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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十七章 人を攫って
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474 収容施設へ

『火魔法を撃ってくるわよっ! 全員衝撃に備えてっ!』


「おいおい、近付いただけで先制攻撃かよ、殺る気満々じゃねぇか……」


「まぁ、そりゃ敵意剥き出しで突っ込んで来れば迎撃もするわよね、もちろん返り討ちにするわけだけど」



 馬車の上から聞こえてくる精霊様の声、そして窓の外を覗くと、前の馬車で同じく上に乗ったヴァンパイアが魔法による攻撃の準備を終え、こちらに狙いを定めている最中であった。


 敵の馬車には幌が掛けられているが、その隙間からチラッと、明らかに被害者を入れている檻の鉄格子が見える。


 おそらく馬車には1台に3つの檻が、そしてそんな巨大馬車が3台も連なって走っているのだ、相当な数の被害者があの中に居るのは明白、迂闊に攻撃は出来ない。


 さらに、迂闊といえばもうひとつ、こちらも迂闊に敵の攻撃を受けるわけにはいかないのだ。


 パーティーのメンバーだけであれば、あの程度の火魔法はマッチの火以下に過ぎないクソ雑魚。

 だが今回は非戦闘員のアイリスも連れて来ているし、そもそも馬車に当てられたら大切な駄馬が死んでしまう。


 などと考えながら窓から身を乗り出し、敵の様子を眺めていると、遂に狙いを絞ったのか、明らかに御者台のジェシカとルビアを狙った魔法の火の玉が2つ飛んで来た。


 それに対して2枚の水の壁を張り、各個受け止める精霊様。

 火の玉はシュンッと音を立てて消え、残ったのは驚く敵と、得意げな表情の精霊様のみ。


 しかしあっさりと攻撃を止められてしまったヴァンパイアの驚いた表情ときたらない、ここが異世界でなければ写真に残し、当分笑いのネタにしてやりたいぐらいの驚きぶりである。



「どうだ精霊様、今度はこっちから殺ってやらないか? ピンポイントであの野朗のみを撃ち落してやるんだ」


「あら、苦しませずに殺しちゃうのはあまり芳しくないわね、でも良いわ、残りの4匹を驚かせるためにも、私の凄まじい実力を見せ付けてあげるんだから」


「おう、でも調子に乗って馬車に当てるなよ、ただでさえ被害に遭っている人達に更なる被害、しかも物理的な受傷やそれを原因とした死亡などというとんでもないダメージを与えたらダメだからな」


「そんなことわかっているわ、私の攻撃の正確性を舐めるんじゃないわよっ」


「いや、実力がどうこうじゃなくて、あからさま調子に乗っているから恐いんだよ……」



 そんな俺の心配をよそに、精霊様は一撃で、しかも綺麗サッパリ屋根の上に居るヴァンパイアの首を弾き飛ばした。


 何が起こったのかわからず、失った自分の頭を手探りで探し続けるヴァンパイア、足元も探しているようだが、首から上はもう消滅してしまったため発見することは不可能だ。


 というか、既に脳がないのにどうやって思考し、どうやって体を動かしているのであろうか?


 しぶとさにかけては右に出る者がないと言い得るゾンビでさえ、頭を潰すと活動を停止するパターンが多く見られるというのに、この世界のヴァンパイアの生命力はどこからくるというのだ。



「あらっ、奴等スピードを上げて逃げるつもりだわ、ジェシカちゃん、ガッツリ追い付いて、てか横付けしちゃって」


「わかった、あの鈍足馬車ならすぐに並べる、車体を当てられたりするかもだから全員舌を噛まないように要注意だぞっ!」



 後方の見張りをしていたのは精霊様に頭を飛ばされた奴だけだが、それが一撃でやられたのは他の4匹にも見えたのであろう、すぐに逃げ出す態勢に入った敵の馬車だが、あまりにも巨大で遅く、俺達の馬車はあっという間に追い付き、横に並ぶことが出来た。


 先頭の馬車には御者台に2匹、後ろの2台にそれぞれ1匹のヴァンパイア、先頭の馬車で御者をしていないのがリーダーのようだ、明らかに偉そうな格好だし、俺達の馬車が横に並ぶとサッと身を退き、荷台にある檻の横へと退避してしまう。


 まぁそこならこちらが攻撃を加えることはないと踏んだのであろう。

 俺達が何者かは知らないはずだが、それでも被害者の救出を目的として行動しているのは容易に察しが付く。


 だがヴァンパイアリーダーにとっては大変残念なことに、遠距離攻撃はしないにしても、既に天窓から馬車の上に出たカレンが、ピョンッと敵の馬車の上に飛び移り、幌を破いて中に侵入しようとしているところなのだ。


 時を同じくして、馬車の窓から身を乗り出したセラが、先頭車両の御者を風の刃で始末する。

 もちろん千切れた胴体だけでまだ動くのだが、セラの魔法が腕を両方とも切り飛ばしたため、もはや手綱を握り、馬に指示を出すことは叶わない。


 街道を並んで走っていた馬車は、当然先頭が停まれば後続も停まる。

 カレンに次いで馬車から出て行ったミラとマーサが、それぞれ2台目と3台目の御者を退治、もはや敵の車列は進むことが出来なくなった。


 そして、五体満足で残っているのはリーダーと思しき、荷台の中へ逃げ込んだヴァンパイアのみ、その1匹もそろそろ……カレンが出て来たということは終わったのか……



「ご主人様見て下さいっ! この人首を獲ったのに平気で喋りますよっ! 何だか面白いですっ!」


『く、クソがっ! どうして我らの馬車を襲う? あとどうしてそんなに強いのだっ?』


「本当だ、ちょうど尋問したかったところだし、コンパクトになって良い感じじゃないか、カレン、その首はそのまま地べたに置いて差し上げろ、高貴なヴァンパイア様には街道の砂がお似合いだからな」


「は~い、じゃあこの辺に……」


『おいやめろこの狼獣人めっ! 我を愚弄するとタダでは……えっ? そんな、馬糞の真横に置くなんて……あぁぁぁっ! 臭っせぇぇぇっ! オェェェッ!』


「案外やかましい奴だな、てか嗚咽したところで吐くものがないだろ、首だけなんだからさ……」



 停まった敵の馬車から降りて来たのはヴァンパイアリーダーの首を持ったカレンだけではない。

 3つの馬車全てを回り、そのどれもに人質が居ることを確認したミラとマーサも、戻って人数の報告をする。


 ここで救出した被害者の数は総勢37名とのこと、もちろん大半が子どもで、他は獣人。

 時折大人の女性も居るとのことだが、きっと彼女らは安く買い叩かれたのであろう。



「さてと……マーサ、まずは被害者を全員檻から出すんだ、俺達の馬車の横に集合して貰え、あとはまだ生きているはずのクソ野朗共を掻き集めて、リリィとユリナで燃やしてくれ、それから俺と精霊様でちょっとこの首と遊んでやることにする、じゃ、作業開始!」


『うぇ~いっ!』



 落ちていた馬糞の横に設置され、臭そうに顔を歪めているヴァンパイアリーダーの首。

 俺と精霊様でそれに近付き、まずは靴の裏でグリグリ踏んでどちらの立場が上なのかをわからせる。



『貴様ぁぁぁっ! この高貴な我に、ヴァンパイアの中でも上級とされる我に何たる侮辱!』


「うるせぇな、そもそも上級って何だよ? お前みたいなののどこが上級だってんだ」


『ふんっ、全ヴァンパイア連合上級検定試験に合格したのだ、実技、学科共にな』


「そういう感じなのかよ……で、本題に入るが、お前等が向かっていたのは北の、狐獣人の里の近くにある被害者の収容施設だな?」


『なぜ貴様のようなその辺の馬鹿がそれを知っているのだっ!? 貴様など顔からして頭が悪そうだし、特に主人公系のオーラも放っていない単なるアホではないか』


「ぶっ殺すぞてめぇ、俺はな、こう見えても異世界勇者様なんだよ、わかるか勇者って? お前等の親玉である北の四天王を虎視眈々と狙う強敵だ」


『異世界勇者だとっ!? あの人のフリをしたウ○コ、陰険な性格の超ゴミ野朗と名高い、いや名低いっ!』


「俺はかくもひでぇ評判なんだな……」



 かといって行動を改めようとは思えない、敵からウ○コだの陰険だのと罵倒されたとて、それは俺の勇者としての活動が上手くいき、敵から疎まれているからに他ならないのだ。


 ということで陰険な勇者様の陰険な首野郎イジメは続く、もちろんなかなか価値のある情報は引き出せなかったのだが、拾った木の枝の先に熟成された馬糞をタップリと塗りつけたモノを、鼻だの口だのに突っ込んでみたところで、ようやく首野郎の心が折れた。


 時折早く殺してくれという懇願を混ぜつつ、本来は漏らしてはならないはずの情報をベラベラと喋る首野郎。


 こいつらの行き先は当然俺達の目的地と同じであったこと、そして被害者は殺すのではなく、家畜のように飼育して血を抜き取り続けているということが判明する。



「それでだ、お前はこのグループの中で一番偉かったんだよな? 見た目もわりとデブで他の栄養失調な奴等とは異なる、そうだな?」


『ふっ、我はこの輸送集団のリーダーにして上級の資格を持つヴァンパイア、他の輸送集団も全て我の部下達で構成されているのだ、どうだ、畏れ入ったか?』


「また調子に乗ってんじゃねぇこのゴミクズがっ! で、どうしてその部下共は皆ガリガリなんだよ? お前だけ太りやがって、どこの将軍様……と、これは異世界の話だから忘れてくれ、とにかく質問に答えろ」


『血が、我らには血が足りないのだ、そしてその原因は最強のヴァンパイア、カーミラ様にあるのだ……』



 首野郎の語りが始まった、これまでヴァンパイアという種族は、北の魔族領域から出ては、人族の血に居る人間や動物、魔物などを襲ってその血を全て吸い尽くし、殺害していたのだという。


 もちろん人族や獣を狩り尽くすというようなことはせず、必要なときに必要な分だけ殺し、その場で飲み干せない血液は瓶に詰めて持ち帰ったそうだ。


 ちなみに、主に家畜の血が抜き去られているのが、ヴァンパイアの仕業だと発覚すると面倒だということで、適当に魔物を配合して作ったUMAを放ち、全部そいつのせいになるように仕向けたりもしていたのだという。


 だが北の四天王であり、最強のヴァンパイアであり、そして超お嬢様育ちで世間知らずのカーミラが最近、『生き物を殺すのはかわいそう』などと世迷言を言い出したことによって状況は一変する。


 何も知らないカーミラに対して献上する『生き血』の質を落とすことなど出来ず、かといって人族を殺すことも禁じられた。


 そこで下々のヴァンパイア共が考え出したのが、純粋で血が美味い子どもと、それから普通の人族と比べて体の強い、より多くの生き血を確保することが可能な獣人を拉致、収容所に放り込んで毎日血液を採取するというものであったのだ。


 当然カーミラ自身は自分の城でのうのうと、献上される生き血を受け取って暮らしているだけで、その生き血がどうやって採取され、手元に送られて来たのかなどまるで興味がない様子だという。


 普通に考えれば『かわいそうだから殺すのを禁じる』ということと、『毎日新鮮な生き血が自分の手元に、まるで牛乳配達かの如く届く』ということが矛盾してしまうのは秒で気付くはず。


 だがそこは世間知らずのお嬢様、魚の切り身や干物が泳いでいると思い込んでいる都会の子どもと同様、どこからともなく『生き血』のみが沸いて出るとでも考えているのであろう。


 全くどうしようもない奴なのだが、そこは俺達が行って被害の実態とそれによって人々が受けた死よりも辛い状況を事細かに話してショックを受けさせてやればどうであろうか?


 もしかするとショックを受け、戦わずして降参してくれるかも知れない。

 まぁ、それは出来すぎにしても少しばかりは戦意を削ぐことに繋がるのではないかといったところ。


 北の四天王カーミラとの戦いのあとはもう、本人を引き連れて、これから向かう収容所がどんなもので、どのぐらいの数の人族がそこで苦しめられたのかを教えてやるツアーの開催だ……



「……で、お前等はそのカーミラの命令を忠実に実行するため、そんな施設を造ってまで人族を集めていたんだな……しかしどうして誰も意見しないんだ? 今起こっていることがどんなものなのか、本人に直接言えばおかしいことぐらい気付くだろうよ」


「それがだな、カーミラ様ではなくその取り巻きが厄介であるのだ、命令を忠実に実行し、異を唱えようとする者は即処刑、腹を割かれて溶けた銀を流し込まれる方法で惨殺され、死体は摩り下ろし生ニンニクのプールに放り込まれるという悲惨な目に……」


「あ、やっぱりニンニクが嫌いなんだな、あと銀の何とかもか」



「そ、そうだが……言っておくが我がそんなことを喋ったというのはナイショだぞっ」


「はいはい、しかしカーミラ本人以外にもめんどくせぇ奴が居るんだな……よし事情はわかった、俺達はこれからその収容施設を襲撃して職員を皆殺し、ついでにカーミラの城にも寄って本人も引っ叩いてやる、お前はもう用済みだから死んで良いぞ、じゃあなゴミクズ野郎」


「そんなっ! ちょっとま、このままでは我がその辺の薄汚い野獣の餌食に、おいちょっと、もしもーっし!」



 薄汚い首野郎はその場に放置する、別に踏み潰して殺してやっても良かったのだが、そんなことをすれば俺達の靴の底が汚れてしまう。


 このまま夜になればその辺の野獣や魔物がやって来て、この汚物を始末してくれる。

 人族を攫って生き血を抜いていた馬鹿野郎の末路としては至極妥当なものだ。


 と、そんな馬鹿の話はもうどうでも良い、問題は救出した被害者の扱いである。


 既に最も御者台の汚れが少なかった敵3台目の馬車から檻を捨て、そのままであれば被害者全員が乗り込める状態にはなっているのだが、さすがに自力で王都を目指すというのは無理そうだ。



「勇者様、今日泊まる予定の宿にこの人達を預けましょう、国家権力を振りかざせばそのぐらい容易に受け入れてくれるはずです」


「ふむ、しばらくは宿に滞在して貰って、すぐに王国軍を派遣して迎えに来させるってんだな、よしそれでいこう、この後また被害者を救出した場合も同様だ、国家権力万歳だな」



 ということで大きい方の馬車はルビアを御者に、救出した被害者全員を乗せて出発する。

 ちなみに馬は全て貰っておいた、愛着のあるウチの駄馬とは交換出来ないが、なかなか良い馬とのことなので後で金に替えるなり王宮にくれてやるなりしよう。


 で、その日の宿では宿泊人数に驚かれたものの、どうにか全員を収容してくれることが決まった。

 もちろん国から金が支払われるのだが、その金も後に反王国組織を討伐した際に回収すれば良い。


 今はとにかく被害者の救出だ、この先も宿に泊まりながらヴァンパイアによる人族収容施設を目指すのだし、途中で今日のような救出劇が起こることは確実。


 その度に宿を被害者で一杯にし、王国軍の迎えが来るまで待たせるのだ。

 それが続く分少し到着が遅くなってしまいそうだが、それでも実際の被害、つまり一度たりとも血を抜かれたりする前に助けることが出来るのはデカい。


 もちろん現状で収容所に入れられている人々を助けるのも重要なことだが、犯行が未遂の状態で終わる部分を作り出せるのであればその方が良いのである。


 ということで次の日も、その次の日も運搬中の馬車を見つけてはヴァンパイアを殺害、被害者を救出していった。


 なぜかヴァンパイアが野郎ばかりで、助命対象となる可愛い子が居ないのが不思議だ。

 その方が殺り易いためこちらとしても有り難いのだが、出来ることなら可愛い女の子ヴァンパイアを捕まえてあんなことやこんなことをしてやりたいという気持ちも強い。


 まぁ、収容所に行けばそんな子も居るかも知れない、もちろん他は被害者の前でブチ殺し、鬱憤を晴らさせるために投石、いや投ニンニクなどの刑に処すべきだが、捕まえた女の子ヴァンパイアだけはこちらで処分すると言って貰ってしまおう。


 そんなこんなで馬車を進めていくと、5日目の夕方には、山間にチラッと明らかな人工物の影が見える。

 場所と、それからサイズを考えてもそれが収容施設で間違いないということになり、メインの街道からわき道に逸れてその人工物を目指す。



「おう、何だか凄い建物だな、人攫いヴァンパイアの分際でご立派な」


「勇者様、この建物はなるべく破壊せずに接収しましょう、後で色々と使えそうです、主に軽犯罪者を収容して死ぬまで強制労働させる施設とか」


「そうだな、中身のヴァンパイアはブチ殺して、被害者を救出したら他はノータッチだ、戦闘で少しは壊れるだろうがな」



 白い、巨大な研究施設のような建物、魔族でヴァンパイアなのだから、もっとドス黒くて闇な感じを出した収容施設を造りそうなところなのだが、どういうわけか清潔感のある建物だ。


 まぁ、必要以上に被害者を恐がらせないためにそうしているのかも知れないが、今後マリエルの言うような施設として使用するのであれば、禍々しい外見に塗り直すなどもアリかも知れない。


 建物のすぐ近くまで行くと、手前には被害者運搬用の馬車が何台か停まっていた。

 俺達の馬車もここに停めさせて貰おう、もちろん無料だとは思うが、どうせ今日をもって俺達の支配下に入る施設なのだから駐車料金は問題にならない。


 なぜか連れて来てしまったアイリスと、なぜか勝手に付いて来たエリナを残して馬車を降り、目的の建物の正面入口と思しき場所へ向かう。


 見張りの類は居ないようだ、こんな所へ盗みに入ったり攻めたりするような暇人は居ないと踏んでのことであろうが、特に暇でもない俺達がやって来るという想定外の事態に気付くのが遅れただけだ。


 とりあえず正面の扉をノックしてみよう、あまり破壊はしないということで、可能であれば平和的に侵入を成功させたい……



「ごめんくださ~いっ、お客さんですよ~っ」


『は~い、すぐ開け……ってそんなもん来るわけねぇだろっ! 全くふざけやがって、どこのどいつだっ?』


「ヤバい、もう怪しまれたみたいだ、カレン、マーサ、仕方ないから扉をこじ開けるんだ」



 いつもなら易々と扉を開けさせることに成功していたはずのところであるが、さすがに知能の高い上級魔族、ヴァンパイアは一筋縄ではいかないようだ、というかこれが普通の対応だ。


 仕方ないので扉を一部損壊、こじ開けて中へ入る……すぐ目の前には守衛らしきヴァンパイアが2人、どちらも臭そうな野郎ヴァンパイアである。


 まずはこいつらを殺し、施設内のマップなどを入手することろから始めよう……

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