46 対幽霊実戦訓練
「ハイ、今のでおもらしした者は起立!」
ミラ、ルビア、ジェシカは当然として、カレンも立ち上がった。
今は庭の隅にテントを張り、怖い話大会を開催している。
俺の話したのっぺらぼうのありがちな話にビビッた4人がおもらししたのだ。
カレンがお化けを怖がっていることは察しが付いていた。
最初に庭に幽霊が出たときには見えていなかったようだが、ギロティーヌの首が喋り出したときには尻尾の毛が逆立っていたのだ。
そこではおもらしこそしなかったが、尻尾判別は正確なようだ。
「では4人はパンツを洗ってきてください、戻ったらわかっていますね?」
青い顔のまま、手を繋いでテントから出て行く4人、屋敷の明かりを点けていないため外は真っ暗だ、そっちの方が怖いであろう。
「さて、物理主体の3人は幽霊戦では使えないかもしれんが、あそこまでビビられると全体の士気に関わりそうだな、どうする?」
「幽霊だけなら置いて行くのも手かもしれないけれど、もし物理の効く相手だったらミラ、カレンちゃん、ジェシカちゃんの3人が居ないのは辛いわね……」
「う~ん、そもそも物理とか何とかの前にルビアが居ないとリスクの塊みたいなパーティーになってしまうからな」
「あんたが回復魔法使えるようになれば?」
「あのクラスになるまで何年かかるんだよ? マーサがやれよ」
「私は回復ってキャラじゃないわよ!」
「なぁにをぉ言うかっ! 出来ないだけだろう!」
「ハァ!? 何それ、私とやろうっての?」
「ハイそこ喧嘩しない! 2人共謝る!」
「悪かったな……」
「ごめんなさい」
パンツを洗って戻ってきた4人は、何も言わずとも黙って正座した。
「よし、お化けが怖いのはこの4人で確定した、今日はもう風呂に入って寝るぞ」
セラがつまらなそうにしている、コイツは怪談話とか心霊スポットとかが大好きな口だ、俺と一緒で全く何も見えていないのだがな。
同じ人間組ではマリエルも居るが、コイツは怖がってはいるものの、いざ現れたらそこまで恐れ慄くタイプではないようだ、そしてやはり見えてはいない。
※※※
寝る前にも一旦俺の部屋に集合する、今後の作戦を立てるためだ、あと、おもらしの4人に罰を与えるためだ。
「カレンはあれだけジェシカに偉そうにしておきながら、結局自分はお化けが怖いのか?」
「うぅ……ごめんなさい、調子に乗りました、お尻痛いです」
「まだ許してやらないからな、お化けが怖いのと、調子に乗ったのと両方の罰だ!」
「あうぅぅ……」
カレンが俺からお仕置きされるのは久しぶりな気がする、いつもはかなり甘いからな。
「主殿、カレン殿の残りの罰は私が受けよう、そろそろ放してやってくれないか?」
ジェシカはカレンに甘いのと、自分がお仕置きされたいのとダブルである。
その後ろではルビアも順番待ちをしている、何をしても全く意味がなさそうな顔だ。
2人にシッシとやってどこかへ行かせると、精霊様に捕まったようだ、ざまぁ!
「なぁカレン、お前は見えさえしなければ怖くはないんだよな?」
「そうですね、見えたり誰かが騒いだり、そういうことがなければ大丈夫です、あと、お尻痛いです」
「じゃあそろそろ許してやろう、で、目隠ししても戦えるか?」
「無理ですよ、そんなの! 相手が見えないじゃないですか」
「そうかそうか、では許してやるのはナシにしよう」
「わかりました! やります、やりますから許して下さい!」
「なら明日から特訓な、ジェシカを呼んできて代わってやれ」
カレンとジェシカを交換する、膝に乗せると重さの違いが明らかにわかる。
「ジェシカ、お前はこの間克服したと思ったのに、残念だよ」
「申し訳ない、やはり少し怖いのだ」
「でもさ、今日本当はそこまで怖くなかっただろ?」
「いや……怖かったぞ、本当に怖くて漏らしてしまったのだ!」
「黙れ、ワンテンポ遅れて漏らす奴があるか! わざとだろ、怖いのは確かだろうが漏らす程ではなかったはずだ!」
「バレていたか、卑怯な真似をした、尻を叩いて欲しい」
完全に逃がさない、いや逃がさせないつもりらしい、死角の無い完璧な作戦だ。
普通に頼めばやってあげるのにな、教えてあげよう。
「ジェシカ、こんなことしなくてもお願いしてくれれば別に何だってしてやるぞ」
「そんな恥ずかしいことをお願いできるか!」
「じゃあ今日からはナシで」
「謝る、謝るからそれだけは勘弁してくれ!」
コイツは色々と策をめぐらすタイプの馬鹿だ。
何でもやってやるが顔がとろけているぞ、他人の寝床に涎を垂らすな!
「ジェシカ、次はルビアを呼んで来い、精霊様から無理矢理奪うんだぞ、死ぬなよ」
精霊様とジェシカ⇔ルビアをトレードする形となった。
「ルビア、お前が何とかならないといつまで経っても幽霊と戦えないんだが、どうだ?」
「ご主人様、私だって怖いものは怖いんです、そう簡単に克服なんて出来ません」
「じゃあシルビアさんとお化け、どっちが怖い?」
「それだとさすがにお母さんの方が怖いですよ」
「わかった、明日はシルビアさんを呼んで全力で叱って貰うこととしよう」
「はい……わかりました……」
珍しくルビアがしょんぼりしている、尻を叩いても反応が無いのでおっぱいを触ってみた。
瞬く間に元のルビアに戻った、水を得た魚である。
大体の対策は決まった、ミラとカレンは目隠しをして戦う練習、ルビアはシルビアさんに再教育してもらう、ジェシカはもうそのままでも構わないであろう。
「よし、じゃあ今日は解散、明日はそれぞれの練習に入るぞ、お化けが苦手な者を中心に頑張ろう!」
各々が自分の部屋へと戻っていく、瀕死のミラもセラに抱えられて退室した。
「さて、ルビアはこのまま続けるぞ、カレンもするか?」
カレンは全力で首を横に振っている、尻尾を足の間に隠しているようだ、犬的にはかなりビビッている証拠だ、狼は知らんが。
「ご主人様、どうしてルビアちゃんはいつも叩かれて喜んでいるのですか?」
「リリィ、ルビアは変態という種族なんだ、おそらく人族ではない、マーサもそうだから誰でもなってしまう可能性があるな、リリィもこうはならないように気をつけるんだぞ!」
「たぶん、というか絶対大丈夫です」
「よしよし、さて今日はもう寝るんだぞ、明日からは個別トレーニングになるからな」
※※※
カレンが目隠しをしている、ついでにミラとジェシカにも同じことをやらせている。
3人の脇腹を突っつくと過剰な反応を得ることが出来、実に面白い。
「じゃあ、ますはミラとカレンから、そのまま模擬戦をやてみようか」
お互いにフラフラ歩いていくが、完全にそっちではない、大幅にズレてすれ違い、2人共どこかへ行ってしまった。
「ハイやめっ! 両方目隠しは無理だ、マリエル、ちょっと来てカレンと戦ってくれ」
今度は目隠しのカレンと、目隠しをしていないマリエルでやってみる。
マリエルが偽者の槍でカレンに触れると、一応反応ぐらいはする、だが乱雑に振り回した攻撃が当たる事はない。
そもそも最初に触れられている時点で負け確定であろう。
この世界には気だのオーラだのといったファンタジー要素は存在しないのか?
それとも単純にあって人間が気付いていないだけなのか?
「カレン、相手の音とか気配とか、そういったものを感じ取って戦うことは出来ないの?」
「う~ん、やったことがありませんが、ちょっと試してみます!」
再びマリエルとの試合、最初は突かれてしまったものの、カレンはそれ以降の攻撃を避けることが多くなってきた。
攻撃も単純に振り回すのではなく、しっかりと相手の体を狙って当てにいっているような感じである。
「どうだ? 気配とか何とかは感じ取れたか?」
「いえ、最初に攻撃して来た位置から予想して、次にマリエルちゃんが打って来そうな所を避けてみただけです」
どうやら期待はずれのようだ、そんなことが出来るのは相手が知り合いのときだけである。
攻めて来た敵とまずは酒を酌み交わして親睦を深め、さぁ戦争だ! などということは出来ない。
「カレン、しばらく今のをやっておいてくれないか、マリエルも頼む」
「あとジェシカの目隠しも外すから、目隠ししたままのミラと戦ってみてくれ」
そう告げて、他のメンバーの様子を見に行く。
リリィと精霊様は余裕である、この2人に関しては何の問題もなく、通常通り戦うことが出来るであろう。
今は2人共ビーチパラソルの下で凄い色のドリンクを手にしている。
一方、気になるのは魔法組だ、ここはルビアを何とかすることに注力している。
シルビアさんが来てくれるのは夕方、それまではセラ、ユリナ、サリナが付き添って練習をしている。
「右30度、仰角20度、撃てっ!」
前衛チームと同じように目隠ししたルビアに、セラが指示を出して魔法を打たせている、砲兵隊かな?
確かに、これが攻撃ならある程度適当でもそのうち敵集団のどこかに当たるかも知れない、だが回復魔法を雑に打って敵に当たったらどうするというのか?
セラとルビアには拳骨をプレゼントし、一緒になって遊んでいたユリナとサリナには洗濯ばさみを付けてあげた。
後衛は馬鹿なので諦め、再び前衛の方を見に行くも……ダメだ、昼食にしよう。
※※※
「誰か何か凄く良い方法とか無い? 採用された方には好きな食べ物一品プレゼント」
昼食時、俺は既に諦めていた、目隠し作戦も上手くいきそうにない、ルビアの方もからっきし。
こういうときは誰かが良い案を出してくれるのを座って待つのが一番である。
「私の幻術を使ってお化けを何かもっと素敵なモノに見せかけるとか、どうでしょう?」
「それはメンバーに幻術を掛けるってことか、それともお化けそのものの姿を変えるのか、どっちだ?」
「お化け側は数が多いですし、ギロティーヌみたいに魔法が効き辛いのが居ますから、出来ればメンバーに術を掛けたいですね……」
「よし、じゃあ午後はその作戦で一旦練習してみよう」
午後、まずは肝心のルビアから幻術に掛けてみる、ルビアは心霊スポットへ行くときも異常に嫌がり、結局幻術でお菓子のお家へ行くと思い込ませて連れて行った経緯がある。
今回も似たような感じでいけばよろしいでしょう。
「はい、じゃあお化けにはコアがあります、全てが甘い、あまぁ~い飴玉なのですよ! どうですか? 飴玉の素、怖いですか? 怖くなんかありませんよね?」
「ううっ……お化け、甘い、怖いけど甘いけど……怖くありません!」
何だコレ? 思いのほか簡単にいきそうだ、基本馬鹿だから幻術にも掛かり易いのであろうか?
それともサリナの術が異常なのか? 昔テレビでやっていた催眠術みたいだ。
「ご主人様、お化けのコアは飴玉で、あのもやっとした体は綿菓子だったんですね! 今まで怖がって損をしていました」
サリナが言ったのはコアが飴玉だけだと思うのだが、なぜか勝手な妄想で余計な要素まで追加されてしまったようである。
「サリナ、これならいけそうだな! で、どのぐらいに時間この状態を保つことが出来るんだ?」
「時間はいくらでも大丈夫です、ただ、今はここで幻術を掛けているだけですので、実際にお化けに遭遇したときにどうなるかはわかりません……」
「つまり、本来ある恐怖の方が幻術に勝ってしまうようなことも考えられるわけか」
「そういうことになります、幻術の強度を上げれば保つかも知れませんが、そうすると最悪ルビアさんが壊れてしまいます」
どうやったらこれ以上壊れて、その結果どうなるというのだろうか? 甚だ疑問である。
だが少なくとも全損だけは避けたい、今でさえなかなかアレなのに、本当に全く使えなくなったら困るからな。
「じゃあ、一旦ルビアを元に戻してくれ」
サリナはルビアの頬を連続でビンタして正気に戻した。
幻術を掛けるのは超技術だが、元に戻すときはイマイチなのである。
結局ミラには『お化けは非常に価値の高い上等な品で、高く売れる』、カレンには『お化けを倒すことこそが強者であることの証』、ジェシカには『お化けに臆さない騎士は高い信頼を勝ち取ることができる』、と思い込ませて戦わせることとした。
上手くいくかは不明であるが、何もしないよりは遥かに良いであろう、このサリナの案は採用とする。
サリナにはご褒美として今日の夕飯でおかず一品を追加することとなった。
夕方、呼んでいたシルビアさんがやって来る。
「勇者様、今日はどうしたのかしら? またルビアが何かしでかしたの?」
「いえ、まぁいつも色々とやらかしてはいるんですが、今日はちょっと別件でして」
シルビアさんにルビアのお化け嫌いとその克服についての話をすると、突然態度が変わった……
「ごめんんさいね、勇者様、そういえば今日はちょっと忙しいんだったわ、また今度ね」
「そうですか、こちらとしては明日とか、明後日とかでも大丈夫ですが、どうしましょうか?」
「明日も明後日も、それから明々後日以降もずっとずっと忙しいのよ、あ~忙しい忙しいっ!」
「いつなら大丈夫なんですか……」
「そうね……そのゆうれい魔将とやらを滅ぼした後ぐらいなら何とか出来るわよ、じゃあ今日はそういうことで、またね~っ!」
シルビアさんもお化けが怖いのである、これはもう間違いない事実だ。
逃げるようにして帰って行ってしまった、しかも半べそである。
この感じだとシルビアさんの娘であるルビアにお化け嫌いを克服しろなどと言っても無駄であろう。
「なぁルビア、シルビアさんってやっぱり怖がり?」
「はい、昔から私よりもお化けが苦手でしたね、夜1人でトイレに行けなくて付いて行ったことがあります」
「今は私もここですし、お父さんも仕事の関係で別の町に居ますから、夜は毎日部屋で震えていると思いますよ」
あまりにもかわいそうだ、たまに飲み会などで呼んで勇者ハウスに泊まって貰うこととしよう、そのときはルビアと同室にしてやればゆっくり寝られるであろう。
※※※
「さてサリナ、一品追加は何が良い?」
「じゃあミートパイを追加してください、あまり大きいのでなくて良いですから」
幻術を使う案が採用され、夕飯のおかずが増えたサリナ。
他のメンバーは全員それを羨ましそうに眺めている、別に王女のマリエルなんかは好きなときに、好きなものを食べることが出来るはずである、しかし、こういう『○○さんだけ特別に』という状況には反応してしまうのであろう。
人間の悲しい性である、そしてこれを利用した詐欺が絶えない原因でもあるといえよう。
「ご主人様、ご褒美も嬉しいですが、そろそろ私と姉さまの洗濯ばさみも取って頂けますか?」
「すまんすまん、すっかり忘れていたよ、もうお前らは尻尾の先に洗濯ばさみが付いているのが普通みたいになっているからな」
尻尾の挟んだ洗濯ばさみを取ってやる、外すときが一番痛いそうな、ブツブツ文句を言いながら、2人してお互いの尻尾の先を手に持ち、フーフーやっている。
「しかしお前らは今回の幽霊退治では中心的な役回りだからな、取り憑かれている人間が判別できるのもユリナとサリナだけみたいだし、ちょっとは真面目に頑張ってくれよな」
「あら、まるで私達がふざけていたみたいな言い方ですわね、ずっと真面目にやっていたのに」
「今日の午前中のことを忘れてしまったのか? もう一度洗濯ばさみを付けたら思い出すかも知れんな、今度は強力タイプを用意しよう」
2人は残像を残して消えた、素早く床に土下座したようだ。
尻尾をくるくる巻いているのは降伏のポーズらしい。
「そうだ、ユリナちゃん、サリナちゃん、一度王宮の方へ来ていただけませんか? 霊に取り憑かれていないか判別して欲しい人が何人か居るんです」
「おいおいマリエル、あそこの連中がどうかしてるのは憑依じゃなくて生まれつきだ、諦めてやれ」
「いえ勇者様、調べたいのは王国の人間ではありません、最近プルン聖国から送られてきた女神関係の担当者です」
「なるほど、ここに来て聖国か、それはちょっとどころかかなり引っ掛かるな、ユリナ、サリナ、行ってやれ」
「とは言ってもですね、私達は悪魔ですのよ、そんな聖なる連中と顔を合わせたら最後、原則どちらかが倒れるまで……」
「その点に関しては大丈夫だ、聖国の連中もこの間の帝国の件は知っているはずだ、そこで捕獲した悪魔を見て欲しいといってお前らを引き出し、こっちが逆に色々と見てやれば良いのさ」
「それは良い案ですわね、私達は捕まった振りをしておけば良いわけですわね」
「姉さま、私達捕まった振りどころか実際に捕まってペットにされているような気が……」
適当に提案してみた作戦が良い案認定された、ではそれでいくこととしよう。
おそらくその聖国から来たなんとやらはゆうれい魔将レーコに何らかのかかわりがあると見て良さそうだ、流れ的にな。
「よし、じゃあ明日は俺とマリエルでこの2人を連れて王宮へ行く、上手く誤魔化してその聖国の奴の実態を見るんだ、何か憑いてたら幽霊の件と関係アリと見て良いだろう」
ちなみにお化け怖い組の4人は、現在王都で公演を行っている『首塚劇団』の怖い劇を見に行かせることとなった。
この劇団の公演は非常に怖いと有名で、観客席は全て漏らしても大丈夫な仕組みに改造されているという。
特にミラが許しを乞うてきたものの、無視して客席を予約しておいた、監視として同行するセラの分も含めて5席だ。
明日の予定立ても終わり、風呂でリリィを抱っこしながら今後のことを話し合う、ちなみにカレンはジェシカに取られた。
「精霊様はもちろん幽霊が見えているんだろうけど、攻撃はちゃんと当たるんだよな?」
「もちろん当たるわよ、しかも私は幽霊を食べることだってできるわ」
「食べる?」
「うん、吸収するのよ、力を取り込んで自分のモノにしてしまうの、幽霊タイプの魔族は臭いから無理だけどね」
「じゃあ人間の怨霊ぐらいならバァーッと吸い込んだり出来るんだな?」
「当然よ、しかも精霊の中でお腹一杯の直前まで吸引力が変わらないのは私ただ1人よ」
これは使えそうだ、吸引力の変わらないただ一つの精霊様の力で怨霊タイプの敵を吸い込み、その他の魔族タイプはリリィのブレスやユリナの魔法で消滅させよう。
残った強力な奴らをサリナのやべぇ幻術でハイになったカレン達で仕留めれば良い。
この先何か追加的な要素が出て来ない限り、幽霊退治はこの方針でいくとしよう……




