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出遅れた勇者は聖剣を貰えなかったけれど異世界を満喫する  作者: 魔王軍幹部補佐
第十五章 村へ
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441 採集を終えると

「おっと、やっぱりノロマだな、これじゃその辺のクソみてぇな魔物でも捕まえられないぞ」


「どうかしらね? 魔物は無理でも、足の遅い人族の子どもとかなら……」


「おい精霊様、恐いこと言うんじゃないよっ!」



 明らかに俺達を獲物とみなしているゴーレム、精霊様が言いたいのは、コイツが人族の子どもを攫ってムッシャムッシャと貪り喰っている、そういうことなのであろう。


 もちろん俺達にとってはとんでもない雑魚なのだが、戦闘経験のない一般人にとっては脅威以外の何者でもないこのゴーレム。


 おそらくこの付近で時折出没するオークだの何だのというありふれた森の魔物よりも遥かに強い、道楽でオーパーツ探しに来ている連中の護衛を勤める冒険者や傭兵と同格かそれを少し上回る程度だ。


 まぁ、それはゴーレムの動きにあまりにもスピード感がないゆえのことであって、もし舐めプをしていて一撃を貰えば、俺達でも絆創膏が必要になるレベルの重傷、その辺の兵士や何やらなら即死であろう。


 そんな危険な存在が、まるで動くものなら何でも餌だと思ってしまうカマキリか何かの如く、明らかな『人間』である俺達を狙い、攻撃を仕掛けているのである。


 夜中しか動かないとはいえ、コイツはこの森の中で野営している人々に危害を加えたりしていないのか?


 いや、森に来ているのはまともな連中だし、オーパーツ探しから直で野営ではなく、森から抜けた場所にあるまともで安全な、オートキャンプ場のようなところを使っているに違いない。


 もっとも、彼らの乗り物は『Auto』ではなく『馬車』なのであるが、果たしてこの付近まで馬車で接近出来るルートがあるのか? その辺りは疑問だ。



「それで勇者様、結局このゴーレムはどう処理するの? 壊しちゃったら村へ戻ることがなくなっちゃうし、このままだと無限に襲ってくるわよ」


「じゃあ話し合いで解決を……」


「……出来るわけないでしょうに、そもそも話せないんじゃないかしら?」



 それは全てセラの言う通りである、この凶暴なゴーレムに言語機能が搭載されているとも思えないし、搭載されていたとしてもこちらの意見は聞き入れて貰えないはずだ。


 考えてもみて欲しい、釣り上げた魚から話し合いでの解決を持ちかけられたらどうすべきかを。

 答えは簡単だ、ナイフで鰓をザクッとやって血抜きする、それが美味しく食べるための基本なのだから。


 ということで、ピチピチと跳ね回る獲物を目の前にしたこのゴーレムも、それとの対話よりも早く取り押さえ、ササッとに捌いて口に入れることを優先するはず。


 つまり、たとえお互いに会話が通じるだけの知能を持ち合わせていたとしても、その立場が間逆である以上、話し合いに寄っての解決は困難であるということ、これは俺と魔王との関係でも同じことが言えそうだ。


 でだ、このゴーレムによる無限の攻撃を切り抜け、さらにそれを破壊することもなく、仙人によって隠蔽されたと見られるヨエー村への入口を開かせる、そのためにどうすべきなのかを考えなくてはならない。



「う~ん、誰か良い案がないか? 俺達が喰われずにコイツを満足させて、村へ帰らせる方法だ」


「ご主人様、私に妙案がありますのっ!」


「おうユリナ、何でも良いから言ってみるんだ」


「近くの野営スポットから人族の子どもを攫って来て、コイツに喰わせてやれば解決ですわっ!」


「凶悪犯罪じゃねぇかっ!?」



 ユリナの案は法律上当然に却下された、とはいえ『何か食糧のようなものを与える、特に肉系のモノ』という点は考慮せざるを得ない。


 もちろんその対象が『人族の子ども』などという存在であってはならないのだが、かといって俺達の貴重な食糧を、こんな得体の知れない肉食ゴーレムにくれてやるのも惜しくて敵わない。


 となると何らかのかたちでその餌となる肉を確保しなくてはならない、そういうことになる。

 幸いにもここは森の中、数は少ないようだが魔物や野獣ぐらい、少し探せば見つかるはず。



「よしっ! 俺とカレンで何か肉食ゴーレムでも喰えそうな生物を探しに行くっ! 皆はその間コイツと遊んでいてくれっ!」


「ご主人様、自分の分も捕まえて良いですか?」


「後にしなさいそういうのはっ! ほら行くぞっ!」


「わうぅ……」



 食い意地の張ったカレンの手を引っ張り、とりあえずゴーレムの勢力圏から離脱する。

 さらにその巨大な足と、地面とのぶつかる音が届きにくい位置まで移動、何か生物が居ないかをサーチし始めた……



「どうだカレン、何か居そうか?」


「むむむむっ……まだあのゴーレムさんの戦う音が邪魔ですね……でも向こうの方に何か居て……臭いが……あっ、たぶん丸々太ったオークの集団です、5体も居ますよ」


「うむ、でかしたぞ、じゃあ早速そのオークの一団を襲撃して、全部ブチ殺して肉だけ頂くとしよう」


「でもご主人様、そんな大きなものどうやって運ぶんですか? 腕が沢山ないと持ち切れませんよ……」


「いや、どうして全部持って帰るノリなんだよ……まぁ良いか、ここで俺のスーパーパワーを見せてやろう、例の力でオークの死骸を運搬するんだ」



 俺の中に存在が確認された、変態仙人と同じ不思議な力である神通力(仮)、そのスペシャルな力の用途として、オークの死骸運搬というのは限りなくショボい。


 だが、おそらく手に入れた肉を持ち帰らずに放置するとなると、カレンはその場で駄々を捏ねて動かなくなるはず。


 そうなると実に面倒だし、無理やり連れ帰ったところで拗ねてしまい、次の食事を経過するまでは不機嫌になってしまうということが容易に想像出来る。


 ということで、メンバーの転移に引き続き、俺の力はそこで発揮されることが決まった。

 カレンの指示通りに森を進んで行くと、すぐにブヒブヒと、実に不快な鳴き声が聞こえてくる。


 俺達の接近に気付いたようだ、キッチリ5匹薄汚いブタ共の反応が、俺の索敵に現れ……いや、もう1匹現れたではないか、カレンも気付かなかった、つまり動いてすらいなかった個体がそこに紛れ込んでいたのだ。


 しかも他のオークと比べて遥かに強力、おそらくこの森のぬしクラスの魔物である……



「カレン、豚野郎がもう1匹いるのがわかるか? ちょっと強めの個体だ」


「スンスン……う~ん、臭いはあまり変わらないんですよね、全然動いてないみたいだし……」



 俺達の接近を察知したことで、わりと大きな音を立てて周囲の警戒を始めた5匹のオーク。

 だが残りの1匹はまるで動こうとしない、まるで総大将の如く、5匹に囲まれて堂々と立っているようだ。



「どうしますか? その動いていない奴もやっつけるのは簡単だと思いますけど」


「う~ん、いや、その個体だけ残して他は殺してしまおうか、もしかしたら『喋るオーク』とか、『賢い長老オーク』とか、そんな感じの奴なのかも知れないからな、ヨエー村に関する情報源にならないとは限らないんだ」


「わかりました、じゃあ右側に居る3体は私が、ご主人様は残りの2体をお願いします」


「おう、まぁ俺には見えていないんだが、場所はわかるから良いか、それじゃ3……2……1、行くぞっ!」


「えぇぇぇぃっ!」



 飛び出し聖棒を一振り、ザクザクッと2つの手応え、ラッキーなことに一撃で担当の2匹を仕留めることが出来た、どちらも首をスパッといった感触だし、ゴーレムの餌にすら出来ない程の損傷ではないはずだ。


 カレンの方もあっさり3体を始末したようだし、ここで持参していたランプから、明かりを漏らさぬよう纏わせていた黒い布を取り払う。


 照らし出される5つの死にオーク、どれも首がなくなっているが、切り口が綺麗な3つがカレンの倒した奴か。

 そしてその死んだオークに囲まれ、オークのものとは思えない次元の良い槍を持った大き目の個体。


 と、その槍からパッと手を離し、地面に落としたではないか、しかも両手を挙げて降参している。

 知能は高いようだが情けない奴だ、だがとりあえずはこれで良い、次は会話が可能なのかを確かめてみよう……



「おいコラそこの豚野郎、俺の言葉がわかるか?」


『オレ……ニンゲンノコトバ……ワ……ワカリマセン……』


「わかってんじゃねぇかっ! お前アレか、そこに転がっているお仲間みたいになりたいのか?」


『ヒギィィィッ! スミマセンデシタッ! ホントウハコトバ、シッテイマス』



 なんとこのオーク、人間の言葉を理解している、まぁこれまでにもそういう豚野郎は存在していたし、特に驚くことではない、ちなみに豚野郎の中に俺は含まれないのである。


 とにかく会話が出来る以上、このオークをこの場で殺してしまうのはもったいない。


 この森、そしてヨエー村に関する情報を十分に引き出してから、ゴーレムの餌に……そうだ、既存の餌をコイツに解体させよう、そうすれば俺やカレンの綺麗なおててが汚れてしまうようなこともないからな。



「全く、だったら最初からそう答えやがれってんだ、と、それよりもお前に仕事をやる、そこの死体を解体して肉だけ削ぎ落とせ、5分以内に全部やれよ」


『ナ……ナカマヲ、ナカマノニクヲサバクノデスカ……』


「そうだよっ! 早くしないとお前も捌かれる側に回るんだが、どっちが良い?」


『……スミマセン、ヤリマス』



 喋るオークを脅迫し、つい先程まで自分を守っていたと思われる仲間だか部下だか、とにかくそういった存在のオークを捌かせる、ちなみに刃物はないので雑魚オークの槍をへし折ったもの使わせておいた。


 同族の死骸を解体していく気分はどうだと問い掛け、精神的に追い詰めてやりたいところであるが、そんなことをして発狂、またはヤケクソで向かって来られると面倒なので自制する。


 しかし普段から動物などを捌いて喰う習慣があるのか、わりと慣れた様子で骨と皮、肉を分離していく喋るオーク、若干泣いているようだがそこは無視だ、いやざまぁみやがれこの豚野郎が。



『ウゥッ、オ……オワリマシタ……オエェェッ……』


「吐いてんじゃないよ気持ち悪い奴だな、じゃあ食べられる部分だけまとめて、俺達の後ろについて来いっ!」


『アノ……コレカラドコヘ?』


「お前みたいな下等生物に質問する権利なんぞないんだよこの豚野郎がっ! 死にたくないと思うのなら黙って指示に従えこの豚野郎!」


「わーっ! この豚野郎! 豚野郎!」


「こらカレン、それは実に薄汚い言葉だからマネしないように」


「は~い、わかりました~っ!」


「よし、では戻るとしようか」



 荷物であるオークの肉は全て喋るオークに担がせ、未だにゴーレムの攻撃を回避し続けているであろう皆の下へと向かう、徐々に地響きが聞こえるようになってきた。


 しかしこのスタイルはちょうど良いな、この喋るオークも全ての情報を引き出す、または役立たずだと判断された後には、背中の肉ごとゴーレムの餌にしてしまうこととしよう。


 カモがネギ背負ってやって来た風に、オークがオーク肉背負ってやって来た、あの肉食ゴーレムからすればそんな風に感じるはずだ。


 歩いて行くとすぐに見えてくる戦闘の明かり、遠くから見てもゴーレムはノロマである、しかしノロマではあるものの未だ健在、疲れるということはないようである。


 すぐに戻らないと仲間達がかわいそうだ、肉も、そして万が一のときのための『活き餌』も手に入ったことだし、ここは少し急いでおこう……



 ※※※



「やぁ皆さん、お待たせして悪かったな」


「主殿、食糧になりそうな動物を狩って来るのではなかったのか? どうして豚野郎を配下に加えているのだ?」


「いや、コイツの仲間が肉になってくれたんだよ、自主的にな、あとコイツ、喋れるからさ、何か情報を引き出せないものかと思って」


「だからといって連れて来るのはどうかと……だが肉が手に入ったのだろう、早速それをゴーレムに」


「わかった、おい豚野郎、そこのゴーレムに肉だけ差し出すか、それか自分ごと逝くか、好きな方を選ばせてやる」


『ニ……ニク、ナカマノニクサシダス、モリノキョジンニ、ニクヲサシダス……』



 どうやらこの豚野郎も、噂になっていたという『森の巨人』という言葉を知っているようだ。

 人族の話を盗み聞きでもしたのか、それとも何か別の原因で覚えたのか、まぁそれはどうでも良い。


 しかしコイツどれだけゴーレムにビビッているというのだ? 背中の肉を急いで降ろし、ゴーレムの前においた豚野郎、そのままサッと逃げ、太い木の幹の裏に隠れ、ガタガタと震えている。


 ……と、今まで俺達を捕らえようと必死になっていたゴーレムが、豚野郎が地面に置いた肉へと視線を移す。


 そして当たり前のように拾い始めたではないか、手の甲がパカッと開き、その中に新鮮なオークの肉を収納していくゴーレム。


 地面の肉を全て拾ったところで、再びこちらへ、そして木の影の豚野郎へと順に目線をやるものの、もう襲い掛かってくるようなオーラは感じられない。



「何だろう、今ので満足したのかな?」


「ひぇぇぇっ、私の分の肉も取っておいて欲しかったですっ」


「我慢しろカレン、あんな臭くて硬くて不味いオークのクズ肉なんかよりも、帰りにホテルでA5万、いやA50万ランクの牛肉を食べさせて貰えば良いんだ」


「あ、ならオークの肉はどうでも良いです」



 単純明快な性格のカレンを納得させ、引き続きゴーレムを眺める……特に何もしてくる様子がないどころか、完全に停止してしまったようだ、食後の一休みとかそういう類の行動なのか?


 いや、そもそも腕の一部が開いて肉を収納しただけだ、それはこの間遭遇した食べられる植物を集めていたあの温厚なゴーレムと同じ、つまりコイツは肉を食べたわけではない。


 では一体肉を集めてどうするつもりなのであろうか? わざわざ危険な、それこそ勝ち目がないことぐらい単細胞生物でもわかりそうな次元の実力差がある俺達を襲ってまで、そこまでのリスクを取ってまで肉を集める意図が窺い知れないのだ。


 しかしそれをわかっていそうなのが約1名、いや1ブタ、連れて来た豚野郎のみが、ゴーレムの様子を見てホッとしたような顔、というか表情ではなく雰囲気で、木の影からひょっこり出て来たのである。


 その豚面のせいで表情から何かを読み取るのは難しいのだが、豚野郎の動き、呼吸、その他諸々の要素から、自分が助かった、もう安全だと思っていることは明白。


 コイツがどういう理由でそう感じているのか、せっかく喋ることが出来るのだし、ここで聞いてみない手はない……



「おい豚野郎、お前このゴーレムについて何か知っているな? だとしたら洗いざらい喋れ、超偉い俺様達が知らないことを、お前如き豚野郎の分際で、その気持ち悪いビジュアルの顔面の裏に収まっているゴミみたいな脳みそで知っているなど、余裕で万死に値するぞ、死にたくなかったら早く喋れ、ブチ殺すぞっ!」


『ヒッ! モ……モリノキョジン、オーク、オソウ、オークニクニシテニンゲンニタベサセル、ヨワイニンゲン、ニク、アトクサモモラワナイトイキテイケナイ……』


「ほう、ちなみにその人間はどこの人間だ? ヨエー村か、てかもう間違いなくそうだよな?」


『ニンゲン、モリノキョジンモドルサキニイル、イリグチミエナイ、オーク、ソコゼッタイニトオレナイ、ソコノニンゲンイガイモイリグチミツケラレナイ』


「それは察しが付いてんだよ、で、その入口はだれが設置したんだ? もちろん仙人だよな?」


『センニン……ツヨイ、シラナイチカラツカウトクベツナニンゲン、ソノナカデイチバンツヨイセンニン、ダイセンニン、オレ、ダイセンニンニツクラレタトクベツナオーク、ダイセンニンオレニイッタ、イデンシクミカエ……』


「いやお前遺伝子組み換え生物なのかよっ!?」



 もう何でもアリここに極まれりといった感じである、オーパーツもそうだが、この世界での凄いことはもっとこう、魔法じみたファンタジー要素全開のものばかりでないとダメなのだ。


 それが何だ、遺伝子組み換えだと? ここ、というかこの森と仙人、それは明らかにこの世界の通常とは異なる、どちらかというと俺の元居た、転移前の世界に近い文化を持った人間、そんな気がしなくもない。



「全く、お前が何なのかは良くわからんしわかりたいとも思わないが、このゴーレムはいつになったらその入口を通って村に帰るんだ?」


『モリノキョジン、ニクアツマルトトマル、アサマデニハウゴキダシテ、イリグチトオッテカエル』


「ふ~ん、じゃあこのまま待っていればそのうち動き出すのか、朝までってのは結構長いけどな……」



 そのままゴーレムが動き出すのを待ちつつ、豚野郎の身の上話を根掘り葉掘り聞いてやる座談会を開催する。


 カタコトの人語で非常にわかり辛いのだが、遺伝子組み換え豚野郎の存在そのものに興味が沸いてきたため、話を聞くことがそれほど苦にはならず、途中で殺してやろうと思うようなことも数回しかなかった。


 聞くと、豚野郎はヨエー村の裏山、もちろんこれも不思議な力によって隠蔽され、今見ているその山とは違う次元に存在するとのことだが、とにかくそこで魔改造されたらしい。


 目的は単純、この付近の森のオークをまとめ上げるためだ。

 どうしてその必要があるかというとこれも単純、ヨエー村に食肉を供給するためである。


 その食肉の刈り取り係が今目の前に居るこのゴーレム、おそらくコイツは肉担当で、小川の畔で植物を採取していたゴーレムは野菜担当。


 もちろん農耕などせず、付近に自生している植物ばかりを刈っていては、いずれ資源が枯渇してしまうことは明白だ。

 ゆえにあんなに遠くまで、ゴーレムを派遣し、この近辺の植生に与える影響を最小限に留めているということなのであろう。


 もちろん死んでも喰ってもすぐにワラワラを湧き出す魔物は別だ、ゆえにオーク狩りはこの近く、本来は村があるはずのこの地で行っていると推測可能である。


 大仙人め、ここまで色々と考えて何を企んでいるのだ、ヨエー村の人々の食糧? それではまるでその人々が家畜かペットのようではないか、もう完全に意図がわからない。


 だが、このゴーレムに付いて行けばその原因であるヨエー村、そして大仙人の本拠地にも襲撃を掛け、全てを知ることが出来る。


 それを期待しながら長い夜の終わりを待っていると、早朝の凍て付く空気と共に、遂にゴーレムが再起動した……

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