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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第九章 怨霊軍団との戦
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44 心霊スポット遠足

「イヤです! 絶対に行きたくありませんっ!」


翌朝、青い顔をしながらも付いて来たのはミラだけであった、既に活きる事を諦めた表情である。

ジェシカは抵抗したが、カレンに諭されて言うことを聞いた、一応縛ってある。

問題はルビアだ、断固拒否の姿勢である、引っ張ってもビクともしない、こんなに力が強いはずはないのだが?


心霊スポットに行くというだけでこれである、幽霊の魔将と戦うことなど到底出来そうにない。

埒が明かないのでサリナの幻術で騙し、お菓子のお家へ行くということにしておいた。


「ご主人様、コレを持って行ってあげてください」


カレンが渡してきた袋の中には全員分の換えパンツが沢山、精霊様が昨日のうちに用意してくれたようだ、社の前に供物として酒を置いておいた、まだ寝てるのか……



「ご主人様! 早く、早くお菓子のお家へ行きましょう!」


幻術に騙された哀れな女が先に行ってしまう、ミラの手を引いてそれを追いかける。

ジェシカはユリナとサリナが2人で引っ張っている、足取りは重いようだ。


「じゃあ行って来る、マリエル、本当に出るんだろうな?」


「間違いありません、確実です!」


「もし出なかったら次はお前を脅かし役として1人で放置する!」


「ひぃぃぃっ!」


マリエルのあの反応を見る限り、相当ヤバいスポットなのであろう、だがこちらにはユリナとサリナが居る、万が一ということすらも無いであろう。

リリィも戦えるので連れて行きたかったが、真剣に興味が無い、お化けは肉がないから食べられないなどとわけのわからないことを言っていた。


目的の心霊スポット『旧処刑場』は、思いのほか近かった……



※※※



『心霊注意』

『無断で立ち入って憑依された場合、国では一切責任を負いません』

『除霊のご用命は王都超常現象研究会まで』

『大魔導師セラ参上!』

『ファッキン総務大臣!!』


入り口の壁には注意喚起の看板と、それから大量の落書き。

どっかの馬鹿が遊びに来ていたようだがたぶん知らない人だ、駄王の字で書かれた落書きもあるが、たぶん知らない人だ。


「ミラ、ジェシカ、覚悟は良いな? サリナ、ルビアを縛ってから幻術を解け」


正気に戻ったルビアは観念したようだ、既に逃げることも出来ず、ただ引き摺られていく他ないことを悟ったようである。


中に入る、真っ暗で何も見えないため、持参したランプをありったけ使う、燃料が無くなったらユリナの火魔法で何とかしよう。




「早速居ましたわよ! これは魔族ではなく人間の怨霊ですわね」


ユリナが指を差した方向を良く見るが、何も居ない……

だが3人は早速おもらし、ジェシカは失神している、やはり俺はセンスが無いようだ。



「ユリナ、それは放っておいて大丈夫な奴なのか?」


「ええ、人間の霊ごときなら大丈夫ですわ、私やサリナの方がそういう力が強いですから、襲ってくることは絶対にありません」


「もしこの3人や俺だけだったら?」


「もう終わっていましたわね……特にご主人様は弱いようですので、すぐに取り殺されてしまいますわ」


危ない危ない、アドバイザーを連れて来て良かったぜ! 見えない敵に攻撃されてエンドとか笑えないからな。



「おい、3人共大丈夫だってよ、だから落ち着け、あとジェシカを起こせ、それからルビア、おもらししてるのに体を寄せるな!」


全くしょうがない連中である、早く克服して頂かないと勇者業に支障が出るのだが。


歩いていった先で索敵に反応がある、階段の下か、つまりただの幽霊ではなく魔族が居るということだな。

階段を下りた途端、またジェシカが失神した、毒ガス検知のカナリヤみたいな奴だ。

もちろん俺には何も見えないが、ミラとルビアは震えているし、ユリナ達は笑っている。


「こんな所に中級魔族が居るなんて珍しいですわね」

「これもご主人様には見えないタイプのようですね、そこ、そこです、棒で突いてみて下さい」


サリナが指差した空間を聖棒で突く、バチッっと電撃のようなものが走り、次の瞬間にはユリナの魔法が俺の目の前で弾ける……


「危なかったですわ、一撃で死なないとは思いませんでした」


「つまり、こっちに向かって来ていたということか?」


「ええ、もっとも単なる魔族の攻撃ですわ、ご主人様が受けてもたいした怪我はしないと思います」


それでもダメージを受けるのは事実だろうが!

とんでもないことをさせてくれたな、次からは何もしないでおこう。

討伐はユリナとサリナの2人に任せることとした。


そして、索敵ではもう1つ、ここから2つ下のフロアに巨大な反応がある、この施設の一番奥だ、それがここの親玉であろう。


その後も何度か幽霊に遭遇したようだが、元々のセンスを経験で覆すことは出来ないらしい、全く何も見えていないのは俺だけである。



しばらく探索すると、職員用の休憩室らしきところを見つけた。

そこで一旦休むこととする、処刑場というだけあって返り血を浴びたりするのであろう、休憩室には洗い場が設置されていた。


「3人共ここで服を洗え、ユリナ、魔法で水を出してやってくれ、スカートやズボンもしっかり洗うんだぞ」


俺は荷物から木のコップを出し、全力フルバーストの水魔法で飲み水を出す、全員分にはわずかに足りないようだ……

ちなみに明かりを全部点けた、明るくなったのでここには霊が寄って来ないそうだ。


「勇者様、もう帰りましょう、水も飲んだし、また漏らしてしまいます……」


「ダメだ、一番奥まで行くぞ、まだパンツの換えは十分にあるからな」


一番奥には何かが居るのだ、それを確認しないで帰るという手はない。

ようやくパンツを洗い終わったルビアに新しい物を支給してやり、少し休憩する。



「ご主人様、申し訳ありません、怯えて抵抗したうえにおもらしまで……」


「そうだな、ルビアとジェシカはここに並べ、目に物を見せてくれるわ」

「で、ミラはどうする? セラに醜態を報告しておくか?」


「私もここで罰を受けます、並べば良いですか?」


3人が俺の前に後ろを向いて並んだ、全員パンツ丸出しである。

順番に尻を思い切り抓ってやる、ルビアとジェシカは行くときに逆らったから両手で喰らわせた。

もちろん、喜んだだけであったが……ミラもお仕置き耐性が出来ていて効果が薄いようだ。

3人共帰ったら1時間は正座させよう。



しばらくして休憩を終え、徐々に施設の最深部まで進んで行く、一番下のフロアは処刑が出来そうな部屋がいくつもあった。

俺には全く見えないが、首のない怨霊がかなりの数居るという、処刑されたんでしょうけれど、もし自分が悪い事したのなら恨まず成仏しなさいよ……


「見てサリナ、妖怪が居るわよ!」

「本当ね、じゃあここにはあいつが居るかも知れないわ」


なぜか俺にも見えているのだが、幽霊は見えないけど妖怪なら見えるのか? よくわからん。

対象に敵意はないようで、ジリジリと後ずさり、逃げようとしている。

とはいえ、魔族らしいし見た目もアレな奴だったので殺しておいた。


「サリナ、今言っていた『あいつ』ってのについて教えてくれ」


「はい、魔将補佐の1人で、何か気持ちの悪い妖怪です、ご主人様にも見えるし、物理も有効なはずですよ、ちなみに私はいじめられていたので会いたくありませんが……」


「じゃあ後ろで内股気味になっているミラも、意識不明のジェシカも戦えるということだな?」


「そうなりますね、2人に戦う意思があれば、ですが」


「良かったなミラ、お前にも戦わせてやれるぞ、とりあえずジェシカを起こせ」


「ひぃぃぃっ! もう勘弁してください!」


ルビアはさっきから一言も発せず、俺に抱きついて離れようとしない、実に柔らかい!

ミラが揺すっていたジェシカが目を覚ました、妖怪と戦わされるということを聞くと、もう一度失神した。


少し広めの部屋があったため、ジェシカが落ち着くまでそこで休憩する運びとなった、休憩ばっかじゃねぇか……

しかし何なんだここは? 入り口に書いてあったが、処刑観覧待機室とか悪趣味だな、広場での公開処刑を始める前はこんな所にギャラリーを呼んで処刑していたのか。


壁には肖像画を掲げる枠があり、下には『本日の処刑マスター』と記載されていた。

本日のシェフみたいに言ってんじゃないよ、本当に不快だな。



「ご主人様、よくよく考えてみれば、もしここを仕切っているのが妖怪だとしたらちょっと危険かも知れません」


「どうして?」


「妖怪は魔法が効き辛いんですよ、全く効かないという訳ではありませんが、姉さまの魔法でも倒しきれるかどうか…」


「マジかっ! 困ったな、ミラとジェシカは使い物にならないし、もし俺1人で殺れそうもなかったらすぐに逃げよう!」


「ええ、そうしましょう」


これは厄介だ、やはりカレンかマーサを連れて来るべきだったかも知れないな。

もしダメならさっさと逃走して、次はフルメンバーで再挑戦しよう、そうすれば楽勝だ。


3人で作戦を立て、嫌がる残り3人を引っ張って最奥へ向かう、あった、ここが一番奥の部屋だ。

壁には『処刑ホール』と書かれ、立派な扉が閉まっている、貴族が道楽で処刑を見に来たときには、この扉から中へ入るのであろう。


意を決して扉を開ける、全員が中に入ると、急に扉が閉まって明かりが点いた……

ヤバい、これは流れ的にボスを倒すまで出られない奴だ!


明るくなった中央のステージには何者かが居る、処刑怪人ギロティーヌという名前らしい。

ギロチンから4本の足と2本の腕が生え、その周りを女性の首が飛び回っている。

ギロチンと首、どちらが本体なのであろうか? というか妖怪なのか怪人なのかはっきりして頂きたい。


「やっぱりあいつだ……凄く嫌いなんですよ、意地悪だし」

「ちょっと、ギロティーヌさんっ! またサリナをいじめたらただではおきませんわよ!」


この変な奴は魔将補佐、サリナと同格だ、だが魔法が効き辛く、幻術に惑わされることもないため、魔王軍内でサリナに横柄な態度をとっていたそうだ。

同じ魔法系のユリナにも逆らい、戦闘力の無いマトンもコイツにいじめられていたらしい。

逆に力の強いマーサにはへこへこしていたとか、どうしようもないクズである。


「よし、とりあえず戦うぞ! ジェシカ、しっかりしろ! あれっ、ミラは?」


「ミラさんならあそこですわよ、ルビアちゃんも一緒に」


ミラとルビアは開かなくなった出入り口の扉に縋り付いていた、戦意喪失ということだ。

ジェシカの背中を叩いてみるが、膝が笑って立ち上がることが出来ないようだ。

何やってんだ? 騎士はどこへ行ってしまったのだ?



こちらが馬鹿なことをやっている間に、ギロティーヌはジェシカに向けて魔法を飛ばしてきた。

刃のような灰色の何かで、セラの攻撃魔法によく似ている。

スピードはそこまででもなかったため、俺が叩き落とした、ジェシカはまだ震えている。


飛び上がったユリナが魔法を放って反撃するが、あまり効果は無いようだ、ギロチンの柱に少し傷が入った程度である。


「ご主人様、あいつはあのギロチンから力を得て首を飛ばしています、ギロチンを破壊すればかなり弱くなるはずですよ!」


そう言われても俺は次々飛んでくる魔法を撃ち落すので手一杯である。

普段こういう役回りの2人は、一方は横でへっぴり腰、もう一方に至っては遂に念仏を唱え始めた。


こちらが弱いと感じて調子に乗ったのか、飛んでいた首がジェシカの目の前に急接近する、驚かすつもりらしい。


「あぁああぁぁっ! くぅるなぁぁっ!!」


絶叫しながら出鱈目に剣を振り回すジェシカ、だから騎士はどこへ行ってしまったんだ?


当然首は全てを回避する……

今何か当たったような感じがしなかったか?

何も見えない空中で、ジェシカの剣が何かに引っ掛かったような、そんな感じがあった。


ギロチンの周りに戻って魔法を連発してくるギロティーヌ、それに対応しながらサリナに聞く。


「あいつってさ、本当に首だけなの?」


「本人はそう主張しているんですが、絶対に体があります、幻術の感じがするんですよ、あいつの首から……」


「それを打ち消せるか?」


「短時間なら無効化できると思いますが、こちらのやることはあまり効き目がありません、すぐにまた首だけになると思いますよ」


「それでも良い、俺がジェシカを呼んで、あいつに注目させたときに打ち消してくれ!」


「わかりました!」


相変わらずユリナの魔法は効きが悪い、攻撃を止めさせて防御に参加させよう。


「ユリナ、こっちで防御を手伝ってくれ、攻撃にはちょっと考えがあるんだ」


「良いですわよ、あまりにも効かないので自信をなくすところでしたわ」


「よし、じゃあやるぞっ! おいジェシカ!ちょっとあいつを良く見ろ、ギロチンじゃない首だ!」


ジェシカの顔を掴み、無理矢理飛んでいる首の方に向かせる、その瞬間、ユリナの力で奴の幻術がかき消される。

普通に体があるじゃないか、ドレスを着た女性が飛んでいるだけである。

ギロティーヌは舌打ちし、もう一度体を消した……


「ほらジェシカ、全然怖くないだろ? 騙してるだけなんだ、ただ単に怖い見た目になっているだけなの」


「あ…あぁ、本当だ、人型の奴が首だけに化けているだけなのだな、主殿、私でも戦えそうだ!」


「よし、行けっ!」


飛んでいる首の、胴体があった部分に切りかかるジェシカ、手応えはあるようだ。

だがギロティーヌは切られると苦悶の表情を見せるものの、すぐに真顔に戻って魔法を飛ばしてくる。


「ジェシカ、そっちじゃなくてギロチンの方を攻撃してみろ!」


その言葉に振り向いたのはジェシカだけでなくギロティーヌもであった。

肯いて攻撃対象を変えるジェシカ、慌ててそれを追いかける首。


タッチの差でジェシカの方が早かった、ギロチンの柱は片方が折れ、刃の重みに耐え切れずに倒れてしまった。

ギロティーヌの幻術は完全に解け、体が現れる。

同時に飛べなくなったようでもある、力なく地面に崩れ落ちた。


『ま…まぁ何てこと、皆さんお強いようですね、では、今日はそろそろ帰らないといけませんので』


「どこへ行くつもりだ? 地獄なら俺が送ってやるよ」


『いやぁ、私の家は地獄とは反対方向なんです、残念ですが送って頂かなくて結構ですから』


「そうか、だが今日はもう遅い、うちの地下牢に泊まっていくが良い、サリナ、縛り上げろ!」


もうほとんど力は無いようだが、一応魔力を奪う腕輪を嵌めておいた、そのうえで縛って連れて行く。

次いで放心状態のミラとルビアに拳骨を喰らわせ、正気に戻す。


「お前ら帰ったら覚悟しておけよ! ジェシカは最後戦ったから軽くで済ませるが、ミラとルビアは痛い目に遭わせてやる!」


「ご主人様、ギロティーヌの奴は殺さないのですか? 殺るなら私がしたいのですが……」


「待て、拷問して知っている情報を全て吐かせてからだ、それにマトンもいじめられていてんだろう、鬱憤を晴らさせてやらないとな」


『お…おゆるしをぉ~』


3人にはまだ湿っているスカートとズボンを掃かせ、屋敷に戻った。



※※※



「お前らは先に汚れ物を洗って風呂に入っていろ、俺はコイツを地下牢に放り込む」


「おかえり~、あら、心霊スポットやらにギロティーヌが居たのね、コイツ、マトンをいじめて! このっ! このっ!」


マーサはかなりの力でギロティーヌにビンタし始めた、今殺してしまわないよう注意して欲しい。

食べ物はやらなくても平気とのことなので、そのままぶち込んでおいた。

明日拷問で痛めつけた後、サリナと、それからマトンも呼んで2人でどう処分するか決めると伝えてある。

陰湿な奴みたいだし、死刑で構わないだろう。


「皆、夕飯を食べたら風呂に入ろうか、その前に今日の報告がある、3人は先に入っているから早めにしてやろう」


出来合いのもので夕食を済ませる、ジェシカにだけは後で食べさせてやろう、ミラとルビアは飯抜きだ。

風呂に向かうと、既に3人は正座で待機していた。


「え~、皆さん、残念なお知らせです、この中の2人が魔将補佐を前に敵前逃亡を図りました」


「あら~っ! それは大変だぁ~! 誰ですかぁ~?」


決めてあったセラの台詞が棒読みすぎて辛い、先程今日の心霊スポット遠足での醜態は全員に伝えてある。


「ごめんなさい」

「申し訳ありませんでした」

「私も最初は腰が抜けていた、謝罪しよう」


「まずそんなところに居たら風邪を引く、湯船に入って来い」


神妙な感じで入ってくる3人、ミラはセラのところへ、ジェシカはカレン、そしてルビアはこっちへ来た。

先程もしたように尻を抓っておく、見えはしないが、表情から察するに他の2人も同じことをされているはずだ。


「ます3人共極刑は確定で良いわね、そのあとミラとルビアちゃんには何か追加しないとだわ」

「セラさん、鞭で追撃するなんてのはどうでしょう?」

「良いわね、そのまま鞭打ちの刑よ!」


「3人共それで良いか? 特にミラとルビア」


3人が肯いたのでそれで確定となった、もう少し温まってから風呂を上がって処刑することとしよう。

途中、セラがミラとルビアのトレードを申し出てきたので交換する。

さらにはミラとジェシカを交換したりもした、3人の柔らかい肌を抓ることが出来、俺は既に満足しそうだ……




風呂上り、精霊様が3人に着せる受刑者専用のボロ服とやらを渡してきた。

カレンやルビアが最初に着ていたのと同じもののようだ、こんなものを着せて町中を歩いていたのかと思うとちょっと気まずい……


「じゃあまずは罪の軽いジェシカから、その後はルビア、ミラの順だ」


「では主殿、お願いしよう」


なんだその態度は、試合開始とかカッコイイ何かではないのですが?


3人を順番に始末していき、ジェシカは解放した。

残りはセラと精霊様がやりたいと言ったので、俺は手が空いてしまった。


「そうだ精霊様、そのボロ服をもう一着くれないか?」


「良いわよ、はいコレ」


ボロを受け取るとサリナの手を引っ張って地下牢へ向かう。



「おい、貴様の死に装束だ、今すぐそれに着替えろ」


『ごめんなさい、お許しを、お許しを……』


「早くしないと今捻りつぶすぞ!」


慌てて着替えるギロティーヌ、サリナはそれを見て、指を差して笑っていた。

いつもいじめていた相手にこのような姿を見られ、笑われるのは屈辱であろう。

しかも明日は全ての情報を吐かされ、処刑されるのである。


部屋に戻るとこっちの処刑は完了していた、罪人達はそれぞれの部屋で朝まで正座することとし、解散する。

明日も忙しくなりそうだ……

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