっ、我は巨大な陰謀の被害者で……」


「まだ言ってんのかよ、もう諦めろや」



 未だに俺を騙し、巻き込み、味方に付けることが出来ると思っている様子の陰謀馬鹿パイア。

 もちろん転移前の世界で、既にこういう輩の存在を認識していた俺には通用しない。


 ちなみに今はコイツの屋敷の地下牢、いやもうコイツの屋敷ではない、俺達勇者パーティーの現地拠点となったのだ、そもそも死刑執行を待つだけの生ける屍に屋敷など必要ないからな。


 特にコイツは『その陰謀論を自ら信じ込んでいる』のではなく、『利益のために適当な情報を創作し、他者を煽動している』のだから余計にダメなのだ。


 ユリナとサリナ、精霊様が吐かせた黒幕と思しきヴァンパイアの情報、それが痛め付けられたコイツの口から苦し紛れに漏れ出した久しぶりの真実なのか、それともその場を逃れるために新たに創ったデタラメなのか。


 現状、俺からすれば後者としか思えないのである、元々信頼のない奴は狼少年の如きであり、稀に真実を述べてもそれを信用して貰えないのである……



「ねぇ勇者様、前に居た世界でもこういうのが居たわけ? 超キモいんだけど」


「ワラワラ居たぜ、まぁ、俺が居た世界はこういう奴がのさばり易い状況だったんだけどな」


「どういうことよ?」


「本来は真実を伝えなくてはならない連中が居るだろ? それらがこの世界と同様、自分に都合の良い、フィルターを掛けまくった情報提供しかしていなかったんだよ、で、その連中に見切りを付けた一般人が、別の場所に情報のソースを求めたんだ」


「で、そこで手招きしていたのがこういう馬鹿みたいなことを言う奴等だったってわけね」


「その通り、こんな奴等を信じた方も悪いが、金儲けのために、注目を集めるためだけにこういういい加減なガセ情報を吐き散らしている馬鹿が一番悪いんだ」



 なるほど、などと理解した様子を見せるセラ、単純で馬鹿ではあるが、さすがにこのようなことはわきまえているらしい。


 いや、むしろ現状で騙されているのではないかという状態の3人、即ちユリナ、サリナ、精霊様なのだが、この3人の方が賢く、ガセネタを注意深い観察で見抜く力を持っているはずだ。


 その3人がこの馬鹿パイアの供述を信じ、四天王カーミラを意のままに操る黒幕が存在しているとの主張を擁護している、これはもしかするともしかするかも……と、こういう場合俺は否定派でいた方が良いな。


 嘘か誠か判断が付かない状態では、どちらに転んでもどうにか対処出来るよう取り計らっておくべき。

 ゆえに全員がこの『黒幕説』を信じず、せめて数人は疑いの眼差しをキープしておかなくてはならない。


 特に、今回のようにその説がアタリかハズレか、判明するのが強敵、魔王軍四天王にして最強のヴァンパイアなどという存在の目の前でのことである場合においてはだ。


 そこで予想外の展開に驚いている暇などない、もし黒幕の存在が真であっても、あるいは偽であったとしても、『ああそうでしたか』ぐらいのノリでサラッと流せる程度には結果の予想を突き詰めておかなくてはならない。


 と、今日はこの辺りで良いにしておこう、腹も減ったし、黒幕が本当に居るのか否かなど、ここで何も情報がないままに考えても仕方ないのだ。



「よし、じゃあなこのゴミパイア、明後日ぐらいにはお前も陰謀のない綺麗な世界に旅立てるから、まぁその前に多少苦しみを味わうことになると思うがな、楽しみにしておけよ」


「ひぃぃぃっ! 我はっ、我は何も知らない、本当は知らない、ただ考えたことを言っていたら皆付いてきてくれて……」


「だからどうした? お前がトンデモ陰謀論を垂れ流したのは事実だろ、それが意図的かそうでなかったかはもう関係がない、誰かを煽動したこと、そしてお前の顔面が気持ち悪いことの2つをもって、既に残虐処刑となる運命は決しているのだ、わかったらそこで念仏でも唱えておけこのド畜生めが」



 その日は陰謀論者の陰謀ハウスにあった食材を適当に使い、ついでに爺やの屋敷にあった様々なものお供ヴァンパイア共に運び込ませて豪華な食卓を囲む。


 途中、ヴァンパイア共が『生き血が足りない』などとほざきだしたが、どちらの屋敷にも高級な、例の収容施設で被害者の子どもや獣人達から採取したと思しき血液があったため、それをほんの少しだけ分け与え、黙らせることに成功する。


 本来は被害者に返還しなくてはならない血液なのだ、もっとも輸血だの何だのという技術が存在しないこの世界においては、抜かれてしまった血を返されたところでどうすることも出来ないであろうが……



「あそうだ、ご主人様、さっきお屋敷の中を探検していたんですけど、ここに転移してきたときに使ったのと同じのが置いてありましたよ」


「おっ、でかしたぞカレン、きっとそれを使えば次の奴の屋敷へ行けるんだ、セラ、後でそのマシンを確認しておこうか」


「ええ、地図だとこの先四天王城まではあと2つ、こういう感じの屋敷があるのよね、てことはつまり、次のその次、え~っとその次が本丸行きなのかしら?」


「たぶんそうじゃないのかな、もちろん主敵のカーミラは簡単にはいかないだろうが、その手前の2匹はどうせ雑魚だ、調べることは調べつつ、特に用がなければブチ殺して先へ進もう」


「そうね、でもまずはここの、あのキモいおっさんを葬らないとよ、エリナちゃんはいつ頃戻るのかしら……」



 エリナは陰謀馬鹿パイアを処刑するための、粗悪品の銀塊をゲットするため、俺達の本来の拠点である王都へ戻っているのだ、それを溶かして奴の耳から流し込む。


 ユリナとサリナの見立てではおそらく明後日の朝には戻る、それまでは特にやることがないのだが、適当にヴァンパイアでもいじめて待つこととしよう。


 ちなみにエリナは銀塊以外にも、存在が示唆されている黒幕の情報源としてアンジュを連れてくる予定。

 馬鹿の処刑とアンジュからの聴取、その2つのタスクをこなしたら、すぐに次の場所へ転移しなくてはだな。


 ということで食後、セラと2人でカレンが発見した転移装置を確認しておく。

 爺やの屋敷からここの庭へと転移した際に使ったものと全く同じだ、一応エリナに確認させる必要はあるが、流れ的に問題はないであろう。


 転移装置の確認もそこそこに、お供ヴァンパイア共に汲ませた風呂に入り、掃除にベッドメイキングまでさせた部屋でゆっくりと眠りに就く。


 翌日は特にやることもなく、地下牢で聞いた陰謀論を鼻で笑いながらその主張をする陰謀論者の馬鹿パイアに蹴りを入れて遊んで丸1日時間を潰す。


 その翌朝、後ろにアンジュを乗せたエリナの鳳凰が、南の空に見えたとの報告を受けた……



 ※※※



「おまたせしました~っ」


「おい遅いぞエリナ、それからなぜアンジュを縛り上げていないんだ?」


「そんなこと言われましても、さすがに元とはいえ四天王第二席のアンジュ様に無礼なことは……」


「黙れ、お前も一緒に縛ってやる! ルビア、ちょっと縄を2本貸せ」


「ひぃぃぃっ、お、お許しをっ」



 ジタバタと抵抗するエリナは適当に、大人しくしていたアンジュはエッチな縛り方で拘束する。

 そのまま2人を引き摺って屋敷併設の地下牢へ、ついでにエリナの持っていたバッグから勝手に銀のインゴッドを取り出しておく。



「じゃあアンジュ、お前には後で聞きたいことがあるんだ、ちょっとそこで大人しく待っておけ」


「はいはい、わかったわよ、で、そっちの無様な格好をしたヴァンパイアは何なわけ?」


「コイツは今から処刑するんだ、エリナに持って来させたこの低品質の銀を溶かして耳から流し込むんだ」


「恐ろしいことするわね、とても正義の勇者がすることとは思えないわ」


「何を言っているんだ? 俺が正義に準じて行動するわけではない、俺の成すことがそのまま正義となるのだ」


「もうわけわかんないんだけど……」



 理解力の足りないアンジュと、それから仕事をして褒められると思っていたのに縛られ、地下牢に放り込まれて泣き叫ぶエリナは放置して、そのエリナよりも大暴れの馬鹿パイアを引き摺り出す。


 既に屋敷の庭の隅に処刑セットを設置していた精霊様、この馬鹿パイアの被害を被ったこともあるはずのお供ヴァンパイア共がギャラリーだ。


 不快極まりない陰謀論者の処刑に盛り上がるヴァンパイア共、対する受刑者の方は、未だに黒幕に嵌められただの、自分を殺すと真実が見えなくなってしまうなどと、適当に思い付く限りのことを喚き散らして助からんとする。


 もちろん喋れば喋るほどに反感を買う、ここに居るのはコロッと騙されるような馬鹿な信者共ではなく、そんなくだらない説に賛同するよりは、荒廃した村で貧乏暮らしをすることを望んだ連中なのだ。



「ぎぃぃぃっ! た、助けてくれっ!」


『ダメに決まってんだろぉぉぉっ!』

『ゴミのような陰謀論を撒き散らしやがって!』

『高貴なるヴァンパイア族の面汚しがっ!』


「おいおい、随分嫌われているようだが、今どんな気持ち? ねぇ、今自分が無様に処刑されることに、これだけの同族が賛同しているのを見てどう思う? ねぇ? ねぇ?」


「イヤだぁぁぁっ! ひぃぃぃっ、死にたくない死にたくない死にたくない……」


「おっと、あまりいじめすぎて正気を失われてもつまらんからな、精霊様、もう殺ってしまってくれ」


「はいはいっ、じゃあ処刑助手のユリナちゃん、尻尾を貸してちょうだい」



 どこから持って来たのか、巨大なやっとこで銀のインゴットを挟んで持った精霊様。

 馬鹿パイアを横向きに地面に押さえ付け、耳の真上には銀、隣に立ったユリナの尻尾をそれに近付ける。


 尻尾の先に発動した火魔法が銀のインゴットを溶かし、その融解した雫がポタポタと、正確に耳の穴に向かって垂れる……


 その後はもう言うまでもない、大変お見苦しい、というかモザイクが必要な光景が広がり、ギャラリーは大喜び、俺はキモすぎて吐きそうになってしまった。


 一緒に居たセラが気を使って別の場所へ行こうと誘ってくれたため、とりあえずその場を離れる。

 俺はアンジュから話を聞く、というか引っ叩いて色々と情報を吐かせる職務に従事することとしよう。


 未だに不快な陰謀野郎の悲鳴と、盛り上がるヴァンパイア共の歓声が聞こえてくる中、俺とセラ、そして遊ぶでもなく修行をするでもなく、ただ暇そうにゴロゴロしていたルビアとマリエルも加え、屋敷地下の牢屋へと向かった……



 ※※※



「おいアンジュ、出ろ」


「あ、は~い」


「ねぇ勇者さん、私は? てか私どうして牢屋に入れられてるんですかっ!?」


「ちょっとエリナうるさい」


「……酷いっ」


「冗談だ、エリナも出ろ」



 アンジュを連れて行くついでに、かわいそうなエリナも牢屋から出してやり、ついでに縄も解いてやる。

 もちろん暇なので付いて来るのだが、出来ることなら転移装置の方を見て欲しいところだ。


 だがその望みには気付いて貰えず、寝室として使用している部屋に入るとすぐに座り込み、テーブルの上にあった菓子をダラダラと食べ始めるエリナであった。


 まぁそんな悪魔はどうでも良い、今はアンジュから話を聞くことが先決だ。

 賢者の石も装備しているし、魅了対策はバッチリ、今日はとことん厳しく追及してやる……



「よし、じゃあアンジュはそこに正座しろ、尻を引っ叩かれたくなかったらな」


「はいはい、で、何を聞きたいわけ? まぁカーミラのことだってのはだいたい想像が付くけど、私が知っていることはこの間話したので全部よ」


「そうだろうが、今回はカーミラ自身についてじゃなくてだな、その取り巻き連中に関して聞きたいんだ、特に腹心みたいな奴が居て、カーミラはそいつの言うことなら何でも信じて、ハイハイ従ってしまうとかな」


「う~ん、腹心といえば変なハゲが居たような気もするけど……あ、わからないわよ、一緒に居ることが多いってだけで、お父さんとかなのかも知れないからね」


「いや、お父さん変なハゲだったらまずもってずっと一緒に居たくはないだろうよ」


「でもそのハゲ、居たには居たけど凄く頻繁に離席していたし、しかもその間専らウ○コしているって噂よ」


「益々イヤだわそんな奴っ! しかも何だよ『専らウ○コ』って、そいつもうほぼウ○コじゃねぇか」


「そんなことを私に言われてもね……」



 とにかく、一応それらしきヴァンパイア、というかハゲが存在していることはしているようだ。

 だがそれだからといって、そのハゲが黒幕で、四天王のカーミラを意のままに操っている存在とは限らない。


 単に秘書や執事、付き人の類かも知れないし、アンジュの言うように、大切な娘の活躍の場にグイグイ出てくるちょっと鬱陶しいハゲのお父さんなのかも知れない。


 まぁ、カーミラの親類といえば、あのゲキカスデスという雑魚が存在したのだ。

 あのノリで考えた場合、リアル父親がそんな感じであったとしても特に不思議はないであろう。



「そんで、カーミラはそんなハゲに操られてしまうような馬鹿なのか?」


「う~ん、まぁ世間知らずなのはもう許容範囲を超えているし、あと訪問販売の変な壷とか高級布団とか、あと明らかに価値のない不動産もやたらに買わされているわね、でも賢さは高いはずよ」


「それはどう考えても賢くないと思うのだが……」



 四天王カーミラ、非常に騙され易い性格なのは間違いないようだ、というか騙す方も騙す方だな、魔王軍の中でも最強かも知れない、そしてヴァンパイアの中では間違いなく最強の女を詐欺に嵌めて金を稼ごうとは。


 計画が露見して怒り出したりしたらどうするつもりなのだ? 付近一帯とかではなく、この世界そのものの存続が危ぶまれることにはならないであろうか?


 まぁ、そうなれば魔王や魔界の神々、そして神界も協力してその破壊的暴走を止めようと試みるに違いないが、対応までの間に少なくともここ、北の魔族領域は壊滅してしまうに違いない。



「……あ、今カーミラが騙されていることを知って怒ったら、なんてこと考えてるでしょ?」


「おう、よくわかったな」


「顔に書いてあるわよ」


「マジか、ちょっと洗顔して来る」


「そうじゃなくて、とにかくあの子、たぶん騙された程度で怒ったりしないわよ、凄く温厚だし」


「普段温厚な奴を怒らせると凄く怖いんだよ、わかるだろそのぐらい……」



 その後もアンジュの供述は続く、どうやらカーミラは大人になった今でも『箱入り娘』状態であり、汚れ仕事や露払いの類は、本人が気付かないうちに周りの部下、主にこれから戦うことになるのであろう、城の程近くに居住するヴァンパイア2人が受け持っている可能性が極めて高いという。


 というか、四天王なのに戦いに関する話をまるでしないそうだ、そのくせ異常な力だけ持っているのは明らかで、かつて適当に雑談をしている際、『あらイヤですわオホホ』ぐらいの軽いツッコミにて、300体の上級魔族と砦ひとつを消滅させたこともあるのだとか。


 本当に恐ろしい奴なのだが、実に頭が弱いというのは追加的な弱点情報だ。

 これまでに得ていた『ヴァンパイアの癖に出血を見るともうダメ』とか、『リアル世間知らず』に並ぶ、強キャラの攻めどころといえよう。


 もっとも、力の強い馬鹿というのが非常に危険な存在であるという考え方も出来なくはない。

 そんな奴が、何も考えず力任せに暴れたらどうなるか? 世界は滅び、人類は滅亡する。


 これを考慮に入れた場合、敵の力を抑えつつ戦うとか、そういう高度な戦法を使わざるを得ない。

 もちろん情報入手済みの『弱点』を上手く使っていけばそうすることも出来るはずだが、脳筋の多い俺達にそれが出来るかどうかが問題だ。


 と、そこでセラが何かを思いついたようだ、手を挙げ、発言し出す……



「はいはいっ、ねぇ勇者様、もしその黒幕的存在が居るのだとしたらよ、四天王のブレインとして動いているはずのそいつを殺せば、指示を貰えなくなってどうすれば良いかわからなくなったりとかしないかしら?」


「うむ、それもある、だがその作戦が通用するのはあくまで、カーミラがその黒幕だか陰謀の権化だかの操り人形であった場合だ、そんなもの存在しなかった場合には全く無意味な作戦になってしまうぞ」


「確かにそうね、てことは何、今回は2つのパターンの作戦を考えなくちゃならないってことなのかしら?」


「今更それに気付いたのかよ……」



 とにかく実際はどうなのか、それは四天王カーミラを前にして、そして会話を交わしてみないとわからない。


 もちろんその前に黒幕の尻尾を掴むことが出来れば万々歳なのだが、存在すら定かでない、煙のような存在を追うよりは、まっすぐに敵の城を目指していった方が効率が良いはずだ。



「じゃあそういうことで、精霊様があの馬鹿陰謀論者を殺し終えたら次の屋敷に向かうための作戦会議だ、エリナ、ゴロゴロしてないで転移装置を見て来い」


「あ、は~い」



 ベッドに転がり、ゴロゴロしながらボロボロと菓子の欠片をこぼしていたエリナを、執務室的な場所へ派遣して転移装置の確認をさせる。


 どうやら問題ないようだ、パーティー全員は確実に、お供ヴァンパイアも4ないし5は転移させることが出来る、前回使用した装置と全く変わらない次元のモノだという。


 次と、その次のヴァンパイア屋敷を制圧すれば、その次はいよいよ四天王城だ。

 この辺りはサッサと済ませ、四天王が黒幕的存在の操り人形であるか否かを確かめよう……

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